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断捨離していると、「捨てるのはちょっともったいないかも?」と感じて、捨てられないことがあります。
「もったいない」という気持ちがいちいちブレーキをかけて、先に進めないのです。
そのようなときは、ちょっと考え方を変えると、実はこのまま持ち続けているほうがもったいないことに気づきます。
以下のように考えてください。
1.もったいないって何がもったいないの?
「もったいない」と思ったら、いったい何がそんなにもったいないのか、考えてください。
私は子どもの頃、「りぼん」の付録のシール、レターセット、メモ帳なんかを、「使うのはもったいない」と思って、使わず何年もためこみました。
くさらない物も賞味期限を過ぎればガラクタ~もったいなくてシールが捨てられなかった愚か者の独白
大人になって、多少は知恵がついたはずなのに、ジャムやパスタソースの空き瓶を、「何かに使えるかも? 捨てるのはもったいないから取っておこう」と、たくさんキープしました。
私の場合は、せっかく集まったものを減らしてしまうのがもったいないと思っていたようです。
つまり、失うのが怖かったのです。
でも、シールやジャムの空き瓶を全捨てしたところで、何のダメージもありません。
使わずにためこんでいたということは、使う必要がなかったということです。それらのシールや空き瓶を使わなくても、私の人生はつつがなく進んでいたのです。
むしろ、処分してしまえば、使わない物をえんえんと持ち続ける気持ち悪さから解放されます。
いろいろな「もったいない」
人によっては、「新たに買うお金がもったいない」と思っているかもしれません。
手放すと、必要になったとき、お金を使わなくちゃいけない、そのお金がもったいない、という気持ちです。
あるいは、その不用品が手元にあることで、獲得できるかもしれないお金がもったいないと思っているかもしれません。
「時間ができたときに、メルカリで売れば(今は売るための行動は何もしない)、お小遣いになるのに、捨ててしまうとそのお金を手に入れることができないじゃないか!」という気持ちです。
お金ではなく特定の機会の損失を恐れている人もいるでしょう。
先日、ふだんは役立たずの品物なのに、何年かあとに何かに役立つと、至福を感じるというお便りをいただきましたが⇒捨てなくてよかった、と感じる時があり、それがとてもうれしいので片付けが進みません。
この方の場合は、「いつか感じることができるかもしれない幸福感」を失うことがもったいないから捨てないと言えるでしょう。
このように、一口に「もったいない」と言っても、その背後にはいろいろな感情があります。
何がもったいないのか、明らかにすれば、「う~ん、でもそれって本当にもったいないの?」とか、「もったいない気がしてるだけで、実はそうでもないな」という考え方ができます。
2.ふだんのお金の使い方に思いをはせる
「お金がもったいない」という気持ちがブレーキになる人は、ふだんのお金の使い方を振り返ってください。
「捨てるの、もったいないな~」と思う物の中には、高価な物もあるでしょう。
ですが、そこまで高くない物や、無料の物でも、「もったいない」と人は思います。
たとえば、3000円(値札には2990円とあります)のトップス、さんざん着倒して部屋着に回したレギンス、ただでもらったコスメのサンプル、景品の皿やタッパー、コンビニでもらった割り箸やスプーン、スーパーで買った惣菜の入っていたプラスチックの容器、ショップの袋、レジ袋。
不用品を捨てない人は、このような「金銭的価値がそこまでない物」ですら、お金がもったいない気がして捨てません。
この時、ふだんの買い物を振り返ってください。無駄な物をけっこう買って、もったいないお金の使い方をしているんじゃないでしょうか?
3000円ぐらいのトップスは、わりと気軽に買っているかもしれません。1着と言わず、2着、3着と。
文房具好きな人は、手帳、ペン、ノート、付箋など、家にいっぱいあるのに買いますが(昔の私)、1回の買い物で2000円~3000円いきませんか?
スタバのラテを購入するのに、400円~500円使って、月額にすると、コーヒーに6000円~9000円近く使っていませんか?
本当に、お金がもったいないと思うなら、こういう買い物を改めるほうが先です。
買い物には、お金をだだもれさせて、着ない服を捨てるのは、お金がもったいないと思うのは、自己矛盾もはなはだしいです。
本当に「お金がもったいない、もっと節約していきたい」と考えているのなら、不用になっている物はすべて捨てて、これまでの買い物を反省し、物が増えすぎてしまった生活を改めていくべきなのです。
3.メンタルコスト(気持ちの負担)を考える
お金はリソースの1つで、人は、ほかにもいろいろなリソースを持っています。
リソースの説明⇒私たちが持っているいろいろなリソース~たっぷりあるから、そんなに買わなくても大丈夫。
不用品が、時間、場所といった貴重なリソースを奪う話はすでに何回も書いていますが、今回は、メンタルコストがかかることに着目しましょう。
メンタルコストは、自分の意識が支払わなければならないコストです。メンタルコストを払うと、ストレスが増え、ハッピーな気分から遠ざかってしまいます。
不用品がたくさんキープすると、その代わりに、以下のコストを支払わねばなりません。
・「ああ、片付けなきゃ」という、焦燥感や、未完了のできごとがある気分の悪さ。
断捨離をして「未完了の問題」にきちっと片を付けろ~実録・親の家を片付ける(10)
・視覚的ノイズ(見た目のごちゃごちゃ)のせいで増えるストレス。
視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
・使いたい物をさっと取り出せないときや、探しているものが出てこないときのイライラや不安、緊張感。
・たくさんある物から1つを選ぶときに使う精神的エネルギー(朝の服選びに迷うときや、Netflixで次に何を見るか迷うとき、精神的に疲労します)。
・捨てられない自分に対する自己嫌悪
こうしたマイナス感情が多いと、毎日、楽しくないですよね? しかも、ストレスは身体によくありません。
不用品を捨ててしまえば、もうこうした代償を支払わなくてもすむのです。
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もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。
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今回は書きませんでしたが、この記事で書いたように⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
たとえ、高価な物であっても、それを手に入れるときに支払ったお金は、品物をそこに置いたままでは、何年たっても1円も回収できません。
全く回収できないだけでなく、維持にお金がかかります。
つまり、不用品をキープすることは、使わない物のために、毎日、少しずつお金を使うことなのです。
「私はお金を使ってないよ」とあなたは言うかもしれません。
でも、その状態のまま、何年もたつと、あるとき、必死になって断捨離をするか(時間、体力、精神的エネルギーを集中投下する)、業者にお金を払って、片付けることになります。
何も片付けずに、死んでしまうと、遺族が片付けなければなりません。
大量の遺品整理には思ったよりお金がかかることは、読者のお便りを読んでいればわかると思います。
お金の損得にこだわる人ほど、片付けを先延ばしせず、今日から、少しずつ不用品を捨てたほうがいいのです。