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断捨離中に、思わず口にしてしまう捨てない言い訳とその言い訳を乗り越える方法をお伝えしています。
今回の言い訳は、
せっかくここまで集めたんだから
です。
これまで何年も、コツコツと自分のお小遣い、時間、労力その他いろいろなリソースを使って(投資して)ここまで集めた本、マスキングテープ、人形、CD、アクセサリー、ヴィンテージな食器、バッグ、ジーンズ、ピアス、推しグッズ、その他のコレクション、今さら捨てるなんてもったいなさすぎる。
こう思う状況、ありますよね?
こんなとき、どうしたら捨てることができるでしょうか?
サンクコスト効果とは?
せっかくここまで集めたし、と思うとき、サンクコスト効果と呼ばれる心理になっています。
サンクコスト効果は、過去に注ぎ込んだリソース(コスト)を重要視することが、現在の意思決定に影響を与える傾向のことです。
「このコートは、全然着てないけど、すっごく高かったから捨てられない」と思うのも、サンクコスト効果の影響です。
サンクコスト効果(sunk cost effect)の sunk は sink(沈む、沈没する、没する)の過去分詞からできた形容詞で、「沈没した」という意味。
沈没したコスト、つまり回収不可能なコストにものすごくこだわるあまり、現在かかっているコストや、これから高い可能性で支払うであろうコストに考えが及びません。
過去に投資したお金や時間を取り戻したいと思うあまり、不用品を捨てないのです。
関連⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
では、サンクコストの影響を最小限にする方法をお伝えします。
現在に目を向ける
サンクコストの説明を読めばわかるように、「こんなにいっぱい集めたんだもの」と思っているとき、過去に意識が向いています。
過去にフォーカスしていて、今と現在の利便性や可能性については目をつぶっているわけです。過去のほうが大事で、今や未来はどうでもいい的な気持ちになっている、とも言えます。
そこで、意識的に今とちょっと先の未来について考えてください。
今に意識を向けるには?⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
よく人間は、過去のことを悔やみ、将来を心配することに忙しく、目の前にあることをないがしろにすると言われます。
想像力や時間の認識があるから、過去と未来に意識が向いてしまうのですが、いつも書いているように、自分でどうにかできるのは、今だけです。
どんなに過去のことを悔やんでも、今さらどうにもならないので、過去に思いをはせるのはほどほどにしましょう。
現在に目を向けるのは、コレクションのみならず、思い出の品の断捨離にも使える方法です。
現在に意識を向け、今実際にどんなことが起きているのか客観的に見てください。
かつては、好きで集めていたコレクション。でも今は、喜びより負担のほうが大きくはないですか?
コレクションを維持するために、時間、スペース、お金を無駄に使っていませんか?
その推しグッズを手放したとして、今日、また同じ価格で買いますか?
集めすぎたマスキングテープを捨てる3つの考え方。やめる勇気を持て。
今と過去の違いに目を向ける
昔は好きでたくさん集めたコレクションも、時間がたつうちに現在の状況に合わなくなることがあります。
今も昔も同じように好きなら、集め続ければいいですが、コレクションに対する熱量が変わってしまうのは普通のことです。
情熱や温度が下がったと思ったら、その現実を受け入れてください。
人も生活環境も時間とともに変わるから、何かをずっと同じ熱度で継続することはできません。
コレクションを始めた頃と、今の自分や生活環境の違いを考えてください。
全く同じではないはずです。
コレクションをとりまく環境が変わったら、手放しても問題ないのです。
コンプリートしなくてもいい(たっぷりあるマインド)
コレクターの中には、「コンプリートしたい」という強い欲望を持つ人がいます。
連続ものの漫画、ドラマ、ゲームはすべて所有したいとか、本は最初から最後まできっちり読まなければ気がすまないとか。
私もどちらかというと、「コンプリートしたい欲」が強いほうで、YouTubeで好きなチャンネルを見つけると、古い動画から順番に見たいと感じます。
しかし、コンプリート欲が強すぎると時間とエネルギーを無駄に使ってしまうことを知っているので、最新のものから、無理のないペースで、興味のある動画だけを視聴します。
時間とエネルギー、お金は有限なので、重要なものから順番に使うべきですが、コンプリート欲が強すぎると、この分配に失敗します。
「まだあれが揃っていない」と、ないものに意識が向き、無駄にあせりやストレスを感じるのも問題です。
コンプリート欲が強いなら、「全部なくても大丈夫」と思ってください。
メルカリでシリーズ本の漫画を売るときは全冊そろっている方が売りやすいでしょう。
しかしあなたは売り物にするために、物をコレクションしているわけではありません。
人生が豊かになるから、毎日が楽しくなるから、コレクションしているのですよね? その場合、すべてコンプリートする必要は全くありません。
足りないものに目を向けるのではなく、すでにもっているコレクションに目を向けましょう。
自分の友人ならどんなアドバイスをする?
あなたの大事な人や、仲のよい友人が、自分と同じ状況にいるとしたら、どんなアドバイスをするか、考えてみてください。
このブログでは、特定の物を捨てられなくて困っている読者のメールをよく紹介しています。
他の読者のメールを読むと、「なんでそんな物、持っているのかな? 私なら即捨てなのに」と思うことが多いでしょう。
これは、その悩みが他人事だからです。
他人の状況は客観的に見ることができますが、自分のことはそうはいきません。
ひとつひとつの物やコレクションに、強い感情を持っているからです。
その感情は本人にしかわからないし、そういう感情こそが、合理的な判断をする邪魔をしています。
サンクコスト効果のせいで、本、服、雑貨、推しグッズを捨てられないとき、実は、その物が大事だからではありません。
物はなくてもいいんです。
そこにあるのは心理的ニーズだけです。
過去の決断を失敗だと思いたくない、生活が変わったことを認めたくない、こんなコレクションをしてお金を無駄にしたことを認めたくない、変わりたくない、面倒なことを考えたくない、あとで後悔したくない。
いろいろな欲求があり、コレクションをキープしたほうが、その欲求を叶えられるから、捨てない決断をしています。
現在かかっているコスト・未来に費やすリソースを考える
たくさんのコレクションが、今の生活にどんな影響を与えているか、冷静に判断してみましょう。
ブレインダンプで書き出すのがおすすめ⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
仮にあなたが、特定の雑誌やムックを創刊号から毎号買っているとします。それぞれ、ざっと100冊ぐらい。
何種類か持っているので、400冊ぐらいあるとしましょう。
この場合、表紙をさわってときめき度を推し量る片付け方法もありますが、私はそういうあいまいなことはおすすめしません。
こうした雑誌がどれほどのスペースを取り、どれほどの視覚的ノイズとなっており、これからも買い続けたら、どれほどお金がかかるか冷静に見積もってください。
引っ越しするとしたら、どんな状況になるか?
雑誌1冊の重さをはかり、全体の重量を数字で出してみるのもいいでしょう。
その雑誌をこれからもずっと集めて、墓場まで持っていきたいのか?
コストをかけても、やはり集め続けたいなら、覚悟して集め続けてください。
関連記事:
せっかく集めたから捨てられない?コレクションを少しでも減らす10の方法
損切り精神が断捨離を加速する。さっさと損を確定して次へ行きたい。
■これまでに書いた記事
いらないのに捨てない言い訳をしている自分に気づいたらすべきこと(その1)。
収納する場所があるから、捨てなくてもいいんじゃない?~捨てない言い訳(その2)
人からもらった物だから~いらないのに捨てない言い訳(その4)
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コレクションを捨てられないときの代表的な言い訳を紹介しました。
サンクコスト効果のせいで、捨てられないのは、コレクションした物だけではありません。
人間関係、仕事、事業、勉強、趣味、ありとあらゆることに、サンクコスト効果が影響を与えます。
やめ時を知ることが、生活の質をあげることはよくあります。