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カラーボックスの中を片付けたい読者からタスクの細分化について質問をいただきました。
この質問に答えつつ、断捨離におけるタスクの細分化のメリットやその重要性について改めてお話します。
まず、メールをシェアしますね。マチダさんからいただきました。
カラーボックスの中を片付けたい
件名:タスクの細分化について
メール失礼いたします。
片付けのコツとして「タスクの細分化」を挙げられていますが、より具体的な方法が知りたいです。
先日のブログに「今から、この引き出しの、右側半分だけを片付ける」と例に出されていましたが、たとえば引き出しの右半分だけやるとして、やはり①全出し②選定(要不要に分けて捨てるものは捨てる)③収納 という流れになりますか?
私は自室でカラーボックスを横置きして雑貨や書類ファイルなどを立てて収納しています。「まずカラーボックスの一枠だけでもやろう!」と思っても、結局まずは全出しして……という流れになってしまいます。
それでいいのかな? とも思ったり…。
ある程度目立つ不要なものは処分してしまったので、カラーボックスの一枠に不要なものがあふれている!という状況ではありません。
「片付けをやるほどでもないけどなんか雑然としてるな…」という感じなので、日々のスキマ時間を使って片付けができればと思っております。
マチダさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
不用品を片付ける手順は以下のどちらかになります。
A.全出し(中身を全部出すこと)⇒選別(捨てるものを見つけて捨てる)⇒残ったものをしまう
B.全部出さず目視⇒いらないものを取り出して捨てる
どちらでも好きなほうを行ってください。
タスクの細分化ですが、上に書いたタスク(AとB)を細分化することも可能です。
たとえば、中身を全部出し、箱に入れるところまでやって、選別は後日にするとか、捨てるものをピックアップし、とりあえず、紙袋に入れて、分別や実際の廃棄は後日にするとか。
ですが、私がお伝えしていた細分化は、自分の部屋を片付けるという大きなプロジェクトを達成するために、小さなタスクを積み重ねていくことです。
カラーボックスの一枠(棚)まるまる1つを片付けるのではなく、その棚の左端にあるファイルの中身だけを片付けるとか、その棚に本や雑誌、置物が混在しているなら、今日は置物だけ取り出して、捨てるものを見つけて捨てる、明日は本や雑誌を捨てる、という感じです。
どこまで細かくするかは、整理したいものや場所、そこにあるものの量や種類で変わってきます。
1回の片付けに使う時間は、そんなに長くしないほうがいいので、
15分:中身を出して、選別
5分 休憩
15分:捨てようと思ったものを捨てるところまでやる
5分 休憩
15分:そのへんに散らばっているものを戻す
こんな感じでやってみてはどうでしょうか これで、1時間ぐらいです。
1時間ぐらい作業すると、物がびっしり入っているカラーボックスでも、1つの棚ぐらいはきれいになると思います。
化粧ポーチやバッグなどは、15分もかからず、すべてのプロセスが終わるだろうし、食器がびっしり入っている食器棚は、1時間では終わらないかもしれません。
自分の持ち時間と体力を考え合わせて、すぐに終わりそうなタスクまで細かくしてみてください。
以下に、食器を片付ける場合の、タスクの細分化の例を書きますので参考にしてください。
食器を片付ける場合のタスク
0.方針を立てる
食器棚の前に行って、片付ける場所、または種類を決める。ここでは1段だけやることにします。
1.必要なものを準備する
箱かトレーを2つ用意します(執行猶予箱みたいなものを作るなら3つ)
*引っ張り出すものや量によっても違いますが、全出しするならば、出したものを置くものがあったほうがいいです。
たとえば、トレー、風呂敷、バスタオル、段ボールなど。そうすれば、取り出したものがほかのものと混ざらないし、作業が全部終わらなくても、次回、前の作業の続きをするのが簡単になります。
猶予箱の説明はこちら⇒初心者向け。断捨離をしたことがない人も、服を捨てることができる5つのヒント
2.全出し(と同時に捨てるものをピックアップ)
その棚にある食器を全部出しますが、出しながら、いらないものは、どんどん「いらないもの置き場・いらないもの入れ」に置いてください。
3.さらに不用品を見つける
全部出し終わったら、残したい食器を眺めて、不用なものを探します。
断捨離をうまくするコツは、この段階で、できるだけ不用品をピックアップすることです。
4.収納
不用なものを完全に出し終わったら、残したものを元の場所に取り出しやすいようにしまいます。
5.処分方法を考える
捨てるものを入れた箱の中身を眺め、処分方法を考えます。
私は、使えそうなものは、全部寄付センターに持っていきます。
でも、売りたい、家族にあげたい、なんて人もいるでしょう。
その場合は、まず、捨てる食器は箱や袋に入れ、残りは、「メルカリ出品用」「妹にあげる用」「バザーに出す用」などと分けておきます。
売るのも譲るのもひと手間かかりますから、ここでも新たにタスクの細分化が必要です。
メルカリで売るならば、必要な作業を書き出して、順番にやっていきます。
具体的にどんなタスクをすべきなのか、こちらの記事に書いています⇒不用品をフリマサイトに出品したいけれど、できないまま。いっこうに物が減らないときは? 「4.売りたい気持ちが強いなら」の箇所です。
捨てる場合も、捨て方を調べたり、リサイクル可能な食器について調べたり、収集日を確認したりといった作業があります。
6.捨てたら完了
すべて処分が終わったら完了です。お茶でも飲んで一服しましょう。
頭でシミレーションするメリット
上で書いた食器の片付け手順ですが、多くの人は、こうしたことを、特に考えることなく、日々、行っていると思います。
だから、何も考えず、いきなり片付け始めても、ある程度は部屋が片付くでしょう。
タスクの細分化なんてめんどくさいことは、やりたくないし、必要ない、と感じる人も多いでしょう。
ですが、片付ける場所が広い、ものがすごく多い、ずっと前からやってるけどまったくはかどらない、いつも中途で放置してしまう、断捨離に疲労気味、なんてときは、いきなりやらず、方針を立てて、小さなタスクを書き出し、ひとつひとつ終わらせていったほうが効果的です。
タスクを考えるときに、一度頭の中でその片付けをシミレーションしますが、これが、実際の片付けをかなり楽にしてくれます。
シミレーションしておくと、こんないい点があります。
1)見通しが立つ
タスクを考えるときに、どのようなステップを取るべきか、どんな順番で進めるかがより明確になります。
見通しが立っていると、いきなり作業するより、心の準備ができます。
2)効率がよくなる
タスクを書き出しているとき、「あ、これについて調べないと」とか、「あ、軍手があったほうがいいな」などと思いつくので、必要な情報や道具を事前に準備できるようになります。
3)問題を予測できる
昨日、2階から1階に着物を運ぶのにしんどい思いをした読者のお便りを紹介しました。
⇒いらない着物、どうしてる? 読者のリアルな処分体験談を紹介します。
1人で大量のものを運んだり、大きくて重いものを捨てるのは大変です。
タスクを書き出しているときに、この問題を察知できるので、家族や友人に手伝いを頼むという別のタスクも思いつきます。
4)時間を有効に使える
1)~3)の理由から、生産性も効率性も上がるので、手持ちの時間をもっとうまく使えるようになります。
昔、マイナス時間の話をしたことがあります。マイナス時間は、本来ならば、失う必要のなかった時間です。
準備不足や先延ばし、とくにはなまぐさな行動のせいで、かえって時間がかかることがありますが、これはすべてマイナス時間です。
マイナス時間の説明はこちら⇒段取りのいい家事や片付けを可能にする、5つのシンプルなツール。
まあ、失敗から、いろいろなことを学ぶことができるので、マイナス時間を作ってしまうのをそこまで恐れる必要はありませんが、いつもマイナス時間を大量に生産している人は、タスクを細分化してみると、時間の流れ方が変わると思います。
5)自信がつき、モチベーションが継続する
小さなタスクはすぐに終わるので、短時間のうちに達成感を得られ、自信が生まれます。すると、モチベーションも続きます。
このようにタスクの細分化は、断捨離を楽にしてくれるので、軽い気持ちで計画を立ててください。
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タスクの細分化についてお伝えしました。
どんな作業も、小さな作業の積み重ね。汚部屋の片付けをあきらめる前に、やれることはたくさんあります。