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お父さんからもらった財布を捨てて後悔している読者の悩みにアドバイスします。
ものを手放した後悔とどう向き合うか考えてみました。
記事の最後に、エッセオンラインに掲載された私の記事のご案内もしますので、ぜひそちらもチェックしてくださいね。
では、読者のぱんださんからいただいたメールを紹介します。
後悔して前に進めません
件名:最大の後悔
私も後悔の念がひどく、アドバイスをいただきたくメールさせていただきました。
十数年前に父親から誕生日プレゼントに長財布をもらい、一度も使わずに引き出しの奥に眠っていました。
去年私自身に辛い事があり、環境を変えようと、持っている物を一度袋に出し他の部屋に置きました。
私は何でもとっておくタイプで、物があふれていて、ひとりでは捨てられないので家族に手伝ってもらうことが多いです。
私は実家暮らしで、当時母親も断捨離をしていて、ついでに私の袋も見たようで、その財布を見て(父親からもらったとは知らない)「劣化しているけど、どうする?」と聞かれ、その時はいらないと思い処分してもらいました。
その後は気にせずに普通に過ごしていました。
それから1ヶ月経ち、他の人の動画の父親の話か何かのきっかけでふと財布のことを思い出し、父親が選んでくれた物を使っていなかったとしても、劣化していたとしても、何で捨ててしまったんだろう、申し訳ない、何てことしたんだろうと手元に置いておけば良かったと後悔の念が今頃襲ってきて何も手につきません。
しまいには、母親に「どうする?」って聞かれなければ、とっておけたかもしれないのに、私がやるからと言えば済んだことなのに、他のガラクタはまだ捨ててないのに何でよりによってと後悔がすごいです。
写真に残すなんてそんなこと思ってもいませんでした。
今はどんな柄の財布だったか思い出せず、すごく辛いです。
何故思い出し、こんな気持ちになったのか分かりません。その時は「劣化してるし、使っていなかったし」と思っていました。
以前学習机の処分を決めた時も後悔が消えませんでした。でも今回は父親からもらった物で、また違うのにと思っていますが、同じパターンなのでしょうか?
取り返しのつかないことをしてしまい、前に進めません。
これから気をつけると言っても同じものは二度と戻ってきません。
父親の顔を見るたびに辛いです。
何でこうなるのか、、
これからどうやって前に進めばいいか分かりません。
これから前向きに進めるアドバイスをいただきたいです。
よろしくお願いいたします。
ぱんださん、こんにちは。お便りありがとうございます。
お便りを読みながら、ぱんださんのお父さんはてっきりもう亡くなられたのだと思っていました。
でもまだお元気なんですね。
それなら、お父さんとこれからいくらでも思い出を作れるじゃないですか。
ぱんださんがお父さんにもらった財布を捨てたことに強い罪悪感を抱いているのは、「お父さんの愛情に応えることができなかった」と思ってるからですよね?
もしくは、「父親は大事にするべきなのに、私にはそれができなかった」と思っているのではないですか?
それなら、今、お父さんと話をしたり何か一緒にしたりすればいいのです。要するに、今、親孝行するわけです。
そのほうが、もう捨ててしまった財布のことで苦しんで時間を無駄にするより、お父さんも嬉しいと思います。
親は子供の幸せを願っています。お父さんがあなたに財布をくれたのも、ぱんださんを喜ばせたかったからです。
つまり、お父さんの一番の願いはぱんださんが笑顔でいること。
自分があげた財布のことでぱんださんがそんなに苦しんでいるのを知ったら、お父さんは悲しむんじゃないでしょうか?
今回は前に進むために4つアドバイスします。
1.気持ちを書き出す
現在とても辛いそうなので、重い気持ちを和らげるために、頭にあることを紙に書き出してください。
おすすめはモーニングページですが、ブレインダンプ、日記、自分宛の手紙など形式は問いません。
頭の中に苦しみを閉じ込めておかず、全て紙の上に文字として開放しましょう。
書き出すだけで気持ちの整理ができ、気分が楽になります。
半年ぐらい毎日書いてくださいね。
ブレインダンプをするなら、「なぜ私はこんなに後悔しているのか?」というタイトルでやってみるといいでしょう。
モーニングページとは? ⇒ ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
ブレインダンプとは? ⇒ 頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
2.ものより体験にフォーカスする
ぱんださんにとって、その財布が大事なのは、お父さんからもらったからです。
お父さんからもらったものが大事な理由は、お父さんと強いつながりがあるからでしょう。
そこで、大切なのは「財布そのもの」ではなく、「お父さんとのつながり」だと考えてください。
思い出品を捨てる話でよく書いていますが、ものが象徴するのは人の感情です。
感情を最適化するためには、つまりより幸せになるためには、お父さんとどんな時間を過ごすかが重要です。
お父さんとより強いつながりを築く行動をしてください。
たとえば、
・お父さんと一緒に過ごす時間を増やす
・お父さんと写真を撮る・手紙を書く
・過去の思い出を振り返りながら会話をする(必要なら、財布を捨てたことをあやまる)
ものに執着しすぎると、「なくなったもの」ばかりに意識が向き、今、目の前にある大切なことを見落としてしまうことがあります。
財布がなくても、お父さんとの絆は変わりません。
3.ものに対する考え方を変える
ぱんださんは、不用品全般を手放すのが苦手なのですね。ものに対する考え方を変えると、断捨離しやすくなります。
2番に書いたように、ものがなくても、お父さんとのつながりは変わりません。
財布があろうがなかろうが、関係は全く変わらないんです。
例えば、お父さんが旅行に連れて行ってくれたとき、その経験は旅行のパンフレットを持っているから大切なのではなく、一緒に過ごした時間が楽しかったから大切なのですよね?
さらに、「ものを持っていない=くれた人を大切にしていない」と考えるのも間違いです。
お父さんからもらったものを全部、使わないまま机の引き出しに入れておくことが、お父さんを大切にすることとは言えません。
もらったものを家に放置しておけば、相手を大事にできて、関係性が深まるなら、こんな楽なことはないですよね?
実際は、誰かと関係を深めるためには、その人とたくさん時間を過ごし、関わる必要があります。
ものを所有することより、関わることに意識を向けましょう。
4.意識的に考え方を変える
後悔の気持ちが消えるのを待つのではなく、自分の方から「後悔するのはもうやめよう。誰のためにもならないから」と決めて、そうしてください。
根本的な価値観を変えれば後悔の気持ちは、軽減されます。
ぱんださんの場合、「親からもらったものを捨てることは親をないがしろにすることだ」という価値観があると思います。
しかしここまで私が書いてきたように、ものを持っていればいいというわけではありません。
父親を大事にするとはどういうことなのか、気持ちを書き出しながら考えて、新しい価値観を採用しましょう。
たとえば、
・人との関係は、ものではなく、共に過ごした時間や経験によって築かれる(お父さんが財布をくれたことや、そのときのぱんださんの会話のほうが財布そのものより重要)
・大切なものは心の中に残る。ものを持ち続けることが愛ではない
・「変えられない過去」を後悔するより、今という時間を充実させるほうが重要だ
これらの考え方が抽象的でピンとこない場合は、具体的に言葉を置き換えてみましょう。
たとえば、「私はお父さんの財布を捨ててしまった、最低な娘だ…」と思ったら、「私はお父さんのことを大切に思っている。これからもっと大切にしていこう」と考えてみましょう。
私が言いたいのは、いまのぱんださんの価値観や考え方の指針は絶対的なものではないということです。
考え方は変えられます。まずは『今この瞬間にできること』に目を向け、自分が幸せになる選択を積み重ねていきましょう。
さらに、昨日セルフイメージを変えることについて書きましたが⇒捨てられないモヤモヤを解消~ “もったいない”を手放す7つの心理と解決策
ぱんださんも、自分のことを「私は物を捨てられない人だ」「私はいつまでも後悔する人だ」と思うのではなく、「私は後悔を少しずつ手放せるようになってきた人だ」「捨てて前向きに暮らそうとしている人だ」と思うようにしてください。
気持ちを書き出すとき、新しいセルフイメージも書くことをおすすめします。
後悔に関するほかの記事
最後に、後悔の手放し方を書いた過去記事をいくつかリンクします。
ぜひ、読んでいただき、自分の考え方や行動に取り入れてください。
この記事の回答がピンと来ないときや、やってみてうまくいかないこと、その他質問があるときは、またメールをください。
気持ちを切り替えるのが苦手で、後悔や嫌な気分が続きます。どうしたらうまく切り替えられますか?
捨てたことを後悔しても無駄なのでさっさと次へ行こう、と言われてもうじうじ悔やむ人へ。
ポケモンカードを安く売って後悔している人が 前向きに生きるための考え方
父の最後の日々から得た教訓(TED)←お父さんとの関係について考えるヒントになる講演です。
それではぱんださん、どうぞお元気でお暮らしください。
筆子の防寒術:エッセンオンライン
エッセンオンラインに新しい記事がアップされました。今回は私の防寒術です。
日本はカナダほど寒くないかもしれませんがよければ参考にしてください。
⇒60代向け・ものを増やさない4つの防寒術。暖かく過ごし、家事の負担も減らす | ESSEonline(エッセ オンライン)
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捨てたことを強く後悔している読者にアドバイスしました。
身も蓋もないことを書いてしまうと、どんなに頑張って時間をかけて後悔しても、捨てたものは返ってきません。
返ってこないものを、無理やり元通りにしようとするのはエネルギーの無駄遣いです。
そんな時間やエネルギーがあるなら、今の生活やこれからの人生がもっと充実する方に使うことをおすすめします。