ページに広告が含まれることがあります。
節約しているつもりなのに、なぜかお金が貯まらない。
こうした悩みを抱えている人は少なくありません。
今回は、風水や開運グッズに頼っていて、かえって生活が苦しくなっていたという読者のお便りを紹介します。
人は、節約のために開運グッズを買うのではありません。
節約が必要な状況にあるからこそ、「運をよくしたい」「流れを変えたい」という気持ちが強くなり、そうしたアイテムにひかれます。
でもその結果、暮らしはより苦しくなってしまう。そんな気づきを得られるお便りです。
では、まずお便りを紹介しますね。
開運グッズを買いすぎてしまった
いつもブログを楽しく拝見しています。Sと申します。
筆子さんの節約のつもりが浪費になっているという記事を読みながら、思わず笑ってしまいました。まるで昔の私のことを書いてくださっているかのようでした。
10年ほど前から風水にはまりました。
最初は「玄関をきれいにすると金運アップ」あたりから始まりましたが、だんだん「この色のカーテンがいい」「トイレに観葉植物を」「毎年◯◯を買い換えて」など、どんどんしなければならないことが増えていきました。
気がつけば、毎年2万円もする風水グッズ(黄色い財布とか、龍の置物とか)を買い、部屋のあちこちに開運アイテムが並ぶようになっていました。
ほかにも、金運アップと書かれていれば、安売りしている財布やキーホルダーも買ってしまうようになり、安物買いの癖も悪化しました。
私はこれは必要な出費、自分と家族の運をよくするためと信じていたんです。
でも、収入は変わらず、家の中はモノでいっぱい、通帳の残高はどんどん減っていきました。
そんな私が変わるきっかけになったのが、筆子さんのブログでした。
特に、「お金は使った時点で減る」「安くても必要でなければ高い買い物」という言葉に、はっとさせられました。
その後、開運グッズはかなり処分しました。買い物も慎重にするようになり、運を良くするのはモノではなく自分の行動という考えにだんだん変わりました。
今は、風水の代わりに、掃除と家計簿を書くことが趣味です。以前より気分もスッキリして、部屋も広くなりました。
あの頃買い集めた開運アイテムは、不安から逃げたくて買ったんだと感じます。
これからも筆子さんのブログ、楽しみにしています。
Sさん、こんにちは。開運グッズを買うかわりに、掃除やお金の管理を始めたんですね。
よかったです。
風水は趣味として楽しむ分にはいいと思いますが、ものを買いすぎると、生活しづらくなりますよね。
今回は、なぜ人は開運に頼ってしまうのか。そして、節約しているつもりが、なぜかお金が減っていくのか。その背景についても、少しお話ししたいと思います。
風水にハマるのは不思議なことではない
風水や開運グッズにひかれるのは、よくあることだと思います。
「なんとなく運が悪い気がする」「現状をどうにか変えたい」と思っているとき、そうした情報に目がとまりますよね。
SNSやYouTube、雑誌などでは、「運をよくするために◯◯を買いましょう」「玄関に◯色のマットを置くと金運アップ」など、気になる話題が次々と流れてくるので、実際に試してみたくなるのは自然な反応です。
生活に不安があるとき、人はすぐに自分にできることに飛びつきやすくなります。
開運グッズを買う、ラッキーカラーのものを身につけるといった行動は、手軽にできるし、目に見える変化を感じやすいので、やってみたくなります。
でも、そうやって買ったものが本当に自分のために役に立っているかどうか、冷静に見直すことはあまりないのではないでしょうか?
「買ったら気持ちが落ち着いた」「何か行動したという満足感があった」。これだけで終わってしまうことも多いです。
Sさんのように、「これは不安から逃げるための行動だった」と気づけると、風水や開運アイテムと上手に付き合えるようになります。
節約の目的:お金を重要なことに使うこと
もっとお金がたくさんある状況を目指して、開運グッズを買うのは、望ましい戦略ではありません。むしろ、買った分お金は確実に減ります。
開運グッズを買うとき、多くの人は「そんなに高いものではないからいいだろう」と思っています。
数百円のキーホルダーや、手のひらサイズの置物、セールで安くなっていたラッキーカラーの財布など、たしかにお手頃です。
でも、そうした買い物が積み重なると、あっという間に出費はふくらみます。
それに、同じようなものをいくつも使えないので、いつのまにか「使わないもの」や「しまいっぱなしのアイテム」が増えるのではないでしょうか?
本人は「お金をムダにしているつもりはない」「節約しながら運をよくしようとしている」という気持ちがありますが、実際には、お金もスペースも使っています。
これは風水グッズに限った話ではなく、日用品や食品の買い方でも同じです。
安いから、という理由で買っても、それを使わなかったり、無駄にしてしまったりするなら、お金を手放しただけです。
節約とは、安いものを買うことではなく、限られたお金を、本当に大切なことに使うことです。
本当に必要なのは「もの」ではなく「安心感」
節約したいと思っているのに、つい余計なものを買ってしまうとき、私たちはそのアイテムを求めているわけではありません。
ほしいのは、楽しい気分や「これで大丈夫」と思える安心感です。
生活に不安があると、人は何かを足すことでその不安を解消しようとします。
開運グッズも、安売りの食品も、ファストファッションの服も、「これがあれば、少しは状況がよくなるかもしれない」という希望の表れです。
買うことでその希望を叶えようとします。
確かに、買い物をしているときは、未来が変わる予感がするし、手元に新しいものが増えると、前に進めたような気にもなります。
けれど実際は、問題の根本は何も変わっていません。
不安な気持ちのまま、ものだけが増えていき、スペースもお金も奪われています。
本当に必要なのは、新しい財布や置物ではなく、これからどう生きていきたいか知ることです。
進みたい方向が見えてくると、買い物で不安を埋めようとしなくなるでしょう。
Sさんが、開運グッズに頼る代わりに、掃除や家計の見直しを始めたのは、ものを買うだけでは、望む暮らしには近づけないと気づいたからでしょう。
運は「買う」ものではなく「作っていく」もの
風水や開運グッズは、「買えば運がよくなる」「何かが変わるかもしれない」という希望をくれます。
でも、それが本当に必要な行動だったかどうかは、あとにならないとわかりません。
暮らしをよくするために必要なのは、高価な置物やラッキーカラーの財布ではなく、毎日の行動を見直し、必要に応じて変えることです。
たとえば、
・支出を記録して客観的に見てみる
・買い物の習慣を見直す
・使っていないものを手放す
・お金の使い道に優先順位をつける
このような地味な行動が、結果的に暮らしを豊かにし、「私は運がいい」と思える日々につながるのではないでしょうか?
運をどこかで買ってこようとするのではなく、行動・環境・気持ちを見直して、自分で少しずつ生活を整えていくほうが確実です。
それでは、Sさん、これからもお元気で、シンプルライフを楽しんでください。
運に関する関連記事もどうぞ
運がよくなる5つの方法。50歳すぎていてもあきらめてはいけない。
人生において運が果たす役割とは?:バリー・シュワルツ(TED)
スピリチュアルなことにお金を使ってしまい貯金ができない時の解決法。
*****
開運グッズを買いすぎて、ものが増えすぎた読者のお便りを紹介しました。
記事でも書きましたが、開運やジンクスを信じるのは、あくまで趣味の範囲で楽しむのがベストだと思います。
幸せな人生が、店で簡単に買えるものなら、こんなに多くの人が生き方に悩んでいないはずです。