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親が残した仏壇や宗教道具、あるいは掛け軸のような「意味のありそうなもの」をどう扱えばいいか分からない。
「勝手に捨てていいのかな」「バチが当たるかも」といった気持ちもある。
そんな読者の相談にアドバイスします。
自身の信仰とは異なる宗教的なものや、思い入れのない形見を前にしたとき、どのように判断すればいいのか?
迷ったときの考え方や、気持ちよく手放すためのヒントを提案しますね。
まずお便りを紹介します。いちご大福さんからいただきました。
バチが当たりそうなものについて
いつもブログを楽しみに読んでいます。
私は60代前半で、数年前から義母の家に一人で住んでいます。
夫が亡くなったあと、住宅ローンの支払いが大変になり、もとの家は手放して、空き家だった義母の家に移りました。
家賃がかからないぶん、生活はかなり楽になりましたが、片付けのことで少し悩んでいます。
義母が大切にしていた仏具のようなものや、書が書かれた布(たぶん掛け軸)がいくつも残されており、できれば処分したいのですが、どうしたらいいのかわからないのです。
私は特定の宗教を信仰しているわけではなく、そうしたものに思い入れもないけれど、勝手に処分していいのかわかりません。
特に、お仏壇のような箱と、その中にある道具は、何となく触ってはいけないもののように感じてしまい、開けずにそのままにしています。
最近では、その部屋に入るのもおっくうになり、いまだにこの家を自分の家と思えていません。気にしすぎかもしれませんが、何か見えないものに遠慮して暮らしている感じです。
このような場合、やはり処分した方がいいでしょうか?
それとも、供養のようなことをしてからのほうがいいでしょうか?
筆子さんならどうされますか?
いちご大福さん、こんにちは。お便りありがとうございます。
住まいに残されていた仏具や宗教的なものに触れるのは、心理的にためらわれることが多いですよね。仏壇や位牌は長年家族を見守ってきたものなので、単なるものではなく、思い出や感情が深く結びついているように感じます。
でも、私ならそういう仏具は迷わず捨てます。
特にそれがあるせいで、ストレスになっているときは。
以下のように考えて、気持ちを切り替えてはどうでしょうか?
今の暮らしに合っていなければ、仏具も手放していい
ものを持ち続けるかどうかを決めるとき、私が大切にしているのは、「それが今の暮らしに必要かどうか」です。
いちご大福さんは、お義母さんの仏具や掛け軸に思い入れがあるわけではなく、むしろそれがあるせいで気持ちに負担を感じていますよね。
それなら、私は手放すことをおすすめします。
仏壇や仏具は、本来、日々手を合わせて供養したり、信仰の対象としたりするものです。
使わずにどこかにしまったままにしておくのは、粗末にしていることになるでしょう。
今そこに暮らす自分の気持ちを尊重するのは、お義母さんの思いを否定することではありません。
「勝手に捨てるのは申し訳ない」と思うかもしれませんが、気持ちをこめて、丁寧に手放すならば、それは無視でも軽視でもないですよね。
私の母も、引っ越しに伴って大きな仏壇を処分し、今の暮らしに合った小さな仏壇に切り替えました。
お義母さんの気持ち大事にしつつ、ものに対する扱いを変えることは可能です。
いちご大福さんが気持ちよく暮らすことが、結果的に、個人の供養につながるのではないでしょうか?
宗教道具は、こうして手放せば大丈夫
仏壇や仏具のような宗教的なものは、燃えるゴミとして出すのは抵抗がありますよね。
ですが、今はこうした品を安心して手放す方法がいくつもあります。
1)お寺に問い合わせる
仏壇や仏具の由来がわかっている場合は、そのお寺に問い合わせてみるのがベストです。
「使わなくなった仏壇や位牌があるのですが、供養していただくことはできますか?」と聞いてみてください。
住職に頼んで「魂抜き(たましいぬき)」という儀式をしてもらえれば、安心です。
2)専門業者に依頼
宗派がわからないときや、菩提寺がない場合は、仏具店や仏壇の処分を専門に扱う業者に依頼する方法もあります。
「仏壇 供養 引き取り 〇〇市(地域名)」で検索すると、地元で対応してくれるお店やサービスが見つかるでしょう。
私が調べたかぎりでは、仏壇処分の料金はサイズにもよりますが、おおむね数千円〜1万円台あたりが相場です。
魂抜きと処分をセットで行ってくれるところもあります。
3)古札納め所を利用
お守りや御札、神棚など神道に関係するものは、近くの神社にある「古札納め所(こふだおさめどころ)」に納めれば大丈夫です。
お守りには、「初詣のときに返してください」などと書いてありますが、時期を過ぎても受付てくれると思います。
「何が仏教で何が神道かよくわからない」というとき、無理に分類しなくてもいいでしょう。
手放す際に「ありがとう」と声をかけて、自分の中で区切りをつけることができれば、それで十分です。
処分方法を調べるだけでも、「捨ててはいけない」という気持ちから解放されると思うので、やってみてください。
宗教道具を処分するときの心の整え方
仏具や仏壇のような宗教的なものは、「なんとなくこわい」「勝手に触ってはいけない気がする」と感じることがあります。
でも、それを理由にずっと見て見ぬふりをしていると、捨てたいけど捨てられないジレンマもがいつまでも続きます。
処分をためらうときは、自分の気持ちを整理しましょう。
仏具はお義母さんが大切にしていたものですが、お義母さんはもういません。現在の持ち主はいちご大福さんなので、そうした仏具の管理はいちご大福さんの責任です。
必要がないなら、手放そうと思っても全く問題ありませんよ。
それでも、「手放すのは申し訳ない」と感じるなら、気持ちの整理をする時間をもうけましょう。
たとえば、こんな方法があります:
・白い布や風呂敷で包んで、一時的に保管する
今はどこかに押し込んでいる状態なので、取り出して、ぞんざいに扱わないようにします。
・「ありがとうございました」と声をかけて処分
感謝を伝えたり、手を合わせたり、一礼したりするだけで気持ちに区切りがつきます。
・思いをメモに書いて、仏具と一緒にしておく
「お義母さんが大切にしていた物を急に捨てるのはためらわれる」と、自分の気持ちを言葉にしてみると、心の整理がつきやすくなります。
・「今はまだ保留」と決める
理由があって意識的にするなら、処分を先延ばしにするのも、ひとつの選択です。無理いま、結論を出す必要はありません。
このように、いまはどちらかというとネガティブに考えている仏具を丁寧に扱ってみましょう。
すぐに決めず、気持ちが整うまで、少し時間をかけて向き合ってみてください。
そうしているうちに、「もう大丈夫」と思えるときが、きっと来ます。
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仏具を手放すときの気持ちの整理の仕方を紹介しました。
「ものを捨てるとバチが当たる」という考え方は、日本の伝統や文化に根付いている部分があります。ものには魂が宿るという付喪神(つくもがみ)の概念や、長く使ったものに対する敬意が背景にあるのでしょう。
ただ、その価値観をそのまま現代の生活に当てはめると、不要なものを溜め込む結果になります。
私は不用品を捨てることに対して、強い罪悪感を抱く必要はないと思います。
無駄にお金を使ってしまった、ゴミを増やしてしまったという反省ポイントがあるなら、そこは振り返り、次の行動につなげてください。
どうしてもバチがあたると思ってしまうなら、感謝して手放す、必要な人の手に渡す、今後はものを増やしすぎないように行動を改めるなどして折り合いをつけるといいでしょう。
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