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年齢を重ねると、「どうせこうなるだろうな」と、やる前から結果が見えてしまうことがありますよね。
今回は、そんな読者の質問に回答します。
片付けようと思っても、「どうせまた元に戻るだろう」と思って続かないそうです。
年齢とともに変わる気力や体力と、どう付き合っていけばいいのか。
私なりの視点でアドバイスしますね。
まず、お便りを紹介します。ミチコさんからいただきました。
片付けても結局元通りになってしまいそう
件名:モチベーションが続かない
いつもブログを楽しみに拝見しています。
私は今年で56歳になります。子育ても終わり、夫と二人で静かに暮らしています。そろそろ定年が見えてきたこともあり、暮らし方を少しずつ見直しているところです。
ここ数年、家の中をすっきりさせたい、気持ちよく暮らしたいという思いが強くなってきて、断捨離に興味を持つようになりました。けれど、実際に行動に移すとなると、なかなか気持ちが続きません。
というのも、若い頃とは違って、これをやったらどうなるか、だいたい予測できてしまうんです。
やる気になって本を読み、そのへんを片付けてみても、「また時間が経てばごちゃごちゃしてくるんだろうな」と思います。どうせまた元通りになるなら、今わざわざやる意味があるのかなと思うんです。
若いころは、どんなことも「とにかくやってみよう!」という勢いがあった気がします。
でも今は、なんでも冷静に分析してしまって、自分で行動にブレーキをかけてしまいます。
これって、経験を積んだからできることなんでしょうが、自分の中にある成長の芽を自分で摘んでしまっているような、もどかしさがあります。
体力も落ち、前より疲れやすくなってきたし、集中力も長くは続きません。
掃除や片付けをしていても、すぐに腰が痛くなったり、気が散ったりします。
一方で、このまま家の中がごちゃごちゃしているのはいやだ、定年後は、もっと心地よい空間で過ごしたいという気持ちもあって、どうにかしたいという思いも消えません。
これからの人生を、心も体も軽くして過ごしていくために、自分なりに整えていきたい。でも、「どうせまた散らかる」「今さら何も変わらないんじゃない」そんな思いが邪魔をして、なかなか行動に移せない自分がいます。
ブログを読んでいると、筆子さんはとてもお元気のようですが、60代になって暮らしを整えるモチベーションをどのように保っておられますか?
少し疲れやすくなってきた体力をいかに調整して、どうやって継続していけるのか教えてください。
ミチコさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
いつもブログを読んでいただきうれしいです。
確かに、年齢を重ねると「この先」を想像してしまうことがありますよね。
それだけ、ご自身のことをよく理解されているとも言えますが、決めつける必要はないでしょう。
片付けは、そこまでがんばってするものではないので、ものの多さにもよりますが、マイペースで作業をすれば、そんなに体力はいりません。
それと、人は成長するので、「いつものパターン」になるとも限りません。
以下で詳しく説明します。
1. モチベーションに頼らない
片付けを続けるには、モチベーションが必要と考えるかもしれません。
でも、やる気や気分に頼る方法は、年齢に関係なくおすすめできません。私自身は、気分は関係なく、いつ、どこをどのくらい片付けるかという、仕組みやリズムを決めて習慣にしてしまうのが一番効果的だと思います。
といっても、そんなに難しいことではありません。
たとえば、朝食のあとに5分だけ引き出しを1つ見直す、週に1度、その週に家に入った紙類を整理するなど、あらかじめ行動の枠を決めておくだけです。これを気持ちが乗らない日も、淡々と続けてみてください。
そのうち、不用品の整理がクセになります。
片付けをしたかどうか、自分でわかるようにしておくのもおすすめです。
断捨離をがんばっていたとき、私は、いつも、何を捨てるか、どこを整理するかといった計画や、その日捨てたものをブログに記録していました。数年前は、1000個捨てチャレンジをして、毎日捨てたものをノートに書いていました。
このような記録があると、達成感が得られるので、次の作業につながります。
やる気が出たらやるというより、やる時間がきたから、少しだけやるというふうに変えてみてください。
すべてをブログに記録した~シンプルな生活にするために役立ったこと(その3)
2. ピークタイムに作業する
「疲れやすくなった」「集中が続かない」と感じるのは、年齢のせいだけではありません。誰にでも、頭が冴えている時間や、体が動きやすい時間帯があります。そのピークタイムに合わせて片付けを行うと効率があがります。
私の場合、朝の静かな時間がいちばんエネルギーがあり、集中できるので、そういう時間帯に書類の整理をしています。また仕事の気分転換に片付けをすることもよくあります。
ポイントは、短時間でいいから、気力のあるときに動くことです。さらに、あまり大がかりな片付けをせず、的を絞って、小さな片付けをするほうがうまくいきます。
体力がなくても、バッグの中、棚の上、書棚の2段目の右端だけと区切れば、体にも負担がかかりません。
5分ぐらいで終わる分量にとどめておくといいでしょう。
それと、私は常日頃、毎日ひとつでも何か捨てたほうがいいと書いていますが、気力が続かないなら、「毎日やらなきゃ」と思わず、疲れた日は休んでください。体調に合わせて、自分のペースで進めましょう。
3. 今、整えることに意味がある
「どうせまた散らかる」と思うと、たしかにやる気になれませんよね。
でも、断捨離や片付けは一度やったら終わりではありません。
日々の暮らしのなかで、ものは少しずつ増え、また不用品を手放す。そのくり返しです。
それは決して無意味なことではなく、暮らしを今の自分に合わせて調整していく前向きな取り組みです。
一時的にきれいになるだけでも、今ちょっとラクになるなら、それだけで十分やる意味があります。
視覚的ノイズが減ると、ストレスが減り、やることに集中しやすくなります。スペースに余裕があれば、暮らしやすくなります。
それに、これまでしてきた片付けにも、ちゃんと意味はあります。
結果的にまた散らかってしまったとしても、その経験から学べることはたくさんあります。
試行錯誤をくり返すうちに、自分に合ったやり方が見えてくることもあるでしょう。
結果を急ぎすぎず、今日、自分がちょっとラクをするために、少しだけ整えてみる。そんなスタンスでやってみてください。
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読者のお便りに回答しました。
「今度もきっと散らかる」と思うこと、よくあるかもしれません。
でも、毎回同じようにリバウンドしているわけではありません。
人の成長は一直線に進むものではなく、同じようなテーマや課題に何度も向き合いながら、少しずつ理解を深めてらせん型に進みます。
つまり、同じ場所をぐるぐるまわっているようでいて、ちゃんと高いところに上がっているんです。
「また同じことで悩んでるな…」と感じることこそ、以前の自分とは違う場所にいる証拠ではないでしょうか?
今度は前よりうまくできるはずなので、最初からあきらめず、身近なところから片付けを開始してください。
応援しています。