使う・貯める・与える:幸せにつながるお金とは?(TED)

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お金の使い方・貯め方・与え方を根本から見直すきっかけをくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、How to start spending, saving, and giving better(使う・貯める・与える:もっといいやり方を始める方法)。

スピーカーは、David Delisle(デヴィッド・デライル)さん。

子ども向けのお金の教育に長年取り組んでいる方です。

「もっとあれば幸せになれる」という思い込みを手放し、本当に大切なものにお金を使うことを伝えるシンプルなトークです。

お金との向き合い方を変える

収録は2025年6月、長さは約13分。自動生成の英語字幕あり。

◆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

デライルさんは、自身の父親との体験から、子どもたちにお金の使い方を教えることをライフワークにしています。

彼はとてもゆっくり話しているので、英語の勉強素材にもおすすめです。

以下に、私が重要だと思ったポイントを4つ紹介します。

1. 「もう少しあれば幸せになれる」という嘘

デライルさんのお父さんは、はたから見ると、何でも持っている人でした。今の言葉で言えば、リア充の人。

大きな家、かっこいい友人、ハーレーダビッドソンを持ち、派手なパーティをし、海外旅行もたくさんしていました。

でも、デライルさんが見ていたのは別の姿です。

お父さんは息子のホッケーの試合に一度も来ませんでした。

「今度は絶対に行くよ」と約束した試合の日も、友達との遊びを優先したのです。

やがて奥さんは去り、兄弟も離れ、お父さんは54歳でボートの上でひとりで亡くなりました。

お金も、ものも自由もあった。でも、大切な人との関係は何も残らなかったのです。

デライルさん自身も、同じ罠にはまりかけたことがあるそうです。

念願のドリームホームを手に入れ、美しい庭のある家に引っ越しました。

ところがある日、庭を眺めていて気づいたのです。家が広すぎて、子どもたちの声が聞こえないと。

「もう少しあれば幸せになれる」は嘘かもしれない。

この気づきが、デライルさんの人生を変えました。

2. 「Awesome Stuff(本当に大切なもの)」を見つける

デライルさんは、息子ウィルとノアを連れてディズニーランドに行ったとき、ある実験をしました。

2人にそれぞれ20ドルを渡して、こう言ったのです。

「このお金は君たちのものだ。好きに使っていい。でもパークに入る前に、3つのことを考えてほしい」

1つ目は、買う前に立ち止まって「これは自分にとって本当に大切なもの(awesome stuff)か?」と問いかけることです。

トークの中で、デライルさんは観客にもこの問いかけを体験してもらいます。

まず目を閉じて、左手を出して、今欲しいものを思い浮かべます。新しいスマホ、靴、夢のキッチンなど。

次に右手を出して、別のことを思い浮かべます。

それは、おなかが痛くなるほど誰かと笑い合う瞬間。大切な人がつらいときに、ただそばにいること。大好きな人と朝日を見ること。

そして目を開けて、左手と右手を見比べます。

どちらを選びますか?

左手を選ぶこともあるでしょう。

ポイントは、一度立ち止まって問いかけることにあります。衝動ではなく、自分が気づいたことから、何にお金を使うか決めます。

デライルさんはこれを「Awesome Stuff Experience(本当に大切なものを見つける体験)」と呼んでいます。

3. 自由のために貯める

デライルさんが息子たちに伝えた2つ目のことは、自由のためにお金を貯めることです。

子どもに貯金を促すとき、大人は「何を買うために貯めるの?」と聞きます。

でもそれは買うのを少し先延ばしにしているだけです。

また、大人は、「無駄遣いするな」「何も買うな」と子どもを恐怖で縛ることもあります。

でも、恐怖から貯金をしても喜びは生まれません。

デライルさんが提案するのは、もらったお金の20%をまず貯めることです。

それは義務ではなく、将来本当に大切なことに使える自由を手に入れるためです。

お金を貯めるのは、もっと高いものを買うためでも、不安から身を守るためでもありません。

自分にとって大事なことを選べる自由を育てるためです。

4. 「できるから」与える

3つ目は、「与えること」についてです。

よく「恵まれない人に、分け与えましょう」と言います。

デライルさんは、この言い方が上下関係を作ってしまうと指摘します。

「自分のほうが恵まれている」という前提があるからです。

そうではなく、ただ、そうできるから与えます。

この場合、与えることそのものが、本当に大切なこと(awesome stuff)です。

デライルさんは息子たちに「今日、知らない人を1人笑顔にしてごらん」と言いました。

その日、ディズニーランドで、ミッキーとミニーの誕生日を記念した特別なピンバッジが配られました。

息子のウィルは、もらえなかった年配の女性がいることに気づき、自分のピンバッジを走って渡しに行きました。

その女性の顔には「やっと誰かに見てもらえた」という表情が浮かんでいたそうです。

デライルさんはこの体験を語りながら、トークを締めくくります。

本当に大切なものは、たいていものではありません。人とのつながりや、意味のある体験です。

自由への最もシンプルな道は、まず貯めること。

そして、もっと持っている状態を待たなくても、今日から与えることはできます。

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※ここからは、このトークを見た私の個人的な感想です。

貯金の目的を見直す

このトークで印象に残ったのは、「貯金は自由のためにするもの」という考え方です。

聞いているだけで、明るい気分になれる考え方です。

お金を貯めるときは、何のために貯めるのか納得しておいたほうがいいと思います。

私たちはなんとなくお金を貯めることが多いです。「お金はあったほうがいい」と思うからです。

でも、何も考えずにお金を貯めていると、貯めること自体が目的になりがちです。そして、大事なことにお金を使い損ないます。

私たちぐらいの年代になると、安心したくてお金を貯めると思います。老後の生活の安泰のために。

確かにお金があると、行動の選択肢は増えます。

でも、心のやすらぎを求めてお金を貯めても、実際は、なかなか安心できません。

人間には「損失回避」と呼ばれる心理があります。損をできるだけ避けようとする気持ちです。

お金をたくさん貯めても、増えた喜びよりも、「減ったらどうしよう」という恐怖のほうが強く働きます。

つまり、貯金が増えれば「失う恐怖」も増えてしまうのです。

デライルさんの言うように、自由のために貯めるという意識があると、お金があってもなくても緊張が続く状態を避けられるでしょう。

「もっと」を手放すと安心が手に入る

幸福度や安心感は、お金やものをたくさん持っていることとは、たいして関係がありません。

こうした喜びは、そのとき自分がどう感じているかで決まります。

ミニマリストの私は、ハッピーになるために物理的なものにお金を使うことがかなり減りました。

むしろ、スキルや経験に投資することが多いです。

たとえば今は、AIの利用や、The Great Courses(大学レベルの講義が視聴できるサービス)などにお金を使っています。

どちらも場所を取らないし、自分の世界を広げてくれます。

「もっと持てば安心できる」「もっとお金があれば幸せ」という考え方は、結局のところ消費主義につながります。

買っても買っても満足できない、際限のないサイクルに入ってしまうのではないでしょうか?

不要なものを手放すミニマリズムは、「今あるもので十分だ」という心のゆとりを育ててくれます。

そして、大事なことに気づくことができます。

デライルさんのトークを見て、改めてそう思いました。

何かを選ぶとき、立ち止まって、「これは本当に自分が望んでいることか?」と問いかけてみてください。

こんなシンプルな行動が、お金との関係だけでなく、ものとの関係や暮らし全体をいい方向に変えてくれるでしょう。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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