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断捨離をしても、なんだか暮らしがよくならない。
片づけたのに、気分が晴れない。
そう感じている人は、意外とたくさんいます。
どうしてそうなるのかをお話ししますね。
うまくいかないのは、片づけがまずいからではありません。
片づけに期待しすぎているからです。
こんな期待をしていませんか?
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片づけを始めるとき、心のどこかでこんなことを当てにしていないでしょうか。
部屋が片づけば、だらしない自分の性格まで変わる。
すっきりした部屋になれば、幸せになれる。
ものを手放せば、お金や仕事、人づきあいまで、うまく回り出す。
ずっと抱えてきた胸のもやもやと、思い出したくない過去まで、まとめて整理されて生きやすくなる。
そんなことまで望んでいないよ、とあなたは言うかもしれません。
でも、片づけたのに何も変わらないとがっかりするなら、心のどこかで、うまくいくことを当てにしていたんです。
なぜ私たちは、こんなことを望んでしまうのでしょうか?
大きな理由は、書店に並ぶ片づけ本のタイトルです。
人生が変わる、運がよくなる、奇跡が起きる。
そんな帯を何度も見ているうちに、ものを減らせば暮らしが丸ごと変わると思いこんでしまいます。
ちまたの空気も同じです。
部屋をきちんと整えている人は、仕事もお金も人づきあいもうまくいっている。
いつのまにか、そんなイメージができあがります。
テレビや雑誌に出てくる片づけの達人は、みんないきいきと暮らしているように見えるので、さらにこの思い込みが強くなります。
もうひとつ、片づけには、いまの自分をいったんリセットしたいという気持ちが重なりやすいと思います。
うまくいかないことが続くと、せめて部屋だけでも整えて、一からやり直したくなります。
そう思うのは自然ですが、部屋がきれいになっても、やり直したい中身のほうは手つかずになりがちです。
期待が大きいほど、片づけても変わらないときに苦しくなります。
こんなはずでじゃなかった、もっと捨てればいいのかしらと、さらにものを減らしにかかります。
それでも気分が晴れないと、今度はやり方が悪いのだと、自分を責め始めます。
期待をかけるほど、片づけそのものが、重くつらいものになってしまうのです。
片づけで変わるもの、変わらないもの
心の中にあった期待を一度見直してみましょう。
片づけで実際に変わるのは、何なのか考えてみてください。
まず手に入るのは、暮らしやすさです。
ものが減れば、探しものが減ります。
スペースが空いて、風通しのいい部屋になります。
どこに何があるかわかるようになり、よけいなものを買わなくなるので、お金も残ります。
ずっと汚部屋だった人は、汚部屋の住人というコンプレックスを手放すこともできます。
ここまでは、ちゃんと期待できそうです。
一方で、いくら手放しても変わらないものもあります。
生まれ持った性格は、ものを捨てても変わりません。
すっきりした部屋をながめても、それだけで幸せがやってきたりもしない。
こじれた人づきあいが、いきなりほどけることもありません。
深い心の傷が、片づけで癒えることもない。
人生がいきなりバラ色にはならない。
このあたりは、はじめから片づけでどうにかなることではありません。
私自身が断捨離を始めたのは27歳のときでしたが、人生が好転することなんて特に期待していませんでした。
とにかくものが多すぎて、部屋がぐしゃぐしゃだったから片づけ始めたんです。
50歳になって、ミニマリストを目指したのは貯金がなかったから。少ないもので暮らせばお金もそんなにかからないだろうと考えて、せっせと手放しました。
暮らしやすさと、お金。
私が望んだのは、この2つでしたが、シンプルに暮らすようになってから、どちらも手に入りました。
ただ、実際にものを減らしてみて、いちばん変わったのは気分です。
ごちゃごちゃした部屋にいたころは、落ち着かなかったけれど、いまは穏やかに暮らせています。
それ以上のことは起きていません。急に社交的になったとか、長年の悩みが消えたということはありませんでした。
悩みと片づけを切り離す
いま、片づけてもうまくいかないと感じているなら、抱えている悩みと、片づけに期待していることを分けて考えてください。
・ものが多くて動きにくい。
・どこに何があるのかわからない。
・見た目がぐしゃぐしゃだからストレスになる。
・同じようなものはいくつも買ってしまう。
・週末、掃除と片づけだけで終わる。
こうした、もの・場所・お金・時間にまつわることは、片づけがいい結果をもたらします。
一方で、
・なんとなく寂しい。
・これからどう生きていったらいいのかわからない。
・職場の人間関係がうまくいかない。
・何をするにも迷いすぎて決められない。
・いい人で思われようとして無理をしてしまう。
こうした気持ちの問題を、片づけで解決しようとするのはやめましょう。
なかには、お金の不安のように、片づけでうまくいく部分と、そうでない部分が区別しにくい悩みもあります。
片づけは家計の見直しに役立ちますが、将来が不安という気持ちは、部屋を整えても消えません。
片づけに多くを望んでいると、身の回りで起きたことを、これも断捨離のせいだろうかと考えてしまうことがあります。
体調を崩したり、家族とぶつかったり、仕事でつまずいたり。
ふだんならそこまで気に留めないできごとを、いちいち片づけに引き寄せて、あれこれ勘ぐってしまうのです。
こうなると、片づけのせいで、かえって気持ちの問題が増えます。
気持ちの問題は、片づけ以外に対処法があります。
たとえば、部屋はすっきりしたけど、むなしいと思うなら、そのむなしさは、ものの量ではなく、生きがいや、人とのつながりにまつわる感情かもしれません。
そんなときは、友達にメッセージを送ってみる、近所を一回りする、やってみたいことを小さく始める。こんな行動をするといいでしょう。
私は、気持ちがざわつくとき、引き出しを開けて中身を整理することがあります。
これで、気分転換できて、それですっきりすることもあります。
ただ、ざわつきの原因はたいてい別のところにあります。たとえば、睡眠不足で体が疲れている、娘とけんかしてもやもやしているなど。
このような場合は、しっかり寝る、娘に謝るなど、根本的な解決につながる行動をするほうが、早く平常心に戻れます。
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片づけは、人生を変える魔法ではありません。
最初から期待しすぎなければ、あとで裏切られたような気分にはなりません。
うまくいかないときは、ものを整理する目的を、もう一度考えてみてください。
片づけが心の整理につながることはあるので、ばっさりやめてしまう必要はありません。
少しずつ片づけながら、気持ちの余裕を作り、ほかの問題にも対処していきましょう。














































