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先日、友人2人と一緒に外出して、もやもやする出来事があったとお便りをくれた読者がいました。
そういうこと、よくありますよね。
自分はイタリアンがいいのに、ほかの人が和食と言うから黙って合わせた。
帰りはタクシーより歩きたかったのに、多数派に従った。
相手に悪気はないし、大きなトラブルがあったわけでもありません。
でもなんとなく気持ちが重くなります。
このような、人付き合いで起こる「もやもや」を減らす方法を紹介します。
ポイントは、自分の意見をうまく伝えることです。
もやもやの正体は、自分の気持ちを飲み込んだこと
友達と過ごしたあと何かがひっかかるとき、相手に原因があると思いがちです。
あの人が強引だった、空気を読んでくれなかった、と相手を責めたくなりますよね。
ですが、よく考えてみると、心がざわざわする本当の原因は、自分が黙ってしまったことにあります。
自分はこうしたいと思っていたのに、それを口に出さなかった。
その後悔が、もやもやの正体です。
厄介なのは、こうした場面がどれも些細なことだという点です。
どの店に入るか、何に乗るか、何時に帰るか。
どれも人生を左右するような大問題ではありません。
だから、わざわざ主張するほどのことでもないと思って、黙ってしまいます。
ところが、こうした我慢は積み重なります。
1回なら気にならなくても、2回、3回と続くうちに、相手と会うこと自体が億劫になるでしょう。
最終的には、友達付き合いそのものを面倒に感じるかもしれません。
もやもやを放置すると、大切な関係まで手放すことになりかねないのです。
わかっていても、つい相手に合わせてしまう理由
もやもやしないためには、自分の気持ちを伝えればいいのですが、そう言われても、そんなに簡単にはできません。
なぜ言えないのでしょうか。それにはいくつか理由があります。
場の空気を壊したくない
私たちは、いついかなるときも、場の空気を壊したくないと思います。
せっかくみんなで集まっているのに、自分だけ違うことを言って雰囲気を悪くしたくないのです。
特に日本で育った人は、和を大事にする文化の中で暮らしてきたので、この意識が強いです。
私もカナダに来て長いですが、幼いころに身についた空気を読む癖は、未だに抜けていません。
自分の意見を言うこと=相手を否定することと考える
自分の希望を伝えることと、相手の意見を否定することを混同している場合もあります。
「私はイタリアンがいい」と言うのは、「和食はダメだ」と言うのとは違います。
それなのに、頭の中では同じことのように感じてしまい、口をつぐむのです。
とりあえず合わせるほうがラク
何も言わず、その場の流れに合わせるのが一番ラクだという考えもあります。
自分の意見を言えば、説明する必要があるかもしれないし、話し合いが長引くかもしれません。
それなら相手に合わせてしまったほうが、その場は早く収まります。
ただ、その場の楽さを選ぶと、あとから後悔することが増えます。
協調性かただの我慢か。その見分け方
もちろん、相手に合わせること自体は悪いことではありません。
友達の提案に「いいね、そうしよう」と思えるなら、それは協調です。
自分も納得しているのだから、あとから気持ちがひっかかることはありません。
問題は、本当は嫌なのに黙って従い、あとで後悔するパターンです。
これは協調ではなく、自分を押し殺す行為です。
この2つは、どちらも相手の意見に従っているから、一見同じことに思えます。
しかし、自分の内側では全然違うことが起きています。
この2つの違いは、合わせたあとに、違和感があるかどうかです。
もやもやが残るなら、それは自分を押し殺したサインです。
人と行動したあと、後悔することが多いなら、少し自己主張をしてみましょう。
角を立てずに自分の希望を伝えるコツ
自己主張というと、相手と対立するようなイメージを持つかもしれません。
でも、ここで言う自己主張は、もっと小さくて穏やかなものです。
相手を説得しようとするのではなく、自分の選択を静かに伝えます。
自分の行動だけ決めて伝える
一番簡単な方法は、相手にどうしてほしいかではなく、自分がどうするかだけを伝えることです。
たとえば、「タクシーに乗ろうよ」と誘われときに、「歩いたほうがいいと思う」と言うと、相手の提案を否定する形になります。
一方で、「私は歩いていくね、先に着いたら入口で待ってる」と言えば、自分の選択を伝えているだけです。
相手はタクシーに乗ればいいし、自分は歩けばいい。
どちらも自分の行動を選んだだけで、対立は生まれません。
「私は先に帰るね」「私はこっちにするよ」など、主語を自分にして、自分の行動だけを決めてみてください。
これだけで、嫌な気分が残りません。
理由を短くつけ加える
自分の選択を伝えるとき、理由を一言だけ添えると、さらに自然になります。
「ちょっと歩きたい気分だから」「今日は胃が重いから軽めにするね」「明日早いから先に失礼するね」。
長い説明は必要ありません。
一言あるだけで、相手も「そうなんだ」と受け入れやすくなります。
理由を言わずに突然違う行動をとると、相手が戸惑うことがあります。
こんなとき、短くても理由があれば、相手は安心します。
否定ではなく選択肢を増やす
相手の意見に対して、別の選択肢を出したいときは、提案の形にすると角が立ちません。
「和食もいいけど、イタリアンはどうかな?」と言えば、否定ではなく選択肢を増やしただけです。
結果的に相手の意見が採用されたとしても、自分の希望を口に出せた事実は残ります。
それだけで、後味の悪さが解消されます。
言ったけれど通らなかったのと、最初から何も言わなかったのとでは、あとの気持ちがまったく違います。
筆子はこうして変わった
私も若いころは、自分の意見を飲み込むことがよくありました。
たとえば、友達がデザートを頼むと、本当はいらないのに何となく同じケーキを注文していました。
みんなが食べているのに自分だけ頼まないのは悪いかな、と思っていたのです。
今は、注文する前にまず自分の本心を確認するようにしています。
本当に食べたいのか、それともただ合わせようとしているだけなのか。
食べたくないなら、「私は紅茶だけにするね」とそのまま伝えます。
ポイントは、相手の注文を聞いてすぐに同調しないことです。
一呼吸おいて、自分はどうしたいか考える。
その数秒があるだけで、流されにくくなります。
行動だけでなく、会話の中でも同じです。
たとえばニュースの話題で、ニュースの話題で意見が違うとき、以前の私は、自分は違う考えでも、反対意見を出しにくくて黙ってうなずいていました。
今は、まず相手の言葉を受け止めます。
「うん、確かにそうかもね」と、いったん相手の意見を認めます。
そのうえで、「だけど、こういうふうにも考えられるかも」「人によって考え方はいろいろだよね」とソフトに別の視点を出します。
もしくは、「こんなふうにも考えられるんじゃない?」と相手に問いかける形にします。
自分の意見を押しつけるのではなく、別の見方もあるよ、と伝えます。
これなら相手を否定せずに、自分の考えも表に出せます。
どちらも小さなことですが、こうした場面でひとつずつ練習していくうちに、気分が重くなることが減りました。
「友達ならなんでも一緒」この思い込みを手放す
友達だから、いつも一緒に行動しなければならない。
そう思い込んでいる人は少なくありません。
ですが、実際にはそんなルールはどこにもないのです。
映画のあとに友達は買い物に行くけれど、自分は先に帰る。
ランチのあと、友達はカフェに寄るけれど、自分は散歩して帰る。
こうした別行動を提案しても、友人関係が壊れることはまずありません。
むしろ、毎回無理に合わせ続けるほうが、長い目で見ると関係を壊します。
我慢が積もって爆発するか、会うこと自体を避けるようになるからです。
どこまで合わせるか、何は譲れないか。
自分なりの基準を持っておくと、そのつど迷わなくなります。
たとえば、食べるものは自分の体調を優先する、帰る時間は自分で決める、興味のない集まりには無理に参加しない。
こうした基準は、相手を拒絶するためのものではありません。
自分が気持ちよく人と過ごす土台です。
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ここまでお伝えしたように、沈黙してしまうと心のひっかかりが残ります。
解決策は、少しでいいから自己主張することです。
別に大げさなことは言う必要はありません。
「私はこうするね」と、自分の選択を静かに口にしましょう。
最初はうまくいかないかもしれません。
根気よく、小さな場面で1回、また1回と練習していけば、だんだん自然にできるようになります。
自分の気持ちを伝えられるようになると、人と過ごす時間がずっとラクに、楽しくなりますよ。













































