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口呼吸が健康に及ぼす弊害をお伝えします。呼吸とは、本来鼻からするものです。口呼吸はある意味不自然なので、健康によくありません。
重い物を持ち上げようとしているときや、運動しているときは呼吸が早くなるので、口を開けて呼吸するのはごく自然なことです。ですが、ふつうにしているときは、鼻から呼吸してください。
そもそも呼吸とは?
呼吸を知らない人はいないと思います。息を吸ったり吐いたりすることです。酸素を体内に入れて、二酸化炭素を排出します。
人は、食べ物から摂取した栄養素を、酸素を使いながら燃やし、それで生命活動を維持しています。体内に取り込まれた酸素は肺から血液に入って全身に運ばれます。
物を燃やすと燃えカスが出ますが、人の場合これは二酸化炭素です。二酸化炭素も、血液に入って肺に送られ、肺から吐き出されます。
つまり呼吸とは酸素と二酸化炭素のガスの交換です。
燃やすといっても、すごくゆっくりゆるやかに燃やしているので、別に体のあちこちで、めらめらと炎が出ているわけではありません。
人が息を吸ったり吐いたりできる器官は鼻と口です。穴はあいているけれど、耳からは息は吸えません。ふだん特に考えなくても、自律神経が働いて勝手に呼吸しています。
勝手に呼吸しているので、これまで私は、深呼吸をするときと、子供のころ、寒い日に外で息をはーっと吐いて白くするのをおもしろがる時ぐらいしか、呼吸について考えたことはありませんでした。
ちなみにカナダに住んでいる今は、息が白くなるのは日常茶飯事なので何の感動もありません。
ところが、数ヶ月前にデンタルケアの記事で紹介した、「あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき」という本に、口呼吸しているから歯が悪くなる、と書いてあるのを読みました。
デンタルケアの記事⇒オススメのデンタルケア:ワンタフトブラシで歯垢を取る
口呼吸をしていると、唾液が蒸発してしまうからです。唾液には殺菌作用があります。夜間、寝ているときは口が乾きがちなので、細菌の活動が活発になります。このとき、鼻でなく、口で呼吸するとますます口の中が乾燥して、たくさんの細菌が口の中のみならず、体内に侵入するのです。
歯をこれ以上悪くしたくない私は、口呼吸と鼻呼吸についてさらに調べてみました。すると、もともと人は鼻から呼吸するようにできている、とか、呼吸は鼻からするものである、といろいろなところに書いてあります。
考えてみれば、鼻の穴はずっと空いていますが、口は閉じることもできるので、言われてみればその通りです。
私も昼間、たいていは鼻で呼吸しているのでしょう。他の人もそうだと思います。口を開けてなければ、鼻呼吸しか選択はありません。
ただ、寝ているときのことはわかりません。何せ無意識なのですから。寝ているとき口呼吸している人は、当然のことながら起きた時、口の中がからからに乾燥しています。
実は、私も昔そういうときがありました。もし虫歯菌がたくさんいたら、口の中はネバネバもしているでしょう。
寝てるときも、なるべく鼻から呼吸したほうがいいのです。これは意識することで治せます。
なぜ口呼吸になってしまうのか?
生まれたときは、鼻呼吸するようになっています。鼻はそのようにデザインされていて、冷たい空気を吸っても鼻の中であたため肺に負担がかからないようにしています。また数々の細菌も鼻の中の細かい毛でフィルタリングされ、体内に入らないようになっています。
詳しくは⇒インフルエンザや風邪をできるだけ自然に予防する方法
最初はみんな鼻呼吸をしていますが、口からも呼吸できるとわかると、そっちのほうが楽な場合、口呼吸になっていきます。
さまざまな事情から、鼻から充分息を吸い込むことができなくて、口呼吸に変換し、それがくせになってしまうのです。
たとえば、こんな原因から口呼吸が始まります。
1.アレルギー
アレルギー性の鼻炎や花粉症のせいで、鼻づまりがおきると鼻から呼吸できないので口を使います。
2.指しゃぶり
赤ちゃんが指をしゃぶるのは見てて可愛いですが、習慣的にやりすぎると歯並びに影響し、前歯がうまくかみあわなかったり、出っ歯ぎみになることがあります。
すると口を閉じにくくなるので、無意識のうちに、口をあけるようになり、口呼吸に変わっていきます。
赤ちゃんの場合は、母乳より、哺乳瓶で育つと口呼吸になりやすいです。なぜならば、母乳を吸っているときは、常に鼻呼吸をしているからです。
3.アデノイド
アデノイドは鼻と喉の間にあるリンパ組織(別名 咽頭扁桃 いんとうへんとう)が肥大した状態です。子供はだれでも、ここが大きくなるそうです。
5歳頃をピークに小さくなっていきますが、これが、肥大したままだと鼻づまりになり、口呼吸に移行します。アデノイドは耳にも影響し、難聴になることもあります。
4.いろいろな事情から鼻がつまりやすい
病気や、鼻の骨の形などのせいで、鼻がつまりやすい人は、息がうまくできないので、口呼吸になります。
5.風邪などの呼吸器の炎症
風邪をひきやすく、常に鼻水がズルズル出ていたりすれば、口呼吸になります。
口呼吸のよくない影響
1.舌の位置が変わる
口で呼吸するようになると、舌の位置や動きが変わります。舌は本来、上の前歯の歯茎についているべきです。
しかし、この位置だと口呼吸がうまくできないので、口呼吸する人の舌はもっと下がって前にでています。上の前歯の後ろ⇒上の歯と下の歯の間あたり、下の歯の後ろとさがってきます。
舌の位置がさがると、うまくしゃべれません。後で詳しく書きますが、子供の場合、いつも舌が下がっていると、顔の形や歯の健康に影響します。
逆に言うと、口呼吸を治すには、まず舌の位置に意識をむけて、本来あるべきところにつければいいのです。私は、特に努力したわけではないのですが、寝るときと、起きたとき、ちゃんと上の前歯の歯茎についているので、最近は鼻呼吸ができているようです。
でも昔はよく昼寝をするとよだれのあとが乾いて、口元についていました。木枕に変えたせいで、鼻の気道が広がって鼻呼吸になったのだと思います。
木枕について⇒木枕でウソのように肩こり解消~健康にいいし、小さいし、床に寝るミニマリストには理想の枕です
舌の位置を矯正するには、あごや口周りの筋肉を鍛えるといいそうです。本にものっていましたが、「舌の体操」で検索するとたくさん出てきますので興味のある方は調べてください。舌は筋肉なので筋トレできます。
2.顔が変形する
口呼吸をしていると人相が変わります。
顔は長く細めになり、頬骨が低く、顎の骨も小さくなってあごが小さくなります。つまり面長、V字型ぎみに。
上唇がめくれぎみになり、分厚くなります。鼻をあまり使わないため、鼻が発達せず、全体的に鼻は目立たない雰囲気に。
こういう顔の形でも、目が大きかったり、パーツの配置が整っていれば、美しく見えるかもしれませんが、顔の中心である鼻やその周囲の筋肉を使わないので、なんとなく間の抜けた顔になります。
大人は手遅れかもしれませんが、子供の場合、まだ顔を作っている最中なので、早急に鼻呼吸に治してあげましょう。
3.歯並びが悪くなる
舌の位置がずれるため、本来なら広がるはずの上顎が広がらず、前歯が出っ歯になりやすいです。
歯並びが悪いと、見た目もよくありませんが、歯垢を取りにくくなり、虫歯になりやすいのでこっちのほうが問題です。
マススピースをはめて歯並びを矯正しつつ、そのあたりの筋肉を鍛えれば、口呼吸を矯正することができます。特に子供に有効です。
私の娘はとても歯並びが悪かったのですが、日本円で70万円以上出して、1年半かけて矯正させました。北米ではティーンエイジャーはよく歯を矯正します。娘は今も夜寝る時はマウスピースをはめています。
矯正させた理由は、笑顔が魅力的なほうがよかろう、と思ったのが1つ、それと、自分があまりにも歯の治療で苦労しているので、かみ合わせをきれいにして、歯の健康を保ってもらいたいと思ったからです。
歯並びが悪いのは、思いのほか、健康にダメージがあります。
4.歯が悪くなる
口呼吸すると、唾液がかわいて、虫歯になりやすいのは先に書いたとおりです。歯の中の細菌が増えるので、歯肉炎、歯周病といった、歯茎の病気にもかかりやすくなります。
5.歯(特に前歯)に色がつきやすい
歯に汚れがつくのは、歯が乾燥しているからです。歯はふだんは唾液でちょっと濡れていますが、口呼吸のせいで乾燥し、汚れがつきます。
汚れというものは、すぐにふけば取れますが、放置して乾燥させると、定着します。
6.口臭がきつくなる
唾液が減るので、細菌が増え、口の中がくさくなります。
7.風邪をひきやすくなる
鼻から呼吸をしていれば入らなかったであろう細菌が、口から入るので、風邪をひきやすくなったり、喉の炎症が起きやすくなります。喉には鼻毛にあたるものがないですから。
7.いびきや無呼吸
いびきにはさまざまな原因がありますが、口呼吸もそのひとつです。いびきは空気が通る鼻や喉(上気道)が狭くなるのが原因です。口呼吸をすると、上気道が狭くなってしまうのです。
8.猫背になる
口呼吸すると、口から空気をうまく取り込むために、心臓が前のほうに出て、肩がさがる姿勢になります。それが猫背を引き起こします。猫背は背骨によくありません。
逆に言うと、猫背をやめれば、鼻呼吸しやすくなります。
このほかにも口呼吸はさまざまな病気を誘発すると考えられています。
たぶん1番問題なのは、歯を悪くしてしまうことと、細菌に対して無防備になることでしょうね。
細菌を体に入れれば入れるほど、免疫の負担があがり、それだけ、いろいろな病気にかかりやすくなります。
免疫について⇒免疫力を上げるために手放したほうがいい6つの習慣
もともと人のからだは、鼻から息をするほうが楽にできています。口呼吸をすると、酸素を充分に血液に送り込むことができないので、大人なら高血圧や心臓病のリスクがあがります。
口呼吸から鼻呼吸に治す方法ですが、これはそんなに簡単ではありません。なぜならば、長いあいだ口呼吸していた人は、舌の位置も、口周りの筋肉も、口呼吸がうまくできるように、調整されてしまっているからです。
まず、自分が口呼吸しているかどうか考えてみて、口呼吸しているのなら、鼻で呼吸することを意識することが大切です。寝ているとき口を開けていれば口呼吸しています。
私は、舌の位置に意識をむけて、ついでに本にのっていた口周りの筋肉を鍛える体操も時々やっています(本当は毎日やるべき)。
あと、これは個人的な意見ですが、木枕にしたら自然に鼻呼吸になると思います。もちろん正しい位置に頭をのせるべきですが。つまり枕の上に首をのせます。床と頭が平行になっているのが理想です。