山登り

TEDの動画

物にお金を使わず体験に使おう:ショーン・ボナー(TED)

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ミニマルライフの参考になるTEDの動画を紹介しています。今回はショーン・ボナーさんという方の2010年のTEDXウィーンでのプレゼンです。

物にお金を使わず、体験に使おう、そのほうが楽しいよ、人生は短いしたった1度きりだよ、というのが彼のテーマです。

5年前の2010年のプレゼンですが、現在、注目を集めつつあるミニマリストのライフスタイルをいち早く提案しています。

ゆるいプレゼンです

TEDのほかのスピーカーに比べると、たいへんゆるい話し方。「説得する」という感じではなく、友だちに「最近、僕こんなことしてるんだけどさ~、よかったら君もどう?なかなか楽しいよ」といったノリです。

オーラルプレゼンテーションの先生には叱られそうな話し方ですが、親しみは持てます。彼はほかの場所でも、さまざまなプレゼンをしているので、話慣れないというより、これが彼のスタイルなのでしょう。

時間は11分ほど。TEDXのプレゼンなので日本語字幕がないため、詳しめに抄訳をつけました。

※TEDについてはこちらをどうぞ⇒もう自己啓発本を読む必要なし~成功するため8つの秘密とは?(TED)

A life built on experiences, not stuff 物ではなく、体験に基づいた人生

物を買えばどんどんたまってしまう

こんにちは。ショーンです。

きょう話すのは、どちらかというと、僕が自分の暮しで実験的にやっていることや友だちのやっていることに関する哲学的な話です。

ほかの人も興味があるかもしれないと思うので紹介します。もし興味がなければ、まあ、クレイジーな人たちなんだなと思って見て下さい。

僕はもともと物を集めるタイプでした。物や情報を探すことに必死で、いつもどれだけ情報を得られるか、どれだけたくさん物を集められるか考えていて、それはもういろいろ集めてました。

おもちゃ、レコード、Tシャツとか。ずっと同じ場所に住んでいると、こういうものがどんどんたまるわけです。数年前に引っ越したんですが、そのとき、1つ1つの物を実際に自分の手でさわることになって、「持ってるけど、全然使ってない」と考えざるを得なくなりました。

物を買って今いちだったとしても、返品しません。というのも、それなら最初から買わなかればよかった、ということを認めることになるので。それで全部クローゼットにしまって、そうやって物はどんどんたまるわけです。

買って、友だちに「僕はこんなすごい物、手に入れたよ」なんて話したりして。

でも実際は物はそこに居座り、僕たちは、いろいろ世話をするだけで、実際にその物を楽しむってことはしません、楽しいのは買うときだけで、いったん買ったら、楽しいのは終わってしまいます。

物の管理をするのが仕事になるのは、そんなにいいことではないです。

アメリカ人は倉庫代として、年間220億ドル使っているそうです。みんな収納にお金を使っています。

物より体験にお金を使うほうが楽しい

僕がおもちゃを集めていたときは、最もたくさんのおもちゃを集めて死んだ人が、勝ち組だ、なんて思ってたもんです。

でも、いったん物を手放し始めて、自分がこれまでどれだけのお金を、このコレクションに使ったか考えると、そこまでする価値はなかったと気付きました

物に使ったお金や時間、その他のリソースを、何か体験するのに使ったほうがよかったと思いました。

それも何か、自分がやりそうもなかったことで、やるのにちゅうちょするようなことに。

そこでここ何年かいろいろやったんですが、たとえばスキューバ・ダイビングをしました。僕は30代後半だし、ボートとかサメとかすごく怖かったんですが、やりました。

どんな結果になったとしても、僕がスキューバ・ダイビングをしたという事実は変わらないし、無重力体験をしたとか、ふわふわしたとか、そういうことは、箱に入れて、クローゼットにしまって、忘れて、ほこりまみれになって、誰かがガレージセールで売るようなことではないんです。

僕は生涯、「僕は無重力体験した」と覚えています。スキューバ・ダイビングはエキサイティングです。

物にお金を使うのをやめて、体験にお金を使うほうがいいんじゃないかと思うんです。そのうほうが人生が少しよくなるんじゃないかなと。人生はそんなに長くないし、もっと楽しんだほうがいいですよね。

テクノロジーがあるから人とつながれる

僕たちはある意味ラッキーです。テクノロジーの進歩のおかげで、前はできなかったことができるようになりました。

どこに友だちいるのか、友だちが何をしているのか、どんな良いものを持っているか、友だちがやろうとしていること、たぶん自分では想像もつかないようなこととかわかるし、買った本はポケットに入れて持ち運べるし。

これはneighborgoods (ネイバーグッズ)というサイトです。友だちが運営しています。人と物をシェアできるサイトです。はしごや電動ドリルなど、買って、1回使ってしまいっぱなしにしているようなのを登録して、他の人が使えるようにします。

Steven K Roberts(スティーブン・K・ロバーツ) という人が Technomads (テクノマッド)という言葉を使い始めました。1988年のことです。

彼はパソコンを装備した自転車を作りました。旅をしながらパソコンもできる自転車です。これは1988年のことだから、彼はYouTubeなんて見てませんでした。今みたいに人とネットでつながる時代ではなかったです。

彼は本を書き、自分みたいに旅をする(モバイルになる)ことに興味を持った他の人とつながるために、ホームページも作りました。

似たようなことをやっている人を紹介しています。ボートとかね。今は大きなコミュニティができています。カヌーなんかでいろいろなところに行くわけです。

興味があればやってください。僕ならノートパソコンを持ってカヌーに乗ってどこかに行きますが。

旅をすると自分にとって大事なものがわかる

僕は自転車にパソコンをくっつけたりしませんが、旅行はしています。これは今年の初めにとった写真で、僕の妻と子供と、たまたま電車で居合わせた男の人です。

去年も旅行はしたんですが、今年は、ホームレスみたいに、まあ実際には家はありますが、気ままに行きたいところに旅行してみようと考えて、僕たちがもっていたガラクタを全部、倉庫にあずけて、旅に出ました。

シンガポールに1ヶ月、パリに2ヶ月みたいに、住むところは、たとえば、たまたま街を出る友だちのアパートを借りるといったような、行き当たりばったりに旅をして、今またロス・アンジェルスに戻ってきました。

ほぼ1年、旅をしていて、いろいろ学びましたよ。何が必要で、そうじゃないかということを。LAに戻ってきて、倉庫に自分の荷物を取りに行きましたが、もう「こんなものは全部いらない」という気持ちになりました。必要ないんです。

8ヶ月旅をしているあいだ、倉庫に入っていたガラクタは全く必要なかったのですから。

こういうふうに旅をすれば、何が大事なもので、何がどうでもいいもので、どんなことがおもしろいのかわかります。

旅のことをWebに書き始めましたが、すぐにあきてしまったので、ポッドキャストを始めました。最初はやる気があったものの、これも少しだけです。でも聞いてもらうことはできます。

よかったなと思うのは、僕の息子が、今9ヶ月ですが、そのへんの大人より、たくさんスタンプの押されたパスポートを持っていること。

アメリカは大きいので、ヨーロッパを回るのはアメリカの1つの州の中を回るようなものですが。要するに、僕たちはいろいろやれることがあります。人生は1度だけですし、生き方を変えることができると思います。

僕は同じようなことに興味のある人が情報交換できるサイトを持っています。物を捨てたり、減らしたり、いろいろなところに行ったりするような。

よかったらチェックしてください。ありがとうございました。

—– 抄訳ここまで ——-

ショーン・ボナー(Sean Bonner)について

ボナーさんはロス・アンジェルスをベースにした起業家(アントレプレナー)で、メディアを中心に実にいろいろな仕事をしています。

日本に縁があるところでは、セーフキャストという、日本の放射線量を測定しているネットワークの共同創設者です。

セーフキャストは「環境に関するデータを使って人々に力を与える活動を行う、世界的な市民科学プロジェクトのボランティア・グループ」です。

ブロガーであり草の根ジャーナリスト、さらにメディア・アートもたしなみ、レコードレーベルも持っているし、MITのリサーチャーもやっているし、ほかにもたくさんのプロジェクトを起こしています。

ショーン・ボナーのプロフィールは本人のサイトで確認できます⇒sean bonner dot com 読んでもよくわかりません。いろいろなアイデアを形にするのが得意な人なんだろうな、と思います。

プレゼンで紹介していた自分のサイトはもうなくて、今はこちらがサイトです⇒sean bonner dot com

彼はフェイスブックが嫌いなので、フェイスブックのシェアボタンはありません。またテレビも嫌いだそうです。

セーフキャストのカンファレンスのために、今年の春、来日もしています。

テクノマッドとは?

Steven K Roberts(スティーブン・K・ロバーツ)は、今のノマドワーカーの先駆け。1980年代、30代初めのころ、アメリカのサバーバンライフにうんざりして、パソコンを設置したカスタムバイクを自分で作り旅に出た人です。

安定より、自由を選んだ人として、同じような志向を持つ人に大きな影響を与えました。今も自転車で旅しているみたいです。

ただ旅をするのではなく、パソコンを使って仕事もします。こういう人のことをThechnomad テクノマッド (thechnology + nomad テクノロジー+ノマド)と呼びます。nomad は「遊牧民、放浪者」。ノマドワーカーのノマドです。

テクノマッドは、単にノートパソコンをもって世界中を旅をするのではなく、自転車やボートに乗るので、より冒険の精神が求められます。

物ではなく体験にお金を使うことのメリット

物にお金を使っても使いがいがないのは本当です。物を買った喜びというのは長続きしないですよね。特に同じようなものがいっぱいあると、1つ1つのものがあまり大事に思えないので、ますます喜びがありません。

私は、これまでの人生でずいぶんたくさんの物を買いましたが、ほとんどあとで捨てることになりました。今、自分の手で断捨離しておらず、家の中にためっぱなしにしている人も、自分で捨てないだけで、ずっと先、子供や他の人が捨てることになるのです。

特にコレクター気質のある人は要注意です。集めたところで何にもなりません。

私の場合、現在、物に使っていない分のお金は歯の治療や、娘の教育費、その他雑多な生活費に消えてしまって、やや不本意です。しかし、この調子で、物を買わないでいると、何か楽しい体験に使えそうだと期待しています。

少なくとも物持ちでなければ、それだけ身軽に動けるのです。

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