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8年使わずに持っていたマフラーを捨てた時、今更ながら、「うっかり物を入れる恐ろしさ」に気づきました。
一瞬の「うっかり」のせいで後々大きな代償を支払うことになる。今回はそんなお話をします。
月に1度のワードローブの点検
2015年の夏のこと。その日、私は、手持ちの衣類の点検をしていました。
服の数を減らすため、月に1度はワードローブのチェックをしていたのです。
衣類の数はかなり絞ることができたので、その日は、小物に移りました。ファッション小物です。
おしゃれ雑貨は小さいので、たまりがち。一度家に入れるとなかなか出ていきません。
やたらと持っていた巻物
調べてみたら、自分はやたらと巻物を持っていることに気づきました。お寿司ではありません。首に巻く物です。
1996年から、比較的寒い場所に住んでいるので、防寒具の数が増えていました。
手袋や帽子など。
雑貨屋の福袋を買ったりしていたのもまずかったです。福袋はお得だと思っていたのです。
福袋で物を増やした話⇒筆子の物を増やした3つの危険な習慣とは?~ミニマリストへの道(10)
たくさん小物を持っていても、私の手は2本、首は1本、頭は1つだけ。
巻き切れません。
パリジェンヌは、首にスカーフを2つ3つ、おしゃれにぐるぐる巻いています。昔ノンノ(雑誌)やらの、「リセエンヌのファッション」なんてグラビアを熟読し、あこがれていました。
けれども、身長が低く、小太りで、首の短い私がそれをやっても、失敗した雪だるまぐらいにしか見えません。
それにカナダの冬の優先順位は、「おしゃれより防寒!」です。
何となく持っていたマフラー
この日より前に、自分の持っているファッション雑貨を全出しして調べていました。
このとき、首や頭に巻くものもかなり捨てました。ところが、まだけっこうう残っていたのです。
ネックウォーマー2つ、マフラー1つ、スカーフ1つ。
1本の首に4本の巻物。
マフラーとスカーフは用途が似ているので、マフラーはほとんど出番がない状態でした。
冬場い、走るときや、買い物に行く時は、邪魔にならないネックウォーマーを使い、気温がかなり下がり、顔を出していると痛いときは、シルクのスカーフを顔に巻きつけています。
やはりマフラーの出番はなし。
しかも、このマフラー、もらい物で、自分が気に入って買ったわけではないのです。
素材はウール100%、らくだ色みたいな色でした。
らくだ色というと、あまりおしゃれに聞こえませんが、ベージュといえばシックな色。しかも、アースカラーは、私の好きな色です。
私の衣類の傾向はこちらの写真を見ればわかります⇒ミニマリストの服全14着公開~非おしゃれ系50代主婦の場合(写真あり)
素材はいいし、色も素敵。
ですが、こういう思考は、このマフラーをもらって家に入れた後、後付けで考えた「マフラーを手放さない理由」なのです。
後付けの理由をたてにして、家の中に居座っていた物たちをこれまで何度、断捨離してきたことか?
本当に気に入っていたら使うはずです。
やはり自分で選んで買ったものじゃないせいか、なんとなくしっくりこないものを感じていました。
天然素材は好きですが⇒私が天然繊維を選ぶ5つの理由~静電気が健康に及ぼす害はあなどれない
いくら素材や質がよくても、使わなければ、そのよさはまったく生かされません。
宝の持ち腐れ。
「いつか使おう」と思い続けるだけの日々
片付けをしていて、マフラーが目に入るたびに、私はこんなふうに考えました。
「せっかくの天然繊維、使わないともったいないよ」。
「たった1つのマフラーだし、今度何かのときに使おう」。
本当に見るたびにそう思いました。
ですが、思うだけで、全然使いませんでした。
こういうこと、よくありませんか? 「思っているだけ」のできごとが。
「こうしよう」と思うことと、実際にそうすることには、千里の道ぐらいの隔たりがあるのです。
「今度使おう」と思いつつ、全然使っていない事実を確認したこの時点で、すでにこのマフラーは私には必要のないものである、と判明していました。
ところが、どこまでも未練がましい私は、「今度こそ、本当に使おう。持っているものは使うべきよね」と思ったのです。
マフラーを無理やり使ってみた日
とうとう、使っていないマフラーを、無理やりダウンジャケットの上に巻いてみました。
2015年1月のことです。健康診断に出向く時に使ったのです。
初めて、しっかりこのマフラーを首に巻いて外出した日は、雪が横殴りに降っていました。
素材のせいか、ダウンジャケットの上ですべって、だんだんほどけてきます。首にぐるぐる巻きにして、しばりつけなければなりませんでした。
本当は、首まわりにゆるやかに巻いて、ほっぺたもカバーしたかったのですが。
シルクのスカーフなら、顔も首も巻くことができて、暖かいのに。スカーフを巻いてこなかった自分を呪いました。
この日の健康診断のことはこちらの記事で少しふれています⇒ダイエットの春は、脂肪の断捨離ノートと禁ナッツの誓いから
過去1年でこのマフラーが登場したのはこの雪の日だけでした。
この日のできごとが、「もうこのマフラーは断捨離するしかないのだ」とダメ押ししたのです。
8年後にようやく捨てる
ところが、まだ私は捨てませんでした。マフラー1本はそんなに邪魔にならないので、箱の下のほうに入れて、放置していました。
この頃すでに、私のワードローブのすべては、パンツ(スラックス)やレインジャケット、ダウンジャケット、パーカ以外は、小さなダンボール箱におさまっていました。
私の衣類の箱の写真はこちらにあります⇒脱いだ服をどこに置くかという問題の考察~汚部屋改善 ☆この箱は、去年(2017年)の春、かごにグレードアップしました。
服が箱の中で重なっているので、下のほうにある物はふだん、目につきません。一応、季節ものは、下のほうに入れています。
この日、ワードローブを見直すために、箱の中のものを全出しし、マフラーの存在を発見したのです。
「あ、これ、まだあったか」。
手にとって首に巻いてみました。夏なのに。
やはりしっくりこないと思いました。スカーフと用途は同じだし、今度こそ、手放すことにしました。
捨てる決断をするまでにどれだけ時間がかかったことか? もらってから8年ぐらい経過していました。使わずに、8年間持っていたのです。
使わない物は最初から家にいれない
もらい物の場合、自分がそれを使うかどうかは、もらったときにわかります。
私もマフラーをもらったとき、「これ、使わないかもな」と感じました。
ですが、捨てるのがもったいなくて、そのままなんとなく所有してしまったのです。いったん自分の物にしてしまうと、執着が出て、なかなか捨てられなくなるのは、これまで当ブログに何度も書いたとおりです。
手に入れると捨てにくくなる話⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる
たいていの人が、捨てることは苦手です。
私はわりとなんでも捨てられるほうだと思っていましたが、意外とそうではないのかもしれません。
暮らしをシンプルにしたいなら、よけいな物を家に入れないことが最重要ポイントなのです。
断捨離の「断」の部分です。
断捨離という言葉の説明はこちら⇒断捨離は悪か?捨て方や片付け方は人それぞれ、マイペースがうまく行くコツ
断捨離に苦労している人、「捨てるのが苦手だ」と感じる人ほど、うっかり物を所有してしまわないことが大事ですね。
さんざん捨てるのに苦労したので、家にどんな物を入れるか、私はかなり慎重になりました。
贈り物を受け取っても、使うか使わないかの判断は、わりとすぐにします。もらったその瞬間に、それをどうするか決めてしまうのです。
使いそうにない物は、欲しい人に差し上げたり、寄付センターに持って行きます。
こうするようになってから、ずいぶんスッキリ暮らせるようになりました。もらった時に、決断を先送りにすると、あとで本当に苦労します。
物をもらったり、買ったりする機会が多い人は、なおさらそうですね。
このシリーズを最初から読む方はこちら⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった
番外編はこちら⇒ただで物をもらう生活習慣はこうしてできあがった:ミニマリストへの道、番外編1
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「ミニマリストへの道」シリーズはこれで終了します。これ以後のことは、このブログにリアルタイムで書いているからです。
またあとになって第二部を書くかもしれませんが。
次回からはもう少し時間を戻し、番外編として、買い物ばかりするようになった人間ができあがった理由を考察したいと思います。