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引っ越しを控えている読者のお便りに返信します。
今の半分ぐらいの家に引っ越すので、狭い家で快適に暮らすコツを教えて、という内容です。
まずメールをシェアしますね。あんこさんからいただきました。
狭い家に引っ越します
いつも楽しく拝見しています。
我が家は5人家族(夫婦と小学生の子ども3人)です。
この度、家庭の経済的事情で、100平米から59平米の家へ引っ越しをすることになりました。
今は大好きだった家との別れに漠然とストレスを感じていますが、新しい家で家族皆で快適に過ごせるように、引越しまでの時間(3ヶ月あります)に物の処分・整理をしたいと思います。
狭い家で快適に暮らすヒントをお聞かせいただけたら嬉しいです。
あんこさん、はじめまして。お便りありがとうございます。もうすぐ引っ越しをされるんですね。
3ヶ月後ということは2月半ばに引っ越しですかね。寒いときに大変ですね。まあ、暑いときよりはいいかもしれません。
私も、2014年の秋にそれまで住んでいた家の半分ぐらいの大きさのスペースに家族3人で引っ越した経験があります。
狭い家で快適に暮らすヒントはおもに3つあります。
・狭い家での暮らしのポジティブな面に目を向ける
・ものをたくさん所有しない
・所有するものに一工夫する
一番重要なのはマインドセットです。
小さな家に対して、「狭くて不便」と思っていると、不便なことや、嫌なことばかりに目が行って、何をしても楽しくありません。
狭いからこそいいことがありますので、それらのメリットに目を向けてください。
この記事では、狭い家で暮らすメリットを紹介し、ほかのポイントは別の記事で補足しますね。
1.シンプルライフが実現する
私が前の家より狭いスペースに引っ越したとき、当然手狭になりましたが、狭いからこそ生じるいいことをたくさん発見しました。
一番の利点は、ものをたくさん持ち込めないから、必然的にシンプルライフになることです。
シンプルライフのメリットについては、過去記事にたくさん書いているので、ここでは3つだけ紹介します。
1)ものや情報が少なくなるので、心の余裕が生まれ、ストレスが軽減される。
2)不要なものにかける時間やお金が減り、本当に大切なことに集中できるようになる。
3)環境への負荷が減り、持続可能なライフスタイルを実現しやすくなる。
人生単位で見ると、どれも大きなメリットです。
2.掃除が簡単で時間を有効に使える
59平米は、635スクエアフィートで、今、私が住んでいる家とほぼ同じ大きさです。
私の場合は、寝室(小さいです)やバスルームにはドアがありますが、キッチンとリビングはワンルーム風につながっています。前の家が、確か1000スクエアフィートぐらいだったと思いますが、その家に住んでいたときより、掃除が楽になりました。
自分1人だけだから、散らかす人もいないので、今は、週に1度掃除をしているだけです。
短時間で掃除が終わるので、ほかのことに時間を使えます。
3.ものが増えない
ものが多いと狭くなるので、小さな家に引っ越すと以前より、家に入れるものを厳選するようになります。
すると、余計なものが増えないので、無駄なものにお金を出さずに済むし、将来的にダウンサイズが楽です。
あんこさんは、まだお子さんが小学生だから若い方でしょうから、ダウンサイズなんてピンと来ないと思いますけど、いずれお子さんが大学生ぐらいになったら、家を出ていきますよね?
夫婦ふたりになったとき、ものが多いと無駄が生じるので、多くの家庭では、お子さんが巣立った段階で、断捨離をすることになります。
でも、今から家に入れるものを厳選してシンプルに暮らしておけば、後々、苦労をしなくてすみます。
私の夫は、ものを捨てない人でしたが、狭い家に引っ越したとき、いろいろなものを捨てるしかありませんでした。引っ越したあとも、むやみやたらと新しいものを持ち込めない環境だったので、彼の持ち物はごく自然に厳選されました。
家にいろいろなものを置くのが好き、いったん手に入れたものをなかなか捨てない。そんな人は、受け入れ先(家)が大きければ大きいほど、ものが増えてしまいます。
4.家族の距離が近くなる
スペースが限られている分、家族の交流が増え、自然にコミュニケーションが活発になります。
家が大きいとそれぞれが自室を持って、自分専用のテレビを設置できてしまいますよね。家族が顔を合わせるのは食事のときだけ、なんてことになるかもしれません。
狭い家なら、もっと顔を合わせるので、家族全員でかかわる時間が増え、つながりや結束力も高まると思います。
引っ越し後も、一緒に片付けたり、部屋を整えたり、いろいろできるんじゃないでしょうか?
今から、お子さんにどんどんお手伝いをさせておくと、あんこさんも楽になりますので、お子さんにちょっとした家事を担当させるといいでしょう。
5.創意工夫が生まれる
狭いスペースに住むと、ものの収納や家具の配置を工夫する必要があります。
ちょっとした制限や不便があるほうが、人の創造力が発揮されるので、生活を楽しむ余地が生まれます。
家族それぞれが、自分の生活に合ったアイデアを出して、実際にやってみてうまくいけば、達成感があるし、アイデアを出そうとする時点で前向きに暮らせるので幸福度が上がります。
なんでも揃っている恵まれた環境は、長期的に見ると、人間にとってはマイナスに働きます。
創造力や問題解決能力を発揮する余地がないから、そうした能力があまり磨かれないでしょう。
生きるうえで、問題解決能力はすごく重要なので、これを磨ける環境に住めるのはとてもラッキーなことです。
6.エコでサステイナブルな生活ができる
ものを増やさず、長く使えるものを選ぶ生活は、環境への配慮にもつながります。
スペースが少ないからこそ、必要なものを大切に扱い、持続可能な生活にシフトできる土壌が生まれます。
お子さんにとっては、すでに大人の私たち以上に、エコな生活をするスキルを身につけるのは重要です。
今後、環境問題はどんどん深刻になるので、エコな生活スキルは今後の人生で大きな財産になります。
エコな生活は、言ってみれば、ちょっと不便な生活だし、お金もかかりますよね?
この不便を楽しめる気持ちがないと、これからの人生はとても苦痛だと思います。
7.経済的負担が減る
あんこさんは経済的理由から今回、引っ越しをされるのでご存知でしょうが、小さなスペースに引っ越すと、今より出費が減ります。
家賃、住宅ローン、光熱費、すべてが下がりますし、先に書いたように、新しいものを家に入れなくなるので、そうしたものへの出費も軽減されます。
ものが少ないので、掃除やメンテナンスの費用も減るし、時間ができるから、その時間をアルバイトや副業に使うこともできます。
総じて、小さな家に引っ越す経済的効果はあなどれません。
浮いたお金を、自分たちの生活の質があがることに使ってください。
では、あんこさん、これからもお元気で、引っ越し準備がんばってください。
私自身が引っ越しをして感じたメリットはこちらの記事にまとめています⇒小さな暮しを満喫中~生活をダウンサイジングしてやらなくてもよくなった7つのこと
引っ越しに関する記事はこれ以外にもあるので、明日、まとめ記事を投稿します。
狭い家で暮らす工夫・関連記事もどうぞ
狭い賃貸マンションで子どもが3人いて、ものが多くてスッキリ暮らせない。ストレスでいっぱいです←質問の回答。
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狭い家で楽しく暮らすヒントとして、マインドセットを変えることを提案しました。
結局、どんな環境に住んだとしても、快適かどうかは、その人の考え方で決まります。
物理的にあまりにも狭くて、人間的な暮らしができないなら、再度、引っ越す必要があるでしょう。
しかし、許容できる狭さなら、住む場所の広さや豪華さにとらわれすぎず、自分の暮らしに本当に必要なものだけを見極め、心地よさを作り出す工夫をしてください。
限られた空間だからこそ、持ち物やその使い方に注意を払い、自分や家族にとっての「快適」を見つけることができます。
住環境はもちろん大切ですが、それ以上に、どんな気持ちで、どう過ごすかが暮らしの質を決めます。
家族全員が協力し、スペースや持ち物に対する価値観を共有すると、コンパクトな暮らしも、豊かで心地よいものになるでしょう。