床に座ってパソコンする女性

ミニマム思考

最終更新日: 2020.05.15

物を減らすことにすごく執着する自分がいやです。

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ミニマリストになったあと、物を減らすことに異常にこだわっています。

これを変える方法を教えてください。

この質問に回答します。まず、メールをシェアしますね。Fさんからいただきました。



部屋に物があるのがすごく気になります

こんにちは。

筆子さんのブログを見させてもらっている女子大学生の者です。

以前1度質問させていただいたことがあります、その際はありがとうございました。

筆子さんの返信を見て大変心が軽くなったのを覚えています。2度目にはなりますが助言いただけますと嬉しいです。

前置きが長くなりましたが本題に入ります。

私は「物への執着」を捨てたいです。

ここでの「物への執着」とは物に情が残っていて手放せない時の執着ではなく、「部屋に物があることを過剰に気にしてしまう」という意味での執着です。

いわゆるミニマリストになり、部屋の要らない物を手放し、自分が快適だと思える住環境を作りました。

ただ快適なはずな今の部屋の状況を見てもなお「まだ物を減らせるんじゃないか」「無駄な物はないか?」と物を減らすことに対して執着をしてしまいます。

物に良い意味で頓着のない人がうらやましいです。

ですのでこの「物を減らすことに対する執着」を軽くする/なくすことに関して筆子さんのアイデアを知りたいです。

長文失礼しました。これからもブログを楽しみにしております。





Fさん、こんにちは。メールありがとうございます。

以前、ミニマリストになったら、買い物を楽しめなくなった、と相談された方ですね⇒ミニマリストになったら買い物が楽しめなくて複雑な心境です。

Fさん、ミニマルライフや、ミニマリストに関して、誤解はしてませんよね?

ミニマリストは、どこまでも限りなく物を捨てる人ではなく、自分らしく楽しく生きるために、不用な物を手放して、自分が大事にしたいものやことに、意識を向けて暮らす人です。

ポイントは、状況にふりまわされすぎず、意図的に、自主的に人間らしく暮らすことにあります。

レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない

「なんとなく、毎日が楽しくないが、物を減らせば、いい人生になるらしい。よし、徹底的に物を減らそう」。もし、そんな気持ちで、物を捨てているのなら、考え方を変えてくださいね。

今回は、4つアドバイスします。

1.なぜ捨てたいのか理由をつきとめる

不用品は捨てて、快適になったはずなのに、なぜ、もっと捨てたいと思うのか、その理由を自分で調べてください。

自分がふだん何を考えて、どんな行動をしているか、そういうことを考えるわけです(これをメタ認知といいます)。

自分が考えていることについて、考えるために、おすすめなのは、しつこいですが、自分の考えていることを紙に書き出すことです。

モーニングページなど書いてはどうでしょうか? ⇒ ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ

日記でもいいですよ。

自分の心の中におりていけば、どんな問題も、解決する糸口が見つかると私は考えています。

捨てることにこだわる理由として、よくあるのが、完璧主義です。

完璧主義の人は、徹底的にやらないと気がすみません。

物を捨てているうちに、もっときっちり、完璧に捨てたいと思い、暮らしをよくするために始めたはずの片付けが、自分のためにならない、強迫的な片付けに変わります。

いつのまにか、物を減らすことが最重要項目(究極のゴール)となるのです。

モーニングページを書きながら、ゴール設定を間違えていないか、調べてください。

何らかの不安やストレスがあり、その状況から逃れるために、物を捨てることを始め、そのうち、そうしないではいられなくなることもあります。

人は、「自分が主導権を握っている」「自分がコントロールしている」という気持ちになれると安心します。

日常生活がみじめで、買い物に走る人も、買い物をしているときは、自分が状況をコントロールしている気になれるからです。

もし、Fさんに、物とは別のところで、何か不安があるなら、その問題を解決すれば、物にこだわることがなくなります。

2.たっぷりあるマインドの採用

どんなときも、「私は大丈夫。私はこんなにいろいろもっている。こんなに恵まれている」と考えるたっぷりあるマインドを採用してください。

たっぷりあるマインドの反対は、足りないマインドです。

足りないマインドとは?⇒なぜ私ばかりが(怒)、と思う人は『足りないマインド』を『たっぷりあるマインド』に変えればよい。

「足りない」から「たっぷりある」へシフトするには? ⇒貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。

いろいろな悩み相談をいただきますが、悩んでいる人で、たっぷりあるマインドを持っている人ってまずいません。

みんな何かが足りないと焦ったり、もがいたりしています。

しかし、どんな現象も、足りていると思えば、足りているし、足りていないと思えば足りません。

家族が3人いて、まんじゅうが2個しかなければ、一見、足りていませんが、それぞれを3つに割れば、均等に分けることができます。

ようは、割る気があるかないかです。

3.問題にフォーカスするのをやめる

「物を減らすことにこだわりすぎている問題」について考えるのをいったんやめてはどうでしょうか?

そうではなく、物を減らして、快適になった部屋で楽しむことに意識を向けてください。

楽しむために、自分が持っているオプションというか、可能性にもっと目を向けることをおすすめします。

Fさんは、前回のメールに、「雑貨屋に入っても、どうせ何も買わないのだから店に入っても無駄」と感じる気持ちと、「雑貨屋めぐりを楽しみたい」という気持ちの板挟みにあっている、と書かれていました。

そういうふうに考えるのは自分の選択です。

買わなくても、雑貨を見るだけで、充分楽しめるわけですから。

私なら、「雑貨屋で時間をつぶすことがなくなって、その時間をほかに使えるからうれしい、節約にもなってるな♪」と思います。

私はカフェインと砂糖は摂らないようにしているから、コーヒーを飲まないし、お菓子も食べません。

けれども、コーヒーの香りは好きだし、喫茶店の内装や、カフェ雑貨を見るのも好きだし(買いませんが)、人がお菓子を作っている動画を見るのも好きです。

冬、ジョギング中に、ジンジャークッキー(しょうがを入れたクッキー)の焼ける香りがすると、「ああ、もうすぐクリスマスだなあ」と、あたたかいクリスマススピリットみたいなものを感じたり、頭の中に、ジンジャーマンのクッキーの像がぼんと浮かび、昔あったことを思い出して、ふふふと心の中で笑ったりします。

娘とジンジャーマンクッキーを作ったことや、前の家に引っ越してきて数年後、台所のレイジースーザン(回転テーブルみたいな物入れ)の下から、前の住人が使っていたらしい、大きなジンジャーマンクッキーのクッキー型が出てきて、「得した!」と思った記憶がよみがえるのです。

何かを捨て、何かをあきらめたからといって、殺伐とした砂漠のような世界になるわけではなく、これまでの記憶や、これから体験していくことから、いくらでも人生は豊かになります。

そちらに目を向けてほしいと思います。

そうしないと、今回、この記事を読んで、物を捨てることにこだわる問題を解決できたとしても、また数年たつと、べつの問題を見つけると思います。

4.捨てることにこだわる自分にやさしくする

「私は物を捨てることに執着しているな」と思うと、四六時中、自分は物減らしにこだわっているような気になりますが、実際は、そういうふうにこだわっている自分は、ほかにもいろいろなことを考えている自分のほんの一部です。

朝ごはんを食べているときは、別のことを考えているでしょうし、オンラインで大学の授業を受けているときも、ほかのことを考えているでしょう。

「オンラインだと学校に行かなくて楽だな」とか、「オンラインだとわかりにくいな、高い授業料の割に合わない」と思ったりするんじゃないですか?

物を捨てることにこだわっている自分は、自分のほんの一部です。

そういう自分を受け入れて、「これは困った問題ではあるけれど、そういうときもあるよね。おいおい直していけばいいよね」と、自分で、自分に共感を示してください。

物にこだわる自分を、自分のかわいいペットか何かだと思うといいでしょう。

「全体的にはかわいい猫だが、大事な椅子をひっかくのは問題である」というように。

椅子をひっかくからといって、その猫が100パーセントだめなわけではありません。

やたらと物が気になるからといって、自分のコアの部分に問題があるわけではないのです。

このように考えることができると、1番ですすめたメタ認知もしやすいし、問題にフォーカスしすぎるくせも直ります。

悩みの多くは、自分が作り出しているものです。「自分のこういう行動が問題だ」という後ろ向きな悩みは、自分にたいする愛情不足からくると思います。

人は、自分に対して、ひどいダメ出しをし、それが、かえって自分を傷つける結果になります。

自分を大事にすることや、セルフエスティームをあげることを意識してください。

セルフコンパッション(自分にやさしくする)の実践で人生を変える(TED)

******

物を減らすことに執着してしまうという相談に回答しました。

物にしがみつくことも、強迫的に捨てようとすることも、問題の根っこは同じだと思います。

大事な物は確かにあります。しかし、物は物でしかありません。

大事なのは、自分が物をどうやって使うか、どうやって物と付き合うかです。

自分が主で、物は従。これを忘れなければ、物にこだわりすぎることはなくなります。





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