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世間体を気にしすぎていると、余計な物を買ってしまうし、いらないストレスが増えます。今回は世間体を気にせずに生きる秘訣をお伝えします。
世間体っていったい何でしょう?
まず世間体の定義をしておきます。
世間体の意味は、辞書(デジタル大辞泉)によれば、「世間に対する体裁や見え」です。世間は「人が集まり、生活している場、自分がそこで日常生活を送っている社会」です。
「世間って何?」と考えたとき、その実体をはっきり言い表すことはできません。
時と場合、そして世間をイメージしているその人自身によって世間の顔が違います。
ぼんやりしているような世間ですが、世間を気にしているとき、本当は何を気にしているのか、本人には具体的にわかっていることが多いです。
世間体を気にするとき、自分は誰かの目を怖れているけれど、その誰かを具体的にせず、「世間がそうしている」と表現します。
「こんなことすると世間に恥ずかしい」と思ったときの世間は、必ずしも地球上にいる70億人全員をさしているわけではありません。日本の1億2700万人あまりでもないでしょう。
親とか友だちとか、わりと自分の周囲の特定の人たちの目を気にしています。
ところが、なぜか「親に恥ずかしい」とか「友だちには通用しない」と具体的には言わず、「世間に恥ずかしい」「世間には通用しない」という言葉で表してしまうのです。
まだ誰かが、「そんなことすると世間が許さないぞ」と言ったとき、それはその本人が許さないのですが、「自分はそれに反対である」とは言わず、「世間が反対している」と言います。
「世間に笑われる」と思ったら、具体的には誰なのか考えてみると、相手はぼんやりとした世間ではなく、交渉可能な個人(時には自分自身)である、とわかることが多いものです。
なぜ世間体を気にすると物が増えるのか?
世間体は、体裁や見栄なので、これを気にすると、「自分が必要だから」というより、他人が、「自分はこれを持っているべきだと考えているから」物を買ってしまいます。
自分軸ではなく他人軸をもとに生活用品を選ぶわけです。
わかりやすいのが見栄っ張りによる買い物です⇒見栄っ張りをやめて身の丈に合った暮らしをする6つのヒント。
また、自分がやりたいからではなく、他人の期待にこたえる行動をとろうとするためにストレスがたまります。
人間は他人を通して自分のアイデンティティを獲得するから、人の目を気にしないということはありえません。
ですが、今、企業のマーケティングチームが、世間を基準に、さまざまな商品を買え、と言います。
「世間並みにしよう」「世間並みでありつつも、ワンランクアップしよう」、「みんなに注目されるようにしよう」というメッセージを送っているのです。
このメッセージを真に受けて、よけいな物を買ってしまうのが問題です。
ミニマリストが流行っていて、みんな自分らしさを大事にするようになったんだ、よい傾向だ、と思いきや、「少ない服の着回し術」「ワンパターンの服のマンネリ解消術」、「物を減らして褒められリビング」というように、世間(他人)の目を気にした買い物をすすめる広告が多いです。
着回しやコーディネートは、やりたくない人はやらなくていいし、リビングルームの物を減らすことだって自分のためにするわけです。
ところが、なぜか、シンプルライフやミニマリズムですら、世間の人を喜ばす図式になっています。
もういい加減、世間の人を喜ばすのはやめて、自分自身を喜ばす方向に行ってはどうでしょうか?
他人を喜ばすのをやめる方法を今日は7つ紹介します。
1.自分が他人を喜ばす生活をしていることに気づく
まずは、自分が、自分をないがしろにして、他人を喜ばす行動パターンをとっていることに気づくことが第一歩です。
ある主婦の方から、化粧品を買うのが止まらない、というメールをもらったことがあります。化粧品のことばかり考えているそうです。
こういう場合は、なぜ化粧品ばかり買っているのか、そこを考えてください。
もし自分自身が大事で、真にきれいになりたいと思っているのなら、化粧品は買わないと思います。肌に悪い成分がいっぱい入っているからです。
化粧品好きや化粧好きな人は、どちらかというと、自分がきれいになりたいのではなくて、他人にきれいに思われたいのではないでしょうか?
周囲の人を喜ばすためにきれいにメイクして、化粧を落とすと肌がぼろぼろだったりするのです。
なかには、化粧して変身願望を満たす場合もあるかもしれませんが。
なんとなく人生が楽しくない、と悩む人は、他人を喜ばすことをがんばりすぎている可能性が高いです。
買ったものをすべてノートにつけ、それを買った動機を掘り下げてみるといいです。意外と自分のためではなく、人を喜ばすために買っているものです。
2.自分の好きなものを大事にする
人がいいという物はこのさい置いといて、自分が好きなものや、好きなことを大事にします。
自分がいったい何を好きなのかわからないときは、自分をすごく不快にするものと、幸せにするものについて考えてみるといいです。
何かすごく腹のたつことがあったら、ノートに書いてください。
私はきのう夫が廊下のクローゼット(私が使っている)に、ものすごく分厚いダウンジャケットをつりさげたので、ひじょうに腹がたちました。
先週まですごく寒かったので、夫はこのジャケットを着て通勤するために部屋に置いていましたが、今週気温があがったので、廊下に戻したのです。
このジャケットすごくかさばって見るからに目障りです。
この件から考えると、私にとって大事なのは、
・自分のテリトリーに侵入しないでほしい
・かさばるものを自分のテリトリーに入れないでほしい
・とにかく余計な物をこれ以上増やさないでほしい
こんなことみたいです。
「心が狭い女だ」という考え方もできますが、それは他人の考えることです。ここは自分に正直に、自分をむっとさせるものを洗い出してください。
自分が不快に思うことの逆を考えれば、それが好きなこと、求めていることです。それを大事にしてください。
3.わかがまでいることは悪くない、と考える
自分の好きなようにふるまうと、「わがまま」と言われて、周囲に非難されることを恐れるかもしれません。
しかし、相手の気持ちを尊重し、礼儀正しくふるまいつつ、自分の好きなものを追求することは充分可能です。
保身のために人を喜ばすことと、人に親切にすることは違います。
べつに好きじゃないけど、無理に化粧をしている人は、ためしにノーメイクで会社に行ってください。意外と受け入れられるかもしれません。
まあ、職場によりますが、やったことがなかったらやってみる価値はあります。うまくいけば、化粧品を断捨離できて、節約も実現します。
私も、会社員時代、ほとんど化粧をしていませんでした。たまにリップクリームをぬると、ほかも化粧しているように見えるみたいで、よく、「あ、きょう化粧しているね」と言われたものです。
フルメイクしなくても、ポイントメイクで充分「化粧した顔」として受け入れられます。それに、会社は仕事をしにいくところなので、化粧より、よい仕事をするほうに意識を向けたほうが、会社としても喜んでくれるでしょう。
自分を大事にすることができる人は、他人も大事にできます⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
4.姿勢をよくする
背中を丸めて、おどおどした姿勢でいると、自分のエネルギーがどんどんもれます。背筋をしゃんとして、姿勢よくすることを心がけてください。
姿勢がメンタルに影響を与えてしまう話はこちら⇒2分で人生を変える方法「ボディランゲージが人を作る」(TED)
座っているときも立っているときも、背筋をのばして、ゆったりと呼吸をすることを心がけると、他人に追従するメンタリティを手放しやすくなります。
姿勢をよくすることは健康にもいいです⇒猫背でパソコンに向かう弊害は腰痛や肩こりだけではない。
5.優先順位は自分で決める
自分の行動や買い物の優先順位は自分で決めます。
年賀状を出したくなかったら出さなくていいのです⇒年賀状を出すのをやめる方法。無理に出すのはおかしくないですか?
若い人によくあるのが進路の悩みです。進学するか就職するか。A大学にいくかB大学に行くか、A社に入るか、フリーランスになるか。
こういうことは、自分で決めればいいと思います。
私は、短大を卒業後、なんとなくみんな会社に行くのだと思って、なんとなく会社に勤めて、給料が安いと不満たらたらで、怒涛のように買い物をしてしまいました。
大きな決断を自分自身で決めるのは怖いといえば怖いです。人の意見をもとに決めておけば、気持ち的に自分で責任をとらなくてもいいですから。ですが、他の人も別に責任をとってくれません。
だから、怖くても自分で決めるほうが、どんな結果になってもストレスが少ないと思います。
また、日常生活において、自分が決めたことについて、いちいち他人に説明しなくてもいいです。
「自分はこう思う、だからこれだ」で終わりです。
他人に説明しても、納得しません、たぶん。なぜなら他人は自分ではないからです。
仕事の場では、話し合いや交渉が求められる場はたくさんあります。ですが、プライベートでは、「自分は自分」で進めてください。
6.人の承認をいちいち求めない
自分でいいと思ったらいいことにして、次にいきます。
今は情報化社会のせいか、人の目を気にしすぎている人が多いと思います。ギスギスしているというか。SNSを使っているとプライバシーはほとんどなくなるので、人を中傷したり、貶めることは、ネット上で簡単にできます。
一瞬で拡散します。
そこで、最初から批判をおそれて、できるだけ人の期待に沿うような行動をする傾向があります。
しかし、人の言うことはそんなに気にしなくてもいいのです。
「人の口に戸は立てられぬ」ということわざもあります。多くの人は、他人のことを無責任にいろいろ言いますが、そこまで気にしているわけではありません。
芸能ニュースも、1つのネタから次のネタへとどんどん使い捨てられていきます。
噂話やゴシップは消耗品にすぎません。
いつも自分が正しいわけではありませんが、そこは人間なので誰でもそうです。完璧を求めず、「自分はこれがいいと思うので、これでいく」という姿勢を貫くと楽になります。
人の承認を求めなくてもよくなる方法はこちら⇒強すぎる承認欲求(人にほめられたい気持ち)を手放す方法。
7.本音を言う練習をする
身近な人に本音を言う練習をします。
世間体を気にして自分の行動を変えているということは、本音を貫いていないということですから。
今、ブログやツイターでは本音を言っていても、本当に言いたいことがある家族や友だち、同僚に本音を言わないケースが増えているような気がします。
しかし、何か改善したい問題があるとき、自分のほうから本音を言わないと、何も変わりません。
家族間には強い信頼関係があるので、本音を言っても大丈夫ですよね?
言いたいことを言わずがまんしているとストレスがたまるし、がまんしすぎて、逆ギレしてしまうこともあります。最悪の場合は、うつ病になります。
そこまで不満がたまる前に、建設的な言い方で、本音を言っておくといいのでないでしょうか?
もし、面と向かって言えない場合は、どこか、1人になれるところで声に出す練習から始めるといいかもしれません。
物と同じで、言いたいこともためないほうが身体にいいです。
自己主張の仕方⇒欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
こちらの記事も参考にしてください⇒他人にどう思われるか気にしないで自分らしく生きる7つの方法。
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自分より他人の機嫌を尊重してしまう行動パターンは習慣になっているので、1日は2日では直りません。
1ヶ月だけ、ターゲット目標を決めてやってみてはどうでしょうか?
たとえば、今月は本音を言う練習をする、とか、今月は、買い物した理由をとことん洗い出すとか。
世間体を気にしすぎる人は、最悪の場合いじめの対象になったりします。日頃から心を鍛えておきましょう。
何もしないとずっとそのままです。