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明らかなゴミは捨てられるけど、まだ使えるきれいな物って捨てられない、捨てたほうがいいとは思うけど、という人がたくさんいます。
ですが、こういうきれいな物や、まだ使える物、だけど使っていない物を捨てないことには、いつまでたっても汚部屋から抜け出せません。
自宅は店や倉庫ではないのですから、物のきれいさは、捨てる・捨てないの判断基準に関係ないのです。
捨てたいという気持ちがありながら、捨てる行動ができないときの打開方法を5つ紹介します。
1.失うことにフォーカスしすぎない
誰も使っておらず、何年も押入れに入っている物を捨てない人は、「いつか使うかもしれないから、いま捨てるのはもったいない」と言います。
このとき、失うものに焦点があたっています。
会社をやめて以来、3年ほど着ていない通勤用スーツがあるとします。
これを捨てると、5年後ぐらいにまたこのスーツを着ていく機会が訪れるかもしれない。そのとき、このスーツがなければ、新しい服を買わなければならない。
それはあまりにもったいない、などと思うわけです。
しかし、将来、そのスーツを着るかどうかは、いまの時点ではわかりません。わかっているのは、過去3年、全く着なかったこと。
わからないのに、「着る機会がくるに決まっている。その時これがないと、私は後悔する」と思い込んでいるのです。
悪いことしか起こらないと考えています。
しかし、着ていない服を捨てると、いいことだって起こる可能性があるのは、このブログに何度も書いているとおりです。
失うことや悪いことばかりに頭がいってしまう人は、捨てて起きるいいことやメリットを無理やりにでも考えてみてください。
10個から20個ぐらい簡単に出てきます。
たとえば
◯もうクリーニングに出さなくていい
◯もう2度と、このスーツを「捨てる・捨てない」と迷うことに、時間や気力、体力を使わなくていい
◯クローゼットのスペースがちょっと空いて、使いやすくなる
◯自分の着る服だけが揃ったワードローブに一步近づく
◯不用品が減る(不用品が減れば、それに使っていたコストを節約できます)。
不用品のせいで生じるコストについて⇒節約ではお金はたまらない。お金持ちになりたいなら、買わない暮らしが1番いい
◯目障りな物が1つ減って、ストレスが軽減する
ほかにもいっぱいあるでしょう。
どんなできごとも、悪い面とよい面の両面を持っています。どちらを取るかは本人の考え方次第。
悪い面ばかり見る思考を変えることで、捨てられない、と思うものもどんどん捨てられるようになります。
2.決断を先延ばしする習慣を変える
不用品だとわかっているのに、いま捨てる決断をせず、決めることを先延ばしすることが多い人は、そういう発想や行動をすることがすっかり習慣になっています。
習慣なので、自動的に無意識にやっています。
一緒に引っ張り出した物の中から、少しは捨てているので、自分は断捨離をしている、と思っています。しかし、毎回、肝心の物を捨てないから、いつまでたっても片付いた気がしないのです。
この場合は、先延ばしする習慣を変えればいいだけです。
習慣を変える方法はいくつかありますが、ここでは、一番強力な、環境を変えることをおすすめします。
小さい家に引っ越す、といったことです。
しかし、いきなりこれはできないでしょうから、ご自身が普段接する人を変えてみてください。
同じように物を溜め込んでいる人や、中途半端に断捨離をしては、「捨てられないのよね~」と言っている人と時間を過ごしすぎていませんか?
バシバシ物を捨ててスッキリ暮らしている人やミニマリストと呼ばれる人たちと時間を共にしていると、だんだんそれが普通になってきます。自分とは全然違う人の生活にふれてみるわけです。
そばにそういう人がいないのなら、そういう人が出てくる本を読んだり、映画を見たりするといいでしょう。物をため込むのをよしとする考えとは違う価値観を持っている人の本を読むのもおすすめです。
ミニマリストの出てくる映画⇒映画『365日のシンプルライフ』の感想:「物を捨てる」映画ではなく、大切な物を選ぶ話
ミニマリストの出てくる動画⇒ミニマリストの部屋公開~最小限のモノで生活して40歳でリタイヤした男
習慣を変える方法⇒大々的に変えようとしないこと。小さな習慣から始めよう(TED)
3.優先順位を再確認する
去年1年、断捨離をがんばるつもりだったのに、思ったほど片付かず、今年もまた「今年こそ断捨離!」という目標を立てている。
そうだとしたら、そもそも、片付けに対する優先順位が低いのです。
優先順位は、誰でもない、自分が決めていることです。
「片付いていない」という現実があるとしたら、それは自分が選択したことなのです。
片付けてサッパリしたい、と言いながら、なかなか断捨離しない人が口にする言い訳は、「時間がない、忙しい」です。
時間さえあれば、片付けられるのに、というわけです。
ですが、本当にそうでしょうか?
誰にとっても1日は24時間。時間はあります。
刑務所に収容されていたり、全寮制の学校に入っていれば、自分以外の人が、自分のスケジュールを決めるから、自分の思い通りにできない時間が多いかもしれません。
しかし、家で普通に暮らしていたら、24時間、自分の好きになります。
会社の拘束時間が長いとか、子沢山で育児にすごく時間を取られるとか、長時間、介護にあたっていたとしても、自分が選んでそういう生活をしています。
極端な話、フルタイムからパートに変えたり、ベビーシッターを雇ったり、病人を施設に入所させれば時間はできます。
ただ、そうしないのは、会社で長く働くことや、子育てに時間をさくこと、介護することのほうが、自分にとって優先順位が高いからです。
「いまは断捨離よりも優先したいことがある」と思うなら、優先したいものに邁進することを決めれば、「忙しくて捨てられない」などとうじうじ悩むこともありません。
まあ、たいていの場合「時間がなくて、できないのよね」と言い訳している間に、1つでも2つでも粛々と捨てていけば、部屋はきれいになっていきます。
優先順位について⇒仕事や家事の優先順位を決める6つのポイント。やりたいことをやれる人生に。
4.コンフォートゾーンから出る練習をする
現状維持が好きで、未知のことや、新しいことに対する恐怖が強すぎて、捨てられないなら、コンフォートゾーンから出る練習をしてください。
コンフォートゾーンとは、自分が快適でいられるゾーンです。
詳しくはこちら⇒なぜ家族は私の断捨離に反対したのか?:ミニマリストへの道(106)
必要以上にたくさんの思い出の物にしがみついている人は、コンフォートゾーンにいるのが好きなんじゃないでしょうか?
私も勇気がないタイプで、コンフォートゾーンから出るのは嫌いです。ここから出るのが好きで好きでしょうがない、という人はあまりいないと思います。
ですが、ものを捨てることは、そこまで大きな冒険やチャレンジではありません。
読者の方からよくこんなお便りをもらいます。
ずっと捨てられないと強く思っていた物を捨てたり、断れないと思っていたことを勇気を出して断ってみたりしたら、思いのほかあっけなかった、もっと早くそうすればよかった、というお便りです。
それでもやっぱり、「捨てられない」と強く思ってしまうなら、コンフォートゾーンを出る簡単な練習を積み重ねるといいでしょう。
捨てられない、と思ったものを捨てるトレーニングも有効ですが、それ以外にも、いつもとは違うちょっとした行動をしてみます。
いつもと違う道を通って会社に行く、いつもは絶対食べない物を食べてみる、絶対着ない服を着てみる、絶対買わない物を買ってみる、絶対声をかけない人に声をかけてみる、絶対一緒に食事をしない人と食事をする、といったことです。
毎回、下調べをきっちりして、旅行に行くのなら、何も調べずに行ってみると、ふだんとは違う場面に遭遇するので、いやでもコンフォートゾーンから出ることになります。
いつも友だちと一緒に行動しているなら、一人で行動する。一人が好きなら、パーティに出てみる。すぐに人に迎合してしまう人は、ノーと言ってみる。逆にあまのじゃくなタイプなら、イエスと言ってみる、など。
ほんのちょっとしたことでいいので、いつものパターンを壊すようにするのです。
怖いと思っていることをやってみるのもいいと思います⇒100日間、怖いと思うことにチャレンジしてわかったこと(TED)
コンフォートゾーンから出る練習をしておくと、変化に強い人になれます。すると、思いがけないことがまわりで起こっても、自分を見失わずに暮らしていけます。
5.プロセスを重視する
「本当に片付くのかしら?」という不安のせいで、なかなか断捨離を始めない人がいます。
10年ものの汚部屋や、とんでもなく物の多い実家を前にして、こんなふうに考えてしまい、スタートできないのです。
実際、汚部屋は本当に1日で片付くのか? という質問をもらったことがあります⇒汚部屋の片付け方について質問をされたKさん、メールが戻ってきたので、こちらで回答します。
べつに1日で片付かなくたって、片付いた分、きれいになります。それは大いなる前進です。
ところが、「1日で片付かないならやらない」「ちゃんと片付く方法じゃないとやらない」と思ってしまったり、誰かに「片付きますよ」と言われないと行動できない人がいるのです。
これは完璧主義のせいでしょうか?
それとも片付けに費やす時間や努力が水の泡になるのがいやなのでしょうか?
実際は、時間を費やした分、ちゃんと片付くので「水の泡」ではないのですが、きっちり、完璧に片付かないと、それは「無駄なアクション」と思ってしまうのですね。
このように、「ちゃんと結果が出ない方法がわかるまでは始めない」とか、「きっちり片付かないとそれはゼロに等しい」と考えてしまう人は、片付きつつあるその過程にフォーカスするようにしてください。
子どものときに、試験では100点以外は落第に等しい、といった育てられ方をした人は、結果にこだわりすぎて、失敗を恐れるタイプになりがちです。
失敗が怖いから、何も始めません。
たとえ汚部屋や汚家が、新築の家のようにきれいにならなくても、1つでも捨てることができたら、それは確かな成功なのです。
とにかく片付けを始めて、少しでも捨てていく。価値があるのは、そのプロセスのほうで、結果ではない、と考えるようにしてください。
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今回は、捨てたいけど、捨てられない、だから、捨てない、という優柔不断な行動を変える方法を5つ紹介しました。
ちょっと考え方や視点を変えるだけで、きのうまで捨てられなかった物を捨てられます。1つ捨てるごとに、捨て力がついていきます。ぜひ、お試しください。