ページに広告が含まれる場合があります。
夜、眠れない人におすすめのTEDトークを紹介します。
タイトルは、How To Trick Your Brain Into Falling Asleep(脳をだまして眠りにつく方法)。
プロのドラマーのJim Donovan (ジム・ドノヴァン)さんです。
ドノヴァンさんはずっと眠れず、睡眠不足で、ある日、パニックアタックに襲われました。その後、彼は、生活を改め、上手に眠りにつく方法を見つけました。自分でリズムを取りながら、眠ればいいのです。
上手に寝る方法
動画の長さは12分半。英語などの字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
ドノヴァンさんは教えるのがうまいですね、
パニック発作に襲われる
2010年の秋、とても恐ろしいことがありました。
たんかに乗せられ救急車で病院に運ばれたのです。
医者は、私が心臓発作を起こしたと言いました。私はふるえ、締め付けられそうな痛みを胸に感じていました。
「妻や子供たちにもう会えないかもしれない。死ぬわけにはいかない。でも、私はここで死ぬんだ」。そう考えていました。
実際は、死なず、病院のベッドで、体に、さまざまな器具をつけられ、横たわっていました。
3日めに、医者がやってきました。
「ジム、いいニュースだ。きみは健康だよ。心臓発作じゃなかった。ただ、きみはひどい不安症だね。きみのような健康な男性が、いったい何をそんなに心配していの?」
私は朝のルーティンを医者に告白しました。
原因は不眠と不摂生
いつも、缶入りのエナジードリンクを飲んで、コーヒーを飲めるようになるぐらい目を覚ましてから、コーヒーを飲んでいました。その後も、1日を通じて、何度もエナジードリンクの缶を開けていました。
さらに、私は砂糖を取りすぎていました。
寝る前に、砂糖でコーティングされたシリアルをボールに4杯も食べていました。そして、なぜか、いつも眠れませんでした。体は疲れているというのに。
ふだん、4時間ぐらいしか寝ていなかったのです。
医者はこう言いました。
「きみより1つ年下で、同じような症状の男性がきのう入院して、今朝死んだよ。子どもたちが成長するのを見届けられるよう、生活を変えないとね。
1日4時間寝るだけなんて、睡眠不足だよ。睡眠不足ほど効率的に早死する方法はない。しかも、きみは、ゴミみたいなものをたくさん摂取しているし。
少なくとも、1日、7時間は睡眠が必要だ」
7時間の睡眠なんて、長いあいだ、取ったことがありません。私の体はこわれつつあったのです。何とかしなければ、次、同じことが起きたときは、助からないと思いました。
ほどなく、私は、人生が変わるような発見をしました。
入眠の鍵はリズムだと気づいたのです。
睡眠と睡眠不足について調べた
子供の頃から、ベッドに入っても、あれこれ考えることをやめられませんでした。心配ごとや、えんえんとなり続ける歌が頭の中にありました。
退院してから、睡眠や睡眠不足についてリサーチしました。
睡眠不足は、心臓発作、脳卒中、体重の増加、そして医者が言ったとおり早死に原因になるとわかりました。
日に4時間の睡眠は、私の体格の男性が、ビールを5本飲んだ時と同じ障害を引き起こすというリサーチ結果も読みました。
アメリカだけでも、大人の35%、つまり、8600万の人が、睡眠不足なのです。さらにひどいことに、ティーンエイジャーの87%が睡眠不足です。まだ脳が成長しつつある子どもたち、3600万人が、日常的に睡眠が足りていません。
世界中の科学者が、「睡眠不足は、世界的なエピデミック(伝染病)だ」と言っています。
睡眠不足の人が一番多いのは、低所得者と女性です。
生活を改善した
私はエナジードリンクを飲むのをやめ、コーヒーの量もかなり減らし、夜、甘いシリアルを食べるのもやめました。
こうしたことは少しは助けになりました。
しかし、夜ベッドに入ると、相変わらず、考えごとが止まりませんでした。
しかし、その週、仕事から戻る時、あることに気づいたのです。
1999年以来、私は、ドラムのワークショップをしていました。
ワークショップのはじめに、いつも、皆で一緒に、同じリズムで、数分間、ドラムをたたいていました。バン、バン、バン、バン、バンと。
これをやると、必ず、皆が、「この練習をすると、すごくリラックスする」と言うのです。
ある実験
ドラムを使わずに、この練習をするなんて、思ってもいませんでしたが、その夜、実験してみました。
ベッドのはしに座って、手を膝にのせ、足を手ですごく軽くたたいて、ドラムの練習をしたのです。
妻は、あきれて、電気を消しましたが、私は、続けました。効果があるかどうか知りたかったのです。
はじめは何も起きませんでしたが、4分ほど続けたら、まぶたが重くなってきました。。あくびが出たので、横になって1分だけ目をつぶることにしました。
目を開けたら、朝でした。7時間半、途中で起きずに眠ったのです。2010年からは、ほとんどの夜、人生でも最高の眠りを得ています。
ブレインタッピング
このやり方を紹介します。私は、ブレインタッピング(brain tapping、脳をたたくこと)と呼んでいます。
このエクササイズは脳で起きる「周波数追従反応(しゅうはすうついじゅうはんのう)」と呼ばれる現象を利用します。脳は、繰り返すリズミカルなパターンに従うのが好きなのです。
脳はまず、パターンがあることに気づき、それと結びついて追いかけ始めます。
好きな音楽を聞いていると首を振ってリズムを取るでしょう。これが周波数追従反応です。
今から、周波数追従反応が起きるのを助けます。その反応を活性化して、リズムを遅くして、脳の活動のリズムをゆっくりにするのです。
皆さんの中には、「このヒッピー、リズムを使って眠れるなんて、本当に私に信じさせようとしてるわけ?」と思っている人もいるかもしれません。
そんな人に私はこう言いたい。
「もしできたとしたら? シリアルを食べるより短い時間で、今晩眠れる方法をこれから教えてあげるとしたら? 試してみますか?」
このエクササイズをするのに、リズム感は必要ありません。やってみようという気持ちさえあればできます。
エクササイズは30秒です。手をこんなふうに膝に当てて、ストップウォッチが刻む速さで交互に軽く叩きます。右、左、右、左、右、左。
たたきながらゆっくり呼吸します。そして、リズムを遅くしていきます。
30秒のエクササイズ
よければ、一緒にやってみましょう。深く息を吸って、ストップウォッチが刻むような速さで、ごく軽く足を叩きます。右、左、右、左、右、左。
慣れてきたら、目を閉じると、完全に体験できますよ。
次に、すごくゆっくりした呼吸をします。最善をつくして、必要なら休憩してください。
目を閉じて、軽くたたきます。呼吸を始めましょう。
息をゆっくり吸って、2、3、ゆっくりです。4、ゆっくり吐きます。2、3、4。
息を吸って、上手ですよ。2、3、4。ゆっくり吐きます。2、3、4。
息を吸って、もう少しです。2、3、4、ゆっくり吐きます。とてもいいですよ。3、4。
今度は、たたくスピードを落としていきます。ゆっくりと。4、3、2、1。リラックスしてください。
自分が何を感じているか、感じてください。大きく息を吸って、吐いて、はい、目を開けてください。
あくびをしている人がいますね。褒め言葉として受け取ります。ありがとう。
練習すればうまくできるようになる
初めてのエクササイズでうまくいった人、おめでとうございます。今夜、眠りを助けてくれる友人を得られましたね。
思ったようにいかなかった人、心配しないでください。慣れるのに何度かしなければならないときもあります。だから、あきらめないで。
今日から、毎日、いい睡眠を取れることを想像してみてください。どれだけいい気分になるでしょう?
世界中の人が、このエクササイズによって、ぐっすり眠ることを想像してみてください。その結果、あちこちがどれだけ平和になるかを。
これから5日間、このエクササイズを3分はやってみてくださいね。
いいですか。ストップウォッチが刻むようにたたきます。ゆっくり呼吸をして、最後には、リズムを遅くします。
うまくできるようになったら、必要な人に教えてあげてください。特に子どもたちに。
がんばって、そしていい夢を。
//// 抄訳ここまで ////
単語の意味など
get-out-of-jail-free card (モノポリーの)刑務所釈放カード、免罪符。望ましくない状況から抜け出すためのカード
Frequency-following response: FFR 周波数追従反応、脳幹のニューロンが音の周波数に同調して生じる神経活動。
ブレインタッピングはごくシンプルなエクササイズですが、動画でよくわからなかった人のために、エクササイズだけのチュートリアルの動画を紹介します。
6分14秒。
睡眠に関するほかのプレゼンとまとめ記事
睡眠と日中の生産性の関係(TED)夜しっかり寝ることは昼間の生産性をあげること。
なぜ人は眠るのか?睡眠の大切さを忘れていませんか?(TED)
睡眠不足や不眠に悩むなら読んでほしい眠りに関する記事のまとめ。
効果あります
この動画のコメント欄に、「試してみたら、本当に眠れた。ありがとう!」と、たくさんの(元)不眠症の人の声があります。
これまでいろいろなことを試したのに、眠れなかった、筋金入りの不眠症の人たちが「眠れた!」と喜んでいるのです。
そこで私もやってみました。
本当に眠れますよ。
私、夜寝るときは、横になる時点で、すでに半分寝ていて、腕も岩のように重いため、タップなんてできません。
やってみる前に寝てしまいます。
そこで、朝方、すごく早く目覚めたときに試してみました。
昔はいったん寝たら、朝まで起きませんでしたが、最近、年齢のせいか、起きたい時間よりも、1時間~1時間半ほど早く、目がさめることがあります。
そういうときは、目をつむったまま、自然にまかせたり、早めに起きてモーニングページを書いたりしています。
先日、やはり早く目覚めた時があったので、このエクササイズをやってみました。
ひざではなく、両脇の床の上(床の上に敷いた毛布の上)をとん、とん、とんとたたいてみました。
(私は床に毛布を敷いて寝ています⇒ミニマルな寝床を実現~床に毛布をひいて寝るようになって4ヶ月、こんな変化あり)
そうしたら、たたくスピードを遅くする前に、眠ってしまったんです。しかもすごくぐっすりと。
アラームの音で目がさめました。
1回しか実験していないので、たまたまそうなっただけかもしれませんが、少なくとも、このエクササイズをしているときは、とん、とん、とん、とんと拍子をとっているので、他の考えごとはできません。
寝る前に、いろいろな感情がうずまいて眠れない人には、おすすめの方法です。
道具は何1ついりませんし。
夜、ぐっすり寝られると気分がいいし、昼間の生産性もすごくあがります。