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買い物がすっかり習慣になって、なかなか抜け出せない。そんなときは、なぜ買ってしまうのか、大元の理由を理解することから始めましょう。
このブログでは、買わない工夫や、買い方を変える方法、買い物習慣の見直し法など、たくさん書いてきました。たとえば、買いたいものができたらノートに書いて30日間待ったり、買わない挑戦をしたりすることです。
ただ、こうした方法は、どちらかというと、たまに買いすぎることはあるけれど、買い物はだいたいコントロールできているという人向けのものです。
どんどん買ってしまうことがクセになっている買い物依存気味の人には、うまくいかないことが多いと思います。
もはやそれは、自分では止められない行動ですから。
その場合、買いたい衝動と向き合ったほうが、根本的な解決につながります。
この記事では、買いたい気持ちを理解するために、3つの方法をお伝えします。
まず、衝動を理解する重要性から説明しますね。
なぜ衝動を理解することが大事なのか?
買いたい衝動を理解するとは、その正体をある程度知ることです。自分を買い物に突き動かしているものを知ろうとすることには、以下のメリットがあります。
主導権を取り戻せる
衝動を理解する最大のメリットは、無意識の行動を意識的な選択に変えられることです。
衝動が起きる背景やパターンを知れば「あ、今こういう理由で欲しくなっている」と自分を客観視できるようになります。
客観的になれば、自動的にしてしまう行動を止め、別の選択肢を考える余地が生まれるのです。つまり、これまで感情や外からの刺激にただ反応して行っていた買い物が、自分の意思で選べる行為に変わります。
我慢せずに納得してやめられる
衝動の正体を知れば、買いたくなる理由がわかり、「今は買わないほうがいい、それが自分のためだ」と納得できるので、無理しなくても、買い物をやめられます。
たとえば、「私は退屈を紛らわせたいだけだ」「不安な気持ちから逃れたいだけだ」とわかれば、買い物とは違う方法で、そうした居心地悪さを解消すればいいのです。
もしくは、居心地悪いままで過ごす選択もできます。
衝動は一時的なものだとわかる
買いたい気持ちを理解しようとすると、衝動は強烈だけど、一時的な感情の波に過ぎないことに気づきます。
この波に向き合えば、そのまま飲み込まれることはなく、待ったり、考えたりする気持ちの余裕が生まれます。
では、次から、衝動と向き合う方法を説明していきます。
買い物をする根本的な理由を考える
私たちは「欲しいから買う」と思っていますが、多くの不用な買い物は心理的なニーズを埋めるために行われています。
特に買い物依存ぎみの人は、ものを買うことで不快な感情を紛らわせている場合が多いです。ここ半年の買い物を思い出し、自分を買い物に向かわせている不快な感情について考えてみましょう。
居心地悪い気持ちの代表は以下の3つです。
退屈
やることがなく暇を持て余しているとき、人は刺激や変化を求めます。
買い物は新しいものと出会うこと。手軽な暇つぶしであり、気分転換です。特に、スマホでするネットショッピングは、とても簡単です。
不満
仕事や人間関係でストレスがたまったとき、自分を癒やすために買い物する人はたくさんいます。
嫌な気分を解消するために、前からほしかったものや、いかにもかわいいものを手に入れて気分をあげようとします。
不安・恐れ
将来への漠然とした不安や何かに対する恐れがあるとき、とりあえず買い物をして、ものを手に入れることを考えていれば、考えなくてすみます。
また、恐れそのものが買い物の動機になり、いろいろなものを備えてしまうこともあります。さまざまな健康グッズや過剰なストック、「もう買えないかもしれない」という気持ちから買うものがその例です。
買い物のきっかけを書き出してみる
実際に買い物という行動を始めてしまうきっかけを書き出してください。
これは、行動の引き金(トリガー)です。
買い物で解決したい感情があっても、トリガーがなければ買い物に至らないことが多いので、トリガーを知れば、衝動が行動に変わる瞬間を特定できます。
たとえば、次のようなできごとがトリガーになっていないでしょうか。
・ショップからメルマガやLINE通知が届いたとき
・給料日、臨時収入があったとき
・食後や休憩時間にスマホをさわっているとき
・YouTubeやSNSで新商品の紹介を見たとき
・街で「セール中!」のポスターやPOPを見かけたとき
こうしたきっかけは、外から与えられるもの(広告、通知、目や耳に入るもの)と、自分がいつものくせで作り出している状況(決まった時間のネットサーフィンなど)の2種類があります。両方とも書き出してください。
「いつ」「どこで」「何をしていて」「何を見聞きしたとき」に買い物スイッチが入ったかを簡単にメモする要領で書きます。
もし、本当に買い物依存を解消したいなら、買い物するたびに書くことをおすすめします。
書き出すだけで、買い物と向き合うことができますし、集まったデータを見てみると、自分でも気づかなかったパターンがわかります。
買いたいときの状況を観察する
買い物したくなったら、すぐに買うのではなく、自分の状態を観察してください。
「買いたい!」と思った瞬間に、一瞬ストップして、自分の体と心を実況中継するように眺めましょう。
観察すれば、衝動を客観視できるので、感情に飲み込まれにくくなります。
ここでは、観察する対象を3つに分けて、どんなことが観察できるか説明します。たぶん、あなたも、以下のような状況になっていると思います。
身体感覚
体がどんなふうに変化するか見てください。
心拍数が上がってドキドキしたり、呼吸が浅くなったり、そわそわ動いたりするかもしれません。
胃のあたりがキュッとしたり、手がむずむずして、スマホや財布をさわりたくなることもあります。
欲しいものにだけ意識が向いて、周りが見えなくなる人もいるでしょう。
こうした変化に意識を向けましょう。
思考
買いたくなっているとき、何を考えているか、考えてください。
たとえば、
・「今すぐ買わなきゃ!」という焦り:限定品やセールのときによくある気持ち
・「これがあれば幸せになれる」という期待感:ものに心の満足を託している状態
・「買わないと損するかも」という不安:損だけはしたくない気持ち
・その商品を使っている自分を想像する:未来の快感を先取りしている状態
自分の思考を観察し、できれば、具体的な言葉にしてみましょう。
直後の行動
買いたくなる衝動を感じてすぐに行っていることを観察しましょう。
それは、身体的反応や思考に対して自動的にしている反応です。
たとえば、スマホをつかんだり、アプリを開いたり、スクロールする速度が速くなったり、比較検討せずにカートに入れたり、購入ボタンを押すことなど。
この行動をしている最中に、「あ、反応している」と冷静になれれば、実際の購入に至る前に自分を止めることができます。
買い物依存から抜け出す・過去記事もどうぞ
どうしてもやめられない。買い物依存症ぎみの人が、自分で克服するためにできること。
買い物が止まらなくて困っています。どうしたらやめられますか?←質問の回答。
おわりに:衝動は敵ではない
自分を買い物に向かわせている欲望や衝動の正体を理解することをおすすめしました。
衝動を理解することは、無駄遣いを減らすのに役立ちますが、それ以上に、長期的に暮らしの質をあげることにつながります。
衝動のパターンをつかめば、ものの持ち方やお金の使い方だけでなく、時間の使い方や人間関係への向き合い方にも影響します。
衝動を悪者扱いせず、自分に大切なことを教えてくれるものだと考えるといいでしょう。
それは、「退屈しているよ」「安心したいよ」「満たされたいよ」といった声です。そのサインを見逃さず、買い物以外の方法で応えればいいのです。
次に「買いたい」と思ったら、少し立ち止まって、自分の心と向き合ってください。そうやって、無意識の行動を意識的な選択へと変えていきましょう。