50年代ふうのファッションをした女性

TEDの動画

最終更新日: 2024.09.2

孤独の解決法は、クローゼットの中に隠れている?(TED)

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クローゼットの中に「特別な服」が眠っていませんか? 普段はあまり着ないけれど、どこかで着ることを楽しみにしているそんな服。

もしかすると、その服を活用することで、あなたの人生に驚くべき変化が訪れるかもしれません。

今回は、そんな「特別な服」を毎週火曜日に着て出かけ、孤独を癒し、人々とつながるための方法を提案するTEDトークを紹介します。

タイトルは Is the cure for loneliness hiding in your closet? (孤独の解決法は、クローゼットの中に隠れている?)。

ヴィンテージファッションで街に出かけ、見知らぬ人と交流するMollie Kaye(モリー・ケイ)さんの講演です。



孤独の解決法:TEDの説明

In this engaging talk, Mollie Kaye, with a charming vintage flair, shares a transformative initiative – dressing up every Tuesday to connect with strangers. Exploring the profound impact of small interactions, she delves into the dangers of loneliness and the significant health benefits of meaningful connections.

この楽しいトークで、魅力的なヴィンテージの雰囲気のモリー・ケイが、変革的な取り組みについて語ります。それは、毎週火曜日に、ドレスアップして、知らない人と交流すること。

小さなやりとりの大きなインパクトを探りながら、彼女は孤独の危険性と意味のある交流の大きな健康効果をひもときます。

収録は2024年の1月。動画の長さは12分。動画のあとに抄訳を書きます。

ケイさんの話し方はとても魅力的ですね。





火曜日はドレスアップする日

私の身につけているものはちょっと変わっています。私にとってこの服装こそが、皆にシェアしたいアイデアそのものなんです。

いつもこんな格好をしているわけじゃありません。

数年前は、無難な服装をしていました。中年女性のユニフォーム、黒で、ほどほどにスポーツタイプの服装。

みんなの世界の一員になりたかったのですが、混ざっていただけでした。

世界でも一番孤独なかくれんぼゲームをしていました。自分を消していたから、誰も私を見つけませんでした。

でも、今みたいな格好をしていると、誰かが、「まあ、とっても素敵ね」と言って、お互いにつながることができます。

このゲームのほうがずっと楽しい。しかも、こんなふうに知らない人とちょっと交流するだけで、より長生きできるし、健康に暮らせるんです。

だから、毎週火曜日は、こんな服装をして外出し、人々と話をします。

孤立は健康によくない

最初は怖かったんです。でも毎週やっているうちに、この試みは私の人生も、クローゼットもいい方向に変えてくれました。

今は、コミュニティの一員だと感じることができます。

前より、人をほめることができるし、ほめられることも増えました。お互いを好ましく思っています。

最良のゲームです。

私たちは、みなに混ざりたいのに、どうしてできないのでしょう?

「他人と話をしちゃいけない」。みな、こう聞かされて育ちます。

でも、他人を避けることは、話しかけることより危険なんです。

社会的孤立がどんなに危険か、研究者たちは口を揃えて言います。

孤立は、早死、心臓病、認知症、うつ、がんの原因になります。

私たちを救うのは、つながることです。

しかも、人々はどこにでもいます。ジム、スーパー、街角に。

笑顔、手を振ること、挨拶、ちょっとしたおしゃべりが、健康と病気、生と死の分かれ目です。

他人と話すきっかけを作る

でも、他人に話しかけることが、すごく危険なら、いったいどこから始めたらいいのでしょう?

こんな格好をすることが私の戦略なんです。私にとってドレスアップするのは、自分を出すこと。

着飾れば、みなと交流する準備ができます。

同じように着飾っている人と出逢えば、すぐに友達になれます。まるでパーティのように。しかも、後片付けの必要はありません。

皆さんも同じように楽しめます。ジャッキー・ケネディのような格好をする必要はありません。でも、ほかの人との間に橋を渡す必要があります。

心理学者のジリアン・サンドストロムに、彼女の研究である知らない人に話しかけると得られる恩恵や、私の火曜日の試みについて聞いてみました。

「あなたの特別な服装が、会話を刺激するのはよくわかります。人々の注目を引きますから。

最初にアイコンタクトをしないと、会話は始まりません。あなたの服装が、人々が何かを言う糸口になります。私のリサーチによれば、人々は許可を得る必要をすごく感じているんです」。

では、どうやって許可を与えるか?

ハローゾーン

自分の鎖骨より上に、何か目立つものを付け加えるのはどうでしょう?

私は、その場所を「ハローゾーン」と呼んでいます。

ピンや花、人目を引く柄やおもしろいロゴのついたシャツ、おしゃれな帽子、かっこいいメガネ、まぶしいバックパックなど、身につけられるもので、会話の糸口になるものなら何でもいいです。

オーストラリアに、大きな張り子のニンジンを持ち歩いている男性がいます。巨大なニンジンが皆を笑顔にさせ、つながるきっかけになるからです。

ハローゾーンに何か小さなものをつけることが、見知らぬ他人との間に橋をかける簡単な方法だと思います。

私は、少なくとも5つは橋になるものを身に着けていますけど、皆さんは1つでいいんです。

この取り組みは、とても楽しいのでクセになります。時には、何もしたくない火曜日もあります。ストレスを感じて、気分が落ち込み、家に閉じこもっていたいときがあります。

でも、気を取り直してとりあえず出かけます。火曜日にドレスアップして出かけると、誰かの目にふれ、認めてもらえて(beheld)癒やされるとよくわかっていますから。

私は、beheld という言葉が大好きです。人に見られると、仲間の一員にだと感じられるし、所属することは、孤立の反対です。

毎週火曜日、孤立を治す方法は、ドアのすぐ外にあると、自分に言い聞かせているんです。

50年代ファッションを身につける理由

なぜ、こんなファッションなのか、不思議に思っている人もいるでしょうね。

私は、ずっと50年代ファッションのファンだったんです。でも、日々の用事をする外出で、着たことはありませんでした。

2019年7月のある土曜日、友人のビンテージフェアを手伝うために、水玉のドレスに、ピルボックス帽(女性用の小さな円筒形の縁のない帽子)、白い手袋を身に着けて出かけました。

そうしたら、通りで人々が私を追っかけてきて、素敵だって口々にほめてくれました。中には、私の服装のおかげで、よい1日になったと言う人もいました。

私の着ている服が誰かの気分をよくするなんて驚きました。前みたいに普通の格好をしていたら、誰かの気分がよくなったでしょうか?

だから、そのへんにいた男性に、1年間、週に1度、頭からつま先まで、50年代ファッションを身につけると宣言したんです。

火曜日にしたのは、火曜日には何も楽しいことが起きないからです。

ソーシャルディスタンスの時も続けた

この取り組みを始めて8ヶ月後、2020年の3月に、ソーシャルディスタンスを取ることが普通になりました。それでも、火曜日になると私はドレスアップして、外出しました。皆と距離を取りながらも、コミュニティの一員になることをやめませんでした。

自宅では、ロックダウンのときに皆が切る部屋着より、少しいいものを着るようにしました。

服装は、気分や生産性に影響を与えますから。服装ってパワフルなんです。素敵な服を着ることは、セルフケアでもあり、公共サービスでもあります。それは自分の気分をあげてくれるだけでなく、他人の気分もあげるんです。

でも、何ヶ月もソーシャルディスタンスが続き、パジャマ姿でいたから、多くの人にとって、スタイルなんてどうでもよくなりました。

皆、出かけたがらず、その一方で、誰も自分を見てくれない、なんて言うんです。

一番必要なときに、つながることから自分を切り離していました。

「目立つのはいやだけど、見てもらいたい」。人は、このパターンにはまってしまうと思います。

それなら会話を始めるべきです。システムや環境が変化して、そうするしかなくなるときが来るかもしれません。

でも、今、スタートすればいいんじゃないですか?

自分を表現してつながろう

私の父は、生物物理学者です。父は、私たちの細胞は、さまざまな異なるストレスにさらされると、変異する可能性があると、何年も私に言い続けてきました。

今、誰もがマックスレベルまでストレスを感じているから、細胞は狂ったように変異しているでしょうね。

父は、私の社会的な戦略が重要だと考えています。個人やコミュニティとして、私たちはすでに、たくさんの課題に直面していて、力を必要としているからです。

知らない人と温かいつながりをもつことは、私たちを強くします。

だから、隠れるのをやめて、自分を表してください。

少し勇気はいります。でも、つながることにすれば、自分も周囲の人もより健康になれます。

結婚式や葬式を待たないでください。今、素晴らしくなりましょう。

次の火曜日、またはどんな日でも、服装を決めて、笑顔をシェアしましょう。皆さん自身が特別な機会なんです。ドレスアップしてください。

///// 抄訳ここまで ////

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お蔵入りの服を着て出かける

ケイさんは、毎週火曜日に50年代ファッションで街に出て、知らない人に話しかけることを心がけています。この活動を彼女は、”Turned-out Tuesdays” と呼んでいます。

turn out という句動詞のコアイメージは、これまで見えなかったものが見えるようになることなので、「自分を目に見えるようにする火曜日」という意味合いだと思います。

turn out は、人が集まる、という意味もあるから、自分を出して、皆で集まる、交流するというニュアンスもありますね。

ケイさんの個人的なプロジェクトは、火曜日を活用日として、死蔵品を使う試みのバリエーションになると思ったので紹介しました。

活用日について⇒火曜日は死蔵品を活用する日~ちゃんと使うコツ、教えます。

好きで買った特別な時のための服を、持っている人は多いのではないでしょうか?

そのような服は、高価なことが多いですが、なかなか出番がありません。つまりコストパーフォーマンスが悪い。

彼女のように、曜日を決めてあえて特別な服を着て出かけるのはいいアイデアではないでしょうか?

そうすれば、せっかく買った素敵な服を活用できるし、他の人と楽しい会話をすることもできます。

日本人は恥ずかしがり屋だから、特別すぎる服を着ている人を見ると、遠巻きに眺めるだけかもしれません。

でも、少なくとも、スペシャルな服を活用することはできるので、素敵な服をたくさん持っている人は、ぜひ試して、結果を教えてください。





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