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物だらけの部屋を何とかしたいと思って、片付けを始めたのに、どれも大事な物に思えて、先に進めないことがあります。
なぜ大事なのか、その理由を聞くと、多くの人が、
・これはわざわざ私が買った物だから
・働いて得た自分のお金で買った物だから
・どれも気に入って買った物だから
と言います。
こういう「せっかく私が買ったから」と感じて捨てられない物をちゃんと捨てられるようになる考え方を紹介します。
1.誰が買おうが、ガラクタはガラクタ
その商品を買った人が誰であれ、使わずに、ずっと部屋にとどまっている物は、不用品でありガラクタです。
部屋が雑然としているのは、こういう死蔵品が多いからです。
私が買った、親が買った、夫が買った、恋人が買った、なんてことは、それがガラクタであるかどうかには、まったく関係のないことです。
入手経路や所有した理由が何であれ、ふだんめったに使わない物は、もういらない物であり、捨てたほうがいいのだ、という当たり前の事実に気づいてください。
「なぜ、不用品を捨てるべきなの?」と疑問に思う方は、このブログの初期の記事を半年分ぐらい読むか、私の1冊目の本かムックを読んでください。
これらの書物に、不用品を捨てたほうがいい理由を書いています。
筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」3月5日より予約開始
ここから先を読んでいただいても、「大事な気がするけど、実はいらない物」を捨てたほうがいい理由がわかるでしょう。
2.不用品をかかえこむとは、負担をかかえこむこと
「せっかく買った物だから」という理由で、不用品をキープしてしまうと、今後さまざまな負担をかかえこむことになります。
・スペース:しまい場所や置き場所を取られます
・お金:それを管理するのに、余計なお金を使います。
代表的なのは、収納スペースを確保するために使うお金です。
レコードや本、その他のコレクションがあり、自宅にしまいきれないとき、トランクルームなど、自宅の収納スペースの延長のような気分で使用できる収納スペースやサービスを利用する人が増えています。
もちろん、無料ではありません。
本当に大事な物なら、お金を払って収納するのもありでしょう。しかし、ただ単に、「私が買った物だから」という理由だけで、執着している物(その本質は不用品)を、お金を払って収納するなんて、馬鹿馬鹿しすぎます。
だって、その品物、いつまでも使いませんよ。
あなたが死んだあと、誰かが、「やれやれ」と思いながら、処分するだけではないですか?
その人が、あなたと同じように、物を捨てられない人なら、トランクルームにお金を払い続けて、ますますお金が出ていきます。
トランクルームを利用しなくても、物をしまうための収納家具やグッズを買うことはよくあります。
・時間
いらない物を整理したり、どこかに収納したりするのに、時間がかかります。
私も、20代の半ばごろ、物をたくさん持っていたときは、日曜の昼間によく部屋を片付けていました。ほこりが舞っていたので、くしゃみをしながら。
さらに、ガラクタをなんとか使いこなそうと、使い方を探すのに時間を使います。
かつて、使い道のない付録の使い道を無理やり探していた私のように⇒2度と付録目当てで雑誌を買わないと誓った日:ミニマリストへの道(53)
・精神的な負担
スペース、お金、時間というリソースを使うとき、私たちは必ず、何らかの思考をします。
こういう思考はすべて精神的な負担です。
多くの人は、ほかにも考えるべきことがたくさんあるでしょう。本来いらない物のために、あれこれ苦心するのは、無駄です、無駄。
3.負担をかかえこむとストレスが増える
2番で説明したように、本当はいらない物なのに、「私が買ったから」という理由で、大事に思える物をたくさんかかえこむと、貴重なリソースが奪われます。
度重なれば、ストレスやネガティブ感情が増えます。
・視覚的ノイズによるストレス⇒視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
・しょっちゅう片付けや掃除をしなければならないことに対する徒労感
・せっかく買った物を使いこなせていないことに対する罪悪感
・自分の部屋をちゃんと管理できないことに対する自己嫌悪
こういうストレスは、心身によくありません。
なぜストレスは身体によくないのか、どうやってストレスに強くなるか(TED)
ストレスが増えると、そのストレスを解消するために、買い物をしますから、ますます物が増えるという負のループにはまります。
4.セルフエスティームの低下
セルフエスティームとは、ありのままの自分を愛する気持ちです。
詳しくはこちら⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
自尊心や自己肯定感という言葉に置き換えることもできます。
3番で説明したストレスやマイナス感情が増えると、セルフエスティームがどんどん減少します。
するとどうなるか?
何をするときにも、自己を否定するようになります。
「私なんて」「私なんか」という言葉を使うことが多い人は、セルフエスティームが足りない可能性があります。
私はもう年だから、私は能力がないから、私は頭が悪いから、私の家は貧乏だから、私は体力がないから、私は、私は。
よくメールをくださる読者の中にも、こういう自信のない言葉を書き連ねる人がいます(本人は無意識)
セルフエスティームが低下した状態で生きていると、楽しくないので、ますますネガティブになります。
逃避したくて、または、手っ取り早く、他人に評価をしてもらいたくて、またしても無駄な買い物が増えます。
他人に見せつける暮らしをやめる方法~これ以上物を増やさないために。
5.決断ができなくなる
セルフエスティームが低すぎるとき、いいことなど何もありませんが、断捨離において特に問題になるのは、捨てる決断ができなくなることです。
自分の判断に自信が持てないから、はっきりいらないとわかっている物なのに、捨てると決められません。
3年着ていない洋服を1枚捨てるとき、ものすごく大損をするような気がします。
さして仲がいいわけでもない人からもらった不用なギフトを捨てるときは、人間関係が大きく損なわれそうな恐怖を感じます。
存在すら忘れていた記念品を捨てるとき、人生が崩壊してしまうような不安を感じます。
実際は、すべて取越苦労であり、不用品を捨てれば、生活の質があがるのに、捨てる決断ができないのです。
2番から5番まで書いたことは、すべて連動しています。
負の連鎖を断ち切るために、不用品はさっさと捨てるべきだと私は考えています。
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NetflixにQueer Eye(クイアアイ)というショーがあります。
それぞれ得意分野をもつ5人のゲイの男性が、ダサいというか、イケてないというか、人生がうまくいっていないと感じている男性をメイクオーバー(改造、変身、改革)するリアリティ・ショーです。
メイクオーバーを受ける男性の中には、すごい汚部屋の人もいて、セルフエスティームがどこまでも低いことが見てとれます。
この番組を見ていると、住環境って大事だなあ、とつくづく思います。
部屋が不用品だらけでも、暮らしていくことはできます。
でも、それは本当にあなたが望む暮らしでしょうか?
「せっかく買ったのだから」という気持ちから執着している物たちよりも、自分の人生のほうが、何百倍も大事ですよ。