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義理のお母さんが、買い物しすぎて、キッチンにムダなものが溜まって困る、という相談をいただきました。
この記事で回答しますね。
まずメールをシェアします。男性からのお便りです。匿名希望のXさんからです。
ネットで買い物しすぎる義理母のことで悩んでいます
件名:義母の浪費グセを直させたい
私は東京都内に住む50歳・男です。
妻(45歳)と妻の両親(母75歳・父77歳)、学生の娘(20歳)、息子(17歳)と一緒に一戸建て住宅で暮らしております。両親は無職。私たち夫婦は会社勤めの共働きです。
たいへん厚かましいことではありますが、我が家が抱えている問題について、簡単にでもご指南をいただけたらと思い、メッセージを送らせていただきます。
筆子さんが執筆なされた書の中で、問題解決に適切なものがありましたらそれをご案内いただくだけでもかまいません。お手間を取らせてしまっては申しわけありません。
※ブログで紹介される場合は匿名でお願いいたします。
筆子さんブログの「高齢の母親に無駄な買い物をやめさせる3つの方法」を拝読いたしました。とても役立つ情報をありがとうございます。その上でのご相談です。
義母は年齢にしては活発な方で、買い物や福祉や介護のボランティアなどによく出かけます。学生の孫たちに対しては積極的に世話を焼いてくれるので、帰りが遅い共働き世帯としてとても助かっています。
しかし、浪費グセが止まりません。
両親の寝室には自分専用のノートパソコンがあり、家事などで手があいた時間があるとネットの通販サイトを利用して衣類や服飾雑貨関係(主に自分用のお出かけ着やバッグ・靴など)のほか食料品を購入しています。
お金の出どころは自分の貯金のようで、収入は年金しかありません。
食料品を買ってもらえるのは助かります。生活に必要な食品のすべてを取り寄せているわけではありませんが、買いすぎは明白で冷蔵庫の中はいつも隙間がないほどいっぱいです。
キッチンの床は食品が入ったダンボールで半分くらいの狭さになっています。
そんな生活が同居して10年以上続いています。
身につける機会があまりない服や余り過ぎて冷蔵庫で期限切れを迎える食材を指摘して、浪費を抑えてもらえるよう実の娘である妻から説得を試みたことは何度もあります。
しかし、いつも“逆ギレ”されて気まずい雰囲気となり、うやむやになっています。
「いつもあんたたち夫婦がいない時にも孫の世話を焼いてるし、私も色々忙しいから必要なものを買っているのよ」と反発します。
それでもネットショッピングは義母の楽しみであり生きがいなのかもと思い、もはや足の踏み場がない両親の寝室やクローゼットを見てはあきらめている毎日ですが、先日はちょっとたいへんな事件がありました。
義母はセールス(訪問&電話)に来た自動車ディーラーの営業マンと勝手に新車購入の商談を進めていたのです。収入が年金だけなので子供(つまり私たち夫婦)を保証人とする必要があるということで事態を知りました。
現在、義母名義で義母が自由に使えるクルマは4年前に購入したハイブリッド車で走行距離は1万キロちょっと。
なんら不便もないので買い替えは早過ぎです。高齢になり、やや運転に自信がなくなってきたところにセールスマンの「飛び出し防止装置など安全機能がたくさんついている」というアピールに、これはいい!と過剰反応したようです。
さすがにクルマの購入はあきらめてもらいました。そんなところにお金を使うなら旅行でも行きましょうとなだめたわけですが、満たされなかった気持ちの反動か、以前より増して日用品の購入意欲が強まっているように見えます。
義母とじっくり向き合って浪費を抑えてもらい、ミニマルな生活を目指したいのですが、じっくり話をする機会が作れず、また、どのように話したらわかってもらえるか、日々悩んでおります。
Xさん、メールありがとうございます。
不用な食材がびっしり入っている冷蔵庫。う~ん、想像しただけでイヤです。見るとストレスたまりますね。
我が家の冷蔵庫のフリーザーも、現在、わけのわからないもので満杯です。その95パーセントは夫が買ってきた冷凍食品です。
結論:率直に自分の希望を伝える
最初に結論を書くと、メールの最後に書かれているように、とりあえず、お義母さんにご自身の希望をざっくばらんに伝えてください。
自分の気持ち、心配、悩み、希望などを話さないと、さらに冷蔵庫の中の食材は増え、キッチンの床も段ボール箱に侵食されていくでしょう。
特に12月は、クリスマス、お正月というイベントがあるので、実店舗はもちろん、ネットショップもかきいれ時。がんがんと売り込みをかけてくるので、早めに手を打ったほうがいいです。
実の娘が話すと、血がつながっている分、バトルになりやすいのですが、義理の間柄なら、冷静に話ができるんじゃないでしょうか。
家族のことは、家族にしかわからないことがたくさんあるので、「これなら必ずうまくいく」という方法を提示することはできません。私なら以下のステップを踏みます。
1.問題解決のステップを確認する
まず、以下の問題解決のステップを取ります。
1.)どんな状態になったら自分は満足するのか、冷静に考えてみる⇒自分のゴールを設定
2.)その状態を手に入れるためにいまの自分にできることを考える⇒手段を見つける
3.)2番で考えたことを実践する
4.)お義母さんや周囲の反応を見て、微調整。うまくいかなかったら、2番に戻って別の手段を考える
大方の問題が片付くまで、これを繰り返します。
詳しくはこちら⇒この先どうしたらいいのかわからないと悩んだらこれを読んでください。
お便りを拝見すると、一番いいのは、お義母さんが完全に浪費をやめることですよね。
ですが、他人を変えることは難しいし、ネット通販が日々の習慣になっている人に、「買い物するな」といっても、止まりません。本人が、「自分はムダなものを買っているから、もうやめよう」と思わない限り。
そこで、目標のハードルをさげて、とりあえず、食料品の買い過ぎをやめてもらうことをゴールにしてはどうでしょうか?
お義母さんが自分のために買っている洋服やアクセサリーは、このさい置いておき、ほかの家族に直接かかわりのある食品のショッピングを改善してもらいましょう。
2.説得するのではなくお願いしてみる
どんなふうにお義母さんに話すべきか、ですが、正直に、率直に自分の気持ちを話せばいいと思います。
感情的にならず、礼儀正しく。その時、大事なのはお義母さんを責めないことです。
たとえば、お義母さんに、こんな写真を見せて、
「お義母さん、全部ムダになってますよ、必要なものの意味、わかってますか?」と証拠を突きつけたところで、反発されるだけです。たとえそれが正論であっても。
むしろ、正論だからこそ腹が立つのです。
人は、他人に、「あなたは間違ってます」と糾弾されたり、「もっとこうしたほうがいいんじゃないですか?」とお説教・命令されると、ひじょうに不愉快に感じるものです。
浪費する理由はろいろあると思いますが、高齢者の場合、買い物によって、自分の力を発揮する機会が得られ、そこがうれしい、というのがあるんじゃないでしょうか?
力を発揮する、とは要するに状況をコントロールすることです。
これまでは子育てで忙しくて、のんびり自分の物を買ってる時間もなかったし、好きな物を買うお金もなかった、おしゃれもできなかった。お義母さんは子供や夫のために、自分のリソースを使っていたわけです。
ところが、子供たちが巣立つともうやることがないので、ある意味、自分という人間を活かす場所がありません。
買い物なら自分の好きなものを自分のお金で買えるから、コントールしたいという欲望が満たされるのです。おしゃれ好きな人なら、どんどん服を買ってしまうでしょう。
お義母さんは、ボランティアによく出かけるそうなので、人の役に立ちたいという気持ちも強いでしょう。
そういう人には、指示を飛ばすのではなく、自分を助けてほしい、とお願いしたほうがうまくいくと思います。
たとえば、
自分は50歳を迎えて、これからはもっとシンプルに暮らしたい。たまたま、筆子ジャーナルというブログで、パントリーチャレンジや30日間チャレンジの記事を読んだ。
12月は1年の終わりだし、節約するためにも、今月はパントリーチャレンジをやりたい。家にあるものを食べきる挑戦なので、お義母さんも協力してくれませんか?
と言ってみてはどうでしょうか?
あくまでこれは1つの例です。大掃除が大変だから、キッチンの片付けをしたい、というふうに持ちかけてもいいと思います。
いずれにしろ、「自分はこんなふうにしたいから、お義母さんも助けてくれませんか?」というふうに話を持っていけば、大きな反発もないでしょう。
パントリーチャレンジとは? ⇒パントリーチャレンジのススメ~ズボラ主婦だからできる究極の節約方法
30日間チャレンジとは? ⇒マット・カッツに学ぶ30日間で人生を変える方法~30日間チャレンジのススメ(TED)
実際、Xさんはメールに「ミニマルな生活を目指したい」と書かれていますよね。なぜ、ミニマルにしたいのか、その理由も合わせて、お義母さんに話してみるといいんじゃないでしょうか?
3.食品の提供ではなく食費を援助してもらう
もう1つのアプローチとして、食費を入れてもらう、という方法があります。
お義母さんが孫のために買っているという食品を買うお金を、家族全体の食費への援助、という形で提供してもらうのです。
いまどんなふうに予算を立てているのかわかりませんが、6人家族の食費は、1本にまとめて、Xさんと奥さんの稼ぎから出し、同居しているお義父さんとお義母さんの分は、食費として、供出してもらう、というふうにしてはどうでしょうか?
食費の大半をお義父さんとお義母さんの年金に頼っていると、「余計なものを買うな」と言いにくいですよね。
ですから、食費はあくまで、Xさん夫婦が出すことにするのです。
もし自分たちが100パーセント食費を出していて、それで充分足りていたとしても、お義父さんとお義母さんに食費を請求したほうがいいと思います。
要するに、お義母さん、お金が余っているから、ムダなものをたくさん買ってしまうのです。
食費の線引きが難しい場合は、子供の進学資金の協力を仰いでもいいと思います。
とにかく、誰も食べない食品に使っているお金を活かす方向に持っていってください。
4.家事の分担を見直してみる
家計の割り振りが難しいときは、家事の分担も見直してみると、無駄買いが減ると思います。
お義母さん、「孫の世話を焼いている。私も忙しいから必要なものを買っている」と言っているのですよね。それならば、夕食の支度などは、たまにはお子さんにまかせてはどうでしょうか?
お子さんのうち一人はもう20歳。成人しているわけですから、食事の支度なんていくらでも自分でできます。下のお子さんも17歳で大きいです。
べつに誰かに世話を焼いてもらわなくたって、充分、自活できる年齢です。
仮に料理が全くできないとしても、お義母さんでも、奥さんでも、誰かが暇なときに食事の用意をして、冷凍しておけば、子供たちは自分で解凍して食べられます。
お子さんの世話をお義母さんに任せきりせずに、お子さんたちにやらせれば、お義母さんはそんなに忙しくならないし、「必要なもの」も出てきません。
お義母さんが忙しい日だけでも、お子さんたちに、自分のことは自分でやるように言ってみてはどうでしょうか?
これから冬休みですし、時間はあると思います。
それができないにしても、ふだんの夕食はどんな感じなのか、聞いてみるといいでしょう。
5.交渉するときは相手の立場に立つ
最後に交渉するときの秘訣を書きます。
まず、お義母さんを変えようと思わないこと。
物をため込む夫と20年暮らして、気づいたことですが、相手を変えようとしても無駄です。
自分が変わるしかありません⇒夫が断捨離を邪魔しても「他人はコントロールできない」ことを知っておく
次に、わかってもらおうと思いつめないこと。
相手にわかってもらおうと思わずに、自分の気持ちを伝えることに気持ちを向けたほうがいいです。
わかってもらおうとするのは、相手をコントロールすることにつながります。自分がコントロールできる自分の行動にフォーカスするわけです。
そんなに簡単にわかってくれる人なら、これまで奥さんが「お金使いすぎじゃないの、お母さん」と言ったときに、お義母さんの行動は変わっていたでしょう。
とにかくご自身の希望を述べてください。一度の交渉で、簡単に事態が解決することなんてありません。粘り強く交渉することが必要なのです。
3つめはお義母さんの立場に立って、相手のメリットも提示することです。
自分の都合だけでなく、お義母さんにとってもよいことがあれば、それを話に盛り込むと、より耳を傾けてもらえます。
愛情というか、相手を思いやる気持ちから発せられた言葉であるならば、交渉が決裂することもないでしょう。
その他交渉の仕方はこちらを読んでください⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
私の本、「それって、必要?」の該当箇所としては、人間関係について書いた6日の提案25~28あたりを立ち読みしていただくと参考になると思います。
さらに7日目も読んで、自分はこれからどんなふうに暮らしたいのか思いをめぐらしてみると、1番の問題解決のステップを考えるとき、何かヒントが得られるかもしれません。
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お義母さんに話すタイミングですが、いつでもいいです。
家にいるときに、「ちょっとお義母さん、相談があるんですけど」と切り出せばいいんじゃないでしょうか?
お義母さんは、ネットをやっておられるそうなので、いっそ、この記事をそのまま読んでもらってもいいかもしれませんね。
お義母さんはXさんがそんなに悩んでいることを知らないんじゃないですか? 行動を起こしてみると流れが変わります。