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いまの家に引っ越して、そろそろ1年がたつころ、私は、まだお菓子作りの道具をせっせと断捨離していました。
捨てた物の中には、「ほしい」「可愛い」「便利そう」という衝動に突き動かされて買ったものの、一度も使わかったものが、ゴロゴロありました。
以前の私は、完全に買うことにフォーカスしていたのです。使うことではなく。
あまりにもたくさんの、「衝動買いの成れの果て」に遭遇した私は、「捨てるだけじゃだめだ、買わないようにしなければ」と思うようになりました。
マフィン作りが趣味だった筆子
その日、私が捨てたのは、一度も使わなかったミニマフィン型のライナーです。
ライナーとは敷き紙の代わりに使う、シリコンで作った小さなカップのこと。
私は昔、マフィンをよく焼いていました。イーストでふくらませるパン(イングリッシュマフィン)ではなく、ベーキングパウダーでふくらませる焼き菓子です。
マフィンは、北米のスーパーやパン屋には必ずあります。
私は20代の頃からお菓子を作っていましたが、カナダでベーキングを再開したきっかけは、夫の、「マフィンは簡単に作れるよ」という言葉です⇒道具が少ないほうがお菓子やパン作りは楽しめる
マドモアゼルいくこのレシピ本にも、セイボリータイプ(甘くない焼き菓子)のマフィンがのっていたので、試しに作ってみたら、すごく簡単にできました。
その後、城川朝さんの「いつでもマフィン」というレシピ本を買い、たくさんのマフィンを焼きました。
城川朝さんの本はこちらでも紹介しています⇒料理本を断捨離(全捨て)した。いくらレシピがあっても料理上手にはなれない
私が使っていたのは、スーパーでごく普通に売っているマフィン型(muffin pan)でした。一度に普通サイズのマフィンが12個焼けるものです。
ある日、スーパーで、小さいサイズのマフィン型(ミニマフィン型)を発見して買いました。
これは、普通サイズのマフィン型の半分の大きさで、12個の小さなマフィンが焼けます。
城川朝さんの本では、クリームチーズを入れたマフィンをミニマフィン型で焼いていました。
味が濃厚だし、ケーキっぽいからミニマフィンにしたほうがいいとかなんとか書いてありました。
ミニマフィンにすると見た目は可愛いいのですが、作る手間は増えます。数が増えますから。
よって、たまにしか使っていませんでした。
ディドロ効果にはまっていた筆子
新しい物を手に入れると、それに合わせて新しい物が欲しくなる、というディドロ効果に、私は完全にはまっていました。
ディドロ効果とは?⇒止まらない買い物を止める方法。ディドロ効果のワナを知れ。
ミニマフィン12個だと、ふだん使っているレシピでは生地が余るので、余った分は大きなマフィン型に入れて焼いていました。
もう何年も、普通サイズのマフィン型1個と、ミニマフィン型1個というラインナップで、それで何の不足もなかったのです。
ところが、ある時、Winnersというアウトレットの店で、ミニマフィン型を見たとき、もう1つ欲しくなりました。
私がその時考えた、買う理由は、「1度に24個、ミニマフィンを焼けば、生地を使い切ることができる」というものです。
確かにそうなのですが、手間は増えます。
案の定、私はこの2つ目のミニマフィン型をほとんど使いませんでした。
そろそろ「お菓子を焼く時代」の末期に入っていたので、お菓子そのものを、あまり作らなくなっていたからです。
それに、最初からわかっていたことですが、普通サイズのマフィンを12個焼くほうが手間がかからないのです。
ミニマフィン型に合わせてシリコンのライナーを買う
ふつうサイズのマフィンを焼くときは、シリコンのライナーを使っていました。
敷き紙を使い捨てしないので経済的です。
ミニマフィンのときは、市販の紙のライナーを使っていたのですが、あるとき、紙ゴミが増えるのが気になりました。
「ミニマフィン用のシリコンのライナーが欲しい」と思うようになりました。
ミニマフィンなんてほとんど焼いていないのに、「ライナー」も揃えたいと思うのはいったいどういう了見なのでしょうか?
シンプルライフを目指していたものの、まだまだ便利なものを揃えることに気持ちがいっていたのです。
幸か不幸か、ミニマフィン型のライナーは、なかなか見つかりませんでした。
「欲しいな」と思い始めて3年ほどたったころ、ある店で、ミニマフィン用のシリコンカップを発見し、「ライナーとして使える!」と思い、購入しました。
2010年4月30日のことです。
2010年といえば、私は51歳になる年。
50歳になる年の正月に、「今度こそ、しっかり物を減らす」と決意し、断捨離をがんばっていたのにもかかわらず、あまり使いそうにもないミニマフィン用のシリコンカップを買ったのです。
しかも、このシリコンカップ、5年間、未使用でした。
お菓子作りはほとんどやめたのに、2つのミニマフィン型と一緒に、このライナーも引っ越し先にも持ち込みました。
引っ越してから、まず、ミニマフィン型2つを処分しました。
そのとき、ライナーも捨てるべきでしたが、小さいのでなんとなく流しの下の物入に置きっぱなしになっていました。
「いつか使うかもしれない」と思っていたのかもしれません。
当然のことながら、その「いつか」は来ませんでした。
2015年の9月9日に、とうとうこのライナーを捨てました。
未使用の物を捨てて決めた「買わないルール」
捨てたライナーは全く使わなかったので胸が痛みました。
ゴミが出るのが気になるから、ライナーを買ったのに、1度も使わずそのライナーをゴミにした筆子。
寄付センターに持ち込んだので、誰かが使ってくれたかもしれませんが、ミニマフィンを作る人は少ないので、売れ残って、廃棄された可能性もあります。
自分のやっていることの愚かさやちぐはぐ具合に、猛省しました。
私は、それ以前から、物を買ったら、記録を取っていました。
家計簿ではなく、家の中に入った物と、捨てて外に出たものを把握するための記録です。また、運動、片付け、買い物を減らすなど、その月の努力目標を設定し、月末に達成加減を◯、△、☓で表していました。
ミニマフィン用のライナーを買った2010年4月のまとめに、私はこんなふうに書いています。
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スロージョギング:◯ めずらしく、風邪をひき2日間走らなかったが、あとはいつもどおり継続できた。だんだん日が長くなってきたので、朝走っているときにあたりが見渡せる。
片付け・捨てもの:△ 今月は入るほうが多かった。
買物:☓ 実店舗では一度買物をしたきりだが、ネットでたくさん買ってしまった。以下、リスト
4/15 Kindle 2 とケース → Amazon.com、345ドル。
4/17 ラジオ講座テキスト5月号 楽天ブックス ポイント利用
4/20 パスポートケース(千円)アイマスク(600円ぐらい)無印ネットストア
4/21 Googleで20G(メモリ)。Picassaのウェブアルバムの容量を追加。5USドル
4/22 シリコンミニマフィンカップとタッパー 実店舗にて14ドルぐらい
4/27 Amazon jp で、ムービーカメラとSDカード(あわせて約18000円)、楽天店舗で互換バッテリー、チャージャー、別の楽天店舗でマルチバンド800円(首巻きとして使用。愛用していたものを落としたので)、雑誌、デイパック。
4/28 Amazon.comでキンドル用の本。約6ドル。
カメラは愛用品を落としてこわしたので、動画機能に強いもので安いのを新調。
kindle とカメラというデジモノ2つで予算を大きくオーバー。来月は買物をひかえ、片付け物に励まなければ。
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8年前の私、なんかすごく買っています。
このとき買ったKindleは、セカンドジェネレーションで、値段が高いものでした。しかも、カナダにアマゾンがなかったので、アメリカのアマゾンから買い、関税も払いました。
Kindleについて⇒Kindle(キンドル)を4つも持っている1番の理由は老眼にやさしいから Kindleはまだ3つ持っています。そのうちの1つはこの時買ったKindleです。
パスポートのケースやカメラを買っているのは、この年の夏、里帰りする予定だったからです。
4月27日は、楽天で複数の物を買っており、まだまだ、次々と買ってしまうクセが治っていなかったようです。
使わない物を買ってしまうパターンに嫌気がさし、この5年後の2015年に、もっと真剣に買わない生活をしなければだめだ、と思いました。
このとき、今後、台所関係の道具などは、単に「ほしいから」「あると便利そうだから」という理由では買わないことに決めました。
3回必要に迫られたら買うこと!
と心に誓いました。
このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒何度も失敗したけど、今も前を見て進んでいます~「ミニマリストへの道」のまとめ(1)
この続きはこちら⇒捨てにくい物を捨てる方法:ミニマリストへの道(109)
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ここから余談です。
私はお菓子作りが趣味だったから、いろいろと道具を取り揃えていましたが、カナダのふつうの人は、ふだん、自宅ではあまりお菓子を作らないと思います(サンクスギビングデーやクリスマスは別です)。
食べたいときは、ベーカリーや、ティム・ホートンズ(Tim Hortons カナダのドーナツ、コーヒーのチェーン)などで買ってくるのではないでしょうか?
仕事で忙しい人が多いですから。子育て中は専業主婦(Stay at home Mom ステイアットホームマム)をしている人も、子どもの世話やお稽古ごとに通わせるのに追われています。
作るとしたらせいぜいボックスケーキです。箱に入っている粉に、卵と牛乳を混ぜれば生地ができあがり、うまくふくらんで、おいしそうに焼けます。
おいしそうに見えるのは、そういう添加物が入っているからです。
添加物がいっぱいだから健康が気になる人は食べないほうがいいです。ふだん全くボックスケーキやスーパーで売っているケーキを食べない人(私ですが)が食べれば、添加物の味に気づきます。
娘が小学生のとき、資金集めのひとつとして、マフィン・デーというのがもうけられたことがあります。
週に1回、保護者が、順番にマフィンを作り、それを学校で生徒に売って、売上を学校の運営資金にします。
このとき、あるお母さんに、マフィンの作り方を聞かれたことがあります。「それって、朝、学校に持って来る前に一から作るの?」なんてしつこく聞かれました。
マフィンミックスも多数市販されているので、一からマフィンを作っていた人はそんなにいなかったかもしれません。