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給料日やカードの締め日の翌日などに、財布のひもがゆるんでしまう。そんな「リセット消費」の習慣を改める方法を紹介します。
「今月こそ節約しよう」と思っていたのに、なぜか月初にまとめ買いしてしまう。
クレジットカードのサイクルが終わって、支払いをクリアした安心感から、ついコンビニやネットショップに立ち寄ってしまう。
そんな行動に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
これは、私が「リセット消費」と呼んでいる現象です。
給料日やカードの支払い完了のタイミングで気分が一新され、お金も増えたように感じ、「一区切り」「ごほうび」のつもりで財布のひもがゆるむことです。
人によっては、気づかないうちに毎月くり返している出費パターンですが、今回は、こうした消費の背景と対策をお伝えしますね。
「毎月同じパターンで無駄遣いしている」と思ったことがある方は、ぜひ先を読んでください。
なぜリセット消費が起きるのか?
最初になぜ、リセット消費をしてしまうのか、原因をみていきましょう。
こうしたお金の使い方をしてしまうのは、心理的な理由、外的要因、いつもの習慣が影響しています。
安心してしまう
給料日になるとお金が入るので、一瞬、「私はお金持ちだ」と気分が大きくなります。
実際は、その給料から生活費を払う必要がありますが、脳はそのあたりのことはあまり意識しません。
また、クレジットカードの締め日に支払いが終わったときも、「終わった、またゼロからカードを使える」と安心してしまいます。
さらに、こうした節目は、「がんばった自分へのごほうびをあげたい」という心理も働きます。その結果、無意識にお金を使ってもいいと感じてしまうのです。特に、日常の楽しみが買い物しかないと、こうした気晴らしをよくしてしまいます。
誘惑が多い
月初や給料日前後には、セールやキャンペーンが重なることが多く、「今だけ特別」「今だけお得」といった誘惑が増えます。
「お金はある」という気持ちになっているところに、こうした販促活動にふれると、「今が買い時」と、財布を開いてしまいます。
習慣になっている
毎月同じタイミングで買い物をしていると、脳が「この時期=お買い物タイム」と覚えてしまいます。
そのため、特に欲しいものがなくても、ついショップサイトを開いたり、出かけた先で何かを買ってしまうという行動が、自動的にくり返されます。
つまり、心理的に気が大きくなってるところに、外から適度に刺激され、買っているうちに、いつも同じ時期に買うパターンができあがってしまうのです。
リセット消費を防ぐ3つの工夫
リセット消費は、気持ちがゆるむタイミングに無意識でくり返されることが多いため、根本から変えたいなら行動を設計しなおすことが必要です。ただ節約を意識するのではなく、自分の心の動きを観察しながら、より健全な行動に置き換えていきましょう。
1.買い物したくなる日を把握して、別の行動に置き換える
給料日やカードの締め日の翌日など、つい買い物したくなる日を、あらかじめ把握しておき、その日に行うことを買い物以外の満足できる行動に変えてみましょう。
たとえば、
- 給料の使い道をリストアップする
- 図書館に行って読みたい本を借りてくる
- 片づけものに精を出す
できるだけ、自分のためになる楽しい行動を見つけて下さい。
2.使っていいお金の枠を決める
お金を使いたくなりそうな日用に、最初から「お楽しみ費」を予算に組み込んでおくのも一つの方法です。
「月初は気がゆるむ」とわかっていれば、そこで使ってもいい金額を最初から決めておく。
こうすると、衝動的な浪費ではなく、計画的な買い物かつ気分転換になり、自己嫌悪も起きません。
3.買いたい気持ちを記録して観察する
特定のタイミングで、買いたい気持ちが高まったら、その感情について書いてみましょう。
そうすると、自分の心理的ニーズが見えてきます。
「なぜ今使いたくなったのか」「何を求めているのか」といったこと書けば、買い物以外の方法で満たす手段が見つかるかもしれません。
モーニングページや支出のログなど、書きやすい形で試してください。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
「カードの支払いが終わったから」は理由にならない
ここまで見てきたように、私たちは「給料日が来たから」「カードの締め日が終わったから」といったタイミングを理由に、これからする買い物を正当化します。でもその「買ってもいい理由」は、実際は、買い物にGoサインを出す理由にはなっていません。
このタイミングが来た⇒買ってもいい、ではない
「締め日後だから、気分をリセットしたい」「この日だけは特別」という思考は、あなたの気分には合っているでしょうが、お金の流れとは関係ありません。
カードの支払いが終わっただけで、来月の生活費が増えたわけではありませんよね。
それでも「また使える」「余裕ができた」と錯覚するのは、気分を基準にお金を使っているからです。
一時的な感情が理由になると、月に何度もお金を使う口実が生まれます。気分にお金の使い方を合わせるのではなく、手持ちのお金に合わせて気分を整える。そんな発想の転換が必要です。
出費の区切りより生活の流れを見る
毎月、区切りをつけたくなる気持ちはよくわかります。「今月のぶんは終了」「次の月に入ったから、またリスタート」と思うと、気持ちがラクになりますよね?
実際、今日1日嫌なことがあっても、「明日はまた新しい日」と考えるのは、気持ちを切り替える上で効果的です。
しかし、お金に関しては、昨日の出費の影響が今日、そして明日と続きます。「今日は新しい日」だから、と財布の中身までリセットしてしまうと、結果的に出費のつじつまが合わなくなります。
そこで意識したいのは、点ではなく線で考える習慣です。
お金の使い方の流れを見るのはどうでしょう? 週単位、月単位で、どれだけお金が必要か、またどこで、支出がふくらんでしまうのか?
たとえば、「月初はまとめ買いが多くて後半が苦しくなる」「週末に買い物が集中しやすい」といった傾向に気づければ、事前に予算配分を見直したり、買い物の回数を減らす工夫もできます。
このようにお金の流れを客観的に見て意識すると、リセット消費の誘惑に負けなくなります。
リセット思考は、問題の先送り
給料日やカードの締め日のあとに「気分を切り替えてまたがんばろう」と思うのは前向きに聞こえますが、「いったん白紙にする」発想には落とし穴があります。
それは、「前月の支出はチャラ」と無意識に処理してしまうこと。
支払いを終えたからといって、次の月の財布が自動的に満たされるわけではありません。けれどもリセットという言葉には、「一度リフレッシュすれば大丈夫」という都合のよい安心感を感じさせます。
このような思考がくせになると、毎月の見直しや反省が後回しになり、消費パターンも変わらないままです。
月の区切りで、少し自分にごほうびをあげるのは悪くありません。
でも、完全なリセットではなく、前の月をベースに「どこを少し変えていくか?」と考えてみる。そんな視点で、お金の使い方を少しずつアップデートしていきましょう。
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給料日やカードの締め日など、気分が切り替わるタイミングでお金を使いたくなる「リセット消費」。
これはワクワク感や安心感に流されて、財布をゆるめてしまう習慣です。
でも支払いが終わったことと、これから買い物をすることは関係ありませんよね?
あくまでお金は必要なものを必要なタイミングで買うときに使いたいもの。
気分で流されず、冷静にお金を使っていきましょう。