黒髪の人

TEDの動画

サイコパス(精神病質者)テストへの奇妙な答え:狂気と正気の間にあるグレーゾーン(TED)

先週に引き続き、物事に白黒つけて暴走してしまう傾向のある人に見ていただきたいTED動画を紹介します。



サイコパステストへの奇妙なこたえ

タイトルは Strange answers to the psychopath test (サイコパステストに対する奇妙な回答)。プレゼンターはイギリスのジャーナリスト、ジョン・ロンスン(Jon Ronson)です。

サイコパス(psychopath)とは、反社会的な人格を持っている人のことです。

その特徴は、口が達者で、自己中心的。一見、魅力的な人だが、病的に嘘をつき、人をだまし、操ろうとし、冷酷なこと。

社会的に成功している人の中にも、サイコパス的な要素(これをサイコパシーと言います)を持っている人はいます。

サイコパス=犯罪者とは言えません。

このプレゼンのテーマを一言で書くと、サイコパス(精神病質者)とふつうの人はそんなに簡単には区別できない。あいだにグレーゾーンがあるんだよ、ということです。

まあ、あたりまえのこととも言えます。

ただ、ロンスンの語り口が秀逸なのです。効果音やアニメも使われており、プレゼンそのものが、一遍のおもしろい物語になっています。

日本語字幕もありますので、時間があるときに見てください。抄訳では彼の味を出せません。

Strange answers to the psychopath test:TEDの説明

Is there a definitive line that divides crazy from sane?

With a hair-raising delivery, Jon Ronson, author of The Psychopath Test, illuminates the gray areas between the two. (With live-mixed sound by Julian Treasure and animation by Evan Grant.)

狂気と正常のあいだにはっきりと線を引くことはできるでしょうか?

The Psychopath Test(サイコパステスト 邦題:「サイコパスを探せ! : 「狂気」をめぐる冒険」)の著者、ジョン・ロンスンは、身の毛のよだつようなプレゼンを通して、両者のあいだにあるグレーゾーンを明らかにしていきます。

ジュリアン・トレジャーのライブサウンドと、エヴァン・グラントのアニメーションつき。

収録は2012年。プレゼンの長さは17分55秒です。

☆トランスクリプトはこちら⇒Jon Ronson: Strange answers to the psychopath test | TED Talk | TED.com

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

友人の家で分厚い精神障害マニュアルを見つけた

物語は私が友人の家にいたときに始まりました。

友達はDSMマニュアルを持っていました。精神障害を診断するマニュアルです。

あらゆる精神障害がリストアップされています。

1950年代には薄っぺらいパンフレットでしたが、その後、どんどん分厚くなり、今は886ページです。

374種類の精神障害(disorders ディスオーダー)がのっています。

自分にもメンタルディスオーダーがあるかな、と思いながら、パラパラ見たら、12種類に該当することがわかりました。

まず全般性不安障害(generalized anxiety disorder)、そうだと思ってました。

次に悪夢障害(nightmare disorder)。何かに追いかけられたり、「人間失格(failure)」と言われる夢を何度も見るケースです。

私はいつも夢の中で「人間失格」とののしられます。

親子関係の問題もあります。これは両親のせいです。

冗談です。いえ、本当です。いえ、冗談です。

次に仮病です。

仮病と全般性不安障害の両方あるのは珍しいんじゃないでしょうか。

仮病を使うとよけい不安になりますから。

DSMを見ながら、自分は自分で思っているより狂っているのかも、と思ったり、訓練をうけたプロじゃない人間が診断するのはよくない、と思ったり、

精神科医は、本質的にはごくふつうの人間の行動を精神障害としたがる、奇妙な欲望があるんじゃないか、と考えたりしました。





精神医学に批判的な人に話を聞いてみた

ちょっと興味をひかれ、精神医学に対して、批判的な人に会い、意見を聞くことにしました。

サイエントロジーの信者とランチをとったのはそんな理由からです。

ブライアンという人で、生え抜きのサイエントロジストを率いて、機会あるごとに、精神医学を叩こうとしています。

彼らはCCHRと呼ばれます。

「精神医学はニセ科学だと証明できますか?」と聞いてみたら

「はい。証明できます。トニーを紹介します」と答えました。

トニーはブロードムーアにいます。

ブロードムーアはブロードムーア病院です。かつては、触法精神障害者の収容所と呼ばれた場所です。

連続殺人犯や自分をコントロールできない人が送られます。

私はブライアンに聞きました。

「トニーは何をしたんですか?」

「全くたいしたことじゃありません。人を殴ったあと、刑務所に入らないために、気が違ってるふりをしたんです。

ただ、そのふりがうますぎたんですね。だからブロードムーアに行き着き、誰も彼が正常だとは信じないのです。

ブロードムーアに行って、トニーに会いますか?」

「はい」。そう私は答えました

医者がサイコパスと診断するトニーに会う

ブロードムーアに行き、ウエルネスセンターでトニーを待ちました。

あたりにいる患者は太っていてスエットパンツ姿でした。

皆、おとなしそうです。

ブライアンは、「投薬されているんですよ」と耳打ちしました。

投薬するのは、サイエントロジストにとって、もっとも許せないことですが、私は、「たぶんそれはいいことだろう」と思いました。

トニーがやってきました。

彼は太っておらず、健康そうです。ピンストライプのスーツを着ていました。ドラマに出てくるビジネスマンのように、腕を差し出しました。

私には、彼が、正気の人間に見せるための格好をしたいと思っている人に見えました。

「狂ったふりをしたら、ここに入れられてしまったというのは本当ですか?」

「そうそう、その通り。17歳のときに人を殴り、裁判まで拘置所にいたんだ。

同房者に、狂ったふりをすれば、ラクに過ごせる病院に送られると聞いたのさ」。

「具体的にはどうやったんです?」

「医者に、車をぶつけると性的な喜びを感じると言ってみた。たまたまクラッシュとういう映画を見たあとだったから。

それと、女性が死ぬところを見たい、そうすれば、自分のことをまともに感じられると思うとも言った。

この話は、刑務所の図書室にあったテッド・バンディの伝記から取ったんだ」。

いずれにしろ、狂ったふりがうますぎて、彼はブロードムーアに送られました。

到着してすぐ、トニーは精神科医と面会し、自分は正常だ、と言いましたが受け入れられませんでした。

トニーは、もとの刑期なら5年だったところ、12年、ブロードムーアに収監されていました。

トニーによれば、人に自分は正気だと思わせるのは、狂っていると思わせるより難しいのです。

普通の話をしてもサイコパス的傾向と思われる

「サッカーやテレビで見た普通の話題を、ごく普通に話せば、正常に見られると思ってさ。

僕はニュー・サイエンティスト(雑誌)を取っていて、アメリカ陸軍が爆発物を見つけるためにハチを訓練している記事を読んだんだ

だから、看護師に、米軍が爆弾を見つけるハチを訓練しているの知ってる?と言った。

そうしたら自分のカルテに、『ハチが爆弾をかぎつけると信じている』と書かれた。

医者たちは、僕の精神状態を知るために、言葉以外の手がかりを探してるんだ。

でも、正常な座り方なんてわかるかい? 正常な足の組み方とか? 無理だよ」

トニーの話を聞き、私も考えてしまいました。

「自分はジャーナリストらしく座っているだろうか? ジャーナリストのように足を組んでいるだろうか?」

トニーはこうも言いました。

「僕の部屋の隣にはストックウエルの絞殺魔(Stockwell Strangler)がいて、反対側には強姦魔がいる。

怖いから、部屋にいることが多い。そしたら、それが狂ってる証拠だ、と言うんだ。

打ち解けようとせず、気取っていると」。

ブロードムーアでは、シリアルキラーたちと仲良くしたがらないと、それが狂気の印なのです。

私にはトニーは完全に正常に見えました。ですが、本当にそうでしょうか?

トニーの主治医の診断

家に帰ってから、トニーの臨床医のアンソンー・メイデンにメールして、事情を聞きました。

「トニーが、刑を逃れようとして、狂ったふりをしたことはわかっています。

彼の妄想はごくありきたりで、ブロードムーアに来たとたんに消えたからです。

ですが、その後、トニーを診て、サイコパスだと判断しました。

そもそも狂ったふりをすることこそ、狡猾で人を操ろうとする行為です。これはサイコパスの仕業です。

チェックリストにもあります。『狡猾で人を操る』と。

頭が変なふりをするのは、頭がおかしい証拠です。

ほかの専門家に聞いたら、ピンストライプのスーツを切るのは、サイコパスの典型だそうです。

チェックリストの1番と2番は「口がうまく、一見魅力的。自尊心が過剰」です。

典型的なサイコパスは、えらそうに話し、他人へ共感を示しません。

トニーの正常そうに見える部分は、医者にとっては、狂気の証拠なのです。

彼はサイコパスでした。

医者はこう言いました。

「サイコパスについてもっと知りたいなら、サイコパス見つけることを学ぶコース(psychopath-spotting course )に行ってみては?

サイコパスチェックリストを作ったロバート・へアが行っています」。

サイコパスを見つけるコースを取って診断士になった

そこで、サイコパス診断コースに行き、私は、公認の、しかも優秀なサイコパス診断士となりました。

統計によれば、100人に1人はサイコパスです。

ここには1500人いるので、みなさんのうち15人はサイコパスです。

とはいえ、CEOやビジネスリーダーの間では、確率が4%にあがるので、30人~40人はサイコパスがいるでしょう。

ヘア博士によれば、資本主義を追求すれば、サイコパス的な行動は、称えられます。

他人に共感しない、口がうまい、狡猾で、人を操る、など。

もっとも非情な資本主義社会とは、精神病質が具現化したものなのです。私たち全員に降りかかる精神病質のようなものです。

ヘア博士はこう言いました。

「トニーみたいな男性はたいして問題じゃない。企業における精神病質が問題なんだ。

企業にいるサイコパスに話を聞いてみなさい」。

そこで、私はエンロンの社員に手紙を書き、「刑務所で面談して、サイコパスかどうか診断したい」と申し出ましたが、返事はありませんでした。

そこで、チェーンソー・アルこと、ダンラップ氏にメールしました。

1990年代に、乱暴な経営で利益をあげた人です。

赤字つづきの企業にやってきて、社員の30%を解雇し、アメリカのふつうの街をゴーストタウンに変えていった人です。

「あなたは、特別な脳をお持ちだから、恐れを知らないことができるのだと思います。

あなたの特別な脳について、お話を聞かせてほしいのですが?」こう、私はメールしました。

ダンラップ氏は快諾し、私はフロリダにある彼の豪邸に向かいました。

チェーンソー・アル・ダンラップに会ってみた

彼の家は、捕食性の動物の彫刻でいっぱいでした。

ライオン、トラ、ハヤブサ、ワシ。

「向こうにはサメもある」。こう彼は言いました。男性的な話し方です。

「もっとサメやトラがあるぞ」。

まるでナルニアの国のようでした。

次にキッチンに行きました。

アル・ダンラップ氏は、倒産寸前の会社を救うために招かれ、労働力を30%削減した人ですが、人を首にするとき、よく冗談を言いました。

ある社員が、「新車を買ったばかりです」と言ったとき、ダンラップ氏は「きみは新しい車を手にいれたかもしれないが、持ってないものもあるぞ。仕事だ」と言ったそうです。

キッチンで、ダンラップ氏は、奥さんのジュディとボディガードと一緒でした。

私はこう切り出しました。

「脳が特別だから、あなたは特別だとメールに書いたのですが」

「すばらしい説だ。スタートレックのようだ。前人未到の地に行くようなものだね」。

「心理学者はこう言うと思うんです。つまりあなたは…」

「何だ?」

「サイコパスです。サイコパスの診断リストを持っているので、一緒に見ていただくことはできますか?」

彼は興味をそそられたようで、「よし、聞こう」と言いました。

ダンラップ氏のサイコパス度をチェックした

「まず、過剰な自尊心」。

ダンラップ氏はこれを否定できないようでした。というのも彼の後ろには、巨大な彼の肖像画がかかっていたのですから。

「自分を信じるべきだ」。こう、彼は言いました。

「人を操ろうとする」。

「それはリーダーシップだ」。

「感情が薄っぺらい。つまり、多様な感情を持てない」。

「くだらない感情で悩みたいと誰が思うだろうか?」

こんなふうにダンロップ氏は、チェック項目を読んでいきました。「チーズはどこへ消えた? “Who Moved My Cheese?”」みたいに。

サイコパスというレットルを貼ろうとしている自分に気づいた

ところが、彼と話すうちに、私はあることに気づきました。

彼がごくふつうのことを話したとします。「青少年の非行はいけない」とか。

彼はウエストポイント(陸軍士官学校)に入ったそうですが、この学校に、不良は入れません。

ダンラップ氏は「短い結婚を何度も繰り返すのはよくない」とも言いました。

彼は2度結婚しただけです。

最初の妻は、ダンロップ氏がナイフで脅して、人肉の味にずっと興味を持っていたと言った、と離婚届に書いています。

ですが、ろくでもない結婚をして、口論がヒートアップすると、人は愚かなことを口走るものです。

彼の2度めの結婚は41年続いていました。

このように、彼がサイコパス的でないことを話すたびに、私は、「こんな普通の話は本に書かないでおこう」と思いました。

そこで、私は気づいたのです。「サイコパスの診断者になってから、自分自身がサイコパスみたいになってきた」ということを。

私は、ダンラップ氏を「サイコパス」と書いた箱に入れるのにやっきになっていたのですから。

彼の狂った部分だけを見つけようとしていたのです。

さらに、とんでもないことに気づきました。過去20年、ジャーナリストとしてやってきたことも同じだった、と。

私たちジャーナリストは、メモ帳を持って、世界を駆けずり回り、宝石を探そうとします。

その宝石とは、インタビューする相手の人格の一番外側にある部分です。

中世の僧のように、見つけた宝石をつなぎ合わせますが、ふつうのパーツは捨てます。

このせいで、精神障害だと、診断しすぎてしまうのです。

4歳のとき、小児双極障害だった子どもは、双極性障害というレッテルを貼られます。

子どもは、かんしゃくを起こすから、双極性障害のチェックリストでスコアがあがるからです。

釈放されたサイコパスのトニー

ロンドンに戻ったら、トニーが電話してきました。

「どうして電話をくれなかったんだ?」

「みんな、きみをサイコパスだと言っている」と伝えました。

「僕はサイコパスじゃない。チェックリストに、『後悔の欠如』とあるけれど、別のところには、『狡猾で、人を操ろうとする』ともある。

だから、罪をおかして後悔している、と言っても、医者は、ずる賢く、後悔しているふりをしている、サイコパスにありがちなことだ、と言うんだ。

魔法みたいに、なんでも逆にとるんだよ」。

審理があると彼が言ったので、私は出向きました。

結局、ブロードムーアに入って14年後にトニーは釈放されました。

診断表でスコアが高いのは、ふつうよりは再犯の可能性があがる、ということだから、無期限に収容すべきではない、と当局は判断したのです。

廊下でトニーは言いました。

「ジョン、みんな多少はサイコパスなんだ。君も、僕も。まあ、僕は明らかにそうだけど」。

彼はベルギーに行って、好きな女性に会うと言いました。すでに結婚しているので、別れさせると。

これは2年前の話です。私の本はここで終わっています。

トニーのその後

その後、20ヶ月は問題なく、何も起きませんでした。

トニーはロンドン郊外で女性と暮らしていました。サイエントロジストのブライアンによれば、失われた時間を埋め合わせようとしていたのです。

20ヶ月後、トニーは1ヶ月、刑務所に入りました。バーで喧嘩騒ぎを起こし、1ヶ月服役したのです。

悪いことではありますが、1ヶ月なら、そんなにひどい騒ぎではなかったのでしょう。

その後、トニーから電話がありました。

トニーが、出所したのは、正しいことだった、と私は考えています。

狂った部分だけを見て、人を評価すべきではないからです。トニーは、半分だけサイコパスなのです。

彼はグレーエリアです。

社会はグレーエリアを嫌いますが、グレーエリアこそが、人の複雑さ、人間性、真実のあるところなのです。

トニーは言いました。

「ジョン、酒をおごらせてくれないか? 僕のためにしてくれたことに、お礼がしたいんだ」。

私は出かけませんでした。皆さんなら、どうしていましたか?

単語の意味

given  (名詞)当然のこと、既知事項

Scientology  サイエントロジー
アメリカの新興宗教。

過去のトラウマなどを取り除き、悩みを解決しつつ、成長することを促すようです。自己啓発系と言われることが多いですが、信者でないのでよくわかりません。

トム・クルーズやジョン・トラボルタが信仰しています。

crack  一流の人、選手

criminally insane  触法精神障害者
罪を犯したけれど、精神障害を理由に不起訴、原形、無罪となった人。

cellmate  同房者、刑務所で同じ檻房に入っている仲間。

cushy   気楽な、快い

Ted Bundy  テッド・バンディ
1970年代に、30人以上の女性を殺害したシリアルキラー。一見、ハンサムで知的、女性にもてるタイプの男性でした。

sniff out  (危険など)をかぎつける、見つけ出す、ひそかに調査する

glibness  口がうまいこと。

Robert Hare  ロバート・ヘア(1934-)
カナダの犯罪心理学者。サイコパシー・チェックリスト(PCL)やその改訂版(PCL-R)を開発しました。

carnage  殺戮(さつりく)、破壊

chainsaw  電動のこぎり。無情に人の首を切る(会社をやめさせる)人のこともこう言います。 chainsaw consultant 人減らしの専門家。

Who Moved My Cheese?  チーズはどこへ消えた? 本のタイトル。

ねずみ2匹と小人2人が、チーズがたくさんある場所を見つけて、チーズのある毎日を過ごしますが、突然、何者かがチーズをどこかに持っていってしまいます。

小人は現実を受け入れられずわめいたのち、そのうち戻ってくるかもしれないと現状分析をします。

一方ネズミは、新しいチーズを探しに外にでて、結果的にチーズをたくさん見つけます。

何か変化が起きたら、柔軟に対応し、行動を起こしなさい、ということです。

outermost  もっとも外側の

recidivism  常習的犯行

fracas  けんか、騒ぎ

このプレゼンで語られたことは、ジョン・ロンスンが本に書いたことをまとめたものです。

翻訳も出ています。

人は自分の見たいものを見て、欲しいものを手に入れる

ジョン・ロンスンのプレゼンはとても興味深いですが、私はサイコパスについて書きたくて紹介したわけではありません。

人は、自分が探しているものを手に入れる、と言いたかったのです。

人は何かを信じると、その気持を裏付けるものを見つけようとします。

一度、「この人はサイコパスだ」という疑いを持つと、患者のすべての行動がサイコパス特有のものに見えてきます。

特ダネを見つけようと必死のジャーナリストは、ありきたりのできごとには見向きもしません。

もちろん、医者もジャーナリストもプロであれば、そうしたバイアスに影響を受けないよう、自分自身を戒めているはずです。

特に科学者は偏見を持つべきではないと、科学者になる過程で何度も聞いているでしょう。

しかし、彼らも人間なので、思い込みや偏見のワナから完全に逃れることはできないのです。

プロでさえそうなのに、ごく普通の私たちは、どうでしょうか? もっと思い込みに突き動かされているのではないでしょうか。

先週、日常のトラブルを回避する方法を教えてほしいという相談をいただきました⇒日常生活でトラブルに遭わない方法←質問の回答

相談してきた方は、「変な人にからまれること」前提に考えています。

おなじ時期に、30代はじめの結婚3年目の方から別の相談メールをもらいました。

家庭を持ちたいと思って結婚したが、子どもを持ちたいとは思わない、というのも、友達の話を聞くと、妊娠、出産、子育て、仕事との両立と苦労の連続だから。

そんな苦労はしたくない、この判断をどう思うか、というメールでした。

子どもを持つ、持たないは本人が決めることですが、最初から「苦労の連続」と決めつけるのはいかがなものか、と思いました。

「苦労するに決まってる」と思っていると、本当に子育て中のママが苦労ばかりしているように見えるし、自分がそうなったとき苦労するのではないでしょうか?

人間は自分が探しているものを見つけるからです。

ニュースを見ているときも、自分の信念にあったものはすぐに鵜呑みにし、自分の考えとあわないものは疑います。

この点についてはこちらのTEDのプレゼンでも語られています⇒間違っているのに正しいと感じてしまうのはなぜなのか?(TED)

「◯◯に決っている」という考え方は、考え方のクセであり自動的な反応です。

この反応のせいで、大切なものを取りこぼしたり、自分を苦しめることがあることを時々思い出すべきでしょう。





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