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ミニマリストへの道

最終更新日: 2017.07.21

『天然生活』にあこがれながらも、捨てる道を選んだ理由とは?ミニマリストへの道(11)

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筆子が毎日着たきりで、床に毛布やシーツをじかにひいて寝るようなミニマリストになった過程をたどっています。



これまでのあらすじ

前回は子供が生まれて、インターネットショッピングやら何やらしすぎて、モノをためこんだ話を書きました。この時点では全然ミニマリストではないのですが、心の奥底では、シンプルライフを志向していましたよ。

たくさんのガラクタを買ってしまった筆子ですが、あるとき安物買いが止まりました。というのも、諸般の事情から生活が苦しくなり、ただでさえ貧乏だったのが、極貧に近くなったからです。

以前、浪費が止まったのは、「英会話習得」という「夢」が生まれたからですが、この時は、単に「お金がない」というきわめて後ろ向きな理由からでした。

この「お金がない」という悲しい状態の中で、筆子がはまったのは、「家の掃除」「お片づけ」「物を捨てること」だったのです。

これなら、お金がなくてもできるし、それに、よく言うじゃないですか。「掃除をすると運気があがる」って。筆子は、苦しいときの掃除頼み状態だったのです。

物がたまりすぎて、見た目もごちゃごちゃだったし、夫にも叱られたし(自分だって相当よけいな物を持っているくせに、誰でも人の物はゴミに見えるらしい)、何より不衛生でした。

今の筆子は、掃除をしたからといって、運気があがるとは思いませんが、「不用品を捨てると、人生が変わるだろう」とは思っています。中途半端に捨てていてはだめですが、大々的に捨てた場合は。

あとになってこんなふうに考えると運がよくなるとわかりました⇒運のいい人、運の悪い人の違いって?

雑誌『天然生活』の暮しにあこがれる

『天然生活』創刊号と2号
筆子が「お片づけ」に目覚めた2003年の秋、『天然生活』という雑誌が創刊されました。この雑誌、今もありますね。

筆子はこの雑誌のことをネットで知り、日本にいる母に創刊号を送ってもらいました。「暮らしの手帖」を今風にして、写真をふやし、文章を減らして、内容をもっとコマーシャルにした感じの雑誌でした。表紙には「小さなこだわり 小さな暮らし」という文字がありました。

第1号と第2号。けっこう長く持っていましたが、結局断捨離しました。

この雑誌は決して「断捨離しましょう」という主旨の物ではありません。

主婦がていねいな生活をして、日々の暮しの中に小さな幸せを見つけましょう、といった本です。考えてみると内向きですね。その内向き加減について行けなくて、1年ぐらいで購読するのをやめましたが、最初の3号はなめるように見ていました。

エコロジーや、ナチュラル・クリーニングの特集が多く、ロハスな暮しの提案もありました。筆子が、石けんシャンプーをするようになったのも、この雑誌の影響があります。

石けんシャンプーの話⇒石けんシャンプーのコツを習得:私が湯シャンへ至るまで(6)

『天然生活』にはレシピがたくさんのっていました。料理の写真がそれまでの雑誌のような、フードコーディネーターがきっちりコーディネートした、家庭ではまねできない雰囲気ではないところがよかったです。

どっしりとした木のテーブルに、素朴なぽってりとした陶器の鉢が置かれ、中には、豆のサラダが無造作に入っていて、横には木のスプーンが置いてありました。考えてみれば、これも計算されたさりげなさであり、ラフさ加減なのですが、当時の筆子には新鮮でした。

ちょっとレトロで、キッチンというより台所という感じがただよっていたのも筆子のテイストに合いました。

ただ、よく登場した雅姫さんのインテリアやライフスタイルはお金がかかっていました。彼女は、天然素材を使ったナチュラルなものを使い、「シャビーでシックなものがいいのよ」、と言っていました。

シャビーというのは、「使い込まれた」感じ。単に古ぼけているとも言えますが、もともと高くて質のいいものを使い込むと、味がでるようです。

このあたりは貧乏人、筆子には手のでない世界でした。

筆子はこの雑誌のメッセージを「不用ななものは持たずシンプルに暮らしつつも、こだわるところはこだわりましょう」というふうに受け取りました。丁寧に暮らすためには、余計な物を持っていてはいけないのです。





ダンシャリアン筆子の原点の本に出会う

『天然生活』を見つつ、「こんな暮しもいいわね~。でもその前に、片付けないとね」と現実に立ち返り、ネットでいろいろなお片づけのサイトを探し始めました。

2003~2004年頃は、ミニマリストはもちろん、断捨離という言葉も一般的ではなく、物を捨てている人のブログはあまりありませんでした。

それでも、辰巳渚(たつみなぎさ)の『捨てる!技術』という本の初版が出たのが2000年ですから、「モノ余りの時代に物を捨てるのは必要なことだ」、という考え方は、それほど突飛なものではなかったはずです。

筆子は、「シンプルライフ」「お片づけ」「整理」という言葉をキーワードに、物を捨てているブログを見つけ、毎日のように見ていました。

ある日、愛読しているブログで紹介されていた「物を捨てる本」の目次に衝撃を受け、早速、アマゾンで注文しました。それが『「収納」するより「捨て」なさい』という本です。

この本を読んだことが、その後の筆子の「物捨て人生」を決定づけました。

この続きはこちら⇒断捨離生活のモットーは『収納』するより『捨て』なさい:ミニマリストへの道(12)

『ミニマリストへの道』を最初から見る方はこちらから⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?【1】~物がたくさんあっても幸せではなかった

☆エピローグ
「天然生活」の創刊号から3号までは、ずいぶん長いあいだ持っていました。古い台所の特集なんか、見ていて楽しかったです。当時、お菓子を作るのが趣味だったので、レシピの記事や写真を見るのも楽しかったです。

この3冊、なかなか捨てられませんでしたが、とうとうあるとき、断捨離しました。捨ててみたら、べつに、どうってことありません。あれば、パラパラながめて楽しめるとは思うけど、なければないで全然平気なのです。

雑誌の中の生活にあこがれるのもいいですが、やはり自分の現実の生活に向き合ってこそ、人生が楽しくなると思います。





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