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職場で雑用が多いため、自分が本当にやりたい仕事ができません、こんなとき筆子さんなら、どうしますか?
という質問をいただきました。今回はこの質問に回答してみます。
まずメールをシェアします。ふわふわあざらしさんからです。
雑用ばかりです
件名:はじめまして
ミニマリストに憧れていたことや、自分もカナダで暮らしたことがあり、筆子さんの本やブログを拝見しています。いつも参考になる情報ばかりで、大変勉強になってます。
私は中学校の教師2年目です。働き方改革は教育界にはまだまだ浸透しておらず、日々様々な雑務に追われています。
本当は授業をがんばったり、クラスを運営することを第一にがんばりたいのですが…
そこで筆子さんに質問です。
不本意な仕事ばかりで、本当にやりたい仕事に時間をかけることができていない現状を、筆子さんならどのように乗り越えていきますか?
まだ未熟な人間が集合して生活する場で働く教師は、突発的な問題や、本来なら指導に値しないようなことまで指導して時間や労力が奪われていきます。
夜や土日に仕事をしているとたまに虚しくなってしまうほどです…
まもなく夏休みに入ることもあり、普段より自分のことに時間がとれそうなので、断捨離もがんばりたいと思います。生徒に整理整頓を徹底するわりには、先生たちは机が汚いので…(笑)
ふわふわあざらしさん、お便りありがとうございます。
このお便りは、7月の初めにいただきました。学校の先生はいろいろやることが多くて大変ですね。
いまはもう夏休みで、多少はのんびりできているかと思います。
教職の現場のことは、何もわかりませんが、私ならこうするかな、ということを3点お伝えします。
1.もっとも解決したい問題を明らかにして改善する
まずいまの自分がもっとも解決したい問題を一つだけ特定して、それを改善してみます。
お便りには、以下の不満が書かれていました。
・雑務が多すぎること
・本当にやりたい仕事ができていないこと
・平日の夜や土日に仕事をすること
・突発的な問題に対処しなければならないこと
・指導に値しないことまで指導していること
あざらしさんにとって、どれが一番、いやなことで、今すぐ解決したいことでしょうか?
雑務や突発的な問題とは、具体的に何なのか? どうしてそういう問題が生じるのか? なぜ、土日に仕事をすることになってしまうのか?
自分が本当にやりたい仕事とは具体的に何なのか、どうしたら、それができるのか?
などなど、もう少し具体的に現状を分析してください。問題が明らかになれば、解決の道が見えてきます。
ふつうの会社でも、「このところ、売上が落ちている。なんとかしなければ」と思っていても、なんともなりません。
具体的に何の売上が落ちているのか、どの地方で落ちているのか、どうして落ちているのか、といったことをつきとめて、改善していきますよね。
つまり、「やりたい仕事ができなくて不満だわ、疲れるわ、ほんとにもう」と思ったあと、「でも、これって、いったいどういうことが起きているのかな? これに対して何かやれることはないかな?」と言語化するわけです。
2.なぜ仕事が多いのかその理由を考えて対策する
仕事が多すぎる理由は3つ考えられます。
1)本当に仕事が多すぎて、誰がやっても明らかに残業になる(学校の先生はこのケースが多いでしょうね)
2)能力やスキルが足りなかったり、だんどりが悪かったりして、残業になる
3)実は人の仕事までやっている
1)のリアルに仕事が多い状態で、雑務が多すぎて、本来すべき仕事に手がまわらない状態なら、そのむね人事(学校の場合、人事課がどこなのかわかりませんが)に伝えて、仕事の内容を変えてもらいます。
「そんなこと、無理! 不可能です」と思い込まず、言うだけ言っておいたほうがいいです。
2)の場合は、スキルを磨いたり、仕事のやり方を見直します。
あざらしさんは先生になってからまだ2年目ですから、スキルや経験が足りない部分はあるのではないでしょうか? スキルは一朝一夕には身につけられないので、長い目で見てください。
職員室の机の上が汚いそうですが、きれいなほうが、スムーズに仕事ができると思います。
3)の場合は、人の仕事には手を出さないようにし、自分の仕事にフォーカスします。
忙しい人は、意外と人の問題にまで手出しして、心身ともにエネルギーを使っていることがあります。
忙しい理由⇒なぜそんなにいつも忙しいの?~忙しさを生む7つの理由と忙しくなくなる方法
実際は、1~3すべてがまざっていると思います。一度、自分が忙しい本当の理由を考えてください。
この記事も参考になるでしょう⇒ただ忙しいのと生産的であることの違い(TED)
3.価値観を変える
いつもブログに書いていますが、人は自分の作った現実の中で生きています。
ちょっと考え方を変えたり、視点を変えてみると、これまで感じていたストレスが、もうストレスではなくなり、明るい気分になれたりします。
あざらしさんのメールを拝見して「ここはこんなふうに考えるといいかもね」と思ったポイントをあげておきます。
1)がんばりすぎない
あざらしさんは、まじめながんばりやさんなのでしょう。
比較的短いお便りのなかに、「がんばりたい」という言葉が3回も出てきますから。きっとまわりにも、「もっとがんばれ!」的な価値観をもって、指導しているのではないでしょうか?
だから疲れるのかもしれません。
自分や生徒に対して要求するもののハードルが高すぎるんじゃないですか?
いい意味で、「ほどほどでよし」と考えられると、もっとリラックスして仕事ができます。
2)雑用だって大事な仕事
自分がやりたい仕事が「よい仕事」で、雑用が「どうでもいい仕事」とは言えません。
あざらしさんは、ご自身の職場のことを「未熟な人間が集合して生活する場」と書かれています。
中学生は大人じゃないから、未熟なのはあたりまえです。まだ子供だから中学校へ通っているわけです。
子どもたちが起こすいろいろな問題に対処するのも、仕事のうちではないでしょうか? あざらしさんが、「指導に値しないこと」と思っていることも、実は、しっかり指導すべきことなのかもしれません。
それらの仕事の質や重要度が、あざらしさんの言う「本当にやりたい仕事」と比べて劣るとは言えません。
優先順位が低い仕事ではあるかもしれません。けれども、本来やりたい仕事をするためには、やらねばならない仕事である、と考えることはできないでしょうか?
つまりすべてこみになっているわけです。
3)何をするか、ではなく、誰のためにするかを考える
仕事をするとは、誰かの役に立つことです。誰かの夢をかなえたり、誰かの問題を解決したり、誰かの生活の手助けをしてお金をもらうことですよね?
仕事の内容にフォーカスせず、その仕事のせいで、恩恵を受ける人のこと(あざらしさんの場合は生徒)を考えてみると、「ああ、こんなしょうもないことやるなんて」と虚しくなったりはしないでしょう。
あざらしさんは、学校の先生ですから、自分のやった仕事の結果をわりとダイレクトに見ることができます。短期的にも長期的にも。
これって恵まれてますよね?
子供の成長を助けるとは、つまり、よりよい日本の未来を作ることです。
そう思うと一つひとつの仕事が大事に思えるんじゃないでしょうか?
しかも、人に何かを教えるのは、自分が学ぶことです。学校の先生は、給料をもらいながら、毎日、貴重な気づきと学びを得られるのです。
しかも、一般国民と比べたら、とても年金がいいです。
私は、生徒のことを「未熟な人間」とは呼びません。未熟な私にいろいろなことを教えてくれるありがたい存在ですから。
4)ポジティブ・シンキング
どんなときも、ポジティブ・シンキングを忘れないでいたい、と考えています。
その理由は、過去記事にさんざん書いています。たとえばこれ⇒成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
ものごとは暗く考えようと思えば、いくらでも暗く考えることができます。
ですが、そんなことしたって、自分にも、周囲の人にもよい結果をもたらしません。
困難な目にあっても、「これは貴重な学びを得られるチャンス」と考えるようにてはどうでしょうか?
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今回は仕事に関する質問に回答しました。
やりたい仕事だけやっていれば自分は満足かもしれません。ですが、先日も書きましたが、満足感イコール幸せではないと思います。
先日の記事⇒短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。
繰り返しますが、仕事とは、基本的にほかの人の役に立つことです。
皆が自分のやりたい仕事や、好きなことばかりやろうとしても、世の中はまわりません。
好きな仕事をするために、やらなければならない仕事もあるんだ、と考えると多少、ストレスも緩和されるでしょう。