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TEDの動画

服を使い捨ててはいけない。着ているものがあなたの生き方を表している(TED)

ろくに着ない服をたくさん買っては、クローゼットにためこむ癖を手放したい。そんな人の参考になるTEDの動画を紹介します。

タイトルは、You are what you wear(着るものがあなたという人を表している)。プレゼンターはジャーナリストで、RedressというNGOの創設者であるクリスティナ・ディーン(Christina Dean)さんです。

Redressは、持続可能なファッションを提唱し、ファッション産業による環境汚染を少なくするように働きかけている団体です。



You are what you wear 服装があなたという人を表している

2014年の3月に、香港浸会大学(ホンコンしんかいだいがく)で行われた独立イベントより。

動画の長さは16分31秒。日本語字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。ディーンさんは英国人なので、イギリス英語を話しています。

着ているものを見ればあなたという人がわかる

着るものが自分の人生観を表しているとわかるまで、私は35年かかりました。

みなさん、きょうは何を着ていますか?

今朝、意識的に服を選んだ人は、どのぐらいいらっしゃいますか?

ある人は忙しくて、何も考えなかったでしょう。コアなファッショニスタなら、ファッション雑誌やブログですすめられている服を身につけたでしょう。

二日酔いだったから、そのへんに転がっている服を適当に着た人もいるでしょう。

私が言いたいのは、毎朝、みなさんが服を着るたびに、世界でも最も地球を汚染している産業の片棒をかついでいる、ということです。

ですが、そんなことをする必要はありません。私たちには衣料産業がもたらしている汚染を減らす力があります。

中国に来て環境問題に興味をもった

私は過去7年間、ファッション産業が作り出している汚染を減らすため、壮絶なバトルを繰り広げてきました。それまでファッションの仕事の経験は皆無でした。

私はロンドンで歯科医をしていましたが、仕事が嫌いでした。歯を削ったり、フィリングを入れたりして、人を苦しめる仕事ですから。

そこで、キャリアを変更しジャーナリストになりました。

9年前に香港にやってきて、あらゆるトピックの記事を書いていましたが、特に環境問題に興味を持ちました。

中国では環境汚染がずいぶんひどいからです。

世界でもっとも汚染されている都市、20のうち、16が中国の都市です。衣料品やテキスタイルの工場が環境を汚染しますが、中国は、世界中の衣料品を生産していますよね。

衣料産業が地球を汚すのを少しでもましにするために、2007年にRedressという団体を作りました。

私たちのミッションは、衣料産業における廃棄をできるだけ少なくすることです。





ファッション産業が地球を汚染する

ファッション産業が、どれほど環境を汚染しているのか知っている人はあまりいません。

衣料産業の年間の売上は1兆7000億USドル(150兆円ぐらい)です。皆さんの一人ひとりがこの売上に貢献しています。

服を着ない人っていませんから。

私たちは服を着ているという点で、この素晴らしい、同時に恐ろしい産業と結託しているわけです。

先日、英国に飛行機で戻るとき、ファッション産業に関するドキュメンタリーを見ました。

ヴォーグの編集長であり、ファッション界の女王であるアナ・ウインターがインタビューに答えていました。

彼女はこう言ったのです。

「ファッションは時代を反映しています。(Fashion is a reflection of our times)」

これを聞いて泣けてきました。ファッションが時代を表しているのなら、私たちはずいぶんひどい時代に生きています。

ファッション産業の暗黒面を見れば、洋服はもっとも環境を汚染する消費財だとわかるでしょう。

たとえば私のジーンズには、たくさんの天然資源が使われています。

ジーンズ1本作るのに

・水、3625リットル

・毒性の強い化学薬品、3キロ

・400メガジュールのエネルギー、電球1個を116日間つけたままにできる分量に相当

・コットンを作るための13平方メートルの土地

・このステージのBからEの文字までの距離のラボ

これだけ必要です。

世界の工場排水による汚染の20パーセントはテキスタイル産業のせいだと考えられています。中国では、病気の75パーセントが水質汚染に由来するとみられています。

こうした事実を知って、とても恐ろしくなった私は、ファッション産業に汚染をやめてもらうための闘いを開始したのです。

環境にやさしい製造工場を実現したが

最初の5年は、デザイナー、ブランド、小売店、工場、サプライヤーに向けて、より汚染しない生産をしてもらうように闘っていました。

ところが、2年前のあるできごとがきっかけで、私の戦略は根本的に変わりました。

テレビ番組を作るスタッフを連れて中国に行き、より環境にやさしい製造をする工場をリポートする番組を作りました。私たちの団体がかかわってきた工場です。

リサイクルする率が少しだけ高く、使う水の量は少なく、炭素の排出も少ないし、エネルギーの使用量も少ない工場です。

この工場をフィルムにおさめているとき、私は「やった、とうとうバトルに勝った」と思いました。

汚染する割合の少ない服の作り方を見つけた、と誇らしい気持ちでした。

みんな服を捨てすぎている

ですが、取材の最後に、香港のランドフィル(ゴミ捨て場)に出向いたとき考えが変わりました。朝の3時間、ゴミで満杯になった、ゴミ収集のトラックが列をなしていました。

これを見て思ったのです。

ちょっとぐらい生産過程でエネルギーを使う量が減ったり、廃棄する量が減ったところで、消費者がこんなに服をたくさん買って捨て続けていたら、全く何の効果もないと。

消費者に目を向けてみると、私もその1人ですが、みな狂っているとしか言えません。

あまりにもたくさんの服を買っています。毎年、(リサイクルした材料からではない材料から)新しい服が800億着も製造されています。

西欧の消費者は10年前に比べて、60パーセント多く服を買っていると言われています。

だからといって、よりお金を使っているわけではなく、服に使っているお金はむしろ減っています。というのも、いまや衣料品はとても安価だから。

安い服は質もよくありません。

言ってみれば、いま、私たちは、みんなボロ布を着ているようなものなのです。

ボロ布を着ているから、長持ちせず、すぐに捨てることになります。香港では毎日、217トンの衣料品がランドフィルに捨てられているそうです。

これは、1時間に1万着の服を捨てていることになります。環境を汚染してしまう服を1万着です。

アメリカでは、ランドフィルに捨てられるゴミの量は、過去11年で1パーセント減ったのに、衣料品のゴミは37パーセント増えています。

ランドフィルで、私は決めたのです。これから、1年間、人が捨てた服だけ着ることにしよう、と。

問題を自分自身のこととして捉えたかったし、なぜ人がそんなにたくさんの服を捨てるのか知りたかったし、人が捨てた服は、まだまだ着れる品質であるということを証明したいと思ったのです。

1年間、人が捨てた服を着続けるプロジェクトをした

月に1度、人が捨てた服をリサイクルする倉庫に行き、古着の山から、その月に着る服を探しました。

その後、毎日、自分が着た服の写真を取りインスタグラムで配信したら、メディアに多いに注目されました。

とても評判のよいプロジェクトでした。

1年間、人がゴミにした服を着続けてこんなことを学びました。

1.人がファッションに夢中になる理由

服は自分に対する気持ちや行動を変えるパワーがあります。去年、たくさんの服を着たのでそれがよくわかりました。

2.服のメンテナンスをする必要性

とても高品質の高くて美しい服が捨てられているのを何度も見つけました。単に、ボタンが1つ取れたり、小さなシミがついているだけで捨てられていました。

3.自分の服を好きになること

自分の服と感情的につながるべきだと思いました。自分の服を好きになるのです。

ゴミの山からよさそうな服を見つけてよみがえらせたとき、それぞれの服を本当に気に入っていました。

こうして、自分の生涯の35年ではじめて、自分という人間は着ているもので表されるとわかったのです。

このプロジェクトをやって本当によかったです。自分の気持ちが着ているものに出ていました。

私は地球やほかの人のことを大事に思っていたし、ゴミ箱から拾った服を着ることは、持続可能なファッションをすることだから、心で思っていることと、表面に表れていたことが一致していたのです。

だからきょうこの場でみなさんに、「あなたはあなたの着ているものです」と言いたいのです。

環境汚染を減らす力は消費者にある

皆さんは、私と同じように、ファッション産業の環境汚染を減らす力があります。

これは科学的にも裏付けられているんですよ。ライフサイクルアナリシスと呼ばれます。

たとえばジーンズを例にとると、これが製造されてから店に並び、皆さんが買って、着たり、洗濯したり、クリーニングに出して最後に捨てるまでにどれだけ環境に負荷がかかるか調べます。

リサーチによれば、ある製品が生まれてから廃棄されるまでの間、環境を汚染する値の58パーセントは消費者の手に渡ってから起きています。

これはすばらしいニュースですね。消費者のほうが製造する側より汚染する割合を減らすのに、より力がある、ということですから。

持続可能なファッションにするコツ

自分のワードローブをもっと持続可能にするために、全部捨てて、中古衣料を買わなければならないのかしら、と思っていますか? そんなことをする必要はありません。

自分の服に対してもっと意識的になるだけでいいのです。つまり、

1.質のよい服を、数少なく買う(buy less and buy better)

質の悪い服は買わないで、長持ちする服を買ってください。持続可能かどうかを決めるのに、耐久性はもっとも重要なポイントです。

もちろん持続可能な服を作っているブランドの服や古着を買います。

2.服のメンテナンスを行う

修理したり洗濯しながら使います。

3.捨てずにリサイクルする

何らかの理由で服を捨てなければならないときは、必ずリサイクルします。

布地は100パーセントリサイクル可能なので、ゴミ箱に捨てることだけはやめてください。ランドフィルに送り込んではいけません。

私はとても楽天的な人間で、皆さんが私と同じようによい人だと思っています。

みんな、地球や自分の服を作っている人びとのことを気遣っていますよね。

私たち全員が「自分という人間は着ている服でわかる」という考え方をすれば、衣料品産業が引き起こしている環境汚染をもっと減らせると思うのです。

これから毎日、服を着るとき、「私の生き方は私が着ている服が表している」ということを思い出してください。

//// 抄訳ここまで ////

単語の説明

joule  ジュール エネルギーの単位。1ジュールは1ニュートンの力が物体を1メートル動かすときの仕事量。1ニュートンは1キログラムの質量の物体にはたらきかけて、毎秒1メートルの加速度を生じさせる力。

なんて書いてもよくわかりませんが、要するに、服を作るには、それなりにたくさんのエネルギー資源、つまり地球資源が使われている、ということです。

life cycle analysis = Life cycle zssessment、LCA ライフサイクルアセスメント

製品やサービスが生まれてから、使い終わるまで、どれだけ環境に負荷がかかるか評価する1つの方法。

製造、輸送、販売、使用、廃棄、再利用までの各ステージごとに数字を出します。計算の仕方は複雑ですが、そういうのがあるんだ、と思うと無駄な買い物が減るかもしれません。

安い服をばんばん買って無頓着に使い捨てている人は、廃棄や再利用の段階で環境に負荷がかかったり、コストがかかっているということをあまり考えていないでしょう。

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もちろん、できるだけ余計な服を買ってほしくないからです。

自分で稼いだお金で何を買おうが自分の勝手だ、というロジックもありますが、地球ファミリーの一員として、何を買うか決断するのは大事ではないでしょうか?

ファストファッションの問題が取りざたされるようになって数年たちますが、ファッション関係のポータルサイトや、ブログでは、まだまだ「安くてかわいい服」「安くておしゃれな服」をすすめる記事が多いような気がします。

まあ、しっかり目を通していないので、あくまで私の感じ方ですが。とにかく消費者って安いものが好きですよね?

エシカルファッションやスローファッションはなかなか根付きません。

ですが、安い服やチープな雑貨を買い続けるのは、本当に問題です。必要がないときはやめたほうがいいと思います。

個人的に、これ以上プラスチックのゴミをまきちらすべきではない、と考えています⇒なぜ、今すぐプラスチックのごみを減らすべきなのか?

安い服の大半はポリエステルであり、これがマイクロプラスチック(ものすごく小さいプラスチックの粒子)となって海に流れ込み、魚が食べます。

その魚を人が食べます。

今はまだそんなに問題になっていませんが、このプラゴミのせいで、そのうち病気になる子供が増えるんじゃないでしょうか?

それでなくても、アトピーやアレルギーの子供が増えています。ますます病弱な子供だらけになりそうです。

人間が行う経済活動はすべて環境に負荷をかけます。生きるのに必要なので、畜産したり発電したりするわけですが、安い服をたくさん買うことは、生きるのにどうしても必要な活動ではないです。

必要じゃない活動のせいで、地球が汚れています。

店頭に並んでいるプチプラファッションは、きれいでおしゃれで素敵でキラキラしていて、自分の生活を楽しいものにしてくれるかもしれません。ですが、プラゴミになって魚の口に入っているのも本当のことなのです。





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