ページに広告が含まれる場合があります。
感情を持たないように、または出さないようにする方法を教えてください、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
医学的なことは私にはわかりませんが、意識がある限り(ある程度、脳が機能している限り)、完全に感情がなくなることはないでしょう。
それと、感情豊かなほうが人生は楽しいですよ。
この記事では、あまり感情的になりすぎない方法をお伝えしますね。
まずメールをシェアします。楓(かえで)さんからいただきました。
感情をなくしたい
件名:負の感情
私は今、会社の人間関係で悩んでます。
どう文書におこしたらいいのか、どこから書けばいいのかわかりません。
が、私は常にマイナス思考です。
それに付け加え、今、会社の上司との人間関係に悩んでいます。
今まで、普通に会話ができてたのにここんところそれもままならなくなりました。
それどころか、私の名前を呼ばれるだけで、何かミスをしたのか?
何か注意されるのではないか。と、考えてしまい、冷や汗すら出る始末。
年齢的なこともあるのかもしれません。
が、最近特に疎外感が感じられます。
それも、マイナス思考だと上司に言われました。
仕事は、感情は8:2にしないといけない。と。
8(感情無し)2が(感情があり)だそうです。
皆さんが、それをできているのでしょうか? ましてや、その上司もできているのでしょうか?
注意する言葉使いや、何かをいう時は、感情が先にきているように思えます。
実際、今日もミスがあり、「こんなんされたら困るんよなぁ」と。
これって、感情が8なのでは?
なので、感情を持たないように、出さないようにするには、どうしたらいいでしょうか?
わかりにくい文書ですが、よろしくお願いします。
楓さん、はじめまして。ご質問ありがとうございます
サラっと読んでいただいた記事とは、こちらでしょうか?
感情的な反応から賢明な思考にシフトさせ、最良の決断をうながす方法。
もう一度、今度はじっくり、自分ごととして考えながら、読んでいただけると、解決のいとぐちが見つかるかもしれません。
では、質問に答えます。
1.本当に感情をなくしたいのか考える
楓さん、感情をなくしたいと書かれておりますが、本当に感情がなくなったらいいと思っているのですか?
感情といってもいろいろあります。
うれしい、楽しい、懐かしい、おもしろい、ほっこりする、さっぱりする、安心だ、わくわくする、愛しい、きれいだな、かわいいな、やりがいがあるな、おいしいな。
こういう気持ちもなくしたいんですか?
先にも書いたように、そんなことはまずできないし、そうなってしまったら、ずいぶん人生が味気ないものになります。
一般にネガティブな感情だと言われている、悔しい、うらやましい、ねたましい、不愉快だ、大嫌いだ、憎い、心配だ、怖い、といった感情も必ずしも悪いとは言えません。
恐怖があるからこそ、人間はさまざまなものを生み出してきました。
それに、感情はくるくると変わりますから、これはいい、あれは悪いとそう簡単に、区別できないでしょう。
上司がおっしゃったという
仕事は、感情は8:2にしないといけない。8(感情無し)2が(感情があり)。
これ、どういう意味なのか、もう一度上司に聞いてください。具体的な事例も教えてもらうといいでしょう。
ついでに、この質問→「ましてや、その上司もできているのでしょうか?」これも、私ではなく上司にしてください。
お便りを拝見していると、上司とのコミュニケーション不足を感じます。
最近、普通に会話ができない、と書かれていますが、会話しようとしてないんじゃないですか?
上司が言った言葉は、「いまある80%の感情を殺せ」という意味ではないと思います。まあ、そんなことできませんけど。
30年以上前、派遣社員として働いていた会社に、何を言っても、「あーそうですか、はい、はい、わかりました(みんな、僕が悪いんです)」と受け答えをする若い男性社員がいました。
彼は私よりあとに入社したし、年下だったので、部下の立場にありました。
「わかりました」と言いながらも、彼は私の目を見ていなかったし、とりあえず、その場だけおさまればいいと思っているようでした。
彼の言葉は、感情を殺した受け答えですが、まったく誠実ではありません。
私が部下なら、こんな受け答えをする人間より、自分の意見をちゃんと言う人のほうを好みます。
2.自分のゴールは何なのか?
きのうの質問の回答にも書きましたが、いまの楓さんが、本当に求めている状態はどんなものなのでしょうか?
きのうの記事⇒ダイニングテーブルの上がいつも散らかっていてイライラするなら。
皆さんが、それをできているのでしょうか? ましてや、その上司もできているのでしょうか? 注意する言葉使いや、何かをいう時は、感情が先にきているように思えます。
この部分は、要するに、「感情をなくすことなんてできないよ。現に、上司は私に対して感情的に怒っている」と取れます。
自分で、できないと思っていることをやろうとしても、うまくいきません。
楓さんは、感情をなくしたい、出さないようにしたい、と思っているのではなく、ほかの状態を求めているのではないでしょうか?
たとえば、
・上司と以前のように、ふつうに会話をしたい
・仕事で失敗したくない
・上司に怒られたくない
・職場で疎外感を感じたくない
・もっと楽しく仕事をしたい
・職場で強いストレスを感じたくない
など。
自分が本当にもとめているもの(課題やゴール)を見極め、そのゴールの達成のために、やるべきことをやっていけば、今よりよい状態になります。
ゴール設定を間違えると、がんばっても、がんばっても、何も改善されず、ストレスが増えるだけです。
ゴールと現状のギャップを埋める方法⇒この先どうしたらいいのかわからないと悩んだらこれを読んでください。
では、以下に、感情的になりすぎない方法を7つ書きます。
感情的になりすぎないコツ
1)上司(他人)の言うことなんて気にしない
上司に怒られても気にしないでください。
いま、上司に名前を呼ばれるだけで、「また私、ミスをした?」「また何か言われるの?」とドキドキしているそうですね。
たぶん、「上司に名前を呼ばれた」⇒「怒られた(と感じた)」⇒「身も縮む思いをした」という体験を何度もしたために、そういう反応をする神経回路が強化されてしまったのでしょう。
まだ何も起きてないのに、自動的にヒヤヒヤしているのだと思います(条件反射)。
親によくたたかれている子供が、名前を呼ばれただけで、身をすくめるのと同じです。
つまり恐怖を感じているのです。
ですが、上司のことなんて、恐れる必要ないですよね? べつに取って食われるわけではありません。
ミスをして、指摘される、それだけのことです。人間、誰でもミスをするので、やり直すべきことがあったら、やり直し、その失敗から学んで、次からは、多少なりともましな仕事をすればいいだけです。
上司が部下のミスを指摘するのは、そのチーム全体の仕事の質をあげたいからであり、それは上司の仕事の一部です。
立場上、怒っているだけなので、気にすることはありません。叱られるのは誰でもいやですが、叱る方だってそんなに楽しくないですよ。
上司に何か言われても、「彼は彼の仕事をしているだけなのだ。私は私の仕事でベストを尽くそう」と思ってください。
2)個人的に受け止めすぎない
1)で書いたことにも通じますが、人の言うことを、いちいち、深刻に受け止めすぎないでください。
周囲の人は、いつも私のことを話題にしている、とか、みんなの話すことは、すべて自分にかかわることだ、と考えると、何もかも自分のせいだと、と思ってしまいます。
しかし、実際は、人がもっとも注意を向けているのは、自分自身のことです。
上司が楓さんに嫌味を言うなら、そういう言い方をする方に問題があります。
きっと、その上司は、他の人全員に、同じ叱り方をしていると思います。
情報のエッセンス(ミスの内容、修復方法など)だけを受け取り、嫌味、あてこすり、ぼやきの部分は、さらっと流してください。
3)大げさに反応しすぎない
ささいなことに、すごく動揺し、大げさに反応する人がいます。
楓さんが、そうなのかは、メールからはわかりませんが(というより、楓さんが、感情的な人なのかどうかも、実はわかりません)、いちいち大げさに反応するのは、思考や行動のクセなので、もしそうなら直していってください。
方法としては
・思い込みをはずす
「上司は私を嫌いだ」「私はミスばかりする」「私はいつもマイナス思考だ」という思い込みを捨てます。
楓さんは、「私は常にマイナス思考」と書かれていますが、1年365日、ずっとマイナス思考の人なんていません。
悲観的な考え方をすることが多い、ぐらいのことですよね?
この記事を読んでください⇒ポジティブ思考は学習できる。前向きになる4つのポイント教えます。
・見たもの、聞いたことすべてを頭から信じない(ちょっと考える)
物事には二面性があるので、一見、Aに見えていても、そのうらには、Bというまったく別の事実が隠されています。
どちらに光をあてるかは自分次第です。
・被害者意識を捨てる
何でも、悪く考えるクセがあったら直してください。
その方法⇒被害者的発想をやめる7つの方法(前編)、悪いのは私じゃない誰かだと思い込みすぎていませんか?
4)トリガーや理由をさける
自分が、ついつい感情的になってしまうきっかけ(トリガー)や理由があると思います。
トリガーを探し出し、さけてください。
たとえば、仕事が忙しすぎると、誰でも余裕がなくなって、ささいなことにイライラします。
睡眠不足のときでもそうです。
仕事をためすぎないように、前倒しで片付けたり、人に頼んだり、できない仕事は断ったりして、余裕を持って仕事をするようにします。
メールやLINE、SNSをチェックする頻度を下げるのも、心の余裕確保に、有効です⇒メールチェックしすぎていませんか?メールに支配されないシンプルな暮しのすすめ
5)リラックスして毎日をすごす
意識的にリラックスするようにしてください。
深呼吸する、自然の中を散歩する、美しいものにふれる、静かな場所で過ごすなど、のんびり、ゆったりする時間をもうけます。
ぼーっとするのもおすすめです⇒自分1人の時間を持つ5つの方法。時には他人の声や視線を断捨離する。
リラックスする方法⇒いつも気が張って疲れる人へ。緊張をほぐしてリラックスする方法。
6)執着しすぎない
何かに執着していると、「失いたくない」という恐怖がうまれ、それが、心の動揺につながります。
たとえば、上司に怒られるのを気にするのは、「会社を首になりたくない」「上司に好かれたい」「できる社員だと思われたい」といった執着があるからだと思います。
けれども、多少ミスをしたところで、会社を首になったりしませんし、仮に首になったとしても、また別の会社に就職すればいいだけです。
嫌味を言う上司に好かれてもしょうがないし、そもそも、人には相性というものがあって、会う人すべてと友だちになる必要もありません。
誰かが、自分を無能だと思ったとしても、それはその人たちの問題であり、人が自分のことをどう評価しようと、自分自身は何も変わりませんよね?
どんなことにもすべて終わりがあり、いま、どんなにジタバタしていても、自分や周囲にいる人は、100年後には、死んであとかたもなく、忘れ去られています。
どうでもいいことに執着せず、いまという時間を楽しむ気持ちをもつともっとゆったりすごせます。
7)セルフエスティームをあげる
「何があっても自分は大丈夫」と思えるように、セルフエスティームをあげてください。
その方法⇒セルフエスティームを高めて自信を取り戻す10の方法
もう1つ⇒本当の自分に出会う:セルフエスティームをあげるマニュアル(TED)
楓さんの質問にちゃんと回答できているか、わかりませんが、考えるきっかけになればうれしいです。
関連記事もどうぞ
過去記事で、感情的にならない方法を書いているので参考にしてください。
自分の気持ちをそのまま受け入れる勇気のパワーとその素晴らしさ(TED)
感情にふりまわされない秘訣は自分の感情に向き合うこと(TED)
いやな気分こそ大事にして、自分の感情とうまくつきあう(TED)
貯金や節約ができないのは、感情的すぎるからではありませんか?
よけいな感情を捨てるのはスキルの1つ。誰でも思考のグルグルを手放せる。
******
一昨日は進路に関する質問に答えましたし⇒ミニマリストになったら買い物が楽しめなくて複雑な心境です、きょうは、感情の取り扱いの質問に答えたので、また、「物の片付けに関係のない質問はとりあげるな」というメールをいただくかもしれません。
ですが、気持ちに余裕がないと、買い物をして物を増やしてしまうので、たまにはいいかな、と考えています。
過去記事を読む人、少ないですしね。