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心の断捨離シリーズ、今回は「無駄に張り合う気持ち」を捨てる方法を紹介します。
新学年の4月は環境が変わり、ママ友、同僚など新しい人々とのつきあいが始まる時期。人付き合いでストレスが増えがちですね。
タイトルに書いたマウンティング(mounthing)とは、自分のほうが上である、と他人にアピールすることです。女性がたくさんいる場所で起きることが多いようです。
もともとは、動物が交尾のときに、相手の動物に馬乗りになることです。「サルは個体間の優位性を誇示するため行う」とデジタル大辞泉にあります。
つまらないことで張り合っても、余計な物やマイナス感情が増えるだけ。
負けず嫌いで知らないうちに張り合う気持ちに振り回される人は、以下のように考えてください。
1.まず自分の感情に注意を向ける
人間は感情の生き物であり、瞬間瞬間の外的状況や他人の言動にいちいち反応するようにできています。敏感か鈍感かの差はありますが。
もやもや、イライラ、むかむかなどのマイナス感情を感じて、なんとなく日々が楽しくないときは、客観的に自分の感情を見て、少し細かく分析してください。すると冷静になれます。
競争している内容にもよりますが、張り合うと、たいてい余計な物が増えます。
というのも、多くの人が、「おしゃれで素敵な物をもっている人のほうが人間として格が上である」「お金持ちのほうがえらお」と無意識に思っているからです。
「買った」「負けた」「私のほうがえらい」「くやしい」と、いちいち感情的になる人は、「き~~~っ。負けたくない!」とライバルに勝つために、いらない服やバッグ、靴を買ってしまいがち。
「き~~~~っ!」となったままで終わらせず、自分は何を悔しいと思っているのか、立ち止まって考えてください。
よくよく考えてみると、張り合う場面でも何でもない、と気づくかもしれません。
世間にはミニマリストになることを張り合う人もいるようです。先日「なぜか勝手にほかのミリマリストと張り合って、捨てることを極めようと思ってしまった」というお便りをいただきました⇒いらない物を捨てたはずなのに、捨てたことをいつまでも後悔するのはなぜ?
この方の場合は、物は減っていったようですが、代わりに悩みが増えていきました。
2.競争と比べることは違うと知る
自分は前向きに競争しているのか、それとも他人と自分をただ比べているのか考えてください。
競争することは必ずしも悪いことではありません。スポーツでも勉強でも、ふだんの暮らしでも、人間、競いあうと発奮して、よい結果を出せることが多いものです。
私は、テレビでスポ根アニメを見て育った世代です。「巨人の星」とか「エースをねらえ」とか。こういう漫画やドラマには必ずライバル出てきます。
ライバルがいないと話としてもおもしろくないし、主人公は成長しません。競争心を持つと、やる気になり、難しそうなことや、未知のことに挑戦できます。
ところが、よりよい結果をめざして競争しているのか、単に人と自分を比較して優越を競い合っているのか混乱することがあります。
「負けたくないわ」と思ったら、自分が競っているものの正体を見極めてください。何を負けたくないのか、どうして負けたくないのか、勝利をおさめると自分の人生にどんないいことがあるのか。
人と自分を比べていると、どんどん不幸になるので、ほどほどにすべきです。比較するのをやめる方法はこちらで紹介しています⇒人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。
3.「負けたくない」と思うきっかけを知る
すぐに張り合いたくなる人は、自分がどんなタイミングで「あの人にだけは負けたくない」と思うのか、ちょっと調べてください。
そういう感情になるトリガー(物ごとを引き起こすきっかけ)を探すのです。
トリガーがわかれば、それを回避するか、トリガーに対して別の行動をするようにすれば嫌な気分になりません。
トリガーと行動(ルーティン)の関係についてはこちらで説明⇒今の自分を変えたい。3Rで新しい習慣を身につける方法
どうしてそれがトリガーになってしまうのか考えてみるのもいいです。
よく人は自分と似ている人、あるいは全く違う人を嫌う、といいます。自分と似ている人を嫌うのは、相手の行動に、ふだん自分が「嫌だなあ」と思っている自分のけちくさい根性が見えたりするからです。
全く違う人を嫌うのは憎らしいからです。自分にはできそうもないこと(だけど心の底ではやりたいこと)をいとも簡単にやってしまうからです。
職場や近所に、すごく嫌いで、張り合う気持ちのトリガーになる人がいたら、どうしてそう思ってしまうのか、少し掘り下げて考えてください。よくよく考えると、実は相手は自分とそっくりであり、本当は愛すべき対象なのです。
4.深刻に受け止めすぎない
人と競い合うのはよいことですが、結果をあまり深刻に受け止めないほうがいいです。
オリンピックの陸上やか水泳の競争は、ほんの少しの差で金メダルになったり銀メダルになったりします。トータルでみるとメダルありの人もない人も「早い」の一言でくくれるぐらい、たいした差ではありません。
この差にカリカリしていたら、身がもちませんよね。
オリンピックの選手は、たぶん自分のベストを尽くそうとしていると思います。
マウンティングしている人もマウンティングされたことにカリカリしている人も、遠くから見ると、同類に見えたりします。目くそ鼻くそを笑うとか、どんぐりの背比べの世界です。
うつうつとしたり、ご飯が食べられなくなったり、仕事が手につかなかったり、部屋がどんどん汚くなったりするまで、何かを張り合うのはやめたほうがいいです。
競いあうことを、あまり深刻に、個人的に考えないほうが精神衛生にいいのです。
深刻に考えなすぎない態度は、人生のあらゆる局面で自分を助けてくれます⇒いらない物を捨てるときにつきまとう罪悪感を手放す7つの方法。 「7.大げさに考えるのをやめる」のところです。
5.自分の幸せを好意的に受け止める練習をする
最近私がよく思うことは、他人の幸せを喜べない人は、自分の幸せにも気づいていないのではないか、ということです。
他人と自分を比べたり、張り合う人は、意外と自分が幸せなことを認めません。これは別に、恵まれているのに気づいていいない、という意味ではありません。「自分が幸せだと、ほかの人に申し訳ない」と思ってしまうのです。
すごくうれしいこと、ラッキーなことがあったのに、友達に言わない人がいます。「妬まれるかもしれない」と思うからです。
日本で生まれ育った人は、「なるべく他の人と同じであるほうがいい」という価値観を持ちますから、いいことがあってもこっそり喜びます。
喜ぶのならまだいいのですが、「こんなこと別にたいしたことではない」と思いこもうとします。
うれしかったこと、よかったことを過小評価してしまうのです。そうしないと周囲の人と違ってしまう(と思っている)からです。
ほかの人と違うのを恐れすぎる人は、他人軸で生きているため、つまらないことで張り合って、無理をしたり、気持ちが落ち込むことがあります。
もし、「自分は運がいい」とか、「こんないいことがあった」と素直に喜べず、回りに合わせようとする傾向があるのなら、自分に起こったラッキーなできごとは、素直に喜び、他の人と分かち合う練習をしてください。
それは自慢するということではありません。
ごく自然に、「こんなおもしろいことがあった」「こんなうれしいことがあった」「こんないいもの見つけた」と人に言うだけです。子供がそうするように。
6.愛情も幸せも無限にあることを知る
人と張り合って優位に立つことでしか安心できない人、幸せを感じられない人は、無意識のうちに、みんなこの世界で「有限である幸せ」を奪い合っていると考えています。
しかし現実には、他人が幸せになったからといって、その分、自分の幸せが減るわけではありません。
人との競争に勝ったり、他人と比べて優越感を感じないと生きていけない人は、足りないことに意識を向けてしまう、足りないマインドの持ち主です。
足りないマインドの話⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
兄弟姉妹の多い子供は、親の愛情を争うことがあります。
これも、「足りないマインド」があるからです。まあ、子供だから仕方ありません。私は子供が一人しかいないからわかりませんが、子沢山なお父さんやお母さんは、「どの子もみんなかわいい」と思っているのではないでしょうか?
親の愛情は有限ではなく、いくらでも無限にあふれてきます。
幸せも愛情と同じで、いろいろなところにいろいろな形でたくさんあります。これがわかれば、何もわざわざ、よく知らない他人と、よくわからないルールのもとに張り合ってストレスをためることもなくなるのです。
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テレビドラマで女性同士がマウンティングしたり、されたりしているのを見るのは、エンターテイメントとしてはおもしろいかもしれません。
ですが、実際の生活でそういうことをやっているとけっこうしんどいものです。どうでもいいことに貴重なエネルギーが消費されてしまい、大事なことに使う分が足りなくなってしまうのです。
愛情や幸せは無限、だけど自分の心のエネルギーや体力、時間は有限であるという当たり前の事実に気づいてください。そうすれば、たとえ、その瞬間はイラっときても、すぐに自分を取り戻すことができます。