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いざ断捨離を始めると、いろいろな思いが脳内をかけめぐり、結局捨てないままになることがあります。
よくあるのが、「捨てるなんてもったないやん。だって売れるもん、これ。メルカリとかで。お金になるやん」という発想です。
「不用品を捨てる」という目的があるのに、「売れるからもったいない」と思って手が止まったときの対処法を書きます。
本当の目的は何?
まず、おすすめしたいのは、いまの自分の一番の目的を考えることです。
私は不用品は売らずに、寄付することにしています。
詳しくはこちら⇒不用品を処分するときはお金にすることを考えないとシンプルにできる
ガレージセール(自宅の庭で行うフリマ)をやるよ、という友だちにごっそりと譲ったこともあります。不用品をネットで売って、お小遣い稼ぎをしている娘に供出することもあります(もちろん、売ったお金は娘のふところに入ります)。
娘は、ほぼ新品状態のものを寄付に出す私を見て、「バカみたい」と言います。
けれども、これでいいのです。
なぜなら、私の目的は、不用品を処分することであり、お小遣いを稼ぐことではないからです。
私は、その時自分がフォーカスしたいゴールだけに向かうようにしています。
一度にいろいろなことに手を出すと、フォーカスがぶれるため、どれも達成できなくなります。
「いまの私の本当の目的って何?」と考えてみれば、「売ろう」とは思わないでしょう。
本当に売る気、あるの?
「売ればお金になるから、捨てない」という決断をして、すぐに売るならいいのです。たぶん、お金になりますから。
けれども多くの人は、「売ればお金になる」と思っているだけで、なかなか売るところまで到達しません。
というのも、失う痛みを感じることや、自分と向き合うことや、めんどくさい作業から逃れたい一心で、「高く売れるから、手放すべきではない」という捨てない言い訳を考えついているだけだからです。
一番ラクな、現状維持を選び、売らないままそこに置いておきます。
この場合、この人は何も学ばないので、「使いもしない物をお金を出して買う」というそれこそもったいない行為を継続するでしょう。
実際に捨てたり、売ってみたりすれば、学ぶことがあります。
捨てる行為を重ねていくと、自分の買い物の仕方、物とのつきあい方、本当に大事にしたいもの、望ましいお金の使い方、これから自分はどんなふうに生きていくのか、そんなことを考えるチャンスにたくさん出会います。
売ってみれば、売るのはけっこうめんどくさいことや、あんなに高かったものが、二束三文以下である、という現実に直面し、やはり、買い物の仕方や、今後の方針について、考えざるを得ないでしょう。
実は、使いもしない物を、「売ったらお金になるから(でも、私はすぐに売るつもりはないけど)」という理由から、そこにそのままにしておくほうがもったいないのです。
売ったお金で何をしたいの?
仮に、すぐに売る行動に出るつもりだったとしましょう。けれども、売ったお金を何に使うか、不明確な人がたくさんいます。
「節約できればいい、お金になればいい、そうすれば、自分はもっと幸せになれるから」とぼんやりと思っているのです。
けれども、「お金はあればあるほどいい、物がたくさんあればあるほどいい、収納スペースもあればあるほどいい」という価値観のもとで生きてきたから、いま、自分の家に、誰も使わないガラクタがたくさんたまっているのではないでしょうか?
この考え方を変えない限り、いくら、フリマで売ってお金にしても、物をかかえこむ生活は変わりません。
実際、メルカリで売ったお金で、また別の物をメルカリで買い、物の量は、プラスマイナスするとどちらかというとプラス、お金はマイナス状態だ、というお便りをいただいたことがあります。
べつに不用品を売ってもいいのです。
ただ、そのお金を何に使うのか、明確な意図を持っているべきでしょう。
これがないと、そのお金で、また余計な物を買い、また断捨離するはめになり、「売ればお金になるから、捨てるのはもったいない」とぐるぐる考える生活からいつまでたっても抜け出せません。
本当にもったいないのはどっち?
不用品を家に置いたままにしているのは、実はとてももったいないことです。
規模は違えど、買ったマンションに自分は住んでいない状態です。住んではいないけれど、マンションの管理費や、固定資産税は払わなければならないし、ときどき掃除をするなどの管理もしなければなりません。
維持費はかかるし、使ってない不動産をいつまでも持っている、という心の重荷も抱え込みます。
人間は損することに対して、とても敏感なので⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる、誰も使っていない物を所持していると、「使わないともったいない」と感じます。
使わないともったいないけれど、捨てるのももったいない、あっちでもこっちでも、「もったいない」。そう感じます。
というのも、損得の気持ちは、その場その場で相対的に感じていて、絶対的なものではないからです。
この点についてはこちらをお読みください⇒私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)
何をするときにも、またしないときにも、「もったいない」と感じてしまうのは、むしろ自分のためにならない考え方です。
「もったいない」が口癖になっていたり、日々の行動の指針になっている人は、もっと別の価値観をもったほうがよいかもしれません。
自分の価値観を見直す話⇒自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)
悩むことから開放される道を選ぶ
「捨てるのはもったいない」と思っている物を、思い切って捨てると気分がスッキリします。
ぐずぐずと悩むことから開放されるからです。
「捨てたいけど捨てられない」「売ればお金になるよね、もったいないよね」と、うじうじと悩むことに時間をかけると、心のリソースがどんどん消費されます。
生活や人生の意味について、論理的に筋道をたてて思索するのは、自分のためになりますが、ただただ迷ったり、悩んだりしているのは、あまりためになりません。
もともと、捨てない言い訳として考え出したことについて、あーでもない、こーでもないと考えているのなら、尚更です。
迷っていると、暗い気持ちになったり、ストレスを感じたりして、気分がどんよりするし、べつのことを考える余裕もありません。
脳内リソースが、ネガティブな思考でいっぱいになり、何か新しいことをするほうに使われないからです。
迷ったり、悩んだりしている人は、たいてい行動が止まっています。
次の一歩に踏み出せません。
自分を毒している迷いの対象を捨てれば、脳内スペースがあいて、もっと前向きに考え、新しいことをする力がわいていきます。
もちろん、「使わない物を買った罪悪感」や「使っていない物を持ち続ける罪悪感」からも開放されます。
「もったいない」と思ったときに読みたい過去記事
「捨てるのはもったいない」と感じるときに読んでほしい過去記事をリンクしておきます。
もったいないから捨てられないという人へ。それは自分の人生で本当に大事なものなんですか?
クリーニング代が惜しくて服を捨てられない人へ。もったいない病を克服する考え方。
まだ使える物でも、使っていないなら捨てるべき:ミニマリストへの道(80)
「使える物を捨てるのはもったいない」こう思うからいつまでも片付かない。
なぜまだ使える物を捨てるの?と家族に聞かれたら答えたい4つの理由。
高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
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私も、「これ捨てるのもったいないかな」とチラリと思うことがあります。
けれども、使っていなかったら捨てます。
使わない物をかかえこむより、使ってくれる人にあげたほうがいいし、リサイクルして、循環させたほうがいいと考えているからです。
物は流れている話⇒物を捨てられないと悩んだら、3つの流れを意識してみる
自分の家に置いたままにしておくと、物の流れが止まります。
流れがよどむから、ネガティブなエネルギーが充満するのでしょう。