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断捨離をして本をたくさん捨てたら自分が変わってしまった。新しい自分をどう受け入れたらいいのかわからない。筆子さんはどうやって受け入れましたか?
今日はこの質問に回答します。
まずいただいたメールをシェアしますね。差出人は犬子さんです。
これから何を張り合いにすればいいのか?
件名:掃除で変わった自分とどう付き合えばいいのか
整理収納アドバイザーの方に手伝ってもらって、断捨離をしました。
断捨離後に筆子さんのブログを知って、断捨離時の戸惑いや、物を捨てるときの葛藤、どうしてものにこだわるかが、見事に言語化されており、驚いてしまいました。
ところで、私は今回の断捨離で本を100冊以上処分しました。
本を処分していたことで、これまで持っていた文章で身を立てたいという野心や売れた人への嫉妬心がなくなってしまいました。
私はこれまで他人への対抗心や見返してやりたいという気持ち、怒りなどが文章を書く原動力になっていた部分が大きく、心に波風が立たず穏やかになった自分に戸惑っています。
本を手放したことで執着がなくなったのはいいことなのですが、これからは何を張り合いにすればいいのかわからなくなって戸惑っています。
そういう自分に慣れようと思って、筆子さんのブログにあった、モーニングページや、ブレインダンプなどをして、心を整理したり、暇なときは語学をやればいいというアドバイスにしたがって、英語をやり直したりしています。
筆子さんは、掃除で変わった自分に戸惑ったことはありますか?
またそんな自分をどうやって受け入れていきましたか?
もしよかったらお聞かせください。
犬子さん、こんにちは。お便りありがとうございます。
家の中がスッキリしてよかったですね。
私は、掃除のせいで自分が大きく変わった経験はありません。
今の私は、心理的には26歳ぐらいからあまり変わってないような気がします。
変わったとしても、いきなりガラリと変わったわけではなく、日々段階的に変わったので、「きのうの私と今日の私はすごく違うから違和感がすごい」と思ったこともありません。
私の断捨離は、かなり長い時間がかかっています。
コツコツ時間をかけて、自分と向き合いながら、リバウンドしたり、またちょっと進んだりというプロセスを経た断捨離でした。
このような断捨離ではなく、プロに手伝ってもらって一気に片付けると、いきなり宝くじに当たってしまったような、もしくは一夜にしてスターになってしまったような違和感があるかもしれませんね。
ですが、外的状況が変わっても、本質的な自分はそう簡単には変わらないので、時間がたつうちに、また部屋に本がたまってくるかもしれないし、かつて感じていた野心も生まれるかもしれません。
それに、時間がたてば、新しい自分に慣れます。新しい髪型にすると数日は居心地が悪くても、そのうちその髪型が普通になります。
以下に、私が思う新しくなった自分を受け入れる考え方を7つ紹介します。
1.ポジティブに受け止める
本を処分して、心が穏やかになってよかった、と思ってください。
文筆業を続ける意欲がなくなったようですが、怒りや悲しみといったネガティブな気持ちから文章を書くのはつらくないですか?
その場合、仕事を続ける限り、怒りや嫉妬の中で暮らすことになります。ストレスが多すぎて、病気になるかもしれません。
ポジティブな気持ちから文章を書く準備が整ったのは、とてもいいことだと思います。
もしかしたら、犬子さんは、あまりポジティブな気分ではないかもしれませんが、怨念みたいなものはないほうが、気分よく生きられます。
今の心理状態のよい部分をもっとかみしめてください。
2.本がなくても文章は書ける
犬子さんに、「文章を書きたい」という気持ちがある限り、また文章を書くことはできます。
野望ガラクタ(なりたい自分になるために、買い集めたけれど、全然使っていない物)を捨てるのは、夢をあきらめることだと感じる読者はたくさんいます。
ビーズや刺繍糸という野望ガラクタを捨てたいのですが、捨てられません。
でも、物や本を捨てても、何かを作り出したい気持ちがある以上、制作活動はできます。
実際、文章を書くのは、自分と紙と鉛筆さえあればいくらでもできますよね?
創作は自分の中にあるものを何らかの形にすることなので、本を捨てて穏やかな気分になった自分を表現すればいいのです。
3.メインが変わっただけで元通りすべてある
犬子さんは、「自分は変わってしまった」と考えていますが、私は、そんなに変わっていないと思います。
犬子さんの中から、怒りや対抗心が完全になくなったとは思いません。
生活するうえで、メインに使う感情が変わっただけではないでしょうか?
今、怒りや対抗心は後ろのほうで大人しくしているけれど、必要なときには出てきます。
たとえていうと、腸内細菌のバランスが変わったような感じです。
腸の中では、善玉菌、悪玉菌、日和見菌、すべてがそこにいるし、たまには、外部からバクテリアが入ってくることもあります。
今は、「穏やかさ」を担当している菌の数が増え、センターにいるだけです。
よって、「私は変わってしまった、張り合いがなくなってしまった」と思う必要はないです。「ちょっと使うものが変わったのだ、それもいい方に」と思ってはどうでしょうか?
4.自己認識を深める
アイデンティティを喪失気味のときは、自己認識を深めるチャンスです。
掃除をして、行動の動機や求めているものが変わったと感じるなら、今の自分が求めているものを見つけて、それを追求する生活をしてください。
犬子さんは、すでにやっていますが、自己認識を深めるために、ブレインダンプやモーニングページを書くのはとてもおすすめです。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
今の興味のあること、やってみたいと思うことを追求すれば、やる気も張り合いも生まれますよ。
5.新しい趣味を見つける
文章を書けなくなってしまったのなら、新しい趣味を見つけてください。
以前から興味があったことをやってみてはどうでしょうか?
語学でもいいし、これまでやりたいと思ったけど、二の足を踏んでいたことにチャレンジするといいでしょう。
今は、家にいながら、インターネットでいろいろなことが学べる時代です。
YouTubeにはいろいろな動画があるし、お金をかけなくても、新しい興味や関心を深めていくことはできます。
新しいことを始めるとき、怒りや対抗心などないほうが、ずっといいです。
素直じゃないと、何も学べないので、「穏やかさ」がセンターにいる、今こそ、さまざまなことを学んだり、新しいスキルを身につけるチャンスです。
6.生きる目的を考えてみる
目的と書くと大げさに聞こえるかもしれませんが、誰しも、人生に求めているものがありますよね?
それを見つけて、求めているものを手に入れるのに近づく生活をしてはどうでしょう?
「こんなふうに生きていきたいなあ」「こんなふうに暮らしたいなあ」「ここは、もうちょっとこうだったらいいのに」「こんな仕事をしてみたい」と思うことを、少しずつ実現していくのです。
人は自分がしたいことをしているときに幸せを感じるので、楽しいと思います。
7.成長と変化を受け入れる
「今回、私は成長したな」と思ってください。
「穏やかさ」という感情が、犬子さんのセンターに据えられたのは、犬子さんにとって成長です。
それは、体にもいいバランスです。
自分をもっと認めて、日々成長していく自分をおもしろがるといいでしょう。
先日、プロセスに目を向ける話を書きましたが⇒読みたい本が多すぎて追いつかず、図書館に振り回される~この問題の解決法。
人生は、プロセスなので、周りも自分も変わり続けます。
人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)
断捨離をすると、人によってはすごく変るかもしれませんが、そのプロセスを楽しむほうに舵を取ると、「ちょっと戸惑いもあるけど、こんな私もいいわね。ふふふ」ともっと楽しい気分でいられるでしょう。
生きている限り、成長や変化が続きます。「次はどんなふうに成長できるかな」と、ドラマや物語の続きを楽しむような視点を持つといいでしょう。
犬子さんが、新しい張り合いを見つけて元気で暮らせるよう祈っています。
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読者の質問に回答しました。
そういえば、昔、「クロワッサン」(雑誌の名前)だったと思いますが、川村都さんが、「菜食主義にしたら闘争心がなくなったので、肉食に戻した」とインタビューに答えていました。
確かに、食べ物は感情に影響を与えます。私は、砂糖など甘いものの摂取を減らしたら、かなり穏やかになりました。
穏やかでいるほうが楽です。