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断捨離や片付けがうまくいかず、疲れる人は多いのですが、その理由の1つは、メディアで見た「美しい空間」をめざしてしまうからです。
SNSやYouTubeで目にする「完璧な空間」は魅力的ですが、実際の生活にそのまま当てはめようとすると無理が生じます。
私たちの日常は、常に変わる現在進行形。時間も限られているし、大半の人が仕事、家事、育児に追われています。
写真や動画は現実そのままというよりも、「人が見たいものを巧妙に作り上げたもの」と考えたほうがいいのではないでしょうか?
この記事では、理想的な「美しさ」よりも、現実的で「実用的」な片付けについて考えるポイントを5つ紹介します。
断捨離が行き詰まったときは、もっと現実的になって、無理のない自分に合った片付けをするようにしましょう。
1.片付けに使える時間
1日にどれぐらい片付けに費やせるか考えてください。
毎日1時間、片付けに使えるなら、部屋はどんどんきれいになっていくでしょう。
ですが、実際は1日15分も取ることができない人が多いと思います。
1日に片付けに費やす時間が少なければ、いきなりきれいな部屋にはなりません。
いま、部屋にあるさまざまなものは、長い間少しずつたまっていったのですから、片付けにもそれなりに時間がかかると覚悟してください。
この点に納得できれば、SNSで見た部屋のようにならないことに焦りや不満は感じません。
時間が取れない人でも、小さな片付けを積み重ねれば、部屋はきれいになっていきます。
具体的なやり方は昨日の記事を参考にしてください⇒フルタイムで働いている人がそこそこキレイな部屋を保つ方法
私自身、断捨離にはかなり時間がかかりました。
捨ててはリバウンド、また捨ててはリバウンドを繰り返しましたから。
それでも最終的にそこそこミニマルに暮らしているので、そんなに焦る必要はありません。
2.所有するもの
メディアに出てくる「何もない部屋」からは、多くのものが排除されています。
実際は、いろいろなものを持たないと生活できません。
所持品を100個以内にしたいとか、YouTubeで見たあの人のように、50個にしたいとか考えるのは馬鹿げているのでやめましょう。
私が一番お伝えしたいのは、自分軸のある生活をすることで、SNSに出てくる人の生活を真似することではありません。
ですが、お便りを読んでいると、真似しようとして、それができないことにストレスを感じている人が多いんです。
真似しなくていいですから。
「持たないこと」そのものを目標にするのはやめて、生活に必要なものはちゃんと持ってください。
また、趣味で持ちたいものあると思います。
本が好きな人、何かをコレクションしている人、手芸をするから材料やツールをいっぱい持っている人などいますから、万人に通用する「持つべきもののルール」はありません。
趣味や好きなことがあるのは、人生を豊かにする要素なので、ここを切り捨てる必要はないと思います。
私も、塗り絵を始めてから、塗り絵の本や色鉛筆などが増えました。
せっかくボールペン1本生活になったのに⇒ボールペン1本生活になってわかった、私が物をためこんでいた理由とは?
ジェルペン複数本生活に戻ったのです。
ですが、塗り絵は単純に楽しいし、ストレス解消に役立っているので、本や色鉛筆は自分にとっては必要なものだと考えています。
3.物理的な制約
部屋の広さは人それぞれだし、家族構成やペットがいるかどうかでも、自分が使えるスペースは違ってきます。
大きな家に住んでいる人と、コンパクトなアパートに住んでいる人では、必要な収納スペースや物の量が異なりますよね。
メディアで見かける広々とした美しい部屋を目指すのではなく、自分の空間に合った完成形を考えて、そこを目指してください。
新しい家はビルトインの家具や収納スペースが多いので、無駄なスペースが少なく効率的に収納できると思います。また、その家の構造に合わせてデザインされているので、見た目も一体感があって美しいでしょう。
そのおかげで、きれいに見える部屋も多いので、自分の家がそういう構造になっていなかったら、同じような結果を目指しても実現しません。
新しい機能的なアパートの一部屋と、古いオンボロに近い一軒家では、最初から立っている土俵が違います。
この点を考慮し、今の自分の部屋をどうしたらスッキリさせることができるか考えてください。
4.生活スタイル
メディアで見かける部屋の持ち主が、自分と同じ生活スタイルを持っていることはまずありません。
自分の生活スタイルに合った環境であれば、多少散らかっていても何の問題もないのです。
生活スタイルを決める要素はたくさんありますが、仕事1つにとっても、フルタイム勤務 、パートタイム、自営業で違うし、夜勤の多い仕事もあります。
在宅で仕事をする場合と職場に出勤する仕事もあります。
自分がやっている仕事は、思いのほか、自分の部屋の形に影響を与えます。
在宅勤務の人は、仕事を効率的にこなせるようなワークスペースを確保したいと思うでしょう。
仕事に集中できる静かな場所が必要だし、デスク周りはスッキリさせておきたいです
一方、通勤がある場合、部屋の使い方が違ってきます。朝は短時間で準備を済ませることができる環境、帰宅後はリラックスできる空間を優先したいでしょうから、デスクやこまごまとした文房具を置く必要はないでしょう。
むしろ、休息やリフレッシュしやすいリビングルームや寝室にしたいですよね。
仕事をするうえで、快適なインテリアは違うので、自分のニーズを把握したうえで、片付けをするべきです。
また、思い出品にすごく執着する人と、それほどでもない人がいます。
部屋にあれこれ飾りたい人と、何も飾りたくない人もいます。
常に自分らしさを優先するようにすると、最初から自分には合わない部屋を目指すことはしないでしょう。
5.家族のニーズ
家族がいると、よくも悪くも、理想の部屋は変わってきます。
私はずっとタメコミアンの夫と暮らしてきたので、リビングルームや共有スペースに「ガラクタにしか見えないもの」がたくさん置かれている家に25年以上住んできました。
じゃあ、今は一人暮らしだから、人のものはないのかというと、娘の学生時代のものが大きいバンカーズボックス1つ分、玄関に続く階段のそばに置かれています。
家族が自分以上のミニマリストなら、こんな問題は生じませんが、その場合は、何もわざわざ自分がものを減らさなくてもある程度快適に暮らせるでしょう。
しかし、家族が自分よりもものを多くもっていたり、ものをたくさん持って暮らすのを好む場合、ちょっと工夫しないとスッキリ暮らせません。
家族それぞれに価値観やものに対する思い入れがあるため、単に「これを捨てて」と強制することはできず、折り合いをつけながら片付けていく必要があります。
メディアで見る「素敵な部屋」には、家族のものがはみ出していることはあまりありませんが、普通ははみ出します。
特に子供がいる場合は。
私たちが片付けをする理由には、「家族と仲良く暮らすこと」も入っているので、家族のニーズを優先したうえでの部屋づくりが求められます。
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家を快適にしたいとき、インスタ映えを目指すのではなく、自分自身のライフスタイルに合った現実的な片付け方法を見つけることが重要です。
自分に合った片付けのペースを見つけ、持ち物に対しても無理のないルールを設定しましょう。
生活は常に変化しており、家族や仕事の状況、好みも含めて、自分らしい空間を作ってください。
理想の部屋はメディアで見た美しい空間ではなく、自分や家族が過ごしやすい場所です。
現実的な片付けを心がければ、断捨離に関して余計なストレスを感じることなく、片付けそのものを楽しめると思います。