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シンプルで効果的:お金の管理に役立つ3つの法則(TED)

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豊かな生活をするためにいかにお金を管理すべきか? その基本原則を教えてくれるTEDトークを紹介します。どれもシンプルなことですが、私たちがつい忘れてしまう大事なことが、歴史から浮かび上がってきます。

タイトルは、3 rules to manage your money—from ancient history (古代の歴史から学ぶお金を管理する3つのルール)

金融アドバイザーのChristopher Music(クリストファー・ミュージック)さんのトークです。

お金を管理する3つのルール

収録は2025年3月。動画の長さは9分、動画のあとに抄訳を書きます。

◆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

10分未満と短く、シンプルでわかりやすいプレゼンです。





リーマンショックがすべてを変えた

映画『アレキサンダー』を見たことがありますか?

アレキサンダー大王率いる小規模なマケドニア軍が、巨大なペルシャ軍と戦うシーンがあります。

ダレイオス王が弓兵たちに命じ、空を覆うほどの黒い矢がマケドニア軍の頭上に降り注ぐ光景を想像してみてください。

その矢の雨の中、兵士たちが必死に身を守ろうとしていたとき、彼らの心にはどんな思いがよぎっていたでしょうか?

2009年10月、私は金融アドバイザーとして、他の多くの同業者と同じように、ブルームバーグの端末を見ていました。

そのとき、画面には赤い矢の海が広がっていました(株価がどんどん下がっていたということ)。つまり、市場が暴落し、顧客たちの資産が大きく目減りしていたのです。

その画面を見つめながら、「もう、この仕事は楽しくない」と思いました。

金融アドバイザーの役目は、お客様の資産を守り、増やしていくこと。

しかしその日、私は確信しました。何かがおかしい。今の金融計画のあり方は、根本から間違っているのではないかと。

そこで私は決意しました。

人が本当の意味で経済的自由を手に入れ、それを維持できるように、繁栄の自然法則とも言える、時代を超えて変わらないお金のルールを探し出し、それを活かす方法を見つけようと。

普遍的なお金の法則を探し始める

私が言う自然法則は、お金や繁栄に関するもので、それは重力のように、普遍的で見てとれる真理です。

私は「いつの時代、どの文化にも共通して通用するお金の法則があるはずだ。それが正しい行動を導いてくれるはずだ」と仮説を立てて、探し始めました。

実際、古代文明も現代社会も、こうした法則について語っています。

最も古い文明から調べ始めました。

古代シュメールの文献から始め、中国、エジプト、ローマと続けていきました。

さらに、世界の七大宗教、ヨーロッパの古典的経済学者たち、現代の金融専門家たちの考えも学び、繰り返し登場する基本原則を抽出していきました。

その結果、最も効果的な25の法則が見つかりました。

実際に何千人もの顧客の資産運用でそれらを試したところ、法則に従えば財政状態は改善し、違反すれば悪化するという明確な傾向が現れたのです。

これは、皆さんにも当てはまります。

お金をもっと増やしたい、借金を避けたい、資産を守りたい。そう思うなら、これから紹介する法則にぜひ注目してください。

それぞれの法則が、歴史の中でどのように受け継がれてきたのか、一緒に見ていきましょう。

ルール1:まず自分に支払う

最初の法則は、収入の一部を、他の支出よりも先に自分のために確保することです。

この考え方は、古代から現代にいたるまで、多くの文明で語られてきました。

「まず自分に支払う」という考えは、お金を貯めるうえで最も効果のある習慣とされています。

たとえば、1926年にジョージ・クレイソンが書いた『バビロンの大富豪』という本の中では、「稼いだお金の一部は、自分のものとして取っておくべきだ」と書かれています。

これは、稼いだお金をすべて使い切らず、必ず一部を未来の自分のために取っておくという習慣の重要性を示しています。

なぜなら、自分の人生で最も大切な人間は自分自身だからです。

古代ローマ人も、この原則を理解していました。政治家マルクス・トゥッリウス・キケロは「貯蓄は、よき収入である」と語っています。

現代でこれを実践するには、たとえば自営業の人なら、収入の一部を決して使わない口座に入れます。会社員なら、給料の一部を、退職金制度などへ拠出しておくといった方法が考えられます。

これは、収入の額に関係ありません。

たとえ1ドルしか稼げなくても、10セントは必ず将来のために取っておくのです。

ベンジャミン・フランクリンも1757年の著書『富を築く道』でこう述べています。

「1ペニーの節約は、1ペニーの収入に等しい」と。

ルール2:借金をしない

2つ目の法則は、借金をしないことです。

これは非常に基本的で、古今東西の哲学者や経済学者の知恵にもたびたび登場するほど、私たちの意識に深く刻まれた考え方です。

古代の人々も現代の私たちも、借金が感情的にも経済的にも破壊的な影響を与えることを理解していました。

たとえば、古代エジプトにはこんなことわざがあります。

「貸し手になることを警戒せよ。友を失い、敵を得ることになる」

これは、借りた側が返済できなくなったとき、貸し手との関係が壊れることを示しています。

ここで言う「借金」とは、投資目的で資産を買うためのレバレッジ(たとえば不動産購入)ではありません。

そうではなく、クレジットカードや個人ローンなど、目先の欲を満たすためにお金を借りる消費者債務のことを指しています。

この消費者債務こそが、私たちを苦しめるワナです。

古代ギリシャの哲学者プルタルコスはこう言いました。

「借金をしている者は自由ではない」と。

現代社会において、自由であり続けるためには、未来を自ら手放さないようにすることが重要です。

自分の収入以上のお金を、刹那的な欲望のために使うと、混乱と不安が生まれます。

中国の思想家、孔子は、こう言いました。

「倹約をしない者は、やがて苦しむことになる」

借金をしないことは、私たちに予測可能性・安心感・心の平穏をもたらします。

「誰にも借りがない」という感覚は、大きな喜びなのです。

ルール3:資産を守る

3つ目の法則は、自分の資産を損失から守ることです。

血と汗と涙を流してようやく築き上げた価値あるものを守る。それは、誰にとっても最も基本的な願いのひとつでしょう。

ですから、資産を増やすことと同じくらい、資産の価値を維持することが重要です。

まず考えるべきなのは、今すでに持っている資産をどう守るかということです。

この考え方は、古代ギリシャでもよく知られており、デルポイのアポロン神殿の壁には「汝の所有物を守れ」というギリシャ七賢人の言葉が刻まれています。

資産を失わないための最善策のひとつは、自分の欲をコントロールすることです。

誰だってお金を増やしたいと思いますが、投資家として本当に大切なのは、稼ぐこと以上に損をしないことです。

むやみにリスクの高い投資や、うまい話に飛びつくことは、古代エジプトの教えにも反しています。

アナシャンク(Anashank *詳細な出典は不明)の言葉には、こうあります。

「欲深くなるな、そうでなければ何も得られなくなる」

また、すべての投資は人に関係していることを忘れるべきではありません。

誰とビジネスをするか、その相手をよく知ることが、成功の鍵です。

古代ローマの人々も、このことをよく理解していました。

ラテン語作家のプブリリウス・シュルス(Publius Syrus)は、2,000年以上も前にこう書いています。

「良い評判は、お金よりも価値がある」

自分の資産を損失から守る行動は、将来の富を予測可能にし、安定させるための最も確実な方法です。

自然な法則に沿って行動すればいい

今回紹介したのは、自然法則のほんの一部にすぎません。

この他にも、あなたの経済的な安定につながる大事なルールはあります。

経済的自由は謎でも奇跡でもありません。

こうした自然の法則に沿った行動をすれば、誰にでも手にできます。

//// 抄訳ここまで /////

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地に足のついたお金の使い方

このトークで紹介される3つの原則は、

1.収入の一部を先取りして貯金する(どんなに収入が少なくても)

2.安易に借金しない

3.欲に振り回されず、大切なお金を守る

と言い換えることができます。

古代から言い伝えられた知恵は、あまりにもあたりまえのことですが、現代社会は、このあたりまえのことをしにくいように回っています。

「買いなさい」「カードを使ってでもお金を使いなさい」「今すぐ手に入れなさい」といった情報があふれているので、シンプルな原則に立ち返ることが難しいのです。

そんな時代だからこそ、自分の価値観に従って行動を決めていくことが必要です。

情報に流されず、本当に大事なことにお金と時間を使う。それが3つの原則を活かすことにつながるのではないでしょうか?





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