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買い物上手になるために習得したい5つのスキルを紹介します。
最近いただいたお便りに、「買い物は誰にも教えてもらったことがなかった」という言葉がありました。
確かに、買い物は毎日のように行うのに、買い物の仕方を特に学ぶことはありません。
料理や家事、仕事のスキルは教わる機会がありますが、買い物の仕方は経験任せではないでしょうか?
だから、衝動買いや無駄遣いを繰り返し、ものを増やしたり、後悔したりします。
買い物をほかの技術と同じようにスキルととらえ、身につけていくことを意識すると、もっと満足できる買い物ができます。
スキル1 自分の欲望を知る技術(セルフモニタリング)
買い物の失敗の多くは、自分の心にある衝動や欲望を理解できていないことにあります。
売り場でものを前にすると、「ほしい」「必要かも」「しばらく買い物に来られないかも」「もっと素敵になりたい」「これは自分へのごほうび」とさまざまな買う理由が頭をよぎります。
こうした感情はごく自然にわきあがりますが、自分が感情主体で動いていることを知らないまま行動すると、必要以上に買い物をしてしまいます。
こうした「心の声」を意識しましょう。ここでいう心の声は、「ほしい」の奥にある、本当の気持ちのことです。
「不安だから買おうとしているのかな」「気分を上げたいだけ?」など、感情の背後で動いている気持ちを考えてみると、冷静になれます。
本当のニーズを探る質問
「欲しい⇒買う」とならないために、ものが欲しくなったら、以下の質問を自分にしてみてください。
・いま私、どんな気分?(疲れている/落ち込んでいる/気分転換したい)
・これが本当に必要なの? それとも気持ちを満たしたいだけ?
・買わなかったら何が困る? 本当に困る?
質問しながら自分が本当に求めていることを探りましょう。
買いたい気持ちを無理に抑えるより、自分を突き動かしているものを知ることを心がけてください。
スキル2 現状を把握する技術(家にあるものを知る)
家に何があるのか、自分が何を所有しているのか。こうした現状を把握していないと、必要のない買い物を繰り返してしまいます。
すでに持っているのに、似たようなものを買ったり、「あると役立つかも」という印象だけでものを買い足したりするのです。
とくに衣類や日用品は、毎日のように使っており、買う機会も多いので、なんとなく、「あったほうがいいだろう」という感覚だけで購入します。
しかし感覚はその場の状況や気分に影響されるため、適切な判断ができなくなります。
感覚頼みをやめ、現状を把握することを心がけましょう。
在庫を知るのは簡単で、何を持っているか書き出すだけでOKです。
クローゼット、キッチン、デスクなど場所ごと、もしくは衣類、食器、文房具などものごとに、自分がたくさん持っているもの、よく買うものをリストにしてみましょう。
在庫を把握するのを助ける習慣
以下のことを心がけると在庫を把握しやすくなります。
・同じカテゴリーのものを一箇所にまとめる
・シーズンごとにクローゼットの中身を確認する
・ストックは目に見える形で収納する
在庫をすべて把握する必要はありません。特に自分が買いすぎてしまうものについて、何をどれぐらい持っているのか知るようにします。
何を持っているかだいたい把握できれば、買う必要がないものは買わずにすみます。
いつも、家にあるものを念頭に置いて買い物をしましょう。
徹底的に在庫を調べる:本気で服の買いすぎをやめたいあなたへ(その2)。
スキル3 必要性を判断する技術(クリティカルシンキング)
次に必要なのは、「本当に必要かどうか」を冷静に判断する力です。
1番に書いたように、売り場に並んでいるものを目の前にすると、どうしても感情が先に動きます。
その場の雰囲気、照明や音楽にも影響を受け、商品が実際よりも魅力的に見えてしまうこともよくあります。
こんなとき、クリティカルシンキングを心がけてください。
クリティカルシンキングは、物事や情報を鵜呑みにせず、立ち止まってじっくり検討し、論理的・客観的に判断することです。
直感や表面的な情報に流されず、「本当にそうなのか?」「他に可能性はないか?」「根拠は十分か?」と考え、よりよい意思決定をしましょう。
必要性を判断するための質問
すぐに買わず、以下の質問に答えてから買ってください。
・これは、具体的にいつ、どんな場面で使うのか?
・1週間後、1か月後も使っている姿が想像できるか?
・これは「私の生活」になじむもの? それとも店でだけ魅力的に見えているもの?
いつどんな形で使うのか想像できないものは、なくても困らないものです。
使うシチュエーションがはっきり思い浮かび、代替品もなく、確かに必要だ。こう思えるなら、その買い物で失敗することは少ないでしょう。
クリティカルシンキングをするには、決めるまえに、いったん立ち止まることが必要です。
買う直前に、数十秒だけでも質問タイムを入れてください。
論理的かつ批判的に考える7つの方法。ロジカルシンキングはライフスキル。
スキル4 時間を味方につける技術(衝動の管理)
その場で判断すると買い物に失敗する確率があがります。
売り場では感情が優位になっています。
そばで買っているほかのお客さん、美しくディスプレイされた商品、期間限定の表示などが、購買意欲を刺激します。
こんな状況で判断すると、どうしても「今買わないと損するから買う」「二度と手に入らないから買う」、こんな決断をしがちです。
ここで役立つのが、時間を味方につける力です。
買いたいと思った瞬間に決めず、判断を遅らせるようにしましょう。
もっとも簡単な方法は、その場を物理的・心理的に離れることです。
時間を置くためにできること
・買いたくなったら深呼吸
5回深呼吸して冷静さを取り戻してから決めます。
・一度、店から出る
いったん外に出て、数分歩きます。見ている光景が変わること、そして、歩くことが冷静さを取り戻させてくれます。
・オンラインでは24時間ルールをつくる
買い物カゴに入れても、その日は購入ボタンを押しません。翌日アクセスして、もう一度考えてみましょう。
・写真を撮って帰る
手に取らず、写真を撮って、家に帰ってからゆっくり検討します。
衝動を感じているときは、冷静に判断したり、自制心を発揮したりできません。時間をあけて気持ちが落ち着いたら、改めて買うかどうか決めてください。
スキル5 振り返る技術(経験を次へ活かす)
買い物は買ったところで終わるわけではありません。
重要なのは、買ったものをどう使うかです。
そこで、買い物をしたら、必ず振り返るクセをつけましょう。
どんどん買ってしまうことが習慣になっているとき、買ったものを振り返ることにはあまり意識が向いていません。
何かを買って振り返るところまで、「買い物」という活動に含めましょう。
振り返る方法
意識しないと何も振り返らず次に行ってしまうので、以下のことをしてみてください。
1)買ったものを簡単に記録
・買った物
・買った日
・値段
・今思うこと
こんなことを、手帳・スマホのメモ・家計簿など、いつも見る場所に記録します。
私は去年まではGoogleのスプレッドシートにまとめていました。今は、iPadでつけているデジタルの日記帳に書いています。
書くだけで、その買い物について考えることができます。
2)振り返るタイミングを作る
すでに習慣になっている行動に、買い物を振り返ることを組み込みましょう。
たとえば、
・家計簿をつけるとき
・クレジットカードの支払日/明細を見るタイミング
・給料日
このときになったら、最近した買い物を思い出して、軽く振り返ります。
どんな振り返りをするかは自由です。
「よかった」「微妙」「使ってない」など一言感想を言うだけでもいいし、詳細な振り返りをしてもかまいません。
読者の中には、年末になるとその年の買い物の振り返りを送ってくれる人もいます。
3)後悔した買い物だけをまとめる
「買わなくてもよかった」「失敗した」と思う買い物についてだけ、手帳やノートに書き出します。
このとき、なぜ失敗したのか自分なりに分析しましょう。
たとえば、「ブラックフライデーだから買ってしまった」「一緒に行った友達に勧められた」「おなかがすいていた」など要因を書いておくと、失敗する買い物のパターンをつかむことができます。
振り返りは反省会というより、次に活かすためのチェックです。自分を責めないようにします。
振り返りをすることで、買い物が、一回きりの独立した行動ではなく、改善できるスキルになります。
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買い物をスキルとして捉え直すことをおすすめしました。
幼児が頼まれたおつかいをする『はじめてのおつかい』という番組があります。
この番組を見ると、買い物はスキルだと改めてわかります。子どもは買い物を通して以下のスキルを身に着けます。
・計画性:買うものを覚えて、道順を考える。
・コミュニケーション力:店員さんに声をかけ、商品を頼む。
・金銭感覚:お金を渡し、おつりを受け取る。
・社会性:人と関わりながら社会の一員として振る舞う。
大人の私たちは、これにプラスして、買うものを決めることが求められます。そして、ここが一番重要なところです。













































