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災害や備蓄に関してどう考えていますか、というお便りをいただきました。
この方は、いろいろ備えても心配事がつきないそうです。
返信を希望されているので、この記事で返事をしますね。
まずメールをシェアします。Oさんのお便りです。
心配事がつきません
件名:不安定な世の中なので
以前にアドバイスをいただいた事があります、その時の悩みも解消されました。
ありがとうございます!
今回も長文ですいません。
私は日本に住んでいますが、今現在世界中でいろんな事が起こり、火山の噴火や頻繁な地震、高い確率で来ると言われている南海トラフ、
しかも、次に起こる南海トラフ地震は、周期的に超巨大なんだとか。
アメリカのインフレや食料不足、自国通貨が半分ほどになった国、キューバは食料を買うために11時間も、トイレも行かず飲み物も飲まず暑い中長蛇の列に並んでいるとか、
色々な情報を知れば知るほど、備蓄が必要だと思うようになりました。
以前は、なくなれば買いに行けばいい、スーパーには定休日もなく、24時間開いているスーパーもあるからと、備蓄をしていませんでした。
しかし、日本も物価が上がるだけならまだいいけれど、品不足になったらと思うとある程度の備蓄、ストックは必要かと購入するようになりました。
備蓄をする前は、店頭から品物が消えるかもしれない、絶対に使う物は余分にあっても良いという考えで備蓄を始めました。
最初はアルファ米や長期保存水や、ビスコや乾パンとパスタや素麺など。
缶詰とトイレットペーパーといった感じでした。
それが、水が貴重になった時に体を拭くために赤ちゃんのお尻拭きがいるかも。
電気が来なくて掃除機が使えない時のために、ホウキもいるかも。
服が買えなくなった時に繕うため裁縫セットがいるかも。
ガスも電気も使えない時のために、キャンプ道具を持っていた方がいいかも。
と、どこまで備えたとしても心配は尽きないんです。まだ買っていませんが。
私には親兄弟や親戚が無く、夫も高齢の父が一人で、まわりに頼れる人がいないのもあり余計に心配になるのかも知れません。
起こるかも知れないし起こらないかも知れない、長期間かも知れないし短期間かも知れない。富士山が噴火するという方もいますし。
心配して備え出すと、キリがないです。
だからプレッパーがいるのでしょうか。
筆子さんは、災害や備蓄に関してどのように考えておられるのか、何か備えはしていらっしゃるのかお聞きしてみたいなと思いメールしました。
よろしくお願いします(^ ^)
Oさん、こんにちは。メールありがとうございます。
備蓄に関しては、以前、防災袋の記事を書いているので、まずそちらを読んでください。
防災用品や非常時持ち出し袋のミニマリスト基準はどれぐらい?質問にお答えしました
こちらにも防災(洪水)への備えについて書いています⇒私の防災メモ~災害にあって断捨離と防災について考えました。 この記事には、災害関係のほかの記事へのリンクもあります。
上記の記事を読んでいただくとわかりますが、私は特に備蓄はしていません。
私はOさんと違って、先のことは心配しないタイプです。
高い確率で起こることに対しては準備をしますが、「起こるかどうかわからないこと」に対しては、何の準備もしません。
だって、たいてい起きませんから。
今、水害が多いから、水害にあいやすい街(地形からある程度予想できます)にマイホームを建て、ろくに使わない物をびっしり詰め込まないほうがいいだろう、と思うぐらいです。
私は家を買う予定はないし、物もあまり持っていないし、このところずっと死蔵品の活用に努めているので、そういう事態にはならないでしょう。
Oさんには、心配する自由がありますから、いくらでも心配して備蓄すればいいと思います。
しかし、取越苦労はしないほうがいいですよ。
心配しているときストレスホルモンが出ますので、慢性的に心配していると体によくありません。
このままでは、大きな災害にあって困るより、病気になってしまう確率のほうが高いと思います。
心配しすぎるリスク⇒なぜストレスは身体によくないのか、どうやってストレスに強くなるか(TED)
どうせ心配するならバランスのいい心配の仕方をして、心と体の健康を維持し、今の生活の質を落とさないようにしたほうがいいでしょう。
備蓄するものは家族で話し合って決める
Oさんは、一人で、あんなことが起きるかもしれない、こんなことが起きるかもしれないと心配して、いろいろ買わなければならないと思っているようです。
そのこと、ご主人に相談したことありますか?
その手の備蓄用品は、自分の小遣いからではなく家計から買うと思いますから、どんな物を揃えておくべきか、家族で話し合って決めてはどうでしょうか?
ご主人と話をしてみれば、次から次へと思いつく「買っておかなければならない物」を買うことより、もっとお金を使う優先順位の高いものがあることに気づくかもしれません。
「家計の何%を防災用品や備蓄に使う」とルールを決めておくと、「いるかもしれない物」をどんどん買うことはないでしょう。
コントロールできないことはほっておく
どこまで備えても心配は尽きないそうですが、100%備えようと思うからそうなります。
なぜなら、これから起こることに対して、100%備えることなんて不可能だから。
Oさんは不可能なことをしようとしています。
誰にもこれから何が起こるかわかりません。
こんなことが起こりそうだと予測はできるかもしれません。しかし、実際に何が起こるか予知する能力は人間にはありません。
最近の自然災害は、100年に1度クラスのものや、専門家の予測を越えたものもあるので、Oさんが、「備えておこう」と思っていろいろ買っても、すべて無駄になるかもしれません。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますよね?
Oさんも、多少は天命を待つ態度を取り入れたほうがいいです。
自分には、未来をコントロールする力があると過信しないでください。
現実的な心配と備えをする
備蓄や防災用品として買ったものが、その後、どんなふうに使われるか、しっかり観察してためこみすぎないようにしてください。
これは、ストック品全般に言えることです。
まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。
私の夫は心配性で、缶詰などを買い込み、電気がないときのためのガスコンロもたぶん持っていると思います(若い頃キャンプで使ったと思われる品)。
先日も、「~の時のために~があるから」と夫が言っていましたが、私は、興味がないので、「はい、はい」と生返事をしただけです。
夫は心配していろいろ買い込み、ためこみますが、幸い、それらが役立つことはこれまでありませんでした。
夫は定期的に、古くなって味が落ちた缶詰のスープや、パスタ、小麦粉などをほぼ一人で消費しています。
彼はめったに米を食べないのに、白米の10キロ入りの袋をストーレージに置いています(賞味期限は2021年の3月)。この米、もう2~3年、ここにありますが、どうするつもりなのか?
中国で、新型コロナウイルスが出始めたときも夫は心配して、いち早く、不織布のマスクを3枚ドラッグストアで購入しました。
家族3人にそれぞれ1枚ずつです。
そして、「そのうちドラッグストアで買えなくなるからね。買っておいたよ。ここに置いておくね」と小さな箱に入れて、ゴミ袋などを置いてあるところに置いていました。
しかし、現実は、カナダでもCOVID-19が流行り、州政府がファーストフードのドライブスルーなどで、3枚入りのマスクを希望者に無料で配布しました。
夫も娘も職場でマスクをもらいました。
夫が買ったマスクは、ずっと手つかずでゴミ袋たちと静かに出番を待っています。
Oさんも、「電気がないときの掃除のためのほうき」なんて考え方をしないほうがいいと思います。
短時間の停電のときに、わざわざ掃除する必要はないし、大地震か何かで、何日も電気がないとは、たぶん自宅ではなく避難所にいるんじゃないでしょうか?
まあ、ほうきや裁縫道具はあると何かと重宝するので持っておいたほうがいいと思います。
ふだん靴下を繕ったり、ボタンをつけたりするのに、針と糸は使いますから。
それと、「誰にも頼れない」という考え方は間違っています。
大きな災害が起きると、みな、いつも助けあってますよね。
人間は助け合うようにできているから(助け合わないと生存できない)、災害のときは自然に助け合ってしまいますよ。
いずれにしろ、物を買って備えることより、体力と精神力を鍛えて、どんなピンチになっても、明るく元気に前向きに暮らせる人間になっておいたほうがいいと思います。
心配に関する過去記事もどうぞ
取り越し苦労をやめる7つの方法。先のことを心配して物をためこむあなたへ。
批判や心配に負けず、レジリアンス(立ち直る力)を高める方法(TED)
節約疲れの対処法、10選。先の心配より、いまの生活の充実を。
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夫は30年以上前(推定)に使っていたスキーの板をいまだに持っています。
以前もブログに書きましたが、彼が今やまったくスキーをしないのに、このスキー板を持っている理由は、「大雪が降ったときの移動のため」です。
夫が絶対捨てない物と、捨てない理由:ミニマリストへの道(87)
しかし、大雪が降ったとき、人はわざわざ外に出ません。
きのうオタワとケベックで大量に雪が降り、1日で、多いところで60センチつもりました。
雪かきが間に合わず、ハイウエイ2つが交通止めになり、学校は休みになり、会社員もリモートワークをするよう言われました。
子どもたちは、雪遊びをしていましたから、そり(カナダの子供はみな持っています)はあったほうがいいかもしれません。
しかし、スキー板はいらないでしょ。
先日、こんな記事を書いています⇒不用品を捨てるのが苦手な人にすすめる、全体像を見る練習。
「~のときのために~が必要」と思うときも、近視眼的な見方をするのではなく、俯瞰して全体を見ることをおすすめします。