後悔している女性

ミニマルな日常

表彰状・文集・卒業アルバムを捨てて後悔したときの対処法

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大切な思い出の品を捨ててしまい、ひどく後悔している読者の相談に回答します。

表彰状・文集・卒業アルバム・受験票・合格通知書を捨てて悔やんでいるそうです。

まず、メールをシェアしますね。ばななさんからいただきました。

悔やんでも悔やみきれない

件名:表彰状を捨てて後悔

筆子さん、こんにちは。

今までたくさんの著書を拝見いたしました。

また、今回ご相談する内容と似たものはないかを探し、『学生証を捨てて後悔』した方のブログなども拝見しました。

私はここ数年、持ち物を減らすことに熱中してきました。そこで、自分の家はある程度片付いたので、2ヶ月前に実家の元自分の部屋を片付けよう、と企てました。

そこでは本当に思い切りよく、過去のアルバム(厳選したものだけ残し、20冊程度から2冊にまで減らしました)、表彰状、大学の卒業アルバム、小学校の時の文集、幼稚園の文集などを捨ててしまいました。

私はここ1ヶ月間そのことが悔やんでも悔やみきれず、寝込んでしまっています。

別にそんなに体積を取るものでもないし、ましてや過去に自分が努力して何とか勝ち取ってきた表彰状を捨てるだなんて。

過去に頑張って書いた文集を捨てるだなんて。センター試験の受験票や大学の合格通知書も大事に置いておけばよかったのに。

後悔してもしきれず、大学の時にもらった表彰状だけは問い合わせて何とか再発行してもらうことができそうですが…。

大学の卒業アルバムには1枚だけ自分の写真が写っていたと思うのですが、それも問い合わせて取り返せるか聞いてみるべきでしょうか?

捨てたものは戻ってはこない、と家族にアドバイスされるも全然前向きにはなれず、『一生に一度の思い出のものを捨てるんじゃなかった』と一日中考えてしまいます。

何かお言葉いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

ばななさん、こんにちは。いつもブログや著書を読んでいただきありがとうございます。

大切なものを捨ててしまってすごく後悔しているのですね。

断捨離をしているとそういうことはあるし、とても残念でおつらいと思います。

ばななさんが感じているのは大きな喪失感です。たんに表彰状や写真がなくなったというよりも、自分の一部を手放した気がしているのです。

こんなとき、気持ちの折り合いをつける方法を5つのステップにして紹介します。

1.自分を癒やす

強い喪失感があるときは、自分を癒やす時間が必要です。

1日中寝ているのも悪くないかもしれませんが、長引くと回復するきっかけがないので、以下のことも試してください。

・泣きたいだけ泣く

・誰かに話をする(余計なことは言わず、ただ話を聞いてくれる人を選びます)

・自分の頭の中にあることを書く

・自然の中を歩く

・プロのセラピーを受ける

こうやって気持ちを落ち着かせ、現実を受け入れていきましょう。





2.失ったものを言葉にする

今回の断捨離で、本当に失ったと思うものを言葉にしてみましょう。

ばななさんが、「捨ててしまった」と思っているのは、ものそのものではなく、それぞれが象徴していた体験、時間、感情です。

・表彰状:過去の自分の努力と、それを見た時の誇らしい気持ち

・文集:幼い自分や友人たちの言葉、当時の生活の記憶や空気感

・受験票・合格通知書:目標に向かって必死に頑張った時間、未来への希望

こうしたものは、過去の自分が確かに存在し、頑張っていた証(あかし)です。

しかし、証拠がなくても、それが象徴していたものは消えていません。

たとえば、結婚した記念や証拠として、結婚指輪を買って20年ぐらい身につけていたとします。

ある日、うっかり指輪をなくしたり、離婚してはずしたりしても、結婚生活をしたという事実は絶対なくなりません。

つまり、ばななさんが「消えてしまった」と思っているものは、実は消えていないのです。

3.取り戻せるものは取り戻してもいいけれど

自分の写真が1枚だけのっている卒業アルバムですが、これがないと今日を生きることができない、もう絶望の人生しかない、と思うなら取り戻す努力をしたほうがいいでしょう。

取り戻そうとすることが、自分のためになると思うなら、そうしてください。

最近の学校のアルバムを作る会社は、デジタルデータで写真を管理しているでしょうから、問い合わせれば、個人写真やデータを買える可能性もあります。

学校が卒業アルバムそのものを保管していることもあります。その場合は学校に行って、アルバムの表紙や自分の写真をスマホで撮ればいいでしょう。

アルバムを持っていそうなクラスメートに連絡して見せてもらってもいいかもしれません。そのとき、友人と当時の思い出話をすれば、アルバムを持っている以上にはっきりと記憶がよみがえります。

ただし、「何もかも元通りにしよう」と思わないほうがいいです。ますます「失ったもの」に意識が向いてしまうからです。

4.今あるものを確かめる

今、持っているものに意識を向けてください。

喪失感に囚われているとき、なくしたものばかりに意識が向きますが、残っているものもたくさんあります。

まず、アルバム2冊があるし、表彰状も手元に届くのですよね?

アルバムの写真をじっくり見れば、幼稚園や小学校の文集がなくても、当時のことを思い出します。

その幼稚園が現存しているなら、ネットで幼稚園のサイトを見ると、さらに記憶がよみがえります。

私は、幼稚園時代のものはいっさい持っていませんし、通っていたのは60年前です。しかし、幼稚園時代の記憶はいくつかあり、ときどきnoteに書いています。

ばななさんも、覚えていることを書いてみるといいかもしれません。そうすれば、「ああ、自分の中にちゃんと残っている」と実感できます。

今回捨てた思い出の品が象徴していたものは、すべて自分の中に価値観や考え方、スキルとして残っています。

表彰状や文集が表していた「頑張った自分」は、以下の形で確認できます。

・幼稚園や学校に毎日通って卒業したから、今の自分は文字や文章を読んだり書いたりできる

・学校に行ったから基本的な社会的ルールが身につき、今も社会の一員として生きている

・勉強や努力をしたから、自制心や忍耐力がある

・いろいろな目標を達成したから、自分にプライドを持てるし、自信もある

卒業アルバムが象徴していたものは、クラスメートとの人間関係や人脈、その後の人間関係を構築するのに使ってきたコミュニケーション能力という形で残っています。

こうしたものは、「あって当たり前」と思うかもしれませんが、実は、これまで何十年か社会生活をしてきたからこそ、身についたものです。

表彰状や文集を捨てても、今の自分は昔の自分より、はるかに多くの経験と能力を持っていて、人間として成長しています。この事実は、ものがあろうがなかろうが変わりません。

5.今日からの人生に目を向ける

私は、自分でコントロールできないことをどうにかしようとがんばらないほうがいいと考えています。

それよりも、自分がコントロールできることに力を注いで、生活をいい方向に変えていったほうが建設的です。

今回、ばななさんが、たくさんの思い出の品、それももう2度と手に入らないであろう品を捨てた事実は、何をどうしても変わりません。

でも、その後のことは、今、この瞬間から変えることができます。

失ったものを嘆いて、ネガティブな気持ちで1日を過ごすより、今日という日を楽しく過ごしたほうがいいと思いませんか?

ばななさんは、「一生に一度の思い出のもの」と書いていますが、人生だってたった1度きりです。

正直、思い出の品なんていくらでもあるし、ここまで書いてきたように思い出は記憶の中に残っています。

心の中に残っているので思い出すきっかけがあれば思い出します。しかも、きっかけはネットにある画像、人の話、YouTubeで聞ける古い音楽などいろいろあります。

そういう意味では、思い出の品は、わりと代替が効きます。

ですが、今という時間は、終わったらもう2度と返ってきません。代わりはないんです。

だから、もう終わったことやどうにもできないことについて後悔し続けるより、さっぱりあきらめて前を向いたほうがいいと思います。

また、「たいしてかさばるわけじゃないのに、大切な思い出の品を捨ててしまった」と自分を責めるのはやめましょう。

「捨ててしまった⇒バカバカ、自分のバカ!」という自責はもう十分行ったのではないでしょうか? そろそろ、今回の断捨離から学ぶようにするといいでしょう。

たとえば、今後は、「捨てること」にフォーカスしすぎないという教訓が得られます。

断捨離をしていると、つい「捨てること」が目的になり、捨てすぎることがあります。しかし、不用品を捨てる目的は、自分の生活や人生をよくすることです。

ご家族の言う「捨てたものは戻ってこない」という言葉は真実です。

手元にないものの復元に執着するのではなく、思い出は自分の心と記憶の中にあると考えることをおすすめします。

この記事がばななさんのお役に立ちますように。早く元気になることを祈っています。

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変化がこわいのはなぜ?脳の反応とその対処法(TED)

*****

読者の相談にアドバイスしました。

捨てたものを後悔するとき、「もう2度と見られない、さわれない」と考えると、後悔のループから抜け出せません。

ですが、べつに2度と見られなくても、大きな問題はありません。

なぜなら、過去の体験はすべて自分の中にあるから。

自分が残っている限り、大きく困ることはありません。

過去を悔やむことに時間を使わず、未来をよくする行動を心がけてください。





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