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見たい番組を録画しないではいられない録画依存症です。録画をやめるにはどうしたらいいでしょうか?
こんな質問をいただきました。
この記事で回答します。まずメールをシェアします。はんなさんからです。
番組録画をやめられない
件名:録画依存症について
はんなと申します。50歳主婦で、会社員をしてます。
いつもブログを拝見してます。
まだうちも汚部屋ですが、筆子さんのブログを拝見して、いつかは絶対汚部屋脱出する!とモチベーションを保っています。
ところでご相談ですが、私はその他にも悩みがあり、ぜひ筆子さんにアドバイス頂きたく、メールさせてもらいました。
実は私はTV録画する番組が多過ぎて、HDDがいつもパンパンで、そんなに見れるわけがないのに更に録画しないと気がすまない、言ってみれば録画依存症になっております。
数年前に某ジャニーズアイドルの熱狂的ファンになって、そのアイドルの番組を網羅しようと日々予約をしていたら、他にも興味のある番組やドラマもと欲張るようになり、気がつくと毎週15~20番組録画するようになり今に至ります。
そんな状況なので、数年前にレコーダーが壊れまして、修理費が数万円に及び自分では払えないので、泣きながら夫に費用負担をお願いしたところ、生活に支障はないので負担できない。そもそもそんなに録画するのは異常で、お前はいつも録画番組の編集ばかりしてるから、他に何か趣味を持った方がいい、と真っ当なアドバイスを受けました。
しかし頭では同意できても、気持ちは録画できなかった番組の事で頭がいっぱいになり、いつもソワソワしていました。
今はだいぶマシになってきて、録画できない番組かあっても「まいっか!」と思えるようにはなったのですが、録画した番組を中々削除できません。
いつか見るかもと思い、削除する時も、これで2度と見れないんだと考え込んでしまいます。
元をたどると子供の頃からテレビっ子で、両親共働きの上ひとりっ子なので、テレビと共に育ちました。しかしそんな過去を払拭したい気持ちもあり、テレビつけっ放しは極力しない様にしてます。
余談ですが、うちの父親も録画依存症でして、実家に帰ると膨大な父の録画したDVDが部屋を埋め尽くしてて、こんな量は絶対生きてるうちは見れないだろうと確信できます。それを見て自分も同じだと思ってどうにか変えたいと思いました。
今遠方の会社に勤めており通勤に1時間かかり、夜勤や早朝勤務などシフト制もあり時間に余裕がないにもかかわらず、つい他の家事なども後回しにして、レコーダーのHDD容量の調整をしてしまいます。そうしないと予約した番組を録り逃してしまうからです。
こんな録画に振り回される生活をどうにかしたいのですが、うまく実現できません。ぜひアドバイス頂けます様お願いします。
長くなってしまいごめんなさい。
これからもブログ読み続けます。どうかお体に気をつけて、益々のご活躍を願っております。
はんなさん、メールありがとうございます。
録画はするけど、録画した番組は見てないんですよね? 着ない服を買っているのと同じでしょうか?
私も昔、カセットテープに洋楽を、ビデオテープに洋画をたくさん撮りためていましたが、見る時間がなくすべて死蔵品となり、結局断捨離しました。
いくら録画したところで、そのコンテンツを消費する時間、つまり見る時間は増えません。これから、一生、録画した番組を見ることだけに捧げられるなら別ですけど。
この点については以前こんな記事を書いています⇒番組録画をやめたら楽になる~時間貯金をしても時間の量は変わらない
とりあえず撮りためた番組をすぐに見るか削除する
きょうから1週間、あるいは1ヶ月と期間を決めて、その間に見ることができなかったら、録画は全削除をおすすめします。
撮りためていると、「見なきゃ、見なきゃ」という気持ちになったりしませんか? 自分でストレスの元を生み出しているようなものです。
いまの暮らしの中で見ることができなければ、この先、病気で寝たきりになり、ほかのことができない状況にでもならない限り、見ることはないでしょう。
いまの自分がそのまま、ちょっと先の自分になるだけですから、いまのままでいたら、「録画しても見ない生活」は変わらないのです。未来を変えたかったら、いま、ふだんとは違うアクションをしなければなりません。
つまり、撮りためた番組をきれいさっぱり削除するのです。スッキリしますよ。
次に、録画するクセを手放すヒントを5つ書きます。
1.録画に振り回される人生から抜け出す、と決意する
まず決意表明をします。自分で決めて、自分の責任のもとに、自分で依存から抜け出すんだ、と決めてください。
他の人や周囲の状況のせいにしていると依存から抜け出せません。
次に、なぜ、録画をするのをやめたいのか(やめたいんですよね?)、その理由を考えてください。
過去、現在、未来に渡って、録画ばかりする行動を何年も積み重ねた結果、自分の生活がどんなふうになってしまったのか、いま、どんなふうになっているのか、今後どんなふうになるのか、その点を考えてください。
メールに書いてある情報によると、たくさん番組を録画する生活を続けると、
過去:録画ばかりしていたので、レコーダーが壊れ、お金を使うことになった。ご主人にいましめられた。
いま:録画に夢中になっているため、家事などほかの活動に時間を使えていない。録画するのをやめたいが、うまくできないのでストレスになっている。一度録画した動画を削除できないので、ストレスになっている。
お父さんのDVDの山を見て、自分の将来に恐怖を感じている。
未来:録画に振り回され、もっと大事な、自分が本当にやりたいことに時間やお金を使えない。いま感じているストレスもずっと続いている。
こんなデメリットがあります。
過去に起きたことは、もうしかたがないので、いまから将来にかけておこることを考えてください。お金、時間、人間関係、自分の感情にずいぶんデメリットがあるのではないでしょうか。
もちろん、メリットもあるとは思います。きっと何か利点があるからやっているんですよね? その点もちょっと掘り下げてください。
メリットとデメリットを見比べて、限りなくデメリットが多いのがよくわかったら、やめる決意が強固になります。
2.なぜたくさんの番組を録画しているのか理由を考える
次に、なぜはんなさんは、録画機が壊れて、ご主人にアドバイスを受けたにもかかわらず、たくさんの番組を録画する生活を続けているのでしょうか?
いったい何が楽しくて、何がしたくて、自分は見もしない番組を、録画し続けているのか?
ここを考えてください。
たぶん、最初は、好きなアーチストのパフォーマンスを見て楽しみたいから、というのが目的だったと思います。それなのに、なぜ、ほかの番組まで、見る時間もないのに、撮りためてしまうのでしょう?
本当の理由は何ですか?
何かに依存してしまう人は、別の何かから逃げたいから、そっちに走る、ということがよくあります。
買い物依存の人は、買い物がしたいわけじゃありません。
仕事でストレスが多いから、昼間一人で寂しいから、家族とうまくいかないから、毎日の生活がつまらないから、とりあえず買い物で気を紛らしているうちに、すっかりそれがクセになってしまった、なんてケースが多いです。
何かを避けたい、特定の問題を考えたくないので、とりあえず何も考えなくてすむように、思考や感情をまひさせるために、買い物やインターネット、SNSなどに依存する人もいます。
はんなさん、自分の暮らしの中で、何か問題の核となるようなものに思い当たることはありませんか?
もし、特定の問題から逃避するために、テレビ番組の録画に依存しているのなら、その問題に直面して解決するようにしてください。
なぜ、依存してしまうのか?⇒なぜ人はいろいろなものに依存してしまうのか? 依存する原因を知って克服する。
3.実際にやめる
次に、実際に録画をやめるヒントを書きます。方法は2つあります。一気にやめるか、少しずつやめるか、です。
一気にやめる方法
一気にやめたい場合は、録画機を断捨離してください。テレビでもいいです。
物理的に録画できないようにしてしまうのです。先日、紹介したTEDの講演でも、環境を変えてしまえば、習慣を変えやすい、と言っています⇒大々的に変えようとしないこと。小さな習慣から始めよう(TED)
最初はすごく落ち着かないかもしれませんが、テレビはなくても、インターネットでいくらでも見られますから、心配はいりません。
もし、ご家族もテレビや録画機を使っていて、捨てられないときは、少しずつやめる方法を使ってください。
少しずつやめる方法
以下のことをしてみてください。
●録画に使っている時間を少しずつ減らす
自分が1週間のうちに、どのぐらい録画する活動に時間を費やしているのか計算します。1日30分ぐらい費やしているとしたら、1週間で3時間半です。
来週はこの時間を2時間、翌週は1時間と、録画活動に使う時間を減らしていきます。
●録画している番組を減らす
いま、ケーブルテレビがあり、番組はくさるほどあると思います。全部見ていたらきりがありません。
現在、週にいくつの番組を録画しているのか、すべてノートに書き出してください。10の番組を録画しているのなら、これを半分、4分の1と減らしていきます。
録画時間を減らしていくやり方をしてもいいです。
とにかく、毎週、どんな番組を何時間分録画しているのか、現状を見える化するといいですよ。
●番組を限定する
なんでもかんでも録画するのではなく、「どうしてもこの番組だけは見たい」という番組を週に3つだけ決めて、それだけを録画してください。
ドラマなどの続きものは、前のエピソードを見てから、次のエピソードを録画します。
録画する番組が少なければ、ちゃんと見ることができます。もともと、番組録画はその番組を見るために行うのですから、見ることができていないなら、本末転倒です。
4.トリガーに気をつける
クセになっている行動は必ずトリガー(きっかけ、合図)があります。
いつも何をきっかけに録画しているのか調べて、そのきっかけをなくせば、その後の行動も起きません。
トリガーが行動を引き起こす話⇒今の自分を変えたい。3Rで新しい習慣を身につける方法
もし、新聞のテレビの番組欄を見ることや、テレビ雑誌を見ることが、録画のきっかけになっているなら、新聞を見ない、テレビ雑誌を買わない、という行動をしてください。
何らかの事情で、トリガーを回避できないときは、トリガーを見たあと、別の行動に置き換えてください。
新聞のテレビ欄をうっかり見たら、それを新聞を読み終わる合図にして、立ち上がって何かを捨てる、とか。
5.実際に番組を見る
番組を録画することにフォーカスするのではなく、番組を見ることにフォーカスしてください。
毎日テレビを見ているなら、どうしても見たい番組だけにしぼり、裏で行われている番組は捨てます。別に全部見る必要なんてありません。
私が子供のころは、録画機なんてなかったから、その時見られなかったら、あとは再放送でもされない限り、2度と見られませんでした。ですが、そういう一発勝負的な世界に生きていたときのほうが、1つひとつの番組を大事に楽しんで見ていたと思います。
まあ、いまの私はテレビはいっさい見ませんが。
「奥さまは魔女」とか「ゆかいな音楽一家パートリッジ・ファミリー」みたいな海外ドラマは、現在、わりとYouTubeで見られます。日本のドラマは私の脳内だけに残っていますが、ときどき思い出して、一人で楽しんでいます。
日記ブログに、昔こういうドラマを見ていて、田村正和がこうで、大原麗子がどうだった、なんて文章を書いているのがけっこう楽しいわけです。
小学校時代によく見ていたドラマのシーンは、いろいろ覚えています。それもこれも、数少ないドラマを一発勝負で見ていたからです。
山のようにあるコンテンツをどんどん消費していたのではなく、見たいと思った番組を、積極的にしっかり見ていたのです。だから、そのドラマからいろいろなものを得られたのだと思います。
はんなさんも、特定の番組を見て楽しむ、という行動をしてください。そうすれば、それだけで充分満足できます。
どのみち、人間はそんなに大量のコンテンツは消費できないのです。なんでも数がありすぎると、ありがたみが薄れ、ガラクタになります。
依存克服に参考になりそうな記事
過去に書いた依存がトピックの記事からいくつかリンクを貼りますので、読んでみてください。
自分の状況に置き換えて考えられることがたくさんあると思います。
YouTubeの見過ぎをやめる9つの方法。本気で依存から抜け出したい人へ。
どうしてもやめられない。買い物依存症ぎみの人が、自分で克服するためにできること。
悪い習慣を断ち切る簡単な方法(TED)マインドフルネストレーニングのすすめ。
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長くなったので、今回は書きませんでしたが、自分の人生におけるべつのゴールを設定するのもおすすめです。
いまのはんなさんの人生でもっとも重要なことは、「できるだけたくさんのテレビ番組を録画すること」なんですよね?
ですが、それは本当に自分がしたいことなんでしょうか? たぶん違うと思います。
「この番組、消しちゃうと2度と見られない」と思うそうですが、人生も2度とありません。
本当に心からしたいことを追求してください。