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ついついそのへんにものを置いてしまう理由と、そうしないための対策を紹介します。
「収納が足りないから」「私が片付けが苦手だから」。だから部屋が散らかると考えがちですが、汚部屋の原因の多くは、ふだん何気なくやっているちょい置きが原因です。
バッグをソファにポン、郵便物をテーブルにパサッ。こうした行動を何度も繰り返しているので、部屋の中が雑然とします
私の娘がこのタイプで、掃除に行くと、キッチンのカウンターもダイニングテーブルもものだらけです。
スッキリ暮らすのに大事なのは、ちょい置きをしないこと。
この記事では、ものを置いてしまう典型的な理由と、この行動を防ぐシンプルな方法を紹介します。原因を知り、対策をほどこし、散らかってもすぐに戻せる部屋にしましょう。
1.「あとで決めよう」と判断を先延ばしする
とりあえずそのへんにものを置いてしまうのは、決断を先送りする行為です。
その場ですぐにしまったり(必要なものの場合)、捨てたり(不要品の場合)すれば、ちょい置きをしなくてすみます。
郵便物を持って家に入ったら、すぐに処置すればいいのに、「あとでやろう」と思ってテーブルに置き、そのまま数日、開けないまま。
買い物したものが入っている袋も、「とりあえずここに」と床に置き、いつまでも処理しません。
人は面倒なことを避けるために、つい「あとで決めよう」と思ってしまいます。決断には少なからず考える力を要するので、今すぐ処理するのは負担に感じられるのです。
すぐに決めるルールを作る
決断を先送りしないために、その場で決めるルールを作って実践しましょう。
郵便物なら家に持ち込んですぐに、「開ける・捨てる・保管」といった行動をします。
買ってきたものは、帰宅した直後に袋から取り出し、棚や冷蔵庫に入れます。
脱いだジャケットも、床に放り投げたり、椅子の背にかけたりせず、「洗濯かごに入れるか、もう一度着るか」を決めて、すぐに所定の場所に置きます。
こうしたチャレンジを1ヶ月だけやってみましょう。
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2. ありかを忘れたくないのでそのへんに置く
ものをしまい込んでしまうと、どこに入れたかわからなくなるので、そのへんに出しておく人もいます(私の娘)。
買ってきた薬をキッチンのカウンターに置く、大事な書類をダイニングテーブルの上に置く。
確かに目に見えるところに置いておけば、「どこに入れたかな」と収納の中を探さなくても済むでしょう。一見、合理的な行動です。
でも、置きっぱなしにしたものが増えれば、結局、どこに何があるのかわからなくなり、探すことになるんです。
入れた場所を忘れない仕組みを作る
もののありかを忘れないためにすべて出しておくと、カオスが生まれます。入れる場所をはっきり決めて、そこにしまいましょう。
たとえば請求書は、専用のファイルに入れて、書棚に置く、薬は、自室のドレッサーの一番上の引き出し、買ってきた化粧品はストック品の棚に並べるといった具合に、入れる場所をしっかり決めます。
どこにしまったか忘れると思うなら、引き出しや棚に付箋でラベルをつけておいたり、スマホでメモしておけばいいです。
私は、娘の部屋の掃除中に、ものを移動させたら、忘れないために、写真に撮っておきます。
もののありかを把握するために、持ち物は少なめにしておくのがおすすめです。
3. すぐにまた使うからしまわない
「すぐまた使うから」と思って、ものを出しっぱなしにしてしまうことがあります。
テレビのリモコン、読みかけの本、化粧品や充電器など、日常的に使うものは「片付けてもまた出すんだから」と考え、テーブルや棚の上に常駐させてしまいがちですよね。
本当によく使うものは、出しておいたほうが効率的な場合もあります。
ただ、2番で説明したように、そのへんに出しっぱなしのものが増えてしまうと、そこにあったはずのものが、行方不明になります。
リモコンを探してソファの下やクッションの裏を探す、読みかけの本がどこにあるか分からなくなる、充電器が見つからない──こんな経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか。
「出しておいたほうが便利」という判断は、間違っているかもしれませんよ。
出し入れのハードルを下げる
しまうのが面倒だから出しておくのなら、片付けやすさを優先した収納を考えましょう。
それを使う場所のすぐそばで、ワンアクションで出し入れできる場所に定位置を作るのではどうでしょうか?
私はリモコンは、マグカップの中に立てて収納。そのマグはソファのすぐそばにあるワゴンに入れているので、行方不明にはなりません。
本は書棚の一番手に取りやすいところ、ふだん使う化粧品は、引き出しの一番手前、とすぐに手が届く場所に置いてみてください。
置きっぱなしより、探しやすくなります。
物をしまいやすい収納にする5つのコツ。片付け方を変えて汚部屋脱出。
4. おあつらえ向きの場所があるから置いてしまう
平らでものを置くのに都合のよい場所が目の前にあると、ついそこにものを置いてしまいます。
ダイニングテーブルの端、キッチンカウンター、玄関の靴箱の上。どれもちょっとものを置くのに便利な場所ですよね。そのような場所は、いつのまにか、郵便物、雑誌、雑貨置き場になります。
本人は、「ここに置いておけば便利」と思っているかもしれませんが、こうしたスペースにものを仮置きすることは、逆に不便な環境を作ることにつながります。
そのスペースを本来の用途で使えなくなるからです。
ダイニングテーブルなら食事のたびに片付けが必要になるし、キッチンカウンターなら調理スペースが狭くなります。最初は便利に思えても、結果的に暮らしにくくなり、片付けの手間が増えてしまいます。
置きやすい場所をなくす
この場合の対策は、おあつらえ向きの平面を意識的に作らないことにあります。
ダイニングテーブルは食事のとき以外は何も置かない。カウンターには小さな花瓶やきれいなマットを置いて「ここは物置ではない」と示します。
玄関の靴箱の上は鍵置き用のちょっと素敵なトレイを一つ置いておくといいでしょう。
こんな工夫をして、「ものをちょっと置けそうな場所」をなくしてください。
5. 動作の流れで、とりあえず置いてしまう
外から戻ったときや、家事をしている途中で、手に持っているものをとりあえず置いてしまうことがあります。
玄関で靴を脱ぐときにバッグを下駄箱の上に置き、買い物袋を冷蔵庫に運ぶ前にキッチン入口に下ろす。電話や来客に応じるとき、手に持っていた本や書類を近くのテーブルに置いてしまう。
これは動線と習慣の問題です。
人は一番近くて手が届きやすい場所にものを置く傾向があるため(人間は、できるだけ少ないエネルギーや動作で済む選択をする)、流れで置いてしまいます。
動線上に定位置を作る
このタイプのちょい置きを防ぐには、「とりあえず置く場所」を意図的に決めるといいでしょう。
玄関にはバッグ用のフックをつける、鍵を置く場所を下駄箱の上に作る、買い物袋には、キッチンに入ってすぐ荷物を下ろせる台や棚を一時置き場として用意します。
動線に沿った定位置を作って、流れで置いて散らかるパターンを防ぎ、自然に片付いた状態を保ちましょう。
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おわりに:そのへんに置かない習慣が部屋を変える
ものをたくさん置いてしまうのは、日々の習慣が積み重なった結果です。習慣なので、明日も明後日も同じことを繰り返してしまいます。意識して新しい習慣に置き換えましょう。
「ちょい置きをやめよう」と力むのではなく、「ここに戻す」「ここには置かない」といった新しいルールを生活に組み込んでください。
最初は違和感を感じますが、続けているうちにそれが当たり前になります。気づけば、あなたは、もう「そのへんに置かない人」になっているでしょう。そうすれば、落ち着いた部屋で過ごせるようになります。