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クレジットカード、別名クレカはとても便利なツール。ですが、節約したい人、お金をためたい人はできるだけカードの使用を避け、現金で支払ったほうがいいです。
その理由をお伝えします。
現金払いにしたら無駄遣いが減った話
私は、2014年までは、買い物はほとんどクレジットカードを使っていました。去年、2015年に、どんぶり勘定人生をやめることを決め、日常の買い物は現金を使うように。
その理由はこちら⇒『フランス人は10着しか服を持たない』から学んだ節約術
すると、以前よりお金に対して、意識が向き、無駄遣いも減ってきました(とは言えまだまだ修行中)。現金を使ったほうが、お金を使い過ぎない、という事実を身をもって知ったのです。
これは私だけではありません。実際にさまざまな実験により、人は現金で買い物をするときより、クレジットカードを使ったほうが、よりお金を使う、ということがわかっています。
確かに、クレジットカードを使うとポイントやマイレージがたまり、キャッシュバックもできます。
現金は、使ったらそこで終わり。何も返ってきません。
節約系ブロガーの中にも、できるだけクレジットカードで支払い、ポイントをためたほうが、お得だ、という人も多いです。
しかし、私はこんな理由から現金を使ったほうがお得だと言いたいのです。
1.現金なら物理的限界がある
クレジットカードのメリットの1つは、今、持ちあわせがなくても、支払いできることです。
給料日前で、家計がピンチのときなど、助かるシステムです。
しかし、この点が、クレジットカード決済をすると、お金を使いすぎてしまう、一番大きな理由です。
当たり前といえば当たり前です。
財布に1万円入っていたら、1万円分しか買い物できません。たとえば、恋人とレストランに食事に行ったら、それぞれが、5千円のフルコースを頼んだら、それでおしまいです。
ところが、クレジットカードを持っていると、女性が、「デザートにもう1つケーキを食べたい」と言ったら、追加することができます。
レストランのあと、カフェに行くこともできます。
どんどん、予定外のお金を使い続けることができるのです。つまり浪費です。
特に衝動買いが多い人はクレジットカードを持って買い物に行くのは危険です。必ず売り場で、お買い得品を見つけ、予定外のものまで買ってしまいます。
クレジットカードには、払うお金の限界がない(限度額はありますが)ので、使いすぎてしまうのです。
2.カードで支払うと痛みをあまり感じない
人が現金で支払いをするとき、脳の痛みを感じる部分が活性化されます。もちろん、何を買っているのか、どんなシチュエーションで買っているのか状況により、程度の差はあります。
人は、物を失うのがとても嫌いな動物。いつも「損をしたくない」と思っています。基本的にお金を払うのは嫌なのです。そもそも、いらない物を捨てることすら、「もったいない」と思ってできないのですから。
物を失うとき、痛みを感じる話はこちら⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる「損失回避とは?」をお読みください。
現金で支払うとき、痛みを感じるので、その行動はある程度抑制されます。
一方で、クレジットカードで支払いをするとき、現金ほど痛みを感じないというリサーチ結果があります。
お金をさわって、レジの人に渡す時は、脳の痛みを感じる中枢部分がビビビっと活性化されるのに、クレジットカードを、機械(クレジットカードの端末機)に入れてスワイプしたり、刺し込んだりするのはさほどでもないのです。
たぶん、クレジットカードはお金ではないからでしょう。ただのカードですから。
お金を払えば、財布から出ていきますが、クレジットカードは財布から出して機械に差し込んだ後、また財布に戻ってきます。
クレジットカードは出費がかさんでも、痛みを感じさせない麻酔のようなもの。お金を使う神経を麻痺させます。
クレカの支払いも、実際にはお金を払っているのと同じですが、脳は、そんなふうに理性的に判断できません。
脳は感情優位で機能しています⇒失敗しない断捨離に必要なのは、ときめきや直感より理性を信じること 「不用品を捨てるとき、人は実際に痛みを感じている」の部分をお読みください。
3.クレジットカードは欲望をかきたてる
消費者が、買い物や、寄付として、どれだけお金を使おうか考えているとき、クレジットカードのロゴを見せると、より多くお金を払うというアメリカでの、実験結果があります。
カードのロゴが見えないと、支払おうとする金額が下がるそうです。
これは何を意味するのか?
アメリカはクレジットカードを使うのがあたりまえの社会なので、そのロゴを見るだけで、人はお金を払う気になるのです。
これは、甘いもの好きな人が、べつにおなかがすいてなくても、チョコレートを見ると食べたくなってしまうのと同じです。
過去にチョコレートを食べておいしかったことを脳は覚えています。だから、チョコレートを見るとほしくなります。
クレジットカードも同じで、過去にこのロゴをついたカードを使って買い物した記憶があるので、ロゴを見ると自動的に、購買活動を連想してしまうのです。
現金を見ても、こんな気持にはならないですよね?
おまけに、カード会社は、消費者ができるだけカードで買い物してくれるように、常にさまざまなキャンペーンを打っています。
4.カード払いでは、残高の把握がしにくい
「節約したいなら現金払いがいい」と言われる理由の1つは、実際に財布の中のお金が減っていき、残高がわかるから。
1週間の予算を決めて、その分だけ財布に入れ、お金の減るペースが早ければ調節する(お金を使わないようにする)節約方法を提案している人は多いです。
ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんの著書『年収200万円からの貯金生活宣言』にもこの方法が書かれていました。
現金であれば、このように、残りのお金を把握しやすいのです。
ところがカードはそういうわけにはいきません。
カードで何度支払いをしても、カードの見かけは全く変わりません。「今月カードで支払っていいお金は3万円」と決めていたとしても、いったいあとどれぐらい残っているのか、どこまで使っていいのか、買い物している最中にはわかりません。
スマホなどで、いちいち残高を確認すればいいのですが、そんな面倒なことをする人はあまりいません。それにリアルタイムに記帳されるわけでもありません。
クレジットカードを使っている時、多くの人は、自分の手持ちのお金の残高ではなく、そのカードの利用限度額を思いうかべるそうです。
限度額が70万円だとすると、5万円の買い物をしたあと、まだ65万円ある、と思ってしまうのです。しかし、当然のことながら、この65万円は自分のお金ではありません。
このように、クレジットカードは自分の手持ちのお金と、他人の(カード会社の)お金が、無意識のうちに混同されてしまう、という面があります。
だから、多くの人は、自分の決済能力を超えて、使いすぎてしまうのです。
5.クレジットカードは家計を複雑にする
クレジットカードで払うことは、つけで買い物をすることです。つまり、今買い物をしても、手持ちのお金は減りません。
半月とか1ヶ月後になってから減ります。
これが、家計管理を難しくする、と横山さんは書いています。
クレジットカードを使ったら、その日の支出として計上して、すぐに、引き落とし銀行にお金を入れてしまえばいいのです。が、そうすると、振り込み手数料とか、ATMを使う手数料を取られて損することも。
多くの人は、カード会社が請求額を確定したときに、まとめて入金しているはずです。それまで、クレジットカード使用分支払い用の、お金をどこかにプールしておかなければなりません。
カード使用分が引き落とされる口座が、給与が振り込まれる口座と一緒になっていると、どこからどこまでがクレジットカードの支払い用なのか、わかりにくくなります。
このように、クレジットカードを計画的に使うためには、いろいろと考えることや手順が増えてしまいます。
私のように、お金の管理が苦手な人は、システムが複雑になればなるほど、わけがわからなくなり、予算内で、生活することができなくなってしまいます。
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小売店が、カード会社に高い手数料を払うことになっても、クレジットカード決済を導入しているのは、実際にそのほうが儲かるからです。
やはり、人は、カードを持っていると余計な買い物をしてしまうのです。
もちろん、クレジットカードのメリットはたくさんあります。1枚は持っていたほうがいいと思います。
クレジットカードを時々使っておかないと、クレジットスコアがつかず、いろいろ損をする国もあります。
クレジットスコアについて⇒経済的に豊かになる5つのシンプルなお金の原則(TED)
オンラインショップでもクレジットカード決済をするほうが現実的です。
カードには、いろいろなサービスも付帯しているし、海外では身分証明書代わりにもなります。
ですが、日々の買い物は現金にしておいたほうが、よりお金は残ると言えます。。
デビットカードを使えば、現金は即自分の口座から引き落とされるので、クレジットカードよりは支出の管理がしやすくなります。
しかし、デビットカードもプラスチックのカード。お金を使う痛みが麻痺してしまうのは、クレジットカードと同じです。