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もういらないとしっかりわかっていても、なかなか捨てられないとき、心の中でうずをまいている不安や恐怖を紹介するシリーズ。
6回目は、後悔することに対する恐怖です。
後悔したくないから、捨てずに現状維持を選択すると、いつまでたってもガラクタが減りません。
後悔を避けたくて、作業が進まない人は、ぜひ続きを読んでください。
後悔を避けたい気持ち
最初に、後悔することへの恐怖を説明します。
まあ、文字通り、あとで後悔することを恐れる気持ちです。
たとえば、断捨離ではないですが、誰かに交際を申し込みたいのに、なかなか勇気が出ないときがありますよね?
それは、断られたらいやだからです。断られるとショックで、「ああ、交際を申し込まなきゃよかった」と思うかもしれません。
これが後悔です。
この後悔を回避するために、交際を申し込まない選択をするとき感じているのが、後悔を恐れる気持ちです。
断捨離で言えば、「これを捨てちゃうとあとで必要になるかも?」「捨てちゃうと2度と手に入らないかも?」「あとですごく恋しくなるかも?」と思って捨てないことがありますよね?
捨てたあと、必要になった、再度欲しくなったけど、手に入らない、とても恋しくなってしまった。そんなとき、「ああ、あのとき捨てるんじゃなかった」と多くの人は後悔するでしょう。
この後悔をしなくてすむように、ガラクタを手元に残すのは、後悔に対する恐怖があると考えられます。
ちなみに、私は、何かを捨てたあと、後悔することを恐れたことはありません。
このブログを開設し、読者のお便りを読んで、はじめて、そんな思考パターンがあることに気づきました。
後悔を回避しようとしていると、まったく前に進めないので、ガラクタがたまる一方です。
もしあなたが、後悔することを極度に恐れているのなら、以下の考え方をして、現状維持から抜け出しましょう。
1.恐怖を言語化する
まず、自分が考えている恐怖を具体的な言葉で書いてください。
言語化の例を書きます。
もう何年もさわっていない子供のとき好きだった絵本のシリーズが30冊ぐらいあったとしましょう。本棚の中ですごく場所を取っているので、もう捨てたいと思っています。
しかし捨てると2度と読めないし、さわれないから、また読みたくなったとき、すごく後悔しそうに思えて、なかなか処分できません。
老後になって一人ぼっちで、心さびしいときに読めなくなったらどうしよう。大切な絵本がないと悲しくて死にそうになるかもしれない。そう、それは私にとっては致命的なこと。きっと2度と立ち直れないだろう。私は生きる屍(しかばね)になるんだ。
こんな感じで、恐れていることを言葉にしましょう。
人の恐怖の根源の1つは「死」なので、死にそうな気持ちになるのがいやだから捨てないことはふつうにあると思います。
まあ、絵本を前に、「いつか読むかも?」と思っているときは、ここまで言語化できていないと思いますが。
その後、書き出した恐怖を読んでみてください。
そして、絵本を捨てると本当に2度と立ち直れないくらい打ちのめされるのか、考えましょう。
「本当にだめだ、打ちのめされる、死んでしまう」と思うなら、捨てるのはやめて残せばいいです。
「絵本を捨てたぐらいで絶望の人生を送るとは考えられない」と思うなら、捨てましょう。
2.別のシナリオを検討する
後悔することを恐れているとき、人は悪いほうに、悪いほうに考えています。
しかし、それはあなたの想像力が作りだす嘘のシナリオというか、1つの可能性にしかすぎません。
ほかの可能性もあることを思い出しましょう。
今は、絵本を捨てると死にそうになって、孤独でやるせない老後生活を送るシナリオを考えていますが、別の可能性もありますよね?
たとえば、
・捨てたあと、特になんの後悔もない
・捨てたあと、すごく心が軽くなり、むしろハッピーになる
・捨てたあと、数日は寂しいが、その後は、捨てたことを忘れてしまう
・メルカリで処分したあと、そのお金で別の本を買って、そちらを読むのに夢中になる
・一番捨てにくいと思っていた絵本を捨てたので、本の断捨離が進み、本棚も処分してしまう
・絵本を捨てて、蔵書が減ったので、念願だった本のデジタル化が進む
こんなポジティブな方向に進むシナリオもあるわけです。そういうシナリオをいくつか考えてみると、「死にそうになる」というシナリオばかりにしがみつかなくなると思います。
3.必要になったときの対処法を考えておく
捨てたあと、仮に「また読みたい」と思ったとき、いくつか対処法があります。
もし読みたくなったらこうしよう、という対処法を考えておくと、安心して捨てられるのではないでしょうか?
私が考えた対処法は、以下の8つです。
1.ネットで検索して、表紙や抜粋を見て楽しむ
2.この本について書いているブログの記事を見つけて読む⇒思い出がよみがえってくるのでそれで満足できる
3.べつの本や絵本を読む
4.古本屋やフリマで買い直す
5.図書館で借りて読む
6.自分で絵本を描く
7・読書以外の心のなぐさめを見つける
8.本を読んだ体験を思い出す
2度と絵本を見られないとしても、その本を読んで体験した記憶は自分の中にあります。
それを取り出せば、本がなくても楽しめます。
その本が、自分にとってとても重要なものであったなら、当時、よく一緒に遊んでいた人(兄弟姉妹や同級生)と昔の話をすると、芋づる式に本のことを思い出すことができます。
もちろん、捨てる前に、表紙の写真や、好きな童話の一部を写真にとっておけば、もっと簡単に思い出せます。
4.後悔したときの対処法を考えておく
後悔したとき、どう対処するかも考えておきましょう。
後悔したからといって、いきなり人生が真っ暗にはなりません。
心が少しちくっとするかもしれませんが、それは一時的なことです。ひとしきり後悔したら、モーニングページなどを書いて、前に進めばいいのです。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
以前、自分が昔やったことについて、すごく後悔している人(進路の選択をあやまったと思っている人)から、何通か長いメールをもらったことがあります。
この人は、後悔する神経回路がものすごく強化されていたので、「いい加減後悔するのをやめて、新しい人生を歩む」というオプションがまったく見えていませんでした。
私が何をどう書いても、全部はねつけます。
これぐらい強力に、後悔する方向しか見られない人でも、カウンセリングやセラピーを受ければ、少しずつ考え方を変えられます。
大半の人は、これほどはひどくないので、後悔するのではなく、失敗から学んで、次に進もうと思えば、そうできます。
絵本を捨てたぐらいで、ガラガラと崩れ落ちてしまうほど、人生は単純ではありません。
絵本を捨てても、今日も明日もやってきますから、心配しないでください。
毎日後悔にさいなまれるのは、もう変えられない過去にしばられていること、つまり、今を生きないことなので、マインドフルネスを心がけると改善します。
マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
対処法の参考になる記事をいくつかリンクしておきます。
古いコートを捨てたことを、すごく後悔しています。気持ちの整理がつきません←質問の回答。
気持ちを切り替えるのが苦手で、後悔や嫌な気分が続きます。どうしたらうまく切り替えられますか?
捨てたことを後悔しても無駄なのでさっさと次へ行こう、と言われてもうじうじ悔やむ人へ。
■この続きはこちら⇒自分がなくなってしまいそう:物を手放すことに対する不安と恐怖(その7)
■このシリーズを最初から読む方はこちらからどうぞ⇒物を手放すことに対する不安や恐怖に向き合う(その1)~どこから始めたらいいの? という不安。
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後悔するのが怖くて、ガラクタを捨てられないときの考え方を紹介しました。
よく、「捨てて後悔したもの」という記事がありますが、私の場合は特にありませんでした。
過去記事に書いていますが、娘の鼻用のパックの箱を捨てた時、中身が入っていたと言われたので、買い直したことがありましたが、心理的にはそこまでダメージを受けませんでした。
「娘は、ああ言ってるけど、本当に中身が入っていたのか? 入っていなかったんじゃないの?」と思っていましたね(今もそう思っています)。
それに、捨てたあと、後悔したって別にいいんです。失敗から学んで次に行くだけですから。
後悔することを恐れて不用品を捨てない選択するより、思い切って捨てたほうが、たとえ、あとで後悔することがあったとしても、全体的に見ると、よい人生になります。
ガラクタを持ち続けていると、複雑で重い人生になりますから。