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このブログでは、毎日のように「不用品は捨てたほうがいいですよ」と書いています。では、なぜそうしたほうがいいのでしょうか?
断捨離をよく知らない人、最近、ミニマリストに興味を持った人のために、改めて、いらない物を捨てる意義と、持たない暮らしの始め方をお伝えします。
意識しないと物はどんどんたまっていく
私は小津安二郎の映画が好きでたまに見るのですが、彼の映画の中に出てくる部屋には本当に物がないですね。
別に映画的演出のせいで、物がないのではなく、昔はどこもあんな感じだったのだと思います。
家は全般的に小さかったのですが、人々の所持品が少ないのでとてもスッキリ暮らせていました。
私の両親が結婚した昭和30年代に入ったころは、小津映画のように、誰もがシンプルライフを送っていたはずです。
私の両親は、貧しかったので、私が生まれたとき、カメラを持っておらず、親戚に借りて、ほんの数枚、私の写真を撮ってくれました。
だから赤ん坊時代の私の写真は5枚程度。そのうち2枚をカナダに持ってきました。
ところが、今はスマホで写真なんて撮り放題。まったくありがたみがありません。
カメラはほんの一例で、現代は、すべての日用品があふれています。値段も安いです。100均やアウトレットでびっくりするほど安く買えます。さらに、コンビニやネット通販もあり、ショッピングはとっても簡単です。
ある意味、家の中に物が増えてしまうのは、避けられないのです。「ふつうの家」はガラクタでいっぱいである確率はとても高いです。
だから、今現在、物をたくさん持ちすぎていていも、それは自分のせいではありません。ふつうに暮らすだけで、必然的にいらない物が増えてしまうのです。
一見、物がたくさんあることは、豊かさの象徴でもあります。しかし、以下のような重大な弊害があります。
物が多すぎるデメリット
物の多い家は、人が家族とだんらんしたり、休息するための場所というより、買い込んだ物を、できるだけ多く収納するための倉庫のような場所になっています。
倉庫の中で一番大事にされるものはおびただしい数の物であり、人間はその物の管理に追われるのです。
すると、集中力、気力、体力を奪われてしまいます。
物があるとストレスが増えます⇒物が多いとストレスがたまる7つの理由
家の中でやろうとしているすべてのことが、うまくいかなくなります。
家事も、勉強も、休息も、家族との語らいも、思い出にひたることも、将来の夢を見ることも。
人々は物の多さに困惑し、不安や不満を感じています。人によっては、お客さんを呼べないほどガラクタをためてしまい、気まずさや、罪の意識にもさいなまれます。
もちろん、いらない物を買い続けることは、無駄な出費も意味します。
生活をよくするために買った物のせいで、罪の意識を感じてしまうなんて、ずいぶんおかしなことです。
異常に物を持っている状態に麻痺している私たち
物が多すぎると、いいことなど何もないのに、物の多い状態でずっと生活していると、だんだん感覚が麻痺してきます。
ガラクタは視覚的ノイズ。よけいな刺激を受けているのに、すっかりそれが、いつもの風景の一部になってしまい、自分が無用な物を持っていることになかなか気づくことができません。
もし、あなたが、理由はわからないけど、不幸である、イライラする、満たされない、そんな気持ちを持っているのなら、原因の一つは、家の中に増えすぎた物たちのせいです。
物が多すぎると、その管理に追われ、時間も体力もなくなってしまいます。自分の本当に考えたいことを考えたり、やりたいことをやれないので、ストレスがたまってしまうのです。
そして、そのストレスを解消するために、さらに物を買ってしまいます。
買い物が止まらない人は、物が必要だから買っているわけではありません。ほしいとすら思っていないのです。
心の中に満たされない思いがあるから、買い物で埋め合わせをしています。
買い物が心の空白を埋める話⇒自分では気づかない。無駄遣いの根本的な原因とその対策。
この悪循環を断ち切るためには、まずはいらない物を捨てること。断捨離は人間らしい生活を取り戻す第1歩になります。
不用品を捨てるメリット
不用品を捨てれば、たくさんの物でがんじがらめになっていた心と体が少しずつ解放されます。
より心の平安が得られ、家事や仕事も進みます。毎日、スッキリとした気持ちのいい場所で寝起きをし、新しい1日をわくわくしながら迎えることができます。
余計な物がないと、暮らしやすくなります。必要なものはすぐに見つかり、日々の家事は簡単になり、時間もそんなにかかりません。
物を買ったり、メンテナンスしたり、収納したりといったあれやこれやに頭を煩わせることもなくなり、ストレスが大幅に軽減されます。
友達や親戚を自由に自宅に招待できます。家はもう倉庫ではなく、人間が暮らす場所になります。
これまでの生活の主役は、家の中にあふれる物だったのが、自分や家族が主役の座に復帰できるのです。
断捨離というと何かすごく革新的なことのように考えている人もいますが、単に、もともと私たちが送っていた人間らしい暮らしに戻るだけなのです。
どうしたら物を減らせるか?
少ない物を持ち、片付いた部屋で暮らすことは、単なる生活習慣です。不用品を捨てて、部屋の中を整えるのに、そこまで時間や努力は必要としません。
1日15分あれば充分です。それだけあれば、物に自分の部屋や生活を奪われてしまうことを防げます。
朝起きた時、出かける前、帰宅した後、いつも見ているテレビ番組の前後、コマーシャルの間、お風呂に入る前、寝る前など、ちょっとしたすきま時間を見つけて、さまざまな片付けをしてみてください。
たとえば、
●いらない物を捨てる。
●散らかっているものを所定の位置にもどす。
●やろうと思っていた用事を片付ける。
●読もうと思っていた書物を読む、そして捨てる。
1日15分、さまざまな片付けや処理を継続すれば、部屋は次第にきれいになっていきます。
捨てるタイミングはこちらにも書いています⇒ふだんの習慣に捨てる行動を紐付ける方法(プチ断捨離その9)
15分がとれない人は、3分でも5分でもかまいません。小さな片付けを楽しみながらやってください。
「捨てるなんてもったいなくてできない」と思う人も、私のブログを毎日読んでいただければ、「いらない物をためこんでおくほうがよっぽどもったいない」というふうに意識が変わっていきます。
出したらすぐに片付ける人になる
1日15分の片付けにプラスして、もう一つ、身に付けるとよい習慣があります。それは、「出して使ったら、すぐに片付けること」です。
片付けを後回しにしないクセをつけると、シンプルライフは加速します。
すぐに片付けられるように、それぞれの物にしまう場所を決めてください。小さな物は厳密に収納する場所を決める必要はありません。
これはだいたいこのへんに置く、というざっくりとした心づもりで大丈夫です。
部屋の中に散らかっている物は、すべて「片付けが終わっていない物」です。出して、使ったその直後に片付けるクセをつければ、床やテーブルの上に未完了の物が放置されることもなくなります。
物をちゃんと完了させることは、精神衛生にとてもいいので、ぜひやってみてください。
物事を完了させるメリットはこちら⇒梅雨で気分がスッキリしないあなたに~毎日5つだけ捨てて暮しを変える
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あまりに物が多いと、怖気づいてしまうかもしれません。ですが、毎日少しずつ片付けをすすめていけば、視覚的な達成感が得られるので、次第に、断捨離は加速していきます。
いらない物を捨てながら、気持ちが少しずつ軽くなるのを体感してください。