古い茶碗蒸しセットの箱

実家の片付け

こんまりメソッドか、ふつうの断捨離か?~実録・親の家を片付ける(11)

2014年の夏、暑い中、母と一緒に母のものを断捨離した様子をつづっています。きょうは実家を片付けるときにふさわしい断捨離の仕方と実際に私がとった方法をお伝えします。



実家の片付けにふさわしい断捨離方法とは?

実家の断捨離の仕方ですが、自分の家を片付けるのと同様で、大きくわけて、2つのやり方があります。

1.近藤麻理恵方式:カテゴリーごとに捨てる
2.場所ごとに捨てる

カテゴリーごととは、洋服なら洋服だけを、本なら本だけを集めて断捨離することです。こんまりメソッドでは「残すもの(ときめくもの)」を選び、ほかは捨てます。

こんまりは、「場所ごとに捨てるから、いつまでたっても片付かない」と言います。

確かに、物をカテゴリーごとに捨てようとすると、たとえば洋服なら、自分の持っているすべての洋服をどさっと出しますから、洋服のストックが目視できます。不用品の見える化ができるので効果的です。

たいていの人は「ああ、私、こんなに洋服持っていたんだ。これはいくら何でも多すぎる」と思うでしょうから。

何かを減らしたいとき、1番最初にやるべきことは現状把握なので、カテゴリーごとに「今の状態」を知ることができるこんまりメソッドはこの点にメリットがあります。

しかし、これで家の中全体の片付けをしようとしたら、相当時間がかかってしまいます。自分の部屋、1部屋だけなら、いいかもしれませんが。

私が母の家に滞在したのは、5週間ちょっと。一時帰国というのは、日本でしかやれない用事をいろいろこなす必要があり、いつも何やかやと忙しいです。

しかも滞在の半分以上、日本語を読むことも話すこともできない娘が一緒だったので、娘の世話もありました。

時間の制約があったので、こんまりメソッドはしませんでした。

でも、これでよかったと思います。というのも、こんまり方式は、本人に「どうしても片付けたい」という強い動機付けがないと成功しないからです。

母の場合、そこまで「片付けたい」と思っていたわけではなく、私が「片付けたほうがいいよ」と言うので、何となくやっていたのです。私は「生前整理してもらおう」と思っていましたが、本人にそんな意識はなかったようです。

それに「持ってる洋服全部出してよ」なんて言ったら、洋服出すだけで、何日もかかっていたことでしょう。

断捨離は毎日朝の涼しいうちに30分前後やっていただけでしたから。






私が実際にとった方法は、ある時はカテゴリーごと、あるときは場所ごとに捨てる、というもの。現場主義とも言えます。

たとえば母が「これはもういらないわ」と古い財布を出してきたら、「もっと財布あるんじゃない?いらないポーチとかない?」と聞いて、同じものを出してもらいました。

またある時は、台所の流しの下の1つとか、天袋3つと場所を決めて片付けていました。

結局この方法でかなり物を捨てられたので、こんまりメソッドにこだわらなくても、物は次第に減っていくと思います。

近藤麻理恵のやり方についてはこちらをどうぞ⇒近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?

捨てる物がないか軽く聞いてみる

いつも私が「きょうは、何か捨てるものある?」と母に聞いていました。すると母は、たいてい「もうない!」ときっぱり言いました。

そんな時、私は「あ、そう」と言って、それ以上はプッシュしません。変わりに廃品回収に出すために、自分の本をしばったり、自分の部屋の掃除をしました。

するとたいていこのへんで、母は、

「そういえば、あれあれ、あれ、もう捨てるわ」と言って、何か持ってくるのです。

ある朝、持ってきたのは、もう使っていない炊飯器でした。

この日は、たまたまた炊飯器でしたが、最初に母が何をどこから持ってきたのか見て、それが入っていたのと同じ場所を片付けるように言ったり、その品と系統が似ている物を捨てるやり方をよくしました。

なるべく自然な流れで、まるで掃除のついでであるかのように、断捨離するのが親と一緒に片付けるコツだと思います。

母が炊飯器を出してきた日に捨てたものは、以下のものです。

親の家の片付けシリーズを最初から読む方はこちらからどうぞ⇒実録:親の家を片付ける(1)~まずは自分のものをどんどん捨てる

古い炊飯器がきっかけで捨てられたもの

まず、こわれかけた古い炊飯器

古い炊飯器

昔家族4人のときに使っていた5号炊きの炊飯器。母は「昭和40年代の始めごろに買った」と言ってましたが、もう少し年代が新しいかもしれません。

昭和48年に父が亡くなり、家族3人になり、その10年後ぐらいに弟が家を出て、5号炊きの出番は完全になくなりました。

現在母はごく小さい炊飯器を使っています。もう家族が増えることはないので、この炊飯器は捨てました。

こわれているミキサー

こわれたミキサー
炊飯器ほど古くはないのですが、こわれています。考えてみると母はよくミキサーを買うのです。

なかなか「これだ」というミキサーに出会わないからだそうです。

なぜこわれているのに、持っているかというと、「付属品がいいやつだから」とのこと。ごまを挽く専用の刃とそれ用のガラスの入れ物が気に入っていると言うのです。

しかし、使ったあとはあまりありませんでした。これも捨てました。

一度も使っていない茶碗蒸しセット

天袋にはものすごく古いものも入っていました。これは母が新婚当時(昭和32年ごろ?)買ったもの。

古い茶碗蒸しセットの箱

見るからに古そうな箱

古い茶碗蒸しセットの箱

ノリタケの頒布会の品

当時、何1つ食器を持っていなかった母は、ノリタケの洋食器の頒布会に入っていました。それで届いたのがこの茶碗蒸しのセットです。57年持っていて、1度も使っていませんでした。

1度も使っていないのに中身はすごく汚れていました。もしかしたら一回ぐらい使ったのかもしれません。

古い茶碗蒸しセット

古い茶碗蒸しセット

頒布会は自分の好みでないものや、さしあたり必要でないものまで届きますからやっかいです。

この日は他に、なぜあるのかわからない大きな空き箱や、ミキサー用に母が作ったカバーも捨てました。

ミキサーとトースター用のカバーはこれ。
手作りのカバー2種

母の手作りです。昔使っていたトースター用に作ったものみたい。しかしもう本体はないのですよね。

カバーは、本体がなければ意味をなしません。

関連⇒なぜ日本人は何でも包みたがるの?今すぐ断捨離できる家の中のカバー類

母は結婚して10年後(推定)に1度引っ越しをしただけで、あとはずっと同じ家に住んでいます。これまで、所持品を見直す機会は特にありませんでした。

引っ越しをしない人は、3年ごとぐらいに意識して「引っ越しシミュレーション」をするといいと思います。ストックの棚卸しをして、現在の自分の暮しに必要ないものは捨てるのです。

*******

それにしても、57年間、1度も使ってないものをしまいこんでおくことにいったいどんな意味があったのでしょうか?

これは、旅行に行くとき、「もしかして必要になるかもしれないから」とありとあらゆるものをスーツケースに詰め込んで、出かけるようなものです。

飛行機に預けてしまえば重くないし、なんて思って。

けれども、普通の旅も、人生という旅も、持ち物はできるだけ少なく、軽くするほうがいいのです。その分、景色や、風物をより楽しめるのですから。





ハンバーガー健康とダイエットの敵~加工食品の3つの害を知っていますか?前のページ

根の治療から8ヶ月、歯の受難は続く~根管治療(6)次のページ歯

ピックアップ記事

  1. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…
  2. ムック・8割捨てて二度と散らからない部屋を手に入れる、発売しました。
  3. 筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付…
  4. 新刊『本当に心地いい部屋』4月14日発売のお知らせ:現在予約受付中。
  5. 新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」3月14日発売のお知らせ(現在予約受け付け…

関連記事

  1. 台所の天袋

    実家の片付け

    収納場所の多すぎる台所の悲劇~実録・親の家を片付ける(12)

    去年の夏、実家で母のものを母と一緒に生前整理した話をシリーズで書いてい…

  2. スマホでショッピング

    実家の片付け

    高齢の母親に無駄な買い物をやめさせる3つの方法

    73歳のお母さんが、いらない物を買いすぎて困る、というメールを読者のよ…

  3. おじいさんとおばあさん

    実家の片付け

    まだ元気で生きている親の家を片付ける4つの理由とは?

    母が1人で住んでいる実家に里帰りするたびに、自分の物や、母のものを捨て…

  4. 古い物

    実家の片付け

    何10年も誰も使っていないものを捨てられない母~実録・親の家を片付ける(19)

    長年一人暮らしをしている81歳の母の物を一緒に断捨離した体験を書いてい…

  5. 流しの棚

    実家の片付け

    吊り下げ収納?何でもぶらさげる母に資本主義社会の構図を見た~実録・親の家を片付ける(15)

    50代主婦の私が実家に帰り、81歳の母と断捨離した体験をつづっています…

  6. 服を断捨離

    実家の片付け

    洋服が捨てられない母をこんなふうに説得した~実録・親の家を片付ける(16)

    昨年の夏、母と一緒に実家で断捨離した様子を綴っています。今回は母の洋服…

新刊「50歳からのミニマリスト宣言!」

ムック:8割り捨てて二度と散らからない

ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。

 

8割捨てればお金が貯まる・バナー

ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」

「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)

筆子のムック(第5刷)

筆子の本、『書いて、捨てる!』

更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,810人の購読者に加わりましょう

新しく書いた記事を読む

  1. 1つ
  2. ガラクタの中にいる女性
  3. 通帳を見ている女性。
  4. 片付けている人
  5. 引っ越し荷物の梱包
  6. 服のチェックをしている人
  7. 車のハンドルを握る手
  8. 田舎を歩く女性
  9. 考え事をしている女性

筆子の本・10刷決定です

オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック

 

1週間で8割捨てる技術
 
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事

  1. キルトのベッドカバー
  2. 買い物
  3. プレゼンテーション
  4. ヨガをする人
  5. 野原で両手を広げて立つ女性
  6. 飾り物
  7. 靴がほしい女性
  8. 夏休み
  9. 片方だけのピアス
  10. 買い物中

過去記事、たくさんあります♪

PAGE TOP