引き出しの中のソックス

ミニマム思考

人一倍、損得勘定にこだわる人が、不用品を手放す気になる方法。

損得に敏感すぎると、誰も使っていないとわかっていても、物を捨てることができません。

「まだきれいだからもったいない」とか、「いつか使うかもしれないし」と言いながら、死蔵品を手放さないのは、「損をしたくない」という気持ちが強すぎるからです。

一番いいのは、日々の意思決定や選択を、損得勘定ベースでするのをやめることですが、いきなりは難しいでしょう。

このような人が、少しでも、うまく不用品に見切りをつける方法を紹介します。

まず、なぜ、損得にこだわると、断捨離がうまくいかないか、説明しますね。



損したと思いたくないから捨てない

人は、皆、損をすることが嫌いです。

得をしたときの喜びより、損をしたときのつらさや悲しみ、ダメージのほうが強く感じられます。

だから、できるだけ損をしないような行動に出ます。

心理学の世界では、この傾向をロス・アバージョン(loss aversion)とか、損失回避思考と呼びます。

詳しくはこちら⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

ロス・アバージョンは、とっさの、直感的で非合理な反応です。

私がこのブログに

「買った値段がどんなに高くても、押入れに置いておくだけでは、そのお金を、回収できません」

「いくら素敵な物でも、使ってなかったら持っていないのと同じです」

「持ち続けていると、管理するのに、お金、時間、心的エネルギーがいりますし、カビもはえるし、虫もわきます」

と、書いても、「え、でも、やっぱり、捨てるなんて、もったいない」と不用品にがしっとしがみつく人は、損得勘定に敏感すぎるかもしれません。

忘れてほしくないのは、「捨てるなんて損だ」と思っている人は、「損をした」という気持ちになることを避けようとしていることです。

実際に、損か得かは関係なく、損をしたと思うことが、いやなのです。





損得に敏感すぎる人の行動

損得勘定にこだわりすぎる人は、それが、自分にとって得か、損か、という判断基準を用いて、ふだんの選択をしています。

世の中には、ほかにもいろいろな判断基準があります。たとえば、善悪、好き嫌い、勝ち負けなど。

いろいろ考えあぐねて、最終的には、損得で決めてしまう人は、断捨離が苦手です。

自分の価値観を洗い出してみれば、損得に敏感かどうかわかりますが、もしわからないときは、自分の口ぐせを思い出してください。

何かが損だ、得だ、とよく言っていたり、「絶対、元を取りたい」と、元を取る話をよくしていたら、損得が最重要項目だと考えているかもしれません。

口ぐせが思考を表す⇒こんな口癖がある人は物を持ちすぎ。断捨離どきのサイン、6パターン。

セールや、値下がり商品を買うことに強い満足感を覚える人も、損得を重視している人と言えるでしょう。

こんなに安くなっているのに、買わないなんて、損だ⇒損は絶対したくない⇒べつに今すぐいるわけじゃないけど買っとこう。こんな行動を取ります。

新しいことになかなか挑戦できない人や、行動が伴わない人、つまり変化したがらない人も、損することに敏感です。

いらない物を捨てることは、きのうはしなかった新しい行動の1つです。

しかし、捨てるためには、きのうはしなくてすんだ意思決定をしなければなりません。

意思決定をすれば、間違える可能性が生まれます。間違えたくない、失敗したくない、という気持ちは、損をしたくない、という気持ちとよく似ています。

間違えたり、失敗したりすると、いま、自分が持っている物や状態を(それが何かは具体的にはわかっていないのに)、すべて失ってしまうと、感じているのです。

では、どうしたら、損得に敏感な人が、もっとさくさくと不用品を捨てることができるようになるでしょうか? 3つ、方法を提案します。

1.それなしで暮らしてみる

テレビや水切りカゴ、その他、「捨てたいな、でも、もったいないな」と思っている物があったら、その場から撤去して、別の場所にしまって、しばらく、暮らしてください。

お試し期間、トライアルタイムをもうけるわけです。

取り去ってすぐは、強い違和感や抵抗を感じるものなので、1ヶ月ぐらい試験期間をもうければいいでしょう。1ヶ月もすれば、たいてい、慣れます。

1ヶ月たって、大丈夫なら、捨てても「損した」とは思わないでしょう。

「やっぱり必要だわ」と思ったら、元にもどせばいいでのです。

台所の棚や引き出しにたくさん入っているタッパーや、お箸、スプーンなども、このやり方をすれば、はっきり、不用品だとわかるので、もんもんとすることなく、あっさり、手放せます。

2.もしなくなったらどうなるか、シュミレーションする

食器棚の中にたくさんある似たようなお皿や茶碗、たんすの中にある、これまた似たような服、下駄箱のはしっこに入れてある、ショップの袋。

中途半端に使ったまま、何年も放置してあるたくさんのノートやボールペン。

こうしたものが、今夜のうちになくなったら、明日の朝、自分はどう思うか、頭の中でシュミレーションしてください。

翌朝、なくなっていたら、あなたは補充をするために、すぐにアマゾンに注文するでしょうか? 店に買いに走るでしょうか?

いま、多くの店が休業しているはずです。店が開いてなくて、すごくあせるでしょうか? 店があいたら、すぐに買わなければならない、と強く思うでしょうか?

買う場所がないから、フリマアプリに出てないか、血眼になって探すでしょうか?

いまの自分が取りそうな行動を思い浮かべてください。

もし、すぐに買いに走らず、「あ、ないわ。棚にすきまがあいて、妙な気分だけど、なければないでなんとかなる」と思うなら、捨てても損をしたとは感じません。

部屋にあふれている物たちの多くは、なければないで、なんとかなるものばかりです。

3.あえて損得勘定以外の考え方をする

いつも、損得で物ごとを決めている人は、あえて、それ以外の判断基準を使って、「これを捨てるべきか、とっておくべきか」決めてください。

たとえば、長期的に見て、これは損か、得か、と決めるのは、損得の部分は変わらず、タイムスパンを延ばすだけなので、やりやすいと思います。

すごく長期的な計画をたてる3つの方法(TED)

短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。

損得勘定で動く人は、ことあるごとに、損だ、得だ、と考えており、そう考えるたびに、脳内で、同じ神経回路が活性化して、その回路の結びつきがどんどん強固になっていきます。

つまり、いつも、同じ思考をしていて、それがごく自然な反応になっているわけです。

まあ、これが、その人のパーソナリティというか、キャラを決めるわけですが、これは考え方のくせにすぎません。

これまで、何十年も、その思考で来た場合、自然な反応を変えることは難しいですが、幸い、私たちは、考えることができます。

「損だわ、得だわ」と思っても、そのあと、おもむろにノートなどを取り出し、なぜ、損なのか、冷静になって、その理由を書き出してください。

なぜ、さしあたり使いそうにない、ショップの袋、30枚を、捨てることが損なのか?

その袋を捨てると、自分の人生がどうなるのか?

そんなことで、ぐだぐだ悩むより、もっと有意義な時間の使い方があるのではないか?

頭と紙とペンを使って、自分の損得勘定を検証してください。

物ごとの良し悪しは、一概には決められません。いつどんな立場で、どんな観点から見るかで、良し悪しは変わります。

損得も同じです。

損をしたと思えば、損だ、という結論になるし、得をしたと思いえば、得である、という結論になります。

その気になれば、損だと判断づける理由も、得をしたと評価する理由も、出せます。

「損だ~~~っ!」と思っても、実はそうではない、と考えることはいくらでもできるのです。

******

とっさの損得勘定で動いてしまうせいで、部屋がいつまでもきれいにならない問題を解決する方法を紹介しました。

人間、誰しも、損をするのはいやだし、後悔したくない、と強く思うものですが、その思考は、単に長年の考え方のクセかもしれないし、人間なら誰でも持っているバイアスのせいかもしれません。

損だ、損だ、と決定づけてしまう前に、そう考えてしまう自分の思考を疑ってください。

冷静に判断すれば、あなたの部屋にある物は、本当はそこにあるべき物ではない、とわかるでしょう。





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