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もう使わないことはわかっているけど、捨てられない。その理由を検証し、捨てられる考え方を伝授するシリーズです。今回は、ギフトについて考えてみましょう。
誰しも、贈り物は捨てにくいと思います。私でもそうです。
捨てられないと言っても、人により程度はさまざまです。年賀状から何から、人からもらったものは全部捨てない人もいれば、ある特定のときに、親からもらった物だけが捨てられないという人もいるでしょう。
最初に結論を書くと、ギフトでも、ものすごくがんばって手に入れたものでも、たまたま道で拾ったものでも、おまけでも、今の生活に不用なら捨てたほうがいいです。
なぜなら、多くの人が物を持ちすぎていて、貴重なリソース(時間、スペース、意識、お金)を不用品のために使っているからです。
もし今、捨てたいけど、プレゼントだから捨てられないなあ、と思っている物があるなら、次に書く考え方を取り入れてください。
1.捨てられない理由を深掘りする
まず、自分がそのギフトを捨てられない最大の理由を考えます。
多くの人は、「くれた人に悪いから」「失礼だから」などと言います。中には、特に何も考えず、自動的に、「贈り物を捨てるのは人の道にはずれることである」と考えている人もいるかもしれません。
どんな理由でも、その理由をもう少し掘り下げて具体的な言葉にしてみましょう。
くれた人に悪いとは、いったい何がどういうふうに悪いのか? どうして人の道にはずれるのか?
具体的に考えて、勝手な思い込みや、変な脚色を発見し、それを捨て去りましょう。
2020年に私の母は、たくさん布マスクを作って、私に送ってくれました。
まだ市販のマスクがこんなにいろいろ販売されていなかった時期のことです。
これらのマスクの大半を私はまだ持っていますが、そのうち捨てると思います(布なのでたぶん掃除に使う)。
でも、そのとき、「捨てるなんて母に悪いな」と思うかもしれません。
ここでさらに掘り下げて、「母が、よく見えない目と震える手で、夜なべして作ってくれたマスクだから、捨てるなんて申し訳ないのだ」などと言葉にするわけです。
実は私の母は、目の病気をしたあと手術をして前より視力があがり、私よりずっと目がよく見えるし、手も震えていません。
ところが、ギフトが捨てられないと考えるとき、多くの人が、こんなふうに相手の状況や心境を勝手に脚色して、そのギフトにものすごく重い意味づけをしています。
相手はもっと気軽に、適当に、ときには、自分の心理的ニーズを満たすためだけにかなり自分勝手に、プレゼントをくれたかもしれないのに。
重い意味づけを見つけたら、それをもっと現実的で、軽い意味づけに正してください。この時点でギフトを捨てられるかもしれません。
2.好意に報いるとはどういうことか
ギフトを捨てられない理由を考えたとき、「せっかく、くれたんだからその好意に報いなければ。捨てるのは相手の好意を否定する行動だ」と思ったとします。
実際、多くの人が、ギフトをもらったら、くれた人やその品物に感謝して、相手の気持ちに応えたいと考えます。
人間として当然です。
もし、あなたの「ギフトを捨てられない理由」がそれならば、いらない物を、気持ちの負担を感じながら持ち続けることが、相手の気持ちに応えることかどうか考えましょう。
相手の好意に応える方法は、何かをいやいや持ち続けることだけにとどまりません。
ほかにもいろいろな方法があります。たとえば、
・お礼(感謝の言葉)を言う
親が相手のときは、照れくさくて、意外としっかり「ありがとう」と言わないことも多いので、改めて、しっかり感謝の言葉を伝えます。
・まめに連絡をとる
相手に無沙汰を続けているなら、電話や手紙、メッセージなどを送って近況を伝えます。親が相手ならば、まめに連絡します。
・お返しの贈り物をする
相手の物が増えるので、私個人としては、お返しをするのはあまりいいアイデアだと思いませんが、相手の欲しがっているものや、すぐに消費できるものをあげます。
お茶や食事をおごるのは物が増えないのでいいのではないでしょうか?
・手助けをする
相手が何かで困っているなら、手助けをします。
・ともに時間を過ごす
ただ一緒に過ごすのも、多くの人に喜ばれます。
・話を聞いてあげる
ただ相手の話を聞いて、共感を示すことも多くの人に喜ばれます。
このように、感謝の気持ちを表す方法は、ほかにたくさんあるわけです。いらない贈り物をずーっと押入れに入れておくことだけが、相手の好意に報いる唯一の方法ではありません。
3.罪悪感は捨てて現実的になる
多くの片付け本には、ギフトはそれをちゃんと受け取って、相手にお礼を言った時点で、役目を果たし終えているので、そのあとは自分の裁量で、自由に処分してもいいですよ、と書いてあります。
私もそういうことを書いています。
しかし、役目を果たし終えていようといまいと、いらないギフトまで、後生大事に持っていたら、暮らしが不便でしょうがありません。
四の五の考えず、ここは現実的になって、不用ならそのギフトを処分しましょう。
相変わらず、片付け本はたくさん出ているし、遺品整理サービスも、リユースの市場も拡大しています。
多くの人は、家の中に物がありすぎて困っているわけです。
それならば、自分が選んだわけではない不用なギフトは、真っ先に処分の対象になるべきではないでしょうか?
物が多すぎると、何が問題なのか、ピンとこない人はこのブログの過去記事を半年分ほど読んでいただくか、著書をごらんください。
4.このまま持ち続けてどうしたいのか?
物に思い入れが強いタイプで、現実的に考えるのが苦手なら、近い将来を想像してみるのもいいでしょう。
このままいらないギフトAやBやCを持ち続ける自分の生活は3年後、5年後、10年後にはどうなっていると思いますか?
私と同世代なら、近い将来、生活を縮小する必要に迫られるので、まだ体力のあるうちに、不用品は捨てておいたほうがいいです。
子供のいる30代なら、子供がだんだん大きくなって個室が必要になったときのことを考えてみましょう。
持ち家で、収納スペースがたっぷるある人は、「持ち続けても大丈夫」と思うかもしれませんが、時間や心理的な代償があることを忘れてはいけません。
収納する場所があるから、捨てなくてもいいんじゃない?~捨てない言い訳(その2)
そもそも、なぜあなたはいらないギフトを、未来永劫(もしかしたら死ぬまで)持ち続けたいのでしょうか?
家に物がたくさんあってストレスを感じているのに、不用なギフトをこれから何年もキープしたいその理由を、ぜひ、私に教えてください。
5.捨てるから見えることもある
感情的な折り合いがうまくつかないときも、ちょっと捨ててみると、「ああ、捨てるとこういうふうに身軽になるんだ。だから筆子は捨てろと言うんだ」と気づくことがあります。
そのギフトを捨てなければならない説得力のある理由があってもなくても、少し捨ててみてください。
具体的なやり方を書いておきますね。
簡単なギフトから捨てる
ものすごく重い意味のある贈り物ではなく、もっとカジュアルなギフトから捨ててみましょう。
町内会の福引でもらったタオルやティッシュなどはどうでしょうか? 捨てても、体制に影響は全くありません。
大昔、誰からもらったのかわからない雑貨なども簡単に捨てられるでしょう。元彼・元彼女からもらった物も、このさい捨ててしまうと、もっと前を向いて生きることができます。
スペースを制限する
いらないギフトをたくさん持っている人は、引き出しなど、専用のスペースを作って、そこに入る分だけをキープし、残りは捨てましょう。
スペースを制限するときは、できるだけ狭めに設定するのがコツです。
入れる場所があると、中身はその分だけ増えます。
返品
わりと最近もらったギフトなら、お店に返品できるかもしれません。アマゾンなら返品できると以前、読者から聞いたことがあります。
なんでも書くノートを書き続けたら自分の行動パターンに気づいた。 「いらないプレゼントは返品している」の箇所参照
気心が知れた相手なら、本人に返すのもありです。私も、今回、実家で、母が作ってくれたマスク2枚を、「もう使わないから」と返しました。
もちろん誰かにあげたり、メルカリで売ったりしてもいいです。
気持ちの負担が少ない方法を選んで、小規模な処分を始めてください。
もっと贈り物に関する記事を読みたいならまとめ記事からどうぞ⇒プレゼントに関する記事のまとめ:捨て方、断り方、選び方。
このシリーズを最初から読むなら⇒いらないのに捨てない言い訳をしている自分に気づいたらすべきこと(その1)。
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贈り物に対する考え方を変えるすすめを書きました。
贈り物を処分するとき、多くの人は、罪悪感を感じます。
でも、罪悪感より感謝の気持ちをもってください。
誰かがあなたのことを思って、何かをくれたのですから。