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買い物したいだけのもの(ウォンツ)と本当に必要なもの(ニーズ)をどうやって見分けたらいいですか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。差出人はcanaさんです。ややメールが長いので、私のほうで小見出しを入れました。
買いたい気持ちが止まりません
件名:物欲の止め方について
はじめまして、canaと申します。
いろいろな片付け系・インテリア系のブログや本を読んでいますが、筆子さんのどこか達観したような雰囲気が読んでいて気持ちよく、よく拝見しています。
不用品を捨てることができるようになった
恥ずかしながら、元汚部屋の住人です。
数年前にお金を払って(業者に頼み12万円ほどかかりました)一掃し、小さなリバウンドを繰り返しながらも、今はなんとか1時間程度準備をすれば友人・知人を部屋に招ける状態をキープできています。
引っ越しを機に、もっとスッキリ暮らしたいと思い、断捨離を進めていたのですが…筆子さんのブログに出会い、まだまだ捨てが足りなかった!と加速中です。
例えば、今までは「捨てる」と思いつかなかったブランドバック。色あせてきたソファに「新しいソファカバーを…」と思っていたのですがソファ自体を捨てました。ずっととっていた昔の携帯電話も捨てました。
こんな感じで、今までの「捨て」から、一歩進めた気がしています。
筆子さんのおかげです、ありがとうございます。
高価な物を欲しくなってしまう
ここからが質問(相談?)なのですが…
私が断捨離をしている理由は、「すっきりした部屋で、快適に暮らしたい」から。というシンプルなものです。(人をお招きしたときに、”ちゃんとしているね”と思われたい見栄もあります。元汚部屋住人のコンプレックスかもしれません。)
「快適に暮らしたい」の延長で、ベッドを買い替えたい、寝具を買い替えたい、とかなり高価な買い物欲が止まりません。
人に見せる家具ではないので、見栄とも違う気がするのですが、もしかして、本当に必要ではないのに、どこか「いいもので快適に暮らす」という風潮に流されて、自分の物欲を肯定しているだけのような気もしています。
”買い物”をするために、自分を自分で説得しやすいモノを選んでいるような。
こういった、一見「必要そう」とか「やっぱり寝具にはお金かけないとね」といった考え方は、どのように制御すればよいでしょうか。
そもそも、買い物したいだけ と 本当に必要 はどのように見分けをすればいいでしょうか。ないと暮らせない、ということを”必要”とするのであれば、なくても今のベッドで眠れています。
しかしながら、私の目標は「快適な暮らし」で、そのためにはベッドが必要な気がしてしまう・・・という堂々めぐり中です。
(数年くらい、具体的に商品を決めて半年くらいはずっと欲しいので、30日間ルールはクリアしています。また、私は筆子さんのように床と木枕では寝られそうにありません。たまのキャンプで床が固いのが苦痛なので。)
とりとめのない質問になってしまいましたが、アドバイスいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
canaさん、はじめまして。
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
ニーズとウォンツの違いとその中間
買い物したいだけ と 本当に必要 はどのように見分けをすればいいでしょうか
本当に必要なもの(ニーズ)は、これがないと生きられないもの、と私は考えています。
なので、canaさんがいま欲しいと思っている、新しいベッドや新しい寝具はウォンツ(欲しいもの)です。なくても、いま生活できているわけですから。
ニーズとウォンツの区別はこちらに書いています⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
しかし、欲しいものを買っちゃいけないわけではありません。むしろ、買わないと人間らしい生活ができないでしょう。
ギリギリ生きていける物だけで生活するのは、うるおいがないので楽しくありません。
まあ、世界には、ギリギリの物しか持たざるを得ず、それすらも持てない人もたくさんいて、そういう人たちも、毎日生きています。
人間には、想像力があるので、頭の中で楽しいことを考えることができれば(希望を持つことができれば)、そういう生活でも生きられます。
物はなくとも、家族や近所の人とふれあったり、自然に親しんだりして、毎日小さな楽しみを見つけながら。
しかし、物やサービスに容易にアクセスできる人は、暮らしを豊かにしてくれそうな物を所有するのが自然な流れです。
上でリンクした記事にも書いていますが、私は、ニーズとウォンツのあいだに、そのどちらにも入らないものを1つ入れています。
1)生きるのにどうしても必要なもの(ニーズ)
2)生活するために持っているべきもの(ニーズとウォンツの中間)
3)欲しいもの(ウォンツ)
canaさんにとって、新しいベッドやシーツが2番に入るものなら、迷わず買ってください。
それは自分で決めることです。
「生活する」の「生活」は人によって定義が違います。筆子にとっては、ベッドもシーツも不用ですが、canaさんにとって、自分らしい生活をするのに必要なら持っているべきものです。
物欲と向き合う
一見「必要そう」とか「やっぱり寝具にはお金かけないとね」といった考え方は、どのように制御すればよいでしょうか。
物欲を抑え込もうとするのではなく、その気持ちに向きあってください。いまの自分が何を考えているのか、それについて自分はどう思っているのか、少し感が手てみては?
同様のことを別の方の質問の回答にも書きました⇒高かった服を捨てるのはお金を捨てるような罪悪感があり、捨てられません。
堂々めぐりをしているとのことなので、私のほうからいくつか質問します。
どうして寝具にお金をかけなければらないのですか?
今のベッドのどこが問題なのですか?
新しいベッドを買うことで、どんな問題が解消されるのですか? それはcanaさんの人生にとってどんな意味がありますか?
私の娘は18歳のとき家を出るまでずっと子供時代のベッドに寝ていました。サイズも小さかったし、マットレスのクッションもへたっていたし、マットレスの下の木の部分も割れていました。
こういうベッドでも寝られますが(娘は意外に愛着を持っていた)、睡眠は大事なので、健康のことや暮らしの質を考えれば、買い替えたほうがいいです。
いまのベッドに特に問題がないとしたら、新しいベッドを買うことが、canaさんの人生にどんな価値を与えてくれますか?
なぜ、いまそういう価値を得たいのですか?
それはcanaさんにとってとても重要なことですか?
そもそも、canaさんのいう「快適な暮らし」はどんな暮らしですか?
いまは、快適じゃない暮らしをしているのですか? どうしてそう思うのですか?
紙に書き出すといいですよ。
物欲に振り回されない生活をするには?
ふだんから、買い物や買ったものに対して意識を向けると、物欲に振り回されにくいです。
以下の3つのうち、ピンと来たことをやってみてください。
1.それは自分の人生に価値を与えるのか?、調べ
それを買うことで、自分の人生がどんなふうに変わるのか、買う前に考えてください。
買っても買わなくても、何も変わらないもの(買っても、何の価値をもたらさないもの)、買うとかえって害になるものは、欲しいと思っても買わないほうがいいです。
何かを買ったらログをとって、それが、自分の人生をどんなふうに変えたかときどき振り返るといいでしょう。
買いっぱなしにしない、ということです。
いま、自分はどんなふうにそれを使っているのか、それは真の意味で自分の暮らしを豊かにしてくれているか、それに対して自分は感謝しているか?
買い物日記のすすめ⇒買い物習慣を変えるために買い物日記をつけてみては?
2.いま持っている物をしっかり使ってみる
縁あって自分のもとにやってきた物(自分で選んで買ったのだと思いますが)とじっくり付き合ってください。
平たくいうと、「物を大事にする」となります。
以前、しっかり吟味して財布を買っても、すぐに次の財布が欲しくなってしまう、という方の相談に答えたことがあります⇒どうしたら、同じ物を長く大事に使えるようになるか。
「2.すでに持っている物に感謝する(練習をする)」のところで、メンテナンスすることをすすめています。同じことをやってくだあし。
今使っているシーツ、穴があいていたりするのでしょうか? 繕う(つくろう)という手もありますが。
3.予算を組んで制限する
canaさんは、欲しいと思った物はなんでも買える状態にあるのかもしれません。
それでも、ある程度、予算を立てて、特定の物だけにお金を使いすぎないようにしたほうがいいです。
家具は高価なので、日常の生活費から出すのではなく、特別支出用の枠をあらかじめ作っておいて、その範囲内でやりくりするようにしてはどうでしょうか?
予算という制限を作っておけば、考え直す機会がもう1つ増えます。
なまじ、経済的な余裕があるから、どんどん物を買ってしまい、結果、汚部屋になる、という人も少なからずいらっしゃいます。
お金が余って余ってしょうがない、という状況なら寄付してください。
ためこまず、社会に還元していったほうがいいです。
基本的な予算の立て方⇒経済観念のない人がお金を貯められる人になる8つのステップ
物欲に関する過去記事もどうぞ
すぐに物が欲しくなる私。どうしたら物欲がなくなりますか?←質問の回答。
ショッピングが止まらないあなたに伝えたい。物欲を否定せずに向き合う方法、金子由紀子流。
浪費が止まらない人に送る、物欲にふりまわされない5つの考え方
自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)
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今回は、買い物に関する質問に答えました。
ニーズとウォンツのあいだにある物の見極めは難しいかもしれませんが、正解や不正解はありません。
あまり完璧主義にならずに、真の意味で自分の人生をよい方向に導くもの、自分のためになるものを選んでいくとよいでしょう。