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生きがいを見つけたい人の参考になるTEDトークを紹介します。
タイトルは、How to Ikigai (いかに生きがいするか?)ミュージシャンで「生きがいスピーカー」として有名な、Tim Tamashiro(ティム・タマシロ)さんの講演です。
生きがいは、日本語ですが、幸せや平穏を見つけるための日本の哲学として、ikigaiという言葉で、英語圏で知られています。
タマシロさんは、あえて、「生きがいする」と動詞で使っているので、記事のタイトルも、「生きがいする」としてみました。
生きがい、TEDの説明
Have you ever wondered what your purpose in life is? Tim Tamashiro delights us with a journey into the discovery of Ikigai, a treasure map for finding one’s own happiness. Ikigai originates from Okinawa, the birthplace of Karate and home to one of the highest percentages of centurions in the world. Take the first step in discovering your own Ikigai, and earn your yellow belt in finding your purpose.
人生の目的を考えたことがありますか?
ティム・タマシロは、生きがいを見つける旅について教えてくれます。それは、自分自身の幸せを見つけるための宝の地図
「生きがい」は沖縄発祥の言葉です。そこは、空手が生まれたところであり、世界でももっとも100歳以上の人が多い場所の一つ。
自分の生きがいをみつける最初の一歩を踏み出し、目的を見つける黄色帯を獲得しましょう。
収録は2018年、動画の長さは13分。自動生成の英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。
生きがいはもともと日本語なので、内容はとてもわかりやすいと思います。
生きがいは宝の地図
きょうは生きがいという言葉について学びます。
この言葉の一番いいところ、まずは見た目が素敵ですよね。
さらにこの言葉は宝の地図のようなもの。
この地図があれば、自分自身のよいところを見つけ、それを世界にシェアし、世界があなたに、「ありがとう」とお礼を言ってくれる。そんなことができますよ。
ただ、やるべきことがあります。ワーク(Work)しなければなりません。
私は以前、ジョブ(job、仕事)をしていました。ラジオのホストです。楽しい仕事でしたが、やめました。
ジョブをやめてワークにフォーカスすることにしたんです。
ジョブは雇われて、お金を得るためにやること。
ワークは、ある結果、たとえば、製品や目的、意味のあることを得るためにすること。
去年、私は、わくわくできることや楽しいことをすることを心がけました。それが私のワークでした。
オレゴンに旅行し、日食を見ました。
アイスブレーカー(砕氷船)にも乗り、あちこち1人で旅行したり、家族や友人と旅行しました。
ドミニカ共和国に行き、人々が家を建てるのを手伝い、ドキュメンタリーを撮影。小さなプロジェクトもしました。ポッドキャストをしてみたり、ミュージカルの脚本を書いたり、Facebookでライブトークをしたり。
沖縄を訪れた
でも、一番すばらしかったのは、家族で、はじめて日本の沖縄に行ったこと。
沖縄は重要な場所です。私の祖父母が生まれた場所だし、「生きがい」が生まれた場所でもあります。
ずっと何か特別なことをしたいと思っていましたが、「生きがい」をすることがそうだったのだと思います。
ところで、沖縄は世界でも、100歳以上の人が一番多い場所の一つです。
家族とのつながりがあり、生きがいの場所でもある沖縄は私にとって本当に特別なんです。
沖縄へ行き、生きがいについて世界中に伝えたいと思いました。
空手を生んだ沖縄
沖縄から来たものにもうひとつ、「空手」があります。
空手は、なにもないことを示す「から」と手を意味する「て」からなる言葉です。
つまり、何もない手ということ。
1609年、日本軍が沖縄に侵入したんです。当時、沖縄は琉球と呼ばれていました。
簡単に言うと、日本軍が勝ち、沖縄の人に「武器を手渡せ」と言ったのです。沖縄の人は、「べつにいいぞ、俺たちの手が武器だから」と言いました。
すでに空手を発明していたんです。空手という言葉は使っていませんでしたが、沖縄には、防衛するための特別な方法がありました。
後になって、第二次世界大戦のとき、沖縄で熾烈な戦いがありました。
このときは、アメリカ軍が日本軍と戦いました。
アメリカ軍が勝利し、以来、沖縄に駐留しています。
この戦いをしたとき、アメリカ人は、はじめて空手を見て、興味をもち、学び、後になってアメリカに持ち帰りました。
そこから空手はどんどん広がり、今や誰でも知っていますよね?
生きがいの意味するもの
沖縄から来たもうひとつのコンセプトが生きがいというわけです。
生きがいも2つの言葉からなっています。「いき」は人生、「がい」は目的。
生きがいは人生の目的。すてきな言葉ですよね?
生きがいには4つの要素があります。1.自分が愛することをしろ、2.自分が得意なことをしろ、3.世界が求めていることをしろ、4.やりがいのあることをしろ。
どれもシンプルですが、難しいことです。
生きがいの黄色帯
空手と同じように生きがいも、習得のレベルによって帯を獲得できると思います。
生きがいも、どこかで始める必要があるんです。実は、私は20歳のとき、生きがいの黄色帯を獲得したと思います。
このとき、実家に住んでいました。ある日、ベッドに横になって、自分について考えていたんです。
「これから人生で何をするか? どんな楽しいことをするか?」
就職する気はなく、ワークにフォーカスしたいと思っていました。
そして、突然思いついたんです。音楽の学校へ行こうと。
実際にそうしました。音楽の学校へ2年通い、そのときから、音楽が私の人生そのものになりました。
レコード会社で働いたり、ジャズのアルバムを6枚発売したり、世界中で演奏したり。
CBCラジオでは10年のキャリアがあり、週に6日働き、毎週70の物語を書きました。
すばらしいキャリアです。
私の生きがいとは?
でも、あることに気づきました。
確かに楽しくやってきたけど、なぜそうしたのかはわかっていなかったと。
やりたいことや好きなことはわかっていたし、得意なこともわかっていた。でも、なぜ、そういうことをするのか、なぜ、世界がそれを必要とするのかはわかっていませんでした。
だから、去年、自分の生きがいについて考えたんです。そして、自分の生きがいを2つの単語で表しました。
私の生きがいは、喜ばせること(to delight)なんです。
楽しませたい。だから、毎日出かけて、スーパーの店員と話したり、ステージで歌ったり、ラジオの仕事をしたりTEDで皆さんにお話をしたりします。
自分の喜びを世界に投げかけ、お返しを受け取る。
副業を始めてみる
皆さんは、じゃあ私の生きがいは何だろうと思っているでしょうね。
生きがいを知るためのヒントをお教えします。
まず、パートタイムで初めてください。パートタイムの生きがいなら、手に届きます。
1日のうち、特に何もしていない時間が2セクションあります。それは最長8時間。1日5時間から9時間はワークに従事できるんです。
だからパートで始めるべきです。
好きなこと、得意なことを見つけ、気がすむまでやってみましょう。
方法はいくつかあります。
副業(side husle)でもいいし、時々人助け(side helpful)でもいいです。
今、たくさんのミレニアルが副業をしていて、なんと50%もやっています。
なぜ、彼らは副業をするのか? 自分な得意なことや、好きなことをできるから副業するんです。
パートの生きがいが、フルタイムの生きがいに発展する可能性もあります。少しばかりお金を稼ぐのは悪いことではありません。
人のために何かする
お金を稼ぐことが生きがいにつながらないなら、人のために何かをすればいい。
エール大学のローリー・サントス教授は、幸福学(The Science of Well-Being)という授業を教えています。
この授業では、いかに私たちが、自分を幸せにすることが苦手か教えてくれます。
つまり、お金、仕事、外見のよさ、大きな家などは、自分の幸福レベルにたいして影響を与えないんです。
影響を与えるのは、親切にすること、瞑想、時間がたっぷりあることです。
自分の時間をつかって、好きなことをすること。友人や家族とともに過ごすこと。
生きがいは行動です。動詞です。何かを生み出す、喜ばす、豊かにする、与える、教える、癒やす、つながる、築くこと。
これらの言葉にピンと来た人は、手をあげてください。黄色帯をあげますから。
自分が得意なこと、好きなことを知れば、黄色帯を獲得できますよ。
生きがいの方程式
生きがいは数学の方程式のように、はっきりしています。
生きがいイコール時間がたっぷりあることプラス自分の才能を与えることプラスお返しに受け取ることです。
しかも、何度もできます。何度もやっているうちに、どんどん豊かになります。
意味のある人生は、自分が行くべきだと感じる目的地ではありません。
意味のある人生は、自分が今、楽しめることであり、そうしたいときにいつでもできること。
日々の小さな楽しみは、生涯の喜びになります。やりたいことがわかったり、好きなことをしたり、得意なことををするチャンスを得たら、生きがいが輝きだします。
そうしているうちに、黒帯を獲得できるんです。
意味のある人生にするためには、ワークをたくさんしなければなりません。
でも、もうわかっていますよね。ワークをする価値があるのだと。
今、みなさんは生きがいという地図を手に入れました。ぜひ、生きがいをしてください。
////抄訳ここまで////
補足
琉球侵攻(りゅうきゅうしんこう):1609年、天下統一を目指していた豊臣秀吉が率いていた薩摩藩が、琉球王国に対して行った軍事行動のことです。
空手:Wikiによれば、空手は琉球王国発祥の拳足による打撃技を特徴とする武道。
ローリー・サントス教授の「幸福学(The Science of Well-Being)」は、Courseraで、無料で受講できます⇒The Science of Well-Being | Coursera
以前紹介したローリー・サントスのTEDトーク⇒私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)
Ikigaiの本はいろいろ出ています。こちらは世界で200万部も売れた生きがい本のベストセラーです。
生きがいに関係のあるTEDトーク
なぜ人は自分が本当に求めている物を追求しないのか?(TED)
言い訳を作り出してしまう私たち:あなたに夢の仕事ができない理由(TED)
悲観するな! 年を取ることを冒険だと思って楽しもう(TED)
幸せになるだけが人生じゃない。生きる意味が見つかる4つの柱(TED)
死を前にして何を思うか? ある救急救命士による臨終の告白(TED)
パートで生きがい活動
生きがいの考え方って、ポジティブサイコロジーと似ていますね。
先々週紹介したTEDでも⇒もっと幸せになるシンプルな秘訣(TED)
幸せになる選択の1つに「好きな仕事をする」というのがあり、すぐに仕事を変えることができないなら、人助けに時間を使うといいという話がありました。
サントスさんは、1日のうちの少しの時間でいいから、生きがい活動を始めてみて、と言っています。
日中は仕事をしているので、朝か夜のフリータイムを使って、好きなことで稼いでみたり、ほかの人のためになることをしたりするといいのです。
今年1年、生きづらかった人は、今日から、自分が本当に好きなことをすることに時間を使ってみてください。
どんなに小さなことでもいいです。
「運気をあげるために」いやいや断捨離するぐらいなら、もっと楽しいと思えることをしたほうが気分がよくなります。
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ここから、TEDには全く関係のない昭和の話を書きます。
生きがいというと、私は由紀さおりさんの「生きがい」という歌を思い出します。
この歌、確か、NHKドラマ「祝辞」の挿入歌として使われていました。
有島一郎さんが、気が弱くて口下手の初老の会社員を演じていました。
結婚式のスピーチを頼まれて、一生懸命練習したのに、直前にスピーチした人が、全く同じネタを話したので、一瞬、何も言えなくなってしまうというストーリー。
実は私も、人前で話すのがすごく苦手なタイプ。まだ12歳だったのに、自分もこの会社員と同じ側に立っている人だと自覚しました。
今でも有島一郎さんの焦る演技をよく覚えています。
タイトルは忘れていたのですが、ネットで検索して見つけました。ちなみに、放映は1971年06月12日の土曜日。
このドラマの脚本は、山田洋次さん。
最近の日本のドラマは全然見ていませんが、昔のほうが、脚本も、演じている人もクオリティが高かったと思います。
子供のとき、こういうドラマを見られてよかったです。