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最近私が試している本を持ちすぎない方法をお伝えします。
何年も前から、本の断捨離をこころがけていますが、去年、紙本も電子書籍も若干増えました。
そこで、今年は本を買わない挑戦をしています。あわせて、手持ちの本も見直しており、亀の歩みではありますが、本箱の中身も次第にすっきりしてきました。
今回紹介するやり方は3段階に別れています。
1.それぞれの本がそこにある理由を考える
2.残す本を決める
3.残さない本は実際に捨てる
順番に説明しますね。
前準備:本を置く場所は1箇所に
もし本が家のあちこちに散っていたら、まずは一箇所(か2箇所)におさまるところまでは断捨離してください。
私の本は居間にある本箱と机の引き出しに入っています。
引き出しに入っているのは、その月のターゲット本(後述)です。
本の一般的な片付け方は過去記事をごらんください⇒本の捨て方。1年で320冊捨てました。
こちらは増やさない工夫です⇒苦労したからこそわかった本をためないコツ:ミニマリストへの道(62) 本箱の写真もあります。
1.なぜその本がそこにあるのか考える
本箱にある本すべてが、今の自分が好きで持ち続けている書物だとは限りません。本当に好きな本を残すために、それぞれの本がそこにある理由を考えてみます。
まず、本を「他人のための本」と「自分のための本」に分けます。
他人のための本⇒たぶん捨てられます
他人のための本とはたとえばこんな本です。
●人の顔を立てるために持っている本
本はたいてい自分で買うでしょうが、なかには子供のころ、親に買ってもらった本や人にもらった本、夏休みの課題図書だから買った本を持っている人もいるでしょう。
こうした本は現在の自分には用済みなので断捨離候補です。もちろんいまも熱心に読んでいるのなら別です。
読まないのに持っているのは、「お母さんに買ってもらったから捨てちゃうのは申し訳ない」といった罪悪感があるからでしょう。義務感から持っている本を捨てると、気持ちが軽くなります。
●誰かにあげるために持っている本
自分はすでに読んでしまったけれど、もしかしたら、子供が大きくなったら読むかもしれない、友だちや親戚の誰かが読むかもしれない、という理由で取ってある本です。
「いつか誰かの役に立つかもしれないから」というのは、捨てられないから思いつく言い訳であることが多いです。ですが、もし本当に誰かに読んでもらいたいのなら、「いつか」を待たず、いますぐ、読んでもらいたい人にあげてください。
●人に見せびらかすための本
本箱を見るとその人のインテリ度がわかる、なんて言われることがあります。難しげな本が入っていると、「わ~すごい」と人に賞賛されることがあるからでしょう。
本箱は知性の象徴だから、知性的な本を入れておきたい。こんな理由から取ってある本は見栄の産物ですので、今すぐ捨てられます。
見栄を張るワナ⇒貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
見栄を張らない方法⇒見栄っ張りをやめて身の丈に合った暮らしをする6つのヒント。
自分のための本⇒捨てられる本が多いです
自分のための本は、もう読んだ本、まだ読んでない本の2種類に分かれます。
●もう読んだ本
読み返す予定がないなら捨てます。
●まだ読んでない本
読む予定がないなら捨てます。
このようにシンプルに考えると本を捨てやすくなります。
とはいえ、「いつか時間ができたら読むかもしれない」と考えてしまう人は、簡単に割り切ることはできないかもしれません。その場合は次に行きます。
2.残す本を先に選ぶ
この先も自分の本棚に入れておく本を先に選び、残りを処分すると、本箱の中がかなりすっきりします。
最近の私はこんな本を残しています。
1)いま現在、参考資料として毎日のように参照している本
たとえば辞書、参考書などです。
電子辞書やアプリの辞書も持ってはいますが、紙で見るほうが好きなので紙辞書もよく使っています。
インターネットにある情報よりも、新しく、専門的な情報がのっていれば尚さらいいのですが、海外に住んでおり、あまり簡単に買い換えられないので、多少古いものでも持っています。
2)ふだんよく読んでいる本
いま現在読んでいる本や、もう読み終えたけど、たまに読み返す本です。月に1回程度開くなら、よく読んでいる本と呼べるかな、と思っています。
3)近い将来読む本
未読本ですが、この先読む予定のある本です。
ポイントは「近い将来」ということ。「いつか」「時間ができたときに」「老後の楽しみに」というのは数に入れません。
私の「近い将来」は「6ヶ月以内」ですが、これは人によって違うでしょう。
以前、本を140冊ぐらい持っていたとき、本箱の中にある本を全部読むのにどのぐらい時間がかかるか考えたことがあります。
本といっても、ページ数や内容にばらつきがあるので、読み終えるまでの時間はさまざまですが、1冊読むのに必要な時間は3時間とざっくり計算しました。
すると、全部読むのに420時間です。
現在の私の読書時間は日に多くて2時間なので、毎日せっせと読んだとして、すべて読むのに210日かかることになります。7ヶ月です。
「7ヶ月あればみんな読める」と思っていましたが、実際はキンドルに入っていた電子書籍を読むことが多かったので、7ヶ月後にも未読本がたくさんありました。
そこで最近は、月に何冊読むのか考えて、半年以内に読める冊数を割り出し、未読本はその冊数内でおさまるようにしています。
私は月に4~8冊ほど読みます。短い本も入れると10冊ほどでしょうか。すると半年で最高60冊です。実際はこんなに読めませんが。
紙本、電子書籍、オーディオブック合わせて、未読本は60冊まで持ってもいい、というゆるいルールをもうけています。60冊ってけっこう多いのですが、まだやり終えていないフランス語の問題集を入れると、このぐらいになってしまいます。
私の場合、本箱をスッキリさせるには「近い将来読む本」をいかに刈り込むかにかかっています。
まだやっていないフランス語の問題集は、「積ん読本消化プロジェクト」の対象にして、毎月1冊ずつターゲット本を決めてやり終えるようにしています。
4)愛読書
最後は愛読書です。友だちのような本といえます。折にふれて読む本や思い出のある本。卒業アルバムはここに入ります。
私の場合はこんなのです。
何でも捨てる私が暮しの手帖社の『すてきなあなたに』は断捨離せずに持っているわけ
「『奥さまは魔女』よ永遠に」は楽しすぎるから捨てられない~断捨離せずに持ってる本2冊め
ほかに、「刑事コロンボ完全捜査記録」なんて本も持っています。最近は「もう手放してもいいかな~」と思うこともありますが。
断捨離本ではカレン・キングストンの本は何度も読んでいます⇒『ガラクタ捨てれば自分が見える』で衝撃のスペースクリアリングに出会う~ミニマリストへの道(20)
このように、とりあえず今後半年は持っていようと思う本を先に決めてしまうと、不用な本があぶりだされます。
3.実際に捨てる
最後に、キープしない本を捨てます。
同時に、しばらくは新しい本をむやみやたらと入れないようにするとさらにいいです⇒本や雑誌を捨てられないあなたに、本箱チャレンジのススメ
以上のように、半年以内に読む本+よく参照する本+友だちみたいな本の3種類を残すことを意識して、本の断捨離に励んでいます。
今この記事を書くために本棚を覗いてみましたが、「おお、これはもういらない」という本が数冊見つかりました。
捨てるときの考え方ですが、自分がその本の何に執着しているのか考えてみると、うまく捨てられます。
エンターテイメントとして読む本は、読んだそのときに、役目をはたしています。
もちろん、2回め、3回めも読めば楽しいとは思います。ですが「新しい本も読みたい」となると、読み終えた本は順番に手放さないと本箱がいっぱいになってしまいます。
知識を授けてくれる本は、読めば自分という人間が少しグレードアップするような気がします。けれども、このような知識は、じっさいに自分の中に取り込み、行動に変換してこそ生きます。
読まないまま持っていてもしょうがないし、読んでしまったら、もう手放さないと、これまた新しい本を入れることができません。
1度読んだだけでは、何も頭に残らないから何度も読みたいという本以外は、読み終わったら手放したほうがいいでしょう。
しばらく前の私は本をたくさん持っていたので、いつのまにか「とにかく読んでしまわなければ」と何かに追われるかのごとく読書する形になっていました。
その前は、読む本は1冊だけにして、じっくり読んでいたのですが、電子書籍が登場してから、本は消費されていく大量のコンテンツの1つとなってしまったのです。
「これではいけない」と反省し、数をしぼるようにしたら、また丁寧に読書できるようになりました。
たくさん消費するのではなく、少しの本をしっかり読む道を行くことにしたのです。
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読者の方から、「筆子さんの本を立ち読みすると、買いたくなるから、絶対立ち読みしないようにしている」というメールをもらいました。
それはそれでいいのですが、「物の断捨離は、手持ちの物を全廃するためにやるのではない」ということをお伝えしておきます。
自分らしく生きるのを助けてくれる大事な物を持つために、不用な物を捨てるのです。
ミニマリストはレス・イズ・モアだと考えています。レスは「少ない」という意味で「全くない、ゼロである」という意味ではありません。
本にしても、とても気に入っている本は手元に残していいし、読みたいと思う新しい本を入れるのはごく自然なことです。