財布から1万円を出す人

お金を貯める

最終更新日: 2019.04.27

筆子がカード払いより現金払いを好む5つの理由。

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なぜ私が現金払いを好きなのか、その理由を5つ紹介します。

クレジットカードも持っていますが、ふだん、街なかでする日用品や食料品の買い物は、5年ほど前から現金を使うことにしています。

「時代はキャッシュレス」「ミニマリストは財布を持たない」「スマホを財布にしてから快適生活になった」という人も増えています。

ですが、お金を貯めたいなら、財布の中に現金を入れて持ち歩いたほうがいいと思います。

現金を使うとこんないいことがあります。



1.やはり現金のほうがお金をつかわない

どう考えても、クレジットカードを使うより、現金を使うほうが、お金を使いすぎません。

これは、私だけではないと思います。

クレカだとお金を使いすぎてしまう話⇒クレジットカードを使うとお金を使いすぎてしまう5つの理由

クレジットカードやデビットカードは、あまりにも支払いが簡単です。カードリーダーで、カードをスワイプしたり、ちょっと差し込んだりするだけです。

最近はタッチ決済というものもあり、カードで、画面をタップするだけで支払いができてしまいます(暗証番号の入力もないし、サインもしない)。

日本ではタッチ決済はまだ少ないと思いますが、カナダではタッチ決済がふつうで、100ドルまでなら、カードでぽちっとさわるだけで支払いできます(リミットが50ドルのカードもあるらしいです)。

ものすごく簡単ですが、逆に簡単すぎて怖いです。

ポチッとカードでタッチするのは、ほんの一瞬。一瞬で100ドル(わかりやすく1万円と考えてください)が消えます。

現金なら、財布に手をつっこんで、紙幣や小銭をさわって支払いをします。いままで、財布に入っていたものを相手に手渡すので、お金を使っている実感があります。

お金を出すとき、残りを目視することもできます。

人間は失うことが嫌う生き物です⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

現金を支払っているときは、しっかり、失っている感覚があるので、カードをタップするときより慎重になります。





2.お金の流れがわかりやすい

カードを使うより、現金を使うほうがお金の流れがわかりやすいです。

財布に3万円を入れて外出し、店やレストランで、支払いをして戻って、財布を開いたら、残りが8000円だったら、自分はその日、22000円使ったとはっきりわかります。

けれども、カードは、自分が支払うまでに、時間差があるので、自分がどのぐらい使って、いまどのぐらい残っているのか把握しにくいです。

もし複数のカードを使っていて、締め日(利用分が締め切られる日。ここまでの使用分を次の支払日に払います。というか、銀行から引き落とされます)と支払い日が違ったりすると、複数の締め日と支払い日がごちゃごちゃになり、わけがわからなくなります。

まあ、通常は、家計簿などにメモをしておくのでしょうが、よけいな手間と時間とエネルギーがかかるのは確かです。

カードの締め日や支払い日をちゃんと把握し、管理できない人は、やりくりべたな主婦や、自己管理できない人間だから、などと言われることもありますが、よけいな仕事が増えて、頭が疲れるのは事実です。

カードで支払いをしているとき、まったく頭を使わない分、あとで頭を使うことになるのです。

3.借金を作りにくい

現金は、手持ちのお金を使い切ったら終わりですが、カードは、そうではありません。

2番に書いたように、支払うまでに間があるため、カードを使ったとき、本当は借金をして、負債が増えたのに、脳はそういうふうに解釈しません。

まだ支払っていないから、まだお金がある、と思ってしまうのです。

「使っちゃった」とか「使いすぎたかな」と思ったとしても、まだ払っていないから、「どうにかなる」という、幻想がうまれます。

人は、なんでも自分の都合のいいように解釈する傾向があるので、「大丈夫、なんとかなる」と思ってしまうのです。

人間の楽観主義バイアスについて⇒楽観主義バイアスを知って、よりよい人生を生きる(TED)

すると、かなり負債が増えているのに、引き続き、カードで買い物を続けてしまったりします。

幸か不幸か、カードを使いすぎても大丈夫なように(カード会社から見れば、できるだけカードを使ってもらうために)、複数回払いや、リボルビング払いなど、支払いを遅らせるシステムも用意されています(借りる期間によっては高額の利子が発生)。

払うタイミングが遅くなると、利子の支払いをする可能性があがるのに、人間はそうは思わず、「まだ払わなくてもいい。大丈夫、なんとかなる」と思ってしまい、カードを使い続けてしまう人が何人もいます。

だからこそ、カード破産が問題になっています。

その点、現金は、3万円を使い切ったら、もう終わりです。次の給料日に銀行からおろしてくるまで、お金はどこからも出てきません。

なくなればそこで終わり。それ以上、うだうだとお金を使い続けることがないので、借金をかかえる危険性が、カードほどはないのです。

4.がまんする練習ができる

現金は、なくなったらそこで終わりなので、ほしい物があっても、それ以上買うことはできません。

「これ、素敵なトップスだけど、もう予算ないし、給料が出るまでがまんしよう」とあきらめざるを得ません。

実はこんなふうに思うときは、とてもありがたいチャンスなのです。いまの時代、貴重な「がまんする練習をするチャンス」です。

いま、部屋の中が物であふれていたり、クローゼットの中が洋服でぱんぱんになっていたり、食器棚の中が皿だらけだったり、どうでもいいコスメや雑貨で、洗面所の引き出しが開かないほどぐしゃぐしゃなのは、べつにそこまで欲しくない物をなんとなく衝動買いしてしまった結果です。

衝動買いするから、あとで、いろいろ苦労することになります。

なぜ、衝動買いするのかというと、売り場でがまんすることができないからです。

いや、むしろ、「最初から、がまんしない」と言ったほうがいいかもしれません。

「ほしいと思った物をほしいと思ったときに買うのが楽しいのよ、それに私は買うことができる。だって、クレジットカードがあるんだもん。何でも来いだ」。

こんなふうに思って、すぐに買うから、ガラクタがたまります。

確かにクレジットカードを使うと、お金の持ち合わせがないときも、楽に簡単にスマートにショッピングできます。

けれども、楽で簡単なことばかり追い求めていると、ガラクタがたまるだけでなく、自分で自分を律することもできないし、自分の頭で考えることもできない人間になってしまうのです。

がまんしないことが増えている話⇒短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。

5.罪悪感をかかえにくい

これまで見てきたように、クレジットカードを使うと、「苦労して働いて得たお金を、意味のある物やサービスに使う」という行動をしにくくなります。

すなわちそれは、衝動買いや無駄遣いが増える、ということです。

衝動買いや無駄遣いをしたあとに、セットでついてくるのは、ガラクタだけでなく、「ああ、なんでこんなもの買ってしまったのかなあ。私のバカバカ」という罪悪感と自己嫌悪です。

罪悪感は実に、いやな気分です。

無駄な物を買ったと、うすうすわかっていても、捨てるのはいやなので(人は物を捨てるのは嫌いです)、「いつか、そのうち何かに使うかも」と思い、ずっと持ち続けます。

そして、それを見るたびに、「ちゃんと使っていない」「ちゃんと活かしていない」「無駄にお金をドブに捨てた」という罪悪感を感じます。

このような罪悪感は本人の気分をとても重くします。自分では気づかないかもしれませんが。

試しに、その、「いつか何かで使うかもしれない物」を思い切って捨ててください。とてもスッキリして、心が軽くなります。このとき、はじめて、それまで自分の心がいかに重かったのかがわかります。

つまり、クレジットカードで物を買っていると、気分を重くしてしまう物が、続々と家に入ってきてしまうのです。

「私のバカバカ」という自己嫌悪の気持ちを何回も感じると、だんだん自分が嫌いになって、セルフエスティームが下がります。

セルフエスティームとは?⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

セルフエスティームが下がると、自信が持てなくなり、ますますどうでもいい物をカードで買います。すると、また「私のバカバカ」が始まり、また、自己肯定感が下がります。

現金を使っていても、無駄遣いするときはします。ですが、カードを使うときより、意味のある買い物をしやすいので、「私のバカバカ」も、比較的、避けられるのではないでしょうか?

関連記事もどうぞ⇒現金払いを2年4ヶ月続けて気づいた6つのメリット。貯金が増えます。

*****

今回は、私が現金払いを好きな理由を5つ紹介しました。

クレジットカード派の人は、「カードはポイントがつく。現金で買っていたら1円も安くならない」と言います。

ですが、いつもブログに書いているように、物を安く買えば、暮らしが充実するわけでもないのです。

この点については、以下の記事を読んでください。

なぜあなたはセールで買ってしまうのか? かえって損をするのに。

価格と価値の違いを知れば、余計な物も浪費も減る

それにクレジットカードのポイントは、たいてい、次の買い物を引き起こす引き金にすぎません。「得したわ」と思いながら、また意味のない買い物を重ねてしまうかもしれないのです。





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