サザエさんうちあけ話

ミニマリストの持ち物

捨てずに持ってる本もある~『サザエさんうちあけ話』の光と影

何でも断捨離するミニマリストの筆子がなかなか捨てられない本をご紹介します。それは

サザエさんうちあけ話』 長谷川町子



サザエさんとは?

サザエさんを知らない人っていますかね?

サザエさんのテレビアニメ、1969年の10月5日に始まり、今も続いていますね。実は筆子、第1回の放送を見ています。

多くの人にとって、サザエさんは、テレビで見るものかもしれません。ですが、筆子にとってサザエさんのまんがは本で読むものです。小学校の頃から大好きでした。

この本は、『サザエさん』の著者、長谷川町子がマンガで綴った自伝です。コミックエッセイの先駆けとも言えます。筆子が持っているのは、1979年に出たハードカバー。何度も読んだので相当汚れています。今は文庫本が出ています。

町子の子供の頃の話から、漫画家修行時代、仕事のこと、趣味の海外旅行のこと、家族のこと、病気になったことなどを、楽しいマンガと文章でつづられています。

筆子のサザエさんと、この本への思いを熱く語ってしまいますね。

まず『いじわるばあさん』に出会う

筆子と長谷川町子のマンガとの出会いは、小学生の時読んだ『いじわるばあさん』です。なぜか『いじわるばあさん』の4巻だけが家にありました。

このたった1冊だけあった『いじわるばあさん』を何度も読みました。

あまりに好きで、小学校高学年の時、カセットテープに自分の朗読を録音していたほどです。1人でまんがのセリフを朗読して、それをテープにとって、あとで自分で聞くというたいそう暗い遊びをしていました。

ちなみにカセットテープデッキは父親がデパートで子供むけの英会話の教則本とセットで買ってきてくれたものです。

カセットテープも英語も初めての出会いで、大きな衝撃を受けました。しかし筆子は英語の学習は全然せず、こんなことにデッキを使っていたのです。

ピアノの先生の家で『サザエさん』と出会う

小学校の5年ぐらいから数年間、筆子は隣の隣の家でピアノを習っていました。先生はこの家のおじょうさんで、芸大のピアノ科の学生さんです。

ここは地元では名の知られている電気関係の会社の社長さんのお宅。先生がまだ帰宅する前にレッスンに行くと、先生のお母さんが「これでも読んで待ってて下さい」、と「よりぬきサザエさん」をどさっと持ってきてくれました。

私は「サザエさん」のマンガが読みたくて、ちょっと早めにレッスンに行っていました。夢中になってマンガを読んでいると、先生が、階段をかけあがってきて、「5時半のはずじゃなかった?」などと聞いたものです。

筆子は無言で照れ笑いをしていました。

メイキングとして楽しめる、『うちあけ話』

そんなふうに、小さいときから『サザエさん』に夢中でしたから、『うちあけ話』は裏話や、メイキングものとして楽しめます。

特に好きなのは戦時中の話と生い立ち。町子のお父さんは早くに亡くなり、一家で福岡から東京に出てくるのです。長谷川一家は決して順風満帆ではなく、数々の苦労があったのです。

町子はずっと独身。お姉さんは、戦時中結婚しますが、旦那さんが戦死してこちらも独り身。

このお姉さんのことは昔、NHKで「マー姉ちゃん」という朝のドラマになりました。マー姉ちゃんは、町子のマンガの出版事業を手がけていました。

妹さんは結婚して2人の女の子をもうけますが、旦那さんが35歳で病死。

そこで、町子がマンガで稼いで建てた家に、お母さん、お姉さん、町子、妹、町子の姪(妹の子供)2人と女ばかり6人で長く暮していたのです。

かなり特殊な環境ですね。





暴露本?『サザエさんの東京物語』

サザエさんの本

2008年に町子の妹の洋子が『サザエさん東京物語』という本を出しました。妹の視点から見た、『サザエさんうちあけ話』とも言え、ある種の暴露本になっています。

『うちあけ話』が表なら、『東京物語』は裏なのです。

『サザエさんうちあけ話』は終始明るくて楽しい、数々の苦労はあれど幸せな家庭を描いているのに、洋子の話はそうではありません。

洋子は『うちあけ話』では「内気で大人しく要領がわるい末の妹」。ずっと姉たちと行動を共にしていましたが、60歳頃に自立を選び、そのことが姉たちを怒らせてしまいました。

洋子は自立後は出版社をおこします。

洋子は1920年生まれの長谷川町子より8歳年下だから、1928年生まれ。ということはこの本を書いたときは、80歳近く。その年齢にも驚きました。

お母さんが痴呆症になったこと、洋子が姉たちと仲が悪くなってしまったことを読むと、暗い気分になります。最後には、お母さんの入院と死、町子の死も出てきます。

町子の『うちあけ話』の方には洋子との確執は全く出てきません。お母さんの話は「算数をならった人に算数を教える」、という形で1番最後に出てきます。

マンガの最終ページは、(お母さんは痴呆症になってしまったけど、それも)「諸行無常、絵の展覧会でも見に行こう」と気晴らしに出かける町子とマー姉ちゃんのさっそうとした姿で、とてもポジティブな印象です。

『東京物語』の方は、ずっと「長谷川町子」の妹でいなければならなかった、著者のずいぶん遅い自立の書のようです。子供の頃の話では、姉への恨み節のようなところもあり、家族の業を感じさせます。

サザエさんファンとしては、この本もとても興味深いです。しかし、こちらは数回読んで手放しました。今キンドルで読めるので、ちょっと心がそそられています。

もしかしたら、洋子の書いていることが真実なのかもしれません。ですが、筆子は『サザエさんうちあけ話』を手元に残しました。

苦労や、困難はたくさんあったけれど、それを明るく楽しいマンガのエピソードに昇華している町子の方にひかれるのです。

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きょうこの記事を書きながら、あまりに何度も『サザエさんうちあけ話』を読んだので、内容はほぼ暗記している自分に気づきました。

もしかしたら断捨離するかもしれません。





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